平成21年新司法試験の出願者数の公表

法務省は2月9日、「平成21年新司法試験の出願状況について」を公表した。

出願者数等の推移

以下は、出願者数と、その内の修了者及び修了見込者の数の推移である。
かっこ内の数値は前年度比の増減数である。

  平成18 平成19 平成20 平成21
出願者数 2137 5401
(+3264)
7842
(+2441)
9734
(+1892)
修了者数 1076
(+1076)
3128
(+2052)
4956
(+1828)
修了見込者数 2137 4325
(+2188)
4714
(+389)
4778
(+64)

修了見込者数は平成19年度で大きく増加し、その後あまり増えていない。
平成19年度に初めて未修が参加したためである。
今後の修了見込者数は、ローの定員に依存する。
定員削減が行われれば、この数字は減少に転じることになる。

修了者数とは、前年に受け控えたか、不合格だった者の数である。
これは受験期間である5年の間は、滞留が続く。
そのため、その間の数字は増加し続けることになる。
平成21年度の増加幅が昨年より小さいのは、平成19年度に初めて未修が参入したためだろう。
19年度に大量に参入した未修が受控え、または不合格となった。
その者が、平成20年度の修了者として多くカウントされている。
今年度の特徴として、修了者数が修了見込者数を上回った点がある。
すなわち、受け控えまたは再受験者が、全体の過半数を占めることになる。
これは、修了見込者が初受験をするにあたり、大きなプレッシャーとなるだろう。
法科大学院定員削減の意味(2)」で紹介した北村委員の懸念が、現実のものになっている。

出願者数の増減は、修了者数と修了見込者数の増減の合計によって決まる。
新試験の開始から受験期間の5年を越えるまでの間。
すなわち、平成23年までは、修了者の滞留により、増加傾向が続くだろう。
しかし、その後は修了者数の増加は止まる。
他方で、定員削減により修了見込者数が減少傾向となってくる。
その結果、平成23年を過ぎると、出願者数は徐々に減少に転じることになるだろう。
もっとも、上記は予備試験を考慮していない。
予備試験の合格者数が増加すれば、当然出願者数はその分増加することになる。

男女比の推移

以下は、出願者における男女比の推移である。
但し、平成18年度分はデータがない。

  平成18 平成19 平成20 平成21
男性 --- 70.1% 69.7% 69.8%
女性 --- 29.9% 30.3% 30.2%

男性:女性=7:3でほぼ安定している。
女性が法曹を目指すにあたり、何か障害があるのか。
それとも、法曹を目指したいと思う女性自体が少ないのか。
その点は、この数字だけではわからない。

選択科目別の割合の推移

以下は、出願者の選択した選択科目の比率である。

  平成18 平成19 平成20 平成21
倒産 21.8% 22.3% 23.5% 24.0%
租税 5.2% 5.1% 4.8% 4.9%
経済 10.0% 9.5% 9.5% 9.6%
知財 16.8% 16.4% 15.2% 15.1%
労働 32.6% 31.3% 31.8% 31.6%
環境 5.0% 5.7% 5.8% 5.9%
国公 2.3% 2.0% 2.0% 1.6%
国私 6.3% 7.3% 7.4% 7.3%

選択科目ごとに顕著な差があり、それが固定化している。
また、平成18年度と平成19年度を比較してもほとんど差が無い。
これは、既修と未修とで科目選択の傾向に差が無いことを示している。
細かく見ていくと、倒産法が若干ではあるが、増加傾向にある。
倒産法は選択科目別合格率が最も高い(参照記事)。
そのため、人気を集めているという要素があるかもしれない。
ただ、倒産法は足切り率が高いという特徴もある(参照記事)。
その意味では、リスクも高い。
ある程度実力に自信のある者が選ぶ科目、といえそうだ。
それから、選択者が2%程度しかいない国際公法。
科目見直しの際は、この科目が標的にされやすい。

試験地別割合の推移

以下は、出願者の試験地別割合の推移である。

  平成18 平成19 平成20 平成21
東京都 62.6% 55.7% 54.3% 52.0%
大阪市 26.6% 23.4% 22.5% 22.6%
名古屋市 4.2% 6.0% 7.3% 7.7%
福岡市 2.1% 5.6% 6.0% 6.6%
仙台市 2.4% 3.7% 3.8% 4.2%
札幌市 2.1% 2.2% 2.1% 2.2%

平成19年度以降はほとんど変化がない。
平成18年度から平成19年度において、変化が生じている。
これは、主として未修の参戦による。
東京・大阪が減少し、その他が増加している。
未修を抱えるローは、地方により多いということができる。
今後定員削減や統廃合が生じてくれば、この数字にも変化が出てくるだろう。

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