「司法試験得点調整の検討」を出版しました

でじたる書房より電子書籍「司法試験得点調整の検討」を出版しました。
価格は税込みで945円です。

本書は、旧司法試験及び新司法試験の論文式試験において行われる得点調整(採点格差調整)について、具体的な数値や図表を用いつつ、その特徴や問題点等の検討を行ったものです。
全体のページ数は93ページで、PDF形式となっています。
法務省HPで公表された資料を見ても数式が複雑でよくわからない、という人に特にオススメの電子書籍です。

以下は、本書の一部抜粋です。


【目次】

はじめに

第1章 得点調整とは何か

第2章 得点調整によって生じる現象

第3章 足切りと得点調整との関係〜旧司法試験の場合

第4章 足切りと得点調整との関係〜新司法試験の場合

第5章 得点分布との関係

第6章 得点調整によって生じる不公平

おわりに


はじめに

得点調整については、これまでもウェブサイトやブログの記事で触れてきた。
ただ、それは断片的なものだった。
一度、どこかで得点調整についてのまとまった検討を行いたいと思っていた。
ただ、得点調整は、コンパクトに説明するのが難しい。
言葉や数式で短く表現することは、可能である。
しかし、それでは得点調整の正しいイメージは伝わらない。
得点調整が何のためにあり、どのような処理をしているのか。
それによって、どのような影響が生じているのか。
これを具体的に表現する方法が必要だった。
そのためには、具体的な数字を用い、実際に得点調整前後の数値を示すこと。
これがもっとも効果的だと考えた。
本書は、得点調整について、上記の観点から検討を試みたものである。

第1章では、得点調整の仕組みを詳細に説明した。
法務省の公表している計算式。
そのうちのどの部分が、どのような意味であるのか。
また、何のためにそのような計算式になっているのか。
これを具体的に説明した。
統計の知識がほとんどなくても理解できるよう、工夫したつもりである。

第2章では、得点調整によって生じる現象について検討した。
論文試験の成績は、時として不可解である。
本章は、得点調整の観点から、その謎解きをするものである。
得点調整の結果として不可解な結果が出力されうることを、具体的数値を用いて示した。

第3章では、旧司法試験における実際の得点調整の影響を検討した。
足切りの状況を手がかりに、なぜそのようなことが起きるのか。
そして、実際にどの程度点数が変動していたのかを示した。

第4章は、新司法試験における得点調整の影響についてである。
第3章と同様、足切りの状況を手がかりにして、旧試験と異なる状況になった理由。
及び、資料から読み取れる具体的な影響について検討した。

第5章では、受験生全体の得点分布との関係について検討した。
得点調整によって、受験生全体の得点分布はどのように変動するのか。
そのことから読み取れることは何か。
その辺りを、図表を多用して示した。

第6章では、得点調整がその趣旨とは逆に作用しうること。
すなわち、得点調整によってかえって不公平が生じる場合のあることを示した。

得点調整については、複雑な算式を見て挫折する人が多い。
また、得点調整についての詳しい説明は、予備校や法科大学院でもほとんどなされない。
しかし、得点調整について知らないと、論文試験の結果の意味を読み誤る場合がある。

本書は、今のところ得点調整について詳細に述べた唯一のものかもしれない。
得点調整の意味がわからず、もやもやした気分でいた。
そういう人にとって、本書がもやもやを取り払う役に立てれば幸いである。

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