政府公表資料等情報

法科大学院特別委員会(第39回) 議事録

※要点のみ抜粋。

【田中成明座長】
 各認証評価機関におかれましては、昨年4月のこの特別委員会の報告を踏まえまして、評価基準の見直しを進めていただいているところでございます。きょうはその進捗状況や、見直しの内容につきまして、この委員会としても把握させていただきたいという観点から、日弁連法務研究財団、大学評価・学位授与機構、大学基準協会にお越しいただいております。
 ・・・それでは、まず日弁連法務研究財団からご説明をお願いいたします。

【日弁連法務研究財団 浅古副委員長】
 次の4項目について財団の考え方をご説明をさせていただきたいと思っております。1点目は適性試験について、2点目が共通的到達目標について、3点目が修了者の進路について、4点目が重点評価項目の設定状況について、この4点についてご説明をさせていただきます。
 適性試験につきましては、・・・適性試験実施機関が最低合格水準などを定めてこれを公表するということが決まった場合には、その扱いについて改めて検討することにいたしておりますが、例外をどうするかということが問題になろうかと思います。ただ、適性試験が現在いかなる適性を評価しているのか、いまだまだ明白でない段階でもございますので、まったく例外を認めないということでは十分な資質と能力を有する学生を排除してしまう、こういう恐れがあるのではないか、こういう意見が出ております。そもそも法科大学院修了資格が司法試験受験資格に直結している以上、最低合格水準を設けるということは、一民間機関が定めた点数によって法曹資格を得る機会を奪うということにもなります。もしそのような効力を最低合格水準に認めるということであれば、やはり法令上の根拠が必要ではないか、このように考えているところでございます。
 2点目でございますが、・・・最低限習得すべき内容は、法科大学院修了者が備えていることを社会から期待される内容および水準であることが必要であると、こう考えているところでございます。最低限習得すべき内容自体は、これは各法科大学院がおのおの定めるものであろう。その際の重要な資料の1つとして、共通的到達目標を位置づける。・・・各法科大学院が検証もしないで受け入れていては共通的到達目標の趣旨が没却される。こういうところから・・・大変苦労をしているところでございます。
 3点目の修了者の進路でございますが、これは・・・自己改革に対する評価における考慮要素の1つといたしました。具体的には、自己改革を目的とした組織、体制の中には修了者の進路を適切に把握して、その結果を教育の改善に活用する取り組みが含まれることを示しているわけでございます。また、修了者の進路が何を指すかについては、細目省令にいう法科大学院の課程を修了した者の進路と同義でありまして、司法試験の合格状況を含むという理解でございます。ほかに情報公開において公開されるべき情報の1つといたしましても修了者の進路を含むと・・・させていただいております。
 最後に、重点評価項目の設定状況でございます。財団の重点評価項目の定義でございますけれども、財団は評価項目を法令由来基準、追加基準A(法令由来基準以外で重要な評価基準)、追加基準B(法令由来基準及び追加基準A以外で充足すべき評価基準)の3つの基準にランクづけをしております。財団としたしましては、この3つの基準のうちの重点項目は、法令由来基準および追加基準A(法令由来基準以外で重要な評価基準)をいうと、定義づけております。・・・評価の方法でございますけれども、個々の評価基準の評価を踏まえてすべての評価基準の評価を総合的に考慮して、適格、不適格の判定を行います。重点評価項目においてDないし不適合であれば、原則全体不適格となります。しかしながら、当該評価基準の不適合の程度、早期改善の蓋然性、法曹養成教育・・・その他、関連する評価基準の評価を総合的に考慮して法曹養成機関として重大な欠陥がないと判断されれば、重点評価項目にDないし不適合があったとしても適格認定となります。また、重点評価項目以外の部分の基準で、Dないし不適合があっても直ちに全体不適格とはなりませんけれども、総合考慮の結果、・・・例外的に全体不適格と判断されることもあると、こういうような扱いにしたいと考えております。以上でございます。

【田中座長】
 はい、どうもありがとうございました。それでは続きまして、大学評価・学位授与機構、お願いいたします。

【大学評価・学位授与機構 三井主査】
 まず、適格認定の方法について説明いたします。これまで機構の適格認定の要件は、「法科大学院評価基準要綱」において「評価基準に適合していると認められるためには、すべての基準が満たされていなければならない。」としており、1つでも基準を満たさない場合、適格認定が受けられませんでした。しかし、中教審の法科大学院特別委員会報告を受けた省令の改正に対応するため、当機構の適格認定の方法を、・・・改正しました。・・・この改定により、満たさない基準があったとしても数値のみで杓子定規的に判断するのではなく、各基準の判断結果を総合的に考慮して、法科大学院の教育の質に重大な欠陥があるか否かを判断し、重大な欠陥がなければ適格認定を与えることになります。
 入学者選抜における適性試験の扱いについて説明いたします。特別委員会報告を受けまして当機構では、・・・原則として入学最低基準点を下回る学生の入学は認めないことを考えております。しかし、どのような理由がありましても、入学最低基準点を下回る学生の入学を一切認めないことを解釈指針に明記することは困難であるため、・・・実際の評価においては、入学最低基準点を下回る学生を入学させている場合には、対象法科大学院に対して、その学生に法科大学院における履修の前提として必要な能力が備わっていることの合理的な説明を求めることとなります。そして、対象法科大学院の説明に合理性がないと判断した場合には、何らかの指摘がなされるものと考えております。
 次に、共通的な到達目標の扱いについて説明いたします。特別委員会報告では、「各認証評価機関においては、法科大学院修了者の共通的な到達目標の達成に向けた各法科大学院の取組を適切に評価することが期待される」と提言しておりますが、・・・共通的な到達目標が確立していない現段階で、その対応について引き続き検討すると・・・しています。
 次に、修了者の進路(司法試験の合格状況を含む。)の扱いについてご説明いたします。特別委員会報告を受けまして、・・・司法試験の合格状況を数値的な観点で評価するのではなく、各法科大学院に司法試験の合格状況等を踏まえた自己点検及び評価の実施を求めるとともに、その結果を法科大学院の教育活動等の改善に活用していることを評価の対象とすることとしております。機構からの報告は以上です。

【田中座長】
 はい、どうもありがとうございました。それでは、大学基準協会、お願いします。

【大学基準協会 永田幹事】
 基準協会の法科大学院基準改定の基本的な考え方としては、既に各機関でありましたように、先般の法科大学院特別委員会、本委員会の報告にあります「法科大学院教育の質の向上のための改善方策について」に示された内容に沿って改定を進めております。それに加えて、これまでの評価経験を通じまして基準化の必要性を認識した事項を洗い出しまして、これを盛り込むということを進めております。具体的には、過度な司法試験対策および単位制等に関連した評価の視点を新設するということをしております。
 具体的な内容につきまして、まず重点評価項目およびそれに基づきます適格認定の方法につきご報告いたします。 重点評価項目につきましては、・・・目下検討作業中であります。・・・適格認定の方法につきましては、・・・これまでも、・・・教育の質に重大な問題が認められた場合は認定しないと判断してまいりました。基準改定後も、同様に進めて行くことを確認しております。
 具体的な内容に関しましては3点について説明いたします。まず第1点は、入学者選抜における適性試験の扱いでございます。これに関しましては、適性試験実施機関の定める適性試験の最低合格点に直接言及する形をとっておりませんが、適性試験の結果を適切に考慮するなどを求めた評価の視点を新しく設定することにしております。この評価の視点をどのようなレベルに位置づけるかは目下検討中でございます。
 第2番目に、共通的な到達目標の扱いでございますが、コア・カリキュラム自体が検討の途上であるということから、法科大学院基準におけるその取り扱いについても、私どもも目下検討中でございます。教育課程の編成に関するこれまでの基準協会の評価項目につきましては、法科大学院固有の教育目標には言及しておりますけれども、到達すべき水準に言及してはいませんでした。したがいまして、教育課程の編成に関する評価項目の改定を視野に検討作業を進めているところであります。・・・このコア・カリキュラムに関しましては、これを踏まえて大学側はどのように自己点検・評価すべきなのか、それから、またそれを受けて認証評価機関はどのような事実をとらえて、どのように評価すべきか、という点については検討すべき課題がまだ多いと認識しております。
 第3に、・・・新司法試験の合格状況を含む修了者の進路等を把握しているかどうか、あるいはそれを公表しているかどうかに関する評価項目を新設することとしております。
 上記のほかに修了者の進路状況等を踏まえて、どのように分析し、改善、改革に向けた取り組みを行っているかという評価項目を、これも新設する方向で検討を進めているところでございます。以上でございます。

【田中座長】
 どうもありがとうございました。それでは、ただいまの各認証評価機関のご説明について、ご質問などございましたらお願いいたします。

【井上正仁委員】
 幾つかご質問があります。日弁連法務財団の関係では、適性試験の最低基準については、それがどこまで強制というか、強い力を持つものとして位置づけられるのかに疑問があるということなのですけれども、その理由として、一つは、一民間団体がやっているということと、もう一つは、適性試験の効果といいますか、それによる選別が果たして意味を持っているのかどうかについて疑問があるというようなことを言われましたが、しかし、後者の点については、法科大学院を志望する人はすべてこの適性試験を受けなければならないことになっているわけで、そうなっているのは、制度としては、やはりそれに意味があるという前提に立っていると思うのですね。それを、今おっしゃったようなことを言っちゃってしまいますと、その正当性を否定することになり、適性試験を強制しているということ自体が根拠のないことだということになってしまわないかという、懸念があります。実態としてどれだけの効果があるかという点はもちろん検証して、その結果を踏まえて適性試験自体を改善していくということを不断に行っていかないといけないし、やってきていると思うのですが、制度の正当性そのものを否定するような位置付けをしてよいのかどうかということです。その試験はやはり適性を測っている試験であるはずなので、その最低基準というものが適切に設定されるとするなら、それを尊重して入学者選抜で考慮していくことを求められるというのは、適性試験が課されているということ自体から導かれることではないかというふうにも思われるのですけれども、その辺についてのご見解をお聞きしたいと思います。また、同じく日弁連の関係で、他機関のご報告でも触れられたのですけれども、共通的到達目標は今生成中で、どういうものになるのか、まだはっきりしないので、現段階では盛り込めないと言われた。それはそのとおりかもしれないのですけれども、仮にそれが共通し広く受け容れられるものとして設定された場合も、最終的にはおのおののロースクールが定めるべきものであり、その際に共通的なものは参照することができるという位置づけにされていますね。参照できるということは参照しなくてもよいということだと思うのですが、そうすると、おのおののロースクールが独自に定める最低基準が適切に設定されていなければいけないことになるわけですが、適切であるかどうかを評価するのかどうか、評価するとして、どのようにするのかということが問題になろうかと思うのですね。そうでないと、定めていればいいというだけになってしまい、認証評価基準として機能しないことにならないかと。その辺が心配な気がします。
 もう一つは、最後の総合評価の点ですけれども、3つの団体で、実質は同じなのかもしれないのですが、入っていきかたが違う。例えば法令由来基準について、日弁連の方は原則として重点評価で、それが欠ければ適格認定をしないことになっている。協会の方は、重大かどうかということで判断するというのが入っているのですけれども、これでいった場合、数値に縛られて質に重点を置いた評価ということが本当に実現できるのかどうか。その辺がさきほど伺っただけではよくわからなかったのですけれども、その辺の工夫をもう少し説明していただきたいなと思います。

【日弁連法務研究財団 浅古副委員長】
 まず第一点目の適性試験が、全法科大学院が適性試験を受けた受験生でなければ受験資格がないというような形をとっている。その適性試験の正当性を覆すことにならないかというご趣旨のご質問だろうと思いますけれども、まだ私どもはこの適性試験そのものが発展途上にあるのだろうというように考えております。もちろん、多数の受験生が受けるということに対してこれを否定的に考えておりませんで、そこの成果あるいはどういう適性をはかっているのか。こういうことの検証が積み上げられて初めて最低基準というようなものが定められるのではないだろうか。現在では若干時期尚早ではないか、このような議論をしているところでございます。最低基準が定められた場合でありましても、なお極めて例外的なものを認めなければいけないということは、学位授与機構の基準と同じように考えておりまして、例えば外国人、外国で教育を受けた外国人が法科大学院に入りたい。あるいは外国で長い期間教育を受けて帰国をしてきた学生が法科大学院に行きたいという場合、適性試験は、日本語の能力というものがかなり高度に要求されておりまして、瞬発的に判断できないと正解が出てこないような、そういう試験でございますので、そういう能力に欠けるかもしれません。ただ、例えば外国で既にトップのロースクールを優秀な成績で出ていて法科大学院に入ってきたい。こういう学生であればおそらく法曹としての資質があるだろう。こういう場合に、適性試験が悪いからといって排除してしまうということが適当であろうかと。このようなことが議論に出ております。こういう例は、単なる社会人であるからといって例外を認めるということではなくて、合理的な説明がきちんと法科大学院側からできるものであれば、それは例外として認めて良いのではないか。このように考えているところでございます。
 それから、共通的到達目標でございますけれども、これはまだ確定をしておりません。どういうものが共通的到達目標になるか、はっきり見ておりませんので難しいところでございますけれども、私どもは、・・・「共通的到達目標がある場合にはこれを参照することができる。なお法科大学院が参照することのできる共通的到達目標は、法曹養成という観点から法科大学院の学生が最低限習得すべき内容として広く受け入れられ、関係者のコンセンサスのとれた内容であることが必要である」と。・・・これは到達目標というものが全部の法科大学院で同じ到達目標でいいのかといいますと、それぞれの法科大学院は養成すべき法曹像というのを持っているわけですから、当然そこに共通的到達目標でも濃淡が出てくるのではないか。このように考えておりまして、その養成すべき法曹像との関係でどういうカリキュラムを作るか、あるいは修了認定をするか、成績評価をするか、そういうところにやはり濃淡が出てくるということで、それを参考にしながらその法科大学院で教育の質というものを高めていくということが大切ではないかと、このように考えたわけであります。評価のやり方でございますけれども、法曹としてそこの法科大学院が行っている教育の質として適当であるかどうか、その法曹像であるとか、あるいは卒業後の修了生の状況だとか、そういったものも勘案しながら評価をしていく、こういうことになろうかと思います。
 それから、3つ目の重点評価項目でございますけれども、財団ではこれまで数値的な評価によって不適格を出すということはしてまいりませんでした。法令由来基準でありましても、例えば教員数が1人欠けているという場合でも半年後に専任教員が補充されるということが確約されているというような場合には、適合という形で適格認定をしてまいりました。こうした経験を踏まえて評価していきたいと。機械的に法令由来基準であるからということで不適合、不適格を出すということではないと理解いただければと思います。以上でございます。

【井上委員】
 2点目について、共通的到達目標の捉え方が我々が考えているものとは、違うのではないかという感じがします。共通的到達目標というのは、法曹となるために学生がこの程度は最低限身につけてほしいというもので、自学自習による部分も含んでいますので、各法科大学院でどこまで教えるかということとは必ずしも一致しない。これに対し、おっしゃっている各法科大学院の理念だとか、目標とする法曹像というのは、教える方のカリキュラムの組み方とか重点の置き方の話だと思うのですね。しかし、法曹となっていくのに最低限要求される、学生が身につけることを要求されるものが共通的到達目標なので、そういうものができたとした場合、それも参照することができるだけであって、それを踏まえなくてもいいということに本当になるのかですね。今のご説明でも、そこのところがやはり食い違っているんのではないかという感じがします。これは意見です。

【磯村保委員】
 今、井上委員が触れられたところと共通するご質問ということになりますが、これはおそらく日弁連法務研究財団だけの問題ではないんだと思いますが、共通的到達目標が今かなり取り扱いが難しい状況にあるという中でどう考えるかということですけれども、1つは、関係者のコンセンサスのとれた内容というのを、各認証評価機関がどういうレベルとして受けとめられるかということが必ずしもはっきりしないということがあるかと思います。
 それから、もう1つは、特に法務研究財団におかれましては、もしそういうものがないとすると、法科大学院の学生が最低限習得すべき内容というのを設定され、それは社会から期待される内容および水準のものとして各法科大学院が適切に定めたものというように、非常に具体的に書かれているわけですが、そうすると、これは各法科大学院が例えば法律基本科目はうちのこの分野についてはこれこれが内容であるというようなことを、具体的に定めるということを要求しておられるのかどうか。それはちょっと従来の少なくとも認証評価では余りなかったことではないかと思いますので、もしそういうイメージだとすると、共通的到達目標が仮にコンセンサスが得られるような内容になっていないとしても、かなり具体的な到達目標を各法科大学院に求めるということになりますが、そういうご趣旨なのかどうかということをちょっとあわせてお尋ねしたいと思います。

【日弁連法務研究財団 浅古副委員長】
 法曹養成教育としてカリキュラムの中で、どの範囲を教育していくかということについてコンセンサスができればよろしいのですけれども、なかなか難しいのではないかと私たちは思っております。ですから、認証評価の場合現地に行きまして、カリキュラムを見させていただいたり、試験の結果を見たり、あるいは試験問題を見たり、いろんなことをいたしますけれども、その中でその法科大学院が考えている法曹養成教育と、それから本当に法曹として必要な教育が十分行われているのかどうか、そういう観点から私どもは認証評価をしていこうと考えております。カリキュラムのシラバス等々細かいところまで踏み込んで拝見をさせていただくということを考えております。

【磯村委員】
 今のお答えを勘案すると、適切に定めたというのはシラバス程度のレベルをお考えだという理解でよろしいでしょうか。従来検討されている共通的到達目標というのは、おそらくそれでは十分ではないということで、かなり具体化したものをどう書きあらわすかということで作業が進められるかと思いますが、そういうものを想定しておられるものではないという理解でよろしいかというのが一つの確認。それから、もう一つは、これも井上委員が先ほど違う形でおっしゃったのですが、参照すべき到達目標というのは、別に全国的にコンセンサスが得られているかどうかにかかわらず各法科大学院がこれでいいというように考えれば、それでなんか参照できるという気がするので、むしろ本当にコンセンサスが得られた共通的到達目標があるとすると、それはさらにフリーにできるというイメージとは少し違うのではないかという気もするのですが、その点ちょっと重ねてお伺いしたいと思います。

【日弁連法務研究財団 浅古副委員長】
 シラバスレベルということよりももう一歩踏み込んでレジュメとかそういうものを当然見ていくということになりますから、民法なら民法で何を教えているか、その範囲というものは当然評価の対象になってくるだろうと、こういうふうに思います。3年間の法科大学院教育、これは時間的制限が当然ございますので、おそらく示される共通到達目標、それを全部教育の中で、授業で教えていくということは不可能であろうというふうに思います。ですから、その中で何を重要としてその法科大学院が取り上げているのか。こういうところを見ていくと、こういうことになるのではないかというふうに考えております。

【鎌田薫委員】
 今のご議論に関連してなんですけれども、共通的到達目標、今策定中ではございますけれども、これを見る視点というのが幾つもあると思うんですね。どういう項目が取り上げられているのか。それから、それぞれの項目としてどれぐらいの水準がいわゆる到達目標として要求されているのかということと、それと、もう一つは、教育の仕方であったり、あるいはそれぞれの学生の学び方としてどういうものが要求されているのかというのは、微妙に違っているんじゃないかなというふうに私は感じております。それで、項目という観点で言えば、これは共通的到達目標の策定のときにもこの項目全部を授業で取り上げる必要はないということは前提とされていますから、そういう意味ではどういう項目がカリキュラムの中に取り込まれているかという点では、共通的到達目標は参照の対象であるということでよろしいのかなというふうに私は思っております。水準については、これまたいろいろ評価の難しい部分があると思うんですが、私はその共通的到達目標の中で、この項目と水準が大いに議論の対象になっているんですけれども、一番重要なのはやっぱりどういう学び方をしていくことが必要なのかという点が多分現在策定中の共通的な到達目標としては非常に重要な部分であって、その観点については、やっぱりもうちょっと厳しく認証評価の対象として、その部分に焦点を当てて授業内容等を評価するというふうな姿勢があっていいんじゃないかなというふうに考えています。個人的な感想ですけれども。

【日弁連法務研究財団 京藤副委員長】
 到達目標自体が、中身がどういうものになるかわかりませんので、書きぶりには一応苦労しているというふうにお話はしましたけれども、・・・法務研究財団の基準案は2階建ての構造になっていて、一つは最低限習得すべき内容・・・は踏まえる必要があるとして、その中身は何なのかということで、・・・参照するといったような文言が使われています。この参照するということは、それから外れるというよりも、その共通的到達目標の中身がどういう中身になるかということで、すごい大きなものになるか、小さいものになるのかということが、なかなか見極めがつかないところで、ここでまたさらに踏まえるということを前提にするということを書くと、なかなか実際に実現できるかどうかというところで少しニュアンスをもたせまさに書きぶりに苦労して表現しているところはあるんですけれども、・・・原則的にこういう目標については踏まえる必要があるといったような考え方は示されておりますということです。それから、もう一点は、最初に浅古座長が申しましたように、共通的到達目標という言葉はカリキュラムの体系的適切性という、・・・授業の部分、・・・それから成績評価の部分、それから修了認定のところについてもそれぞれ書き込まれておりまして、修了認定のところにも書き込まれておりますので、授業だけではなくて自学自習をやったといったことについても共通的到達目標が踏まえられて修了認定がされているかどうかということは、一応確かめられるようになっておりますので、問題意識としてはそんなに違った問題意識を持っているわけではないというふうに私は考えております。

【大学基準協会 永田幹事】
 共通的到達目標につきましては、基準協会はまだ十分な審議をしておりませんので位置づけはこれからでございます。磯村委員が説明されたような位置づけで考えるとしても、評価機関として難しいのは、ここに掲げられたすべてが教室で語られるべきものではないといっても、その場合どういう評価の項目の立て方をするのか難しいところであり、我々は目下検討中でございます。要するに、何を見て評価するかという点の難しさがあるということをご理解いただき、それは検討中でございます。以上です。

【磯村委員】
 それにかかわるような仕事をしておりますので、ちょっとこれはコメントとしてお聞きいただきたいと思いますが、授業で例えば2単位の授業で15のテーマを取り上げるというときに、その試験で15のテーマしか聞かないということであれば、もちろんその授業で取り上げたということの意味が非常に限定的になると思いますけれども、例えばある分野について授業をして、そこで、授業の中では15のテーマについて重点的に取り上げるけれども、試験の対象としてはむしろ広く自学自習の部分を含めて対象とするということであれば、その授業の中で全体としての自学自習部分も加えた上で単位認定を行うというような作業はあり得るのかなという気がします。他方で、先ほど法務研究財団から修了認定のところでもこれを考慮しているというご指摘がございましたけれども、例えば修了認定試験を別に行うということを義務づけるような制度であればそれは可能かもしれませんけれども、各授業の単位を積み上げて標準就業年限を満たせば修了認定をするという仕組みであれば、さっき修了認定が独自にそこでチェックポイントとして機能するということにはならないのではないかという気がしますので、そこで上げているから自学自習を全部考慮できるということには、どうもならないのではないかという気がいたしまして、これはお答えいただく必要はなくてコメントとして述べさせていただきました。

【椎橋隆幸委員】
 若干最初のところに戻って恐縮なのですけれども、志願者としては関心のあるところだと思いますので、適性試験の最低点とその例外ということについてお尋ねいたします。これについて例外の基準をさらに詰めている、ご検討の経過があれば教えていただきたいなと。アメリカでもLSATが基準点に達しなくても別の能力があり、例外的にロースクールに入学して立派な法曹になっているという話を聞きますけれども、わが国の場合に、適性試験の成績をどう評価するかという問題とも絡めて、そのあたりの評価の違いも背景にはあると思いますけれども、適性試験の比重をもっとあげた上で例外というものをきちんと定めていこうとされているのか、それとも別の考え方をされているのか、それらの点について、もし詰めて検討されているところがあればお伺いできればと存じます。法務財団さんと授与機構さんにお願い致します。

【日弁連法務研究財団 柏木委員長】
 ただいまの件ですけれども、アメリカのLSATのことをお話されましたけれども、アメリカのLSATはアプティテュード(適性)・テストという言葉を使っていません。つまり、アメリカのLSATはエルサットの成績と大学1年次の成績の相関関係しか見てないわけです。LSATは法曹としての適性の一部しか判断していないというのが彼らの理解なんです。だから、例えばリーダーシップとか、それからコミュニケーション能力とか、いろんな点で法曹として非常に優れた人がいるだろうから、それをよく評価しなさいというのが今のアメリカのロースクール・アドミッション・カンセルの態度です。具体的にどのような例が例外なのかという基準は、例外ですから非常に難しいと思いますね。例えばアメリカの論文で発表されているのは、ある受験生が三十何歳で受けに来た、そして彼は原子力潜水艦の艦長をやっていた。彼はエルサットを急に受けたんだから成績が悪いのはしょうがない。ただリーダーシップはあるに違いないということで合格させたという例は大変結構な例であるというような論文が出ています。ですから、やはり例外というのは個々にそのどこを見たのかということを現場に行って、大学の担当者に聞きながら判断するということになるだろうと思っております。

【大学評価・学位授与機構 三井主査】
 機構では、「入学最低基準点に照らして、適切に」という表現しかしておりません。実際に評価におきましては、先ほど申しましたように、入学最低基準点を下回る学生を入学させている場合というのも出てきます。その例外の場合には、法科大学院における履修も前提として必要な能力というのは備わっているということが示されればよいと考えますので、その点についての合理的な説明を求めるということになるかと思われます。ただし、その中身についてはもう少し詰めていきたいと考えている次第です。

【井上委員】
 入学者選抜における競争倍率とか司法試験の合格率について、・・・協会の方はまだこれからということでしたけれども、機構と財団の方はそういう点を踏まえて改善の取り組み、定員とか教育体制との見直しを含めて、改善の取り組みが適宜行われていることとなっている。しかし、例えば5年のスパンで見て成果が挙がっていないという場合はどういうことになるのですか。取り組んでいればいいのか、成果が挙がっていないという場合にはどうするのかということです。我々の委員会でも第3ワーキング・グループにおいていろいろ調査をさせていただいたのですが、その2つの数字は教育の質を見る場合に切り口としてはかなり意味を持っているという知見を得たものですから、努力をしても結果が出ないという場合は、どういう評価をされるのか関心があるのです。その辺、もしお考えがあればお聞きしたいのですけれども。

【日弁連法務研究財団 浅古副委員長】
 進路の問題につきましては、一つは自己改革ということで、今ご指摘ありましたように、教育の改善ということに努められるかどうかという点で評価をいたします。もう一点は、財団の場合は・・・法曹に必要なマインドとスキルの養成ということで、入学から修了までの全体、つまり法曹となる者に必要とされる的確な資質を持っている学生を選別しているかどうか。その学生に十分な法曹養成教育を行っているかどうか。そうした教育の成果を身につけた学生を社会にきちんと送り出しているかどうか。こういう点を評価する項目を設けておりますので、改善をしていれば良いということではなくて、やはりその改善が実となっているかどうかというところを総合的に・・・評価をさせていただこうと考えております。

【日弁連法務研究財団 飯田副委員長】
 評価基準そのものが自己改革を目的とした組織・体制が適切に整備されて機能していることというわけでございますから、機能まで入っておりますので、そのご指摘の部分はあくまで入っているというふうに考えております。

【大学評価・学位授与機構 三井主査】
 年次報告書等でその対応状況というのを見ていくことになり、ぎりぎりの場合には、不適格状況というのが読み取れるということで、機構側から指摘するという事態が生じることも十分あり得ることかと思われます。

【稲田仁士委員】
 財団の成果の部分で、進路のところでございますけれども、財団にもそういう研究はあるかと思いますけれども、例えば機構さんの解釈指針の中に、進路および活動状況ということで、司法試験の合格条件に法曹としての活動状況ならびに企業および官公庁その他専門的な云々とこういうことがありますが、これを読んで私の理解は、このならびに以下、企業および官公庁等というのは、司法試験を受けず、あるいは司法試験に合格せず法曹資格を取らずにとこういう意味かと思うんですけれども、そういった理解でよろしいでしょうか。

【大学評価・学位授与機構 三井主査】
 機構についてお話ししますと、今の点は、最初に「修了者の進路及び活動状況」、括弧して「司法試験の合格状況及び法曹としての活動状況」ということがまず出てきますので、これらが法曹を指すとなれば、「並びに」以降は、それ以外ということで、合格していない者等についての対応となるかと思います。

【稲田委員】
 その場合、法科大学院というのは法曹養成で司法試験に合格する人を養成するというのが基本なんだと思うんですけれども、現状の合格率等を考えますと、現実的に企業等への就職というのを考えなきゃいけない、こういうこともあるように私は思いますけれども、例えば司法試験の合格率はそれほど高くないけれども、企業等への就職が非常に、それなりにいいと、官公庁等への就職状況が非常にいいということになると、それはそれでこれは成果というふうに評価すると、こういうことになりますか。

【大学評価・学位授与機構 三井主査】
 当該法科大学院の設定している教育目標等を踏まえて判断されることですので一概に断定することはできません。ただ、ときには合格率がそれほどでない場合でも・・・基準を満たしているということは十分あり得ると、このようにご理解いただければと思います。

【田中座長】
 ・・・きょうのヒアリングは、予定された時間もありますので、この辺で終わらせていただきます。どうも皆さんお忙しい中おいでくださりありがとうございました。
 それでは次に、「法科大学院における組織見直しの促進方策について」ということで、前回ご議論いただいたところでございますけれども、引き続いてご検討いただきたいと思います。事務局から・・・、改めて説明をお願いします。

【浅野専門職大学院室長】
 ご説明をさせていただきます。・・・公的支援の見直しということで、・・・この委員会の審議におきまして改善状況調査の結果を見て、・・・各法科大学院で改善が進められている・・・一方で入学者選抜における競争性や授業内容、成績評価、教育体制に深刻な課題を抱える法科大学院が存在し、それらの法科大学院がほぼ共通して司法試験の合格状況は低迷している。・・・その中に、統廃合も含めて組織の見直しの検討、そういった厳しい状況にあるにもかかわらず、そういう検討に着手されていない。そういう状況を踏まえて、これらの課題を解決されないままに放置することは法科大学院制度全体の信頼にかかわるため、深刻な課題を抱える法科大学院において、速やかに抜本的な見直しが実施されることは急務である。よって、文部科学省はこれらの法科大学院に対する組織の自主的・自立的な見直しを促すために、法科大学院に対する公的支援のあり方について見直しを検討すべきであるということでございます。
 その具体的な内容として、観点ということで、・・・1つ目は、法科大学院に対する国立大学法人運営交付金および私学助成における支援のあり方について見直すこと。2つ目は、見直しの対象となる法科大学院は指摘したような深刻な課題を抱える一部の法科大学院に限定すること。それから3つ目では、見直し対象の選定は客観的かつ明確な基準に基づいて行うことが望ましく、本委員会の議論を踏まえ文部科学省において基準を策定すべきであることということで、・・・その選定の対象の選定基準として、入学者選抜における競争性や授業内容、成績評価、教育体制に深刻な課題を抱える法科大学院、それらについては、ほぼ共通して結果的に司法試験の合格状況は低迷しているといったこの委員会での、中でのご指摘等を踏まえて、例えば新司法試験の合格率を指標として用いて、平成22年9月の新司法試験の結果を反映して見直しを実施できるよう速やかに検討、着手する必要があると。ただし、過度に高い指標によりすべての法科大学院を司法試験の合格率競争に巻き込み、法科大学院制度をゆがめることのないよう配慮する観点から、合格率が著しく低迷している法科大学院に限定するべきであるため、2年連続して、連続して平均合格率が半分に満たないような法科大学院を対象とすることなどが考えられると。
 その他の見直しとして、・・・見直しの基準については競争倍率といったようなことも考慮する必要があるのではないか。それから・・・、さらにほかの機関において派遣教員などの公的支援のあり方についても早急に見直しを検討することが期待されるのではないかと。・・・そもそも司法試験も含めて法曹養成制度全体についても十分これを検証し検討をする必要があるのではないかということでまとめてございます。

【田中座長】
 はい、ありがとうございました。それでは、ただいまの説明を踏まえまして、ご質問とかご意見などございましたら、お願いいたします。

【永田眞三郎委員】
 少しコメントさせていただきます。一点は、司法試験の合格率が著しく問題があるところは入学者選抜、あるいは教育内容についても課題を抱えているという指摘をしておりますが、それを今回の提案に結びつけるには、若干推論のリングが欠けているところがあって、すべてがそうではないわけですから、それだけで司法試験を指標に使うのはいかがかということです。もう一点は、それはそうとして、改善計画に基づいて協力ベース、これからもフォローアップも続けていくことは必要であるとしても、ただ、それだけではうまく行かないのではないかという状況を踏まえての今度の提案だと思います。文科省としては、公的支援の一定の制約をすることで組織見直しにどうつながるのか、この公的支援の見直しがどういうふうにこの法科大学院制度の改善につながっていくのか、このあたりを、少しご説明いただければと思いますが、いかがでしょうか。

【田中座長】
 前者の司法試験の合格率を問題校を抽出するときの目安にすることについては、それだけではなく、それが本当に各法科大学院の教育の質とも相関しているから指標の一つとするのだというトータルに見る視点が必要だということだと思いますが、後者の問題については、文科省のほうから説明いただけますか。

【浅野専門職大学院室長】
 こういう提言をいただきましたら、こちらでも考えさせていただきますが、仮にこのような提案をいただきましたら、・・・やはりある意味で部分的な入学定員の見直しとか、教育体制のあり方について部分的な見直しは行われてきておりますが、相当厳しい深刻な状況にある・・・法科大学院において、・・・抜本的に、その組織のあり方について見直しの検討が行われているかというと、・・・どうもそういう状況ではない。それから、我々が直接法科大学院からお話を伺っていても、やはりそういう状況はもう余り見られないということについて、この公的支援のあり方の見直しが図られることによって、深刻な課題を抱える法科大学院において抜本的な改善を促すインセンティブの役割を果たすことが、一定程度は期待されるのではないかというふうに思っております。

【小松高等教育局審議官】
 司法制度改革審議会から始まって、全政府挙げて、その中でも広義な政府、つまり三権としての政府を挙げてつくっている制度で、趣旨とか正当性を当然、それぞれの法科大学院も含めて理解の上、自主的に作業をするのだと。そうである以上は、基準を満たしたものについては幅広く認可をすべきであると行政的な運用としてはやってきた。それらについては、それぞれお互いに理解とコンセンサスの上でやっていると。ただ、現実には一所懸命努力をしていただいていても、それぞれの運用の中では厳しいもの、深刻な問題を抱えるものができてきている。それらについては既にわかっておりますので、今のような全体の動き方と、そのコンセンサスに基づいて出されている公的支援等については、二、三の観点で支援のあり方を見直さなければいけないというご議論で、それにこたえていかないといけないかと思っているのですけれども、1つは、今の政府が割り振りをしてここの定員をこうしろと言わない以上は、自主的にやっていただくものであると。それをよしとして、今のようなコンセンサスの中で公的支援を行っていくことがどれだけ国民の皆さんの理解を得られるか。ここで何回も問題になりましたけれども、評価が司法試験のみに偏ったりすることは非常によろしくないけれども、法曹養成の中核的機関となり得る中で法科大学院制度は位置づけられている以上、その最低限の機能をきちっと果たしているということなしに、そのまま公的支援を続けるというわけにはいかないという仕掛け、仕組みになっていること。また、それをもってこの中教審でもご提言いただいたことを踏まえますけれども、所管をしている文部科学省としても、そういった意味の一種のメッセージとして、各大学で考えていただくための一つのきっかけということも、公的支援のあり方の見直しの中で考えていかないといけないかと思っています。これら全体を含めて、各大学の側で速やかに、深刻な問題を抱えているところでは受けとめていただき、抜本的な改革をとここで言われておりますので、それなりに複雑なご検討が必要なんだろうと思います。逆に言うと、ともすれば時間もかかるということですが、他方で速やかに行わなければいけない。そういったもののきっかけの、一つのモメンタムになれば極めて有効かと。これは全体の考えでございます。
 長くなりましたが、この全体の構造に即して、どういう風に見直しなり役に立っていくと考えるかということでございますので、執行側としてはそんな風な考えであるとご説明させていただきます。

【田中座長】
 今回の改善の要望に対する各法科大学院の取り組みを見てみましても、法科大学院に対しては特別の公的支援がなされており、普通の大学、大学院とは違う支援がなされているという認識が必ずしも十分でないというところがあるんですね。学生定員を減らすならばそれに合わせて教員定員も減らすべきだというふうなことばかりが問題にされていて、こういう特別な支援をしているのだけれども、その支援がうまく機能していない、ある意味では無駄なこと、あるいは制度趣旨に合わない助成の仕方をしているんだという批判もあるわけでして、そういった批判への対応の一環として捉えていく必要もあるんじゃないかと思います。

【笠井治委員】
 私も1つのやり方として公的支援の観点からその見直しを迫っていくということは必要だと思います。前回、稲田委員がおっしゃったんですけれども、各ロースクールの実質的、自立的見直しのインセンティブが本当にあるのかという観点から言えば、やっぱり外部的な制約というのは失礼ですけれども、何らかの施策が必要であると。その一つとしてこれが必要であるというふうに私は思います。ただその中で、今後の問題だと思うんですけれども、今後の問題として、文科省において基準を策定するという意見交換の結果になっていることも正しいんですけれども、ちょっと質問と兼ねて伺いたいことは、合格率が2年連続して平均合格率の半分に満たない法科大学院18校というふうに、・・・これは重点的にフォローアップが必要であるという法科大学院を全部まず含んでいて、その上で継続的にフォローアップが必要な法科大学院が含まれると、こういうことなんでしょうか。その観点でもう一つ、これは従来からずっと言われている問題として、法科大学院の適正配置、地域的な適正配置の問題、これ自体が非常に難しい問題だと思っているんですけれども、ありますので、フォローアップが本当に、フォローアップしてもできないというようなものの見極めというのが非常に重要になってくるんじゃないかと。これは今後の問題ではあるというふうに思うんですけれども、まずその前提として先ほど18校というのは一体どういうところなのでしょうかということをお尋ねしたいんですが。

【浅野専門職大学院室長】
 これについては、これは平成21年の結果までの状況だけを記載していますので、今後どうなるかは不明ですけれども、フォローアップの対象となる26校の中で連続して、2年連続以上、この中には3年連続とか4年連続、最初の司法試験からずっとそういう状態が続いているような学校もございます。そういったところがフォローアップの対象とされた学校の中に存在しているという、そういう数字です。最重点、いわゆる大幅な改善が必要とされている14校の法科大学院の中には、合格率が、人数が少ない、全体の人数が少ないこともあり、必ずしもこの18校の中に含まれているかはわかりません。たまたま平成21年度は受験者が少なかったりして、合格者が数名出たということになると、この半分未満というのが昨年で申し上げますと、27.6%の半分ですから13.8%を超える、例えば14%とか、15%ということであれば超える形になりますので、そこは数字の中に入ってございません。

【田中座長】
 この合格率の指標のとり方は、1つの目安にはなると思いますが、例えば修了者のなかに受験しない者がおり、受験者が少なければ合格率は上がるというようなことなど、いろいろ問題はあるので、これは1つの目安にはなりますけれども、入学試験の状況とか、教育内容についての認証評価機関の評価結果とか、あるいは第3ワーキング・グループで調査している結果とか、総合的に見て検討する必要があるということだと思います。でないと、司法試験の合格数が多いとか、平均合格率の半分云々というような指標だけになると、またそういう受け控えとか、不適切な対応が行われるという問題がありますので、その点はもう少し丁寧な選別の仕方をする必要があると思います。

【小松高等教育局審議官】
 そのお話でございますけれども、フォローアップ校が全部入っているかというと、かなりそれに近いけれども例外的というのが、例えば一、二校あったとする。しかし、その他の見直しのところにある、今田中先生からもお話がありましたように、入学者選抜での競争性などご議論いただいている主要な事項を幾つか組み合わせると、最重点になっているところ等は、確実にこの中に入ってくるということになるかと思います。その点、確かに客観的な説明ができないといけないと思いますので、遺漏がない形にできるか留意してすすめたいと思います、複数、複眼的な視点ですね。

【土屋委員】
 今座長がちょっと言及された部分なんですが、・・・派遣教員の問題があるというふうに思っています。・・・派遣教員の問題というのは、いわば公の決定を経た上で特別な送る大学院に対する措置として認められているものなので、これはやはり一定期間のうちにはそれぞれの法科大学院が自前で優秀な教員をそろえるという、それまでの暫定的な措置という意味合いだと思うんですが、それがいわば恒久的なものになりかかっているような感じがあって、そういう、ちょっと大学の先生方には言いにくい話だと思いますけれども、そういう状況はやっぱり望ましくないので、各法科大学院がやはり自前で優秀な先生をそろえるというような部分が必要だろうと思いますので、その法科大学院の部分での努力というような色彩も見直しの中には必要であろうかというふうに思います。

【井上委員】
 派遣はちょっと趣旨が違うのではないかと思います。みなし専任については、法科大学院が成熟するまでの、現実を見据えた措置としてそういう特例が設けられているわけですけれども、派遣のほうは法曹三者が法科大学院に協力して後継者を育成していくというもので、派遣法の精神はそういうことだと思うのですね。それに基づいて派遣していただいているわけで、例えば現役の裁判官ですとか検察官に来ていただかないと、困るのですよ。ご高齢とは限らないけれども、退職した人を自前で雇っても、何年か経てば陳腐化するわけで、やはり現役の方に来てもらって、生きた実務の姿を常に注入していただかないといけないのです。・・・その派遣について、国の方が負担をし、あるいは本来の仕事を割いてこれに充てているので、公的資金を投入しているのと同じで、教育の改善に取り組んでいただいていないところにもそういう補助を続けてよいのかという問題があり、共通している・・・ということなのです。

【土屋委員】
 わかりました。私の申し上げたかった趣旨というのは、そういう意味も含めて全体的な教員の面での支援体制、それはまた論議の縮図に出てくる可能性が将来的にあるであろうと、そういうことをにらんだときに・・・、もうちょっといろいろと検討すべきところがあるのではないかと、そういう意味合いであります。ありがとうございました。

【永田委員】
 それに関連して、そういう形の公的支援を引き上げるということ、すなわち、派遣教員を引き上げるとか、金銭的な助成に一定の制限をするということは、改善という方向としてはある意味でマイナスになると思われます。先ほど審議官がおっしゃったように一定の、これを支えてきた各機関に対する、それから国民に対する、そして各法科大学院に対するメッセージとして受け止めるということでしょうか。そういう意味ではここは慎重に考えなきゃなりませんが、一方やるならばメッセージ性がはっきりするようなやり方が必要だというふうに思います。

【田中座長】
 そういう事態を打開するにはやはり基本的には優秀な教員と優秀な学生を送る仕組みをつくるというのが一番いいわけですけれども、その優秀な学生も優秀な教員も限度があるということから間接的にこういう仕方で、別の仕方で対応せざるを得ないということで、このようなことをすれば優秀な教員がそろって優秀な学生が集まるというほうの改善にはつながっていかないというところは、ちょっと残念なのですけれども、公的に関与できるのはこういう仕方しかないというわけです。直接学生定員をこれだけにしなさいとか、もう少し優秀な教員をそろえなさいというようなことを言えなければ、こういう形の規制しかないというのでやむを得ないということだと思いますね。

【小松高等教育局審議官】
 公的資金の執行について担当している立場から申し上げますと、基本的には必要があって教員派遣も含めて公的な支援体制が組まれていると。基本的にずっと共通するところもございますけれども、初期立ち上がりで、予期しないことも起こるという状況を前提として走り始める中と、一定の卒業生が出て実績が積み重なっていくという中では、初期とはまた違う状況の中で支援を続けていかなければいけない。これまでの議論からいたしますと、公的支援のあり方を見直せとは言われておりますけれども、公的支援を全体も含めて縮小すればいいという風には理解しておりませんので、質の向上という意味では公的支援は続けていくと。初期のいろいろ難しいところだけを助けるというのではなくて、法科大学院がよりよく発展していくように助けていくという継続の部分。しかし、今までと同じ継続のあり方でいいのかと。大体落ち着いて、一つの形もある水準で見えてくるというときに、先ほど申し上げました法科大学院の出発からの理念に照らして見直し、次どう促すかという観点からは、メリハリというものをやはり客観的、明確な基準のもとに見ていただいて、それを見ながら各大学がどう自主的な対応に結び付けていかれるかという意味での支援にしていく、そういう両面でやっていきたいと思います。そういう意味では、今後さらに誤解のないように申し上げさせていただくと、事務局としては、公的支援そのものはよりよくしていくための支援ということで続けていくということを前提に、こういうことをやってみろという風にご議論されていると理解したいと思っておりますが。

【椎橋委員】
 今、座長と審議官が言われたことはそのとおりだと思いますので、そういう意味で私も見直しをすることには基本的に賛成なんですけれども、若干気になりますのは法科大学院関係者等の受けとめ方なのです。去年の春の改善方策の報告において司法試験の結果も重要なんだと言ったときに、相当多くのロースクールで、やっぱり試験の結果なんだというような受けとめ方をされたと思います。その後、司法試験の結果は1つのファクターなのだと報告書はいっているということで、大分誤解は薄らいだと思うんですけれども、今回公的支援の見直しを出す場合に、数とかそういうものというのはどうもひとり歩きするというところがあるものですから、例えば司法試験の合格率が2年連続して平均合格率の半分以下にならないようにすれば何とか切り抜けられるんじゃないかとか、そういうような受けとめ方がなされないとは限らないというところもあるのではないかと危惧します。もちろん改革の取り組む姿勢と、それからその結果というのは間違いなく連動しているものですから、こういうような結果と連動させて評価するというのはやむを得ないと思うんですけれども、やっぱり大事なのは各法科大学院の改革の努力、姿勢ということと、それからその法科大学院をいかによくしていくか、法曹養成の基本としていかに信頼のある法科大学院にしていくかということが大事なので、そういうようなニュアンスが、本来的にこの見直しの提案にはあることは分かっているのですけれども、よりよく伝わるような表現になるように工夫していただければなと。例えばさっきの米印のようなところは書くか書かないかとか、いろいろな工夫がありうると思うんですけれども、要するにご提案の趣旨がより正確に理解していただけるような表現ぶりというか、これからの詳細な基準を定めるという場合においても、そういうようなご配慮をいただければという希望です。

【長谷部委員】
 私が申し上げたいのも今の椎橋委員のご意見と同趣旨のことです。先ほどの審議官のご指摘を受けまして、これはなんとなくこの場面ですと、公的資金の引き上げのように見えますけれども、法科大学院制度全体についての支援は継続されていくという、そこのところをこの際確認しておきたいと思うのです。法科大学院制度というのは、お金も人も集約的な教育をやっていますから、本来的にコストがかかるものであります。大学で奨学金関係の仕事などをしておりまして感じるのですが、本当に苦学して、一所懸命勉強しているという、そういう学生が修了する段階では非常に多くの借金を負って、それで新司法試験に合格したとしても今の就職状況ですと、何年かかって返せるかと、そういう状況を抱えております。ですから、支援はきちんとしたものがあってほしいと。それがないと、優秀な人材も今後集まらないということであります。さらに私学の状況を指摘させていただきますと、一所懸命いい教育をしようと思って頑張っていても、授業料が国立に比べると高いというようなことであまり学生が集まらない。そうしますと、合格率もそれほど振るわない。そうなると、ますます人が集まらないというようなことになってしまいまして、どの私学も苦戦しているところだと思います。この際、頑張っているところには公的支援はもう少し厚くしていただけると、そういうようなことをしていただけるとよいなというふうに思います。以上です。

【磯村委員】
 時間が大分超過しているところで恐縮ですが、先ほどちょっと椎橋委員がご指摘になったことも関連して、見直し・・・があたかも合格率にちょっと収れんしすぎているようなところがあって、ここにも前段階でありますように入学者選抜における競争性とか、あるいは成績評価の問題というのがありますので、・・・とりわけ受け入れの段階で緩やかであればあるほど、その修了率がどうかとか、どれだけ厳格に成績評価を行っているかということを定性的に評価するのはなかなか難しいと思いますが、どれぐらい修了させているかというようなことも1つの指標として参考資料になり得るのではないかと思います。なんとなく・・・これが指標としてというと、なんか唯一のというイメージがちょっとあって、もちろんこれが非常に大きな意味を持っているということは確かだと思いますが、そういう意味でややニュアンスを少し広げるということがあってもいいかなというふうに感じました。

【田中座長】
 ほかに事務局から報告いただく点はありますでしょうか。

【浅野専門職大学院室長】
 前回の委員会で複数の委員からご指摘のあった愛知学院大学の法科大学院の問題でございますが、同大学の法科大学院長より今回の改善、フォローアップ調査の改善の指摘を踏まえて3つの点について改善を図っているということのご報告がありました。
 1点目は、入学定員について見直しを行う。平成23年度の入学定員の見直しを行う。2点目は、例の奨学金で予備校の授業を受けさせたということについては、教授会の申し合わせを廃止してやめるということ。それから3点目は、これも第3ワーキング・グループの調査で指摘されておりました、成績上位の者だけに対して学習支援を行うような時間をとっていたことについて、これも教授会の申し合わせを廃止して既になくしたということで、この3つの改善を第3ワーキング・グループの調査結果を受けて図ったところであるという報告をいただいたところでございます。

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