平成22年度新司法試験論文式
公法系第1問の感想と参考答案

問題は、こちら

本問のテーマは、下級審の裁判例が多数出されていた分野である。
従って、それなりに出題は予想されていた。
しかし、出るとすれば行政法の方だろうと思われた。
本問が憲法の問題として出題されたのは、意外だった。
実際、本問では憲法の論点より、行政法の論点(訴訟選択や訴訟要件、国賠法の違法性等)の方を多く含んでいる。
うっかり行政法の問題として解いてしまった人もいるのではないか、と心配するほどである。

憲法の最初の関門は、問題にすべき人権の選択である。
しかし、本問では、この点は難しくなかった。
着目すべきは、問題文の最後の行。
「生活保護と選挙権について弁護士に相談した。」という点である。
ここから、生活保護と選挙権について検討すればよいとわかる。
そして、生活保護とくれば、生存権は誰でも思いつく。
そうすると、メインは生存権と選挙権だろう。
この点に気付くことが、本問攻略の入り口、出発点だった。
従って、生活保護と選挙権に関係のない論点に気付き、書きたくなっても、書くべきではない。

もっとも、ここから先は難しい部分が多い。
まず、そもそも生存権は書き方が難しい。
抽象的権利説からは、具体化立法がある場合に裁判規範性が生じるという。
では、その規範の内実は何なのか。
判例は、プログラム規定説といわれる。
では、なぜ裁量の逸脱・濫用の場合に司法審査の対象となるのか。
この辺りは、普段の学習では意識しないところである。
そういう場合、論証として必要だからではなく、自分が納得するための論述をしてしまいやすい。
中途半端に深入りすると、事案の解決に関係のない説明をだらだらと書き連ねることになりかねない。
生存権の法的性質論は、重要基本論点である。
従って、全く書かない、というのは、勇気が要る。
三者形式との関係では、原告:具体的権利説、被告:プログラム規定説、自説:抽象的権利説、でよさそうである。
しかし、抽象的に各説の主張や批判を書いても、事案の解決に直結しない。
ただ書いただけ、ということになりやすい。
しかも、自説以外は普段論証を考えていないことが多い。
慣れない論証は、コンパクトに書けないものである。
結果として、原告の具体的権利説の論証で1ページ使ってしまった。
そういうことにも、なりかねないところである。
紙幅のことを考えると、思い切って自説以外は省く方が書きやすかったのではないかと思う。

また、本問のように不合理と感じられる要件がある場合、平等原則を絡めるのが常套手段である。
明白の基準から、合理性の基準に格上げされるからである。
しかし、14条と25条をそれぞれ論じると、通常うまくいかない。
論述が重複するからである。
そこで、うまくまとめて書く技術が要求される。
自信が無ければ、生存権一本に絞るのも、一つの手段だろう。
同時に、本問では運用の地域間格差の問題もある。
平等権を書く場合、これと混同しないように、うまく区別して書く必要もある。

そして、生存権も選挙権も、請求権的側面が問題となる。
従って、法令違憲の主張は、立法不作為の違憲性を問題にすることとなる。
立法不作為を論じるのは、あまり慣れていない人が多い。
現在地要件によって生存権が侵害されている、と書いてよいのか。
住所要件によって選挙権が侵害されている、と書いてよいのか。
そういう細かいことも、実際に答案を書いている途中に気付くと、迷うものである。
また、国賠法上の違法と混同しがちでもある。
最大判平17・9・14の違憲審査基準を引用しているつもりが、国賠違法の要件を間違って書いてしまう。
答案を書いている途中でそういうことに気付いて、パニックになりやすい。

最大の書きにくさは、今年度に限ったことではないが、三者形式だということである。
答案用紙は、8頁である。
しかし、多くの受験生が時間内に書き切れる限界は、6頁強から7頁弱である。
そうすると、原告・被告・自分は、大体それぞれ2頁強しか書けない。
被告の反論を薄くするとしても、原告・自分で5頁程度。
どんなに多めに考えても、1者に3頁を超えて割くことはできない。
その前提で構成をすると、1者あたり、生存権(付随して平等権)と選挙権でそれぞれ1頁強が限界だ。
1頁は見出し等も含めて23行だから、それぞれの項目で詳細な議論は到底できない。
仮に生存権について3つの項目(法令・運用・適用)を立てれば、1項目は7〜8行程度にまとめる必要がある。
そうなると、細切れの主張とあてはめを、コンパクトにまとめるくらいしか書けない。
事前にそれがわかっていないと、いざ書き出してから紙幅切れとなる。
考査委員のヒアリング等やローで「本質的理解を示せ」等と言われると、どうしても深めて書きたいと思う。
しかし、物理的にそれは無理である。
三者形式は、外見の実務っぽさとは異なり、受験テクニックで差が付く出題形式である。
見解、理由付け、あてはめの事情を、誰の主張に配置するか。
できる限り重複なく、1つの答案として矛盾しないよう、バランスよく、どれだけたくさんの要素を織り込めるか。
紙幅・時間の制約の中で、それを競うパズルゲームのようなものである。
慣れていないと、思わぬ失敗をしてしまいやすい。
よくあるのは、原告・被告ですべて使い切ってしまい、自説を書く段になって固まってしまう、というケースだ。
書き出す前にきちんと構成していないと、そういうことになる。
これは、実務では要求されない能力である。
事前の演習で、どれだけ効率的に上記作業ができるようになっていたか。
憲法の知識・理解よりも、むしろその部分で大きな差が付く。
今年度も、わかっていたのに書けなかった、という人は多かったはずだ。
そういう人は、憲法の理解不足というより、単なる事前の演習不足、受験テクニック不足である。
考査委員は、予備校を敵視しながら、予備校に行きたくなるような問題を作っている。
今のところ、ロー関係者も、外見の実務っぽさから、三者形式は優れていると誤解している。
実際に答案を作成する作業を怠っているから、気付かないのだろう。
そのため、今後も三者形式は出題される可能性が高い。
下らないとは思いつつも、しっかりと対策をしておきたいところである。

冒頭で述べたとおり、本問は行政法の論点も多く含んでいる。
しかし、本問は憲法分野の出題であり、設問が「憲法上の主張」「憲法上の問題」としている。
従って、行政法の論点は、書くべきでない。
例えば、訴訟選択や訴訟要件充足性などは、論じるべきでない。
しかし、そうはいっても本問は、かなり迷う部分がある。
一番迷うのは、国賠法上の違法だろう。
旧司法試験の憲法では、この点も含まれていた。
平成21年度の憲法第2問でも、当たり前のようにこの点が問われている。
ただ、旧試験には行政法がない。
そのため、憲法で国賠を訊いても、違和感がないという面がある。
新試験では行政法科目が、別に存在する。
そのことを考えると、国賠まで書くべきではないのではないか。
一方で、憲法分野の問題でも、関連する行政法の論点を訊いてもよいということになっている。

新司法試験実施に係る研究調査会報告書より引用、下線は筆者)

 公法系科目においては,うち1問は,主として憲法分野のテーマから出題し,可能であれば,関連する行政法分野の論点についても問うものとし,他の1問は,主として行政法分野のテーマから出題し,可能であれば,関連する憲法分野の論点についても問うものとする。

(引用終わり)

現に、平成18年度には、国家賠償と損失補償が問われている。
ただ、本問では書いている余裕がないと思う。
生存権(及び平等権)、選挙権のそれぞれについて、法令と適用(運用)の合憲違憲。
これを示すだけで、紙幅が尽きてしまう。
問題文上で、Xが国賠請求をしていれば別だが、そういう事情もない。
訴訟選択まで明示的に要求されていた平成18年度とは、その点が異なる。
そういうことを考えれば、書かなくてよいのではないか。

同様に、違憲とした場合の救済方法。
例えば、住所要件を違憲にした場合、どの法令・処分が無効となるのか。
また、Xは次の選挙でどのようにして投票できるようになるのか。
既に過ぎてしまった部分については、どうなるのか。
この辺りも、論じるとすれば、行政法の論点に触れざるを得なくなる場合が多い。
そして、やはり紙幅上書く余裕はない。
結果的に書かなくても大丈夫だった、ということになるのだろう。
ただ、考査委員がどこまで書いて欲しかったのか、というのは、また別問題である。
この点は、出題趣旨やヒアリング等に注目したい。

なお、本問では、統治は問われていない。
新試験の憲法における、統治軽視の傾向は続いている。
(強いて言えば、生存権の法的性質に関する裁量論や立法不作為の違憲審査との関係等、権力分立に関する論点や、法定受託事務(地方自治法2条9項1号、10項、別表第1)における地方公共団体の法令解釈権(同法2条12項)の範囲等、地方自治に関する論点がないわけではない。
しかし、いずれも本問で大展開するような論点ではない。)

 

【参考答案】

第1.設問1

1.生活保護関係

(1) 生活保護法(以下「法」という。)19条1項は、居住地及び現在地の双方を欠く者につき、健康で文化的な最低限度の生活(以下「最低生活」という。)を営む権利(以下「生存権」という。)の保障を怠り、居住地又は現在地を有する者との関係において不当な差別をするものであるから、憲法25条及び14条1項に違反する。

(2) Y市の制度運用は、主として市のイメージ悪化という考慮すべきでない理由によってホームレスを不当に差別し、その生存権の保障を拒否するものであるから憲法14条1項及び25条に違反し、他の自治体ではインターネット・カフェ(以下「ネカフェ」という。)やビルの軒先も「居住地」あるいは「現在地」と認めているのにこれと異なる制度運用をすることは、差別的法適用であるから憲法14条1項に違反する。

(3) 下記のアからウのとおり、Xは最低生活を営みうる状況にない一方で、受給による自立が期待できるから、通常の運用にかかわらず適当な現在地、例えば申請前日に宿泊したネカフェを定めて保護決定すべきことが憲法25条の要請であるのに、Y市福祉事務所長は漫然とXの申請を却下したから、かかる却下処分は違憲である。

ア.Xは定職も定まった住居も有しない。妻とも離婚し、他に身寄りがあるとの事実は認められない。
 また、Xは持病の胃弱を患っている。しかし、住民登録を抹消されたため健康保険の適用を受けることができない。その結果、医療費が自己負担となるため、病院へもいけず、貧困ばかりでなく、生命や健康さえも脅かされている。

イ.Xは従来20年にわたり正規社員として勤務していたが、Bの倒産により突然職を失った。妻との離婚は、上記失職が大きな原因だった。また、派遣社員として寮生活をした後に派遣切りにあったため、住居を失ったものである。
 すなわち、上記アに至った原因は主として外部的要因にあり、Xの落ち度はほとんど認められない。

ウ.Xは一貫して勤労意欲を有し、現実にB社、D社に勤務し、その後も不定期のアルバイトをしながら自立した生活を目指して正規社員募集の情報を知るたびに応募していた。
 シェルターを出た理由は、定員100名のところに200名を超える人が入るようになって息苦しくなったためであり、自立の意思を失ったためではない。

2.選挙権関係

(1) 「住所」要件は、住所のない者の選挙権を否定するものである。この点は従来から指摘され、200*年8月の衆議院議員総選挙の際に、既に国政選挙における「住所」要件の改正を求める請願書が総務省に提出されていた。仮に住所のない者の投票を認める立法に合理的期間が必要であることを考慮しても、かかる立法不作為は、憲法15条1項及び3項並びに44条ただし書に違反する。

(2) Xが寝泊りしていたネカフェ及びビルの軒先は、いずれもY市内にあるから、XにつきY市の選挙区において投票させても何の支障もない。にもかかわらず、本問でY市長がXの選挙権行使につき何らの配慮もなくXの住民登録を抹消したことは、その年の10月に行われた衆議院議員総選挙(以下「本問選挙」という。)におけるXの選挙権行使の機会を奪うものであり、憲法15条1項及び3項に違反する。

第2.設問2

1.想定される被告側の反論

(1) 生活保護関係

ア.居住地及び現在地が不明であればその生活実態の把握は困難であり、不正受給を防げない。よって、法19条1項は、憲法25条及び14条1項には違反しない。

イ (ア) 生活保護は無拠出の公的扶助である以上、財政上の制約から限定的な解釈運用をすることも許される。また、地域とのあつれき(ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法(以下「支援法」という。)1条)を避けるためにはホームレスを蔓延させる解釈は許されないから、市のイメージ悪化は正当な考慮要素である。
 よって、Y市の運用は憲法25条及び14条1項に違反しない。

(イ) 地方公共団体は、独自に法令の自主解釈権を有する(地方自治法2条12項)から、他の自治体と異なる法令解釈に基づく運用が行われることは当然であって、憲法14条1項違反の問題が生じる余地はない。このことは、条例制定権を根拠としてその内容の地域間格差に同項違反の問題が生じないとする判例の趣旨から明らかである。

ウ.Y市福祉事務所長による却下処分は、Y市の運用に従ったものであり、その当否は別として、憲法25条に違反するものではない。

(2) 選挙権関係

ア.国が国民の選挙権の行使を可能にするための所要の措置を執らない不作為によって国民が選挙権を行使できないことが憲法上許容されるには、やむを得ないと認められる事由を要するが、選挙の公正を確保しつつ選挙権の行使を認めることが事実上不能ないし著しく困難であると認められる場合には、上記のやむを得ない事由があるといえる(在外邦人選挙権訴訟最高裁大法廷判決参照)。
 「住所」要件が定められた趣旨は、住所のない場合は選挙区の確定や重複投票の防止等、選挙に係る事務手続の適正を図り難く、選挙の公正を確保しつつ選挙権の行使を認めることが事実上不能ないし著しく困難であることにある。
 よって、上記やむを得ない事由がある場合に当たるから、憲法に違反しない。

イ.居住実態のない住所に係るXの住民登録は虚偽のものであるから、Y市長においてこれを抹消することは当然であり(住民基本台帳法(以下「住基法」という。)3条1項)憲法15条1項及び3項に違反することはない。

2.私見

(1) 生活保護関係

ア (ア) 憲法25条1項は、個々の国民に具体的、現実的な権利を付与したものではなく、国に対して一定の目的を設定し、その実現のための積極的な発動を期待するという性質のものである。そして、最低生活の概念は極めて抽象的・相対的で、現実の立法として具体化するに当たり国の財政事情を無視できず、複雑多様かつ高度の専門技術的な考察と政策的判断を必要とする。従って、具体的にどのような立法措置を講ずるかは、立法府の広い裁量に委ねられており、それが著しく合理性を欠き明らかに裁量の逸脱・濫用と認められる場合を除き、同条違反は問題とならない。
 もっとも、同条の趣旨に応えて制定された法令において受給権者の範囲、支給要件等につき何ら合理的理由のない不当な差別的取扱いをするときは別に憲法14条違反の問題を生じ得ることは否定し得ない(堀木訴訟最高裁大法廷判決参照)。

(イ) 法19条1項につき、同項が居住地及び現在地の双方を欠く場合を想定してその保護の余地を否定する趣旨であるとすれば、著しく合理性を欠き、何ら合理的理由のない不当な差別的取扱いである。なぜなら、法2条が憲法25条1項の「すべて国民は」の文言を受けて規定した無差別平等の原則と整合せず、居住地及び現在地を欠くことで保護の必要性が失われるとする合理的理由も何ら認められないからである。平成14年の支援法制定は、むしろ保護の必要性が高いことを裏付けるものである。
 なお、第2の1(1)アの反論は、ホームレスに対する保護が技術的に不可能というに等しいが、そのような認識は支援法の趣旨に反し、また、現実的にも窓口支給とした上で支給時に生活実態の聴取を行う等様々な手段が考えられる以上、採用できない。

(ウ) もっとも、法律の規定は、可能な限り憲法の精神に即し、これと調和しうるよう、合理的に解釈されるべきものである(都教祖事件、札幌税関事件、広島暴走族追放条例事件等各判例参照)。
 上記(イ)のとおり、憲法25条及び14条1項の趣旨からすれば、法19条1項は、居住地及び現在地の双方を欠く場合を想定しておらず、実施機関の責任分担につき第一次的には居住地を基準とする趣旨に過ぎないと解される。
 そうすると、居住地とは、継続的に起臥寝食に利用する場所をいい、現在地とは、現にその者が存在していた場所、より具体的には直近の宿泊場所をいうと解すべきであるから、現在地が存在しないとする認定は許されない。

(エ) 以上によれば、第1の1(1)の主張はその前提を欠いており、理由がない。

イ.上記のとおり、居住地及び現在地の双方を欠くと認定することは、法19条1項の合憲的解釈として許されない。そして、前記ア(ウ)の解釈からすれば、本問のXにつき、申請日前日の宿泊場所であるネカフェは、直近の宿泊場所として現在地に当たるから、法19条1項2号に基づいて保護決定されるべき場合である。
 よって、これと異なるY市の運用及びY市福祉事務所長による却下処分は、憲法25条及び14条1項に違反する。
 なお、第2の1(1)イの反論のうち、財政上の理由は受給金額の決定等につき考慮できる事由であって、居住地及び現在地の解釈につき考慮できる事由ではなく、市のイメージ悪化は、生活保護制度の運用に当たり考慮できる要素でないことは、法の趣旨目的(1条)から明らかである。地域とのあつれきの解消は支援法その他の法制度の下で解決されるべき問題である。
 以上から、第1の1(2)及び(3)の主張は、上記趣旨をいうものとして理由がある。

(2) 選挙権関係

ア(ア) 選挙権が民主制の根幹に関わる重要な権利であることからすれば、第2の1(2)アにいうやむを得ない事由の存在は、公権力において積極的に立証されるべきである。本問の事情からは、第1の2(1)のとおり、「住所」要件に関する問題は本問選挙の7年前に既に提起されていたにもかかわらず、住所のない者に係る選挙権行使の可能性につき何ら検討された形跡がうかがわれない。そうすると、「住所」要件がなければ選挙の公正を確保することが不可能ないし著しく困難であると認めるに足りないから、やむを得ない事由があるとはいえない。
 従って、「住所」要件が住所のない者を想定し、その選挙権を否定する趣旨であるとすれば、憲法15条1項及び3項並びに44条ただし書に反する。

(イ) もっとも、「住所」要件は公職選挙法及び住基法の各規定の解釈適用の結果である。上記各規定を憲法の精神に適合するよう合理的に解釈すれば、同規定は住所のない者の選挙権を否定する趣旨ではなく、当該住民の選挙に係る事務につき責任主体たる自治体を明確にする趣旨と解することができる(地方自治法10条2項、住基法4条参照)。

(ウ) そうすると、第1の2(1)の主張はその前提を欠いており、理由がない。

イ (ア) 前記アの理解によれば、市町村長が職権で住民登録を抹消するには、当該住民につき転出による転出先の市町村における住民登録、死亡等、当該市町村以外の市町村において選挙権を行使することができ、又はその必要性が失われたと認めるに足りる事由のあることを要する。

(イ) 本問において、Xが上記事由に該当しないことは明らかである。

(ウ) よって、単に居住実態がないとの理由によりY市長がXの住民登録を抹消したことは、住基法の解釈適用を誤り、本問選挙におけるXの選挙権行使の機会を奪ったものであるから、憲法15条1項及び3項に違反する。

(エ) 以上のとおり、第1の2(2)の主張は、上記趣旨をいうものとして理由がある。

以上

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