政府公表資料等情報

参院法務委員会平成22年03月16日

※司法試験関連のみ抜粋

○松村龍二君 司法修習制度の近況についてお伺いいたします。
 平成十三年の司法制度改革審議会意見書では、司法制度改革推進のためには法曹人口の大幅な増加が急務であるといたしまして、二〇一〇年ころには新司法試験の合格者数の年間三千人達成を目指すべきという提言がなされました。それを踏まえて閣議決定された法曹増員計画が今年まさに目標の年を迎えておりますが、この間、法曹養成制度において様々な課題が生じ、当時の政府目標の実現が困難視されているのは御承知のとおりであります。
 そこで、まず、法曹人口増員の審議会意見書及び政府目標の基準となる年を迎え、三千人という目標の取扱いをどうするかといった課題があるんではないかというふうに思います。
 そういうことで、政治主導で法曹養成制度を抜本的に検討するために今年二月にワーキングチームの設置を決めたと報道されておりますが、その設置趣旨、検討内容、構成員、スケジュールについてお伺いいたします。

○国務大臣(千葉景子君) この法曹養成制度に関する検討ワーキングチーム、御指摘をいただきましたが、この設置の趣旨は、法曹養成制度の問題点を検証して、その改善方策の選択肢をまず整理をしようというのが設置の趣旨でございます。
 検討の内容については、現在の法曹養成制度の問題点、論点、それからそれらの論点を解決するための改善方策、その選択肢を整理をすると。その改善方策を決定するためのフォーラムの在り方。かなり大きなやはり場でしっかりとした決定をしなければいけない。先生御指摘のように、法曹人口三千人というのも閣議決定をされたという経緯もございますので、やはりかなり大きな形で総合的な決定をする必要があるだろう、そういうことのためのフォーラムの在り方と、こういうことを検討内容にさせていただいております。
 このワーキングチーム、法務省、文科省担当者のほか、法曹三者と言われる裁判所、検察庁、日弁連の推薦者や法科大学院関係者で構成をさせていただいておりまして、スケジュールは可能な限り月に一、二回の頻度で開催をさせていただき、本年半ばをめどに、今申し上げましたような論点について整理をさせていただくということを考えているものでございます。

 

衆院文部科学委員会平成22年03月17日

※司法試験関連のみ抜粋

○富田茂之委員 法曹養成制度、法科大学院の問題について何点か確認をしておきたいと思います。
 法曹養成制度に関する検討ワーキングチームというのが法務省と文科省との間でできて、これは二月五日のペーパーをいただいたんですが、実際には三月の一日に最初の会合が開かれたんですかね、報道によるとそういうふうになっています。
 こんな報道がありました。司法改革の理念どおりに進まず、法科大学院を中心に見直しが焦点になっている法曹養成制度、関係者の利害対立で方向性が出せない現状を解消しようと、法務省と文部科学省の副大臣をトップにした見直しチームがようやく発足した、政治主導を演出しようとしたものの、主役の一人は欠席、権限や時間も限られており、解決への道筋がつけられるのか不安を感じさせるスタートとなったと。
 欠席と指摘されたのは鈴木副大臣なんですが、予算委員会の審議がこの日急に入りましたから、私は背景がよくわかるんですが、報道する側から見ると、こういうふうに書く方が多分おもしろいんだろうなと。
 ただ、両副大臣で検討していくというときに、これまでも、法科大学院のレベルが低いんだというのが法務省、法曹界の大まかな見解、逆に、文科省あるいは法科大学院の方から見ると、改革の理念に沿った司法試験になっていないんじゃないかと。やはり両方とも、言い分はそれぞれある意味正しいと思うんですね。
 ただ、このままやっていては解決の糸口は出てこないわけで、今後、せっかく両副大臣をトップにしてワーキングチームをつくるわけですから、この中でどんな議論をどんな方向に文部科学省としては持っていこうとされているのか、鈴木副大臣の考えをちょっと教えていただきたいと思います。

○鈴木副大臣 お答えを申し上げます。
 おっしゃるとおり、私は国会の方に参りまして、代理として高井政務官にこちらの会議には出席をしていただいたところでございます。
 委員おっしゃるとおり、今、悪循環になっていると思います。結局、新司法試験の合格率が当初の予想に比べますと低迷をいたしましたことで、法科大学院そのものへの志願者が減少をしております。このまま悪循環が続きますとそもそもこの道を選ぶ人自体が減ってしまうという事態を、まさに関係省庁が協力して好循環に変えていきたいというふうに思っております。
 そのためには、まず志願者数をふやしていく。こういう順番にするために同時に手を打っていかなきゃいけないわけでありますが、優秀な受験者、志願者、入学者をちゃんと確保する、そして法科大学院での教育を充実させる、ここは文部科学省がきちっと力を入れていかなければいけないと思っております。
 その上で、新司法試験合格状況をやはり改善していかなければならない。ここは、いわゆる分母と分子という言い方をしておりますけれども、分母の質と数については文部科学省がきちっとコミットするけれども、合格者数についてはそうした条件整備を前提にやはり一定確保していただきたい、このように思っております。
 その結果、それを修了された、そして合格された方々が法曹として立派に活躍していただく。その活躍の場も、いわゆる裁判実務のみならず、企業においても、あるいは、例えば霞が関の省庁あるいは地方の自治体、まだまだ法曹に活躍していただくべき場はいっぱいあると思います。
 こうした好循環をつくれるように、今言った段階を一つ一つチェックしながら、かつ同時にやることによって好循環になると思っておりますので、関係機関がまずそのことを共通し、まさにともに協力して改善に取り組んでいくよう、ワーキンググループで御議論を深めてまいりたいというふうに考えているところでございますので、よろしく御指導と御支援のほどをお願い申し上げます。(発言する者あり)

○富田委員 今、つくり過ぎだという議場外からの意見がありましたけれども、私もちょっとそういう感じはあるなと思うんですね。
 弁護士会の現場でどういうことが起きているかというと、女性の合格者がふえました。でも、裁判官、検察官の採用がふえませんので、当然、弁護士になろうとする。ところが、弁護士事務所の就職口がもうないんですよ。私の法律事務所にも、去年の秋、女性の合格者が一人採用してくれないかと来たんですけれども、お給料の話をしたら、年収三百万円台でも法律事務所に勤める子がいっぱいいると言うんですね。これはちょっと信じられない話で、法科大学院を奨学金で仮に出たとすると六百万とか七百万奨学金を返さなきゃならない子が、年収三百万からスタートしたら大変な話で、それだけやはり就職口に困るような状況に今実際に現場はなってしまっている。
 今、副大臣が言われたように、霞が関とかいろいろなところもやはり開拓していかなきゃいけないし、私は、日本弁護士政治連盟の方に、政策秘書の道がありますよというのを四年ぐらい前に若手を集めて話しました。ことし何か急にばあっと来ていただいたようです。兼職されちゃ困るんですけれども、やはり政策秘書としてきちんと働く場とかもあると思います。
 そういったことを、やはり文科省、法務省しっかり連携して、就職口、出口まで含めてやっていかないとなかなか解決しない問題だと思いますので、現場の声をしっかり吸い上げていただいて、副大臣にもぜひこのワーキングチームでいい方向に持っていっていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
 ありがとうございました。

 

参院法務委員会平成22年03月25日

※司法試験関連のみ抜粋

○松岡徹君 おはようございます。
 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案につきまして幾つか御質問をさせていただきたいと思います。
 この法案も平成十四年からスタートをしまして、十年間で約五百人の職員を増やす、裁判官を増やそうということでございまして、もういよいよゴールが見えてきております。そこで、当初のこの増員についての目的でございますけれども、その状況がどうなったのか、簡単に御質問をしていきたいというふうに思っています。
 そもそも、この法案を、この法律、裁判所職員の定員法、増員計画について、元々のスタートの問題意識といいますか、目的というのは何だったのかというのを改めて御確認をさせていただきたいと思います。

○最高裁判所長官代理者(戸倉三郎君) おはようございます。
 今委員から、これまでの増員のそもそもの目的ということをお尋ねでございます。
 平成十四年以降、今委員御指摘のとおり、これは裁判の迅速化、専門化へ対応すると、そういうことのために今後十年間で約五百名の増員が必要であるという意見を申し上げまして、十四年度から計画性を持った増員を実施しているところでございます。
 具体的には、迅速化への対応ということは、最終的には裁判官の手持ち件数を減少させまして審理期間を短縮する、他方で、専門性への対応につきましては、同じく手持ち事件を減少することによって合議率等も向上してそういった専門性へも対応してまいると、こういったことを申し上げてきたわけでございます。
 これまでの増員をいたしました結果、例えば民事訴訟事件、一審の地裁でございますが、審理期間は、平成十二年に八・八か月であったものが平成二十一年には六・五か月に短縮しております。また、民事訴訟事件、一審の未済事件のうち二年を超える長期未済事件につきましても、平成十二年末の時点で約一万二千件ありましたが、これ、平成二十一年末では約六千二百件程度まで減少しております。
 さらに、専門性への対応ということに関しましても、従来、審理期間の長期化が目立っておりました専門訴訟につきましても、医事関係訴訟では、平成十二年に三十五・六月であったものが平成二十一年には二十五・二月に短縮するというところでございます。
 ちょっと申し上げ過ぎましたですか、失礼いたしました。

○松岡徹君 ちょっと今日は時間がありませんので細かな追及はまた後ほどに譲っていきたいと思いますが、気になるのは、専門化とか迅速化というところで幾つか例出されました。本当に裁判官を増やしたからそういう効果が出たのかという検証はしっかりしていかなくてはならないというふうに思うんですよね。
 問題は、一人の裁判官が抱える事件数は当時何件くらいであって、今現在はどれぐらいの事件数を担当しているのか、分かったらお知らせいただきたいと思います。

○最高裁判所長官代理者(戸倉三郎君) お答えいたします。
 平成十三年当時、これ、東京地裁の民事通常部ということでございますが、平成十三年当時には一人当たり約百八十件担当しておりました。その後、事件増ということもございまして、平成二十一年には一人当たり約二百七十件程度になっております。

○松岡徹君 事件数としては増えているんですよね。この増えているというのをどう見るのかということであります。
 そういう意味では、事件数が、様々内容はあると思いますけれども、この状況を、増えているという状況をどういうふうに見られているのか、お聞かせいただきたいと思います。

○最高裁判所長官代理者(戸倉三郎君) 今委員御指摘のように、地裁、地方裁判所の民事訴訟事件数だけを取りましても、平成十三年の約十六万件であったものが二十一年には約二十四万件と増加しております。さらに、家庭裁判所でも、家事事件が平成十三年の約四十六万件から二十一年には約七十六万件と増加しております。
 もとより、これらの事件増によりまして裁判官の事件処理に対する負担が非常に増加しておるということは事実でございますが、他方で、これまでこれの事件増に応じた増員、さらに各地方への人員の配置ということをやってまいりまして、裁判官の負担そのものは数字的には増えております。
 しかしながら、これらの特に訴訟事件の増加の中には、いわゆる過払い金という事件が最近急増しておりまして、ここ数年の事件増はその過払い金関係の増加が大きく寄与しているものと理解しておりまして、そういうようなこともありまして、事件処理の状況そのものを見ますと、この事件増にもかかわらず、裁判官が非常に努力をいたしまして、審理期間あるいは未済事件数共に大きな破綻もなく処理しておるというふうに考えております。

○松岡徹君 民事の件数が非常に増えているんですよね。そういう意味では刑事事件の方は減少傾向にあるということで。ただ、単純に数字で割ったら今言ったように一人当たりの受持ち事件数が二百七十件ぐらいになる、当初のスタートから見れば増えている、裁判官を増やしているのにどうなっているんだと、こういうことになるわけですね。しかし、迅速化ということからすれば短縮されているということなので、その数字だけで測るわけにいきませんが、もう一つの側面で、司法過疎といいますか、要するに、地方において下級裁判の裁判官が抱える事件数の割合と、例えば都市部、東京とか大阪とか、そういう都市部の下級裁判所の裁判官が抱える事件数の差はあるんですか。現状はどうなっているか。

○最高裁判所長官代理者(戸倉三郎君) 地方と都市部では取り扱っている事件が、例えば東京地裁ですと非常に事件が多うございますので、民事部に配属された裁判官は民事訴訟事件のみを取り扱うというような形でございます。
 これに対しまして、地方の例えば支部などでございますと、一人の裁判官が民事訴訟、刑事訴訟だけではなく家事事件、少年事件等も一人で扱うということでございますので、件数だけを比較しますとかなり違うという面もございますけれども、我々の裁判所といたしましては、各裁判官の負担を考えます際には、民事訴訟あるいは刑事訴訟あるいは家事事件といったもののその負担量というものを検証いたしまして、各裁判官の負担はできる限り平等になるように配慮をしているところでございます。

○松岡徹君 質問に答えていないので、要するに違いは何なのかと。違いはあるとおっしゃいましたけれども、中身を聞きたいと。あるいは数字でそれが示されるのかどうか。
 これはやっぱり今までの課題でございまして、弁護士を増やす、裁判官を増やしても、地方は非常に司法過疎といいますか、そういった状況が解決できないということになっていれば、この増員計画は一体何だったのかというふうになるわけですよね。そういう意味で、こればかり追及できませんので、質問できませんのでこの程度にさせてもらいますけれども。
 あわせて、実は途中で、去年スタートした裁判員制度がございます。この裁判員制度でも毎年三十人の、合計百五十人の裁判官が増員されているということであります。これは、目的が、裁判員制度がスタートする去年までに達成しようということで、裁判員制度を円滑に進めていくための人的配置という目的だったと思うんですが、一応これは終わっています。そういう視点からすれば、裁判員制度の課題といいますか、これからの運営についてもまだまだたくさんの環境整備の課題は私たちはあると思っています。
 しかし、一方で、裁判官が五年間で百五十人配置されたということでございますので、これはその当初の目的といいますか、どのように百五十人増員されたことについて評価をしているのか、今日的評価ですね、裁判員制度を円滑に進めるという観点からこの百五十人の増員達成についてはどういうふうに評価されているのか、大臣にちょっとできればお聞かせいただきたいなと思うんですが。

○国務大臣(千葉景子君) 裁判員制度、導入をされましてから、今のところ裁判員裁判自体は順調にといいましょうかスタートをし、そして裁判が行われているという状況と認識をいたしております。そういう意味では、増員を図ったということがそれなりに適切に効果を発揮をしている、あるいはその基盤の整備に一つの寄与をしているのではないかというふうには認識をいたしております。

○松岡徹君 もっと検証をしていく必要があるというふうに思っておりますので、引き続き是非とも検証の議論をしていきたいというふうに思っています。
 もう一つ、裁判官を増やしながら、一方で裁判官の方の要するに交流、人事交流といいますか、これがあるんですよね。裁判官の方が各省に配置をされていく、特に局付けとか言われて行くんですが、裁判官の職員が法務省に今トータルで百三人出向といいますか、行かれているというふうに聞いています。それとは別に、判検交流と言われている人事もございます。
 そういう意味で、この百三人の交流、人事交流というのは、一体目的は何なのかということをまずお知らせいただきたい。各省にそれぞれ裁判官が行っておられるんですが、その中でも法務省には百三人一応籍を置かれているということでございます。聞くところによると、大体二年から三年で替わるということですが、これがいつごろから始まって何の目的でされているのかということがよく分かりません。それをちょっとお聞かせいただきたいというふうに思います。

○国務大臣(千葉景子君) いわゆる裁判官とそして他の省庁、そして法務省との言わば交流というんでしょうか、これについてのお尋ねであろうというふうに思っております。
 この裁判官と言わば検察官といいましょうか、法務省との間での異動、交流、これが開始された時期とかあるいは経緯、あるいはそれを基礎付けている法令、こういうものは必ずしも定かではございません。根拠規定みたいなものは特段にございませんし、それから、開始された時期、経緯等は、今特段の、当時といいましょうか、資料がございませんので、定かではございません。
 いろいろとこのところ御意見があるということは私も十分に承知をしております。
 どのような理由で行われているかということですが、司法制度、特に民事、刑事の基本法令の立案等、法律的な知識、経験を要する法務省の所掌事務を行うために、法律専門家である裁判官の実務経験を有する者を任用するというようなことも一つの理由になっているようでもございますし、それから、裁判官以外の法律専門職としての経験、その他の多様な外部経験を積むことは、多様で豊かな知識、経験を備えた視野の広い裁判官を確保するという、今度はその目的のために裁判官が他の職務を経験するということもこれは意義のあることではないかと。
 法務省の側、それから裁判官としての視野を広くするというような両面からこの交流というものが続けられているというふうに承知をいたしておりますし、また検察官にとっても裁判官の職務を経験することが視野を広げて見識を高めるのに役に立つのではないかと、こういうことも言われているようでございます。
 しかし、一方で、やはり職務の公正さというようなことを疑問視をすると、こういう御意見があることも確かでございまして、今後も私も、是非この意義、それからいろいろと御指摘の問題点、こういうものを含めて、また皆さんの御意見をいただきながら検討、検証をしていく必要があるのかなというふうには思っております。

○松岡徹君 裁判官を増やして、その裁判官が各省に出向すると。実は昨日も今日の質問をするのに法務省の方に来ていただきました。局付けという名刺を持った方が二人来られました。これは裁判官の立場なんですよね。局付けと名刺に付いているのは、ほとんどこれ裁判官の方なんですよね。これが全部各省にみんな行っているんですね。法務省だけが突出していまして、平成二十一年度で百三人なんですよね。次に多いのが外務省で十人、その次は金融庁で七人等々、大体あとは一けた台の前半ですが、各省に出向していると。ちょっと違和感を覚えたんですよね。質問をするのに裁判官の方が局付け名刺を持って私のところに質問取りにくると。おかしいんですよね。
 そういう意味では判検交流も同じなんだと思うんですが、一体何でこんなことがいつごろから起きているんだと聞いたら、いつごろから起きたのか定かではありませんと。そして、これの法的根拠は何だと言ったら、根拠になるのは何だと言ったら、裁判所職員法とかに対象になることができるとか書いているんですが、三権分立という立場からすれば、行政官庁に司法の側の人が行って、たとえ訴訟の担当であっても訴状を書くとか、自らは戻ったら判決を書かなあかん立場にあるにもかかわらず訴状を書くというのはどうなのかというふうに思うんですよね。
 こういった実態が一方でありながら裁判官を増やす、増やして法務省に出向すれば足らなくなりますからその分補充しなくてはならぬと。一体何のために職員を増やしてきたのかということを考えますと、やっぱりここら辺はちょっとチェックをする必要があるんではないか、整理をする必要があるというふうに思うんですね。今大臣おっしゃっていただきましたように、我々も有能な人材だと思っておりますから、どう活用するかということについては、そのこと自身は否定はしませんが、やっぱりしっかりとその辺は整理をしていく必要があるというように思います。
 改めて、判検交流の方も、判事の側の人が検事になる、検事の人が判事になると、こういう交流が行われているんですよね。これも一体いつから、そしてそれをしていくための実効とは何なのかというのが全く分からないんですよね。国民の側からいったら出来レースやないかというふうになってしまうんで、それが本当に公正な裁判をつかさどるということになるのかどうか、あるいは正義を貫いていく法務省としての検察の立場というものが本当にそれで貫かれるのかどうかということを考えていきますと、これはやはり是正をしていく必要があるんではないかというふうに思うんですね。
 是非、検証をするにしても、こういった状況はおかしい、是正をしていく必要があるのかないのか、こういう見解について大臣の見解をその辺はお聞かせいただきたいと思うんですが、いかがですか。

○国務大臣(千葉景子君) 御指摘をいただいた問題については、私も共通なというか、認識としては同感をするところ大ではございます。
 先ほどの裁判官と各省庁との交流ですね、これはちょっと法務省のことを差しおいて言うのはなんですけれども、いろんな形で裁判官が今外部の、行政機関ばかりではなくて、いろんな一般的な企業であるとかあるいはいろいろな職務を経験をすると、こういうことは一つのプラスの面があるのではないかというふうには思います。
 ただ、それが一ところに何か非常に集中をするというようなことはいささかやはり疑問を持たれるのではないかというふうに思いますし、判検交流も、今お話がございましたように、やはり司法の公正さとかそれから職務の本当に公正さということを疑問視する、そういうふうに見えるということをやっぱり私たちも重く受け止めていかなければいけないというふうに思っております。
 そういう意味で、先ほど申し上げましたように、やはりこの判検交流、あるいは裁判所と法務行政、ここの行ったり来たり、あるいは交流というものについていろいろな今後検証をし、そして適切に職務の公正さとか司法の独立、こういうものを疑われるとかあるいは疑問視されるようなことがやはりないようにしていかなければいけないのではないかという認識を持っております。

○松岡徹君 この辺で終わりたいと思いますが、やっぱり根幹だと思うんですよね。
 ちなみに、裁判官の方が法務省に百三人一応籍を置いていると。法務省から裁判所の方に行くというのはあるんですか、人事。百三人来て、その分。

○国務大臣(千葉景子君) 法務省というよりは、その中での検事が裁判所に行くということはございます。

○松岡徹君 いずれにしても、こういう実態がいつから始まって、何を根拠に、何を目的に、一般論で言えば分かりますが、そういうことではないと。しっかりと検証して、正すべきは正していく、整理すべきは整理していくと。ましてや、司法の独立というものが疑われることのないような体制をしっかりとしていく必要があるんではないかというふうに思っていますので、引き続きこの点については、今法務大臣がおっしゃっていただいた検証をしっかりしていただいて、正していくという方向を是非とも今後引き続き努力をお願いをして、私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

○丸山和也君 引き続いて質問させていただきます。丸山でございます。
 今、松岡議員が非常にいい質問をされていましたので、若干それに引き続いてお聞きしたいんですけれども、司法制度改革という中の大きな流れの中で、全体としての法曹人口の増加を図るということでここずっとされてきまして、一定の成果も上がってきていると思うんですけれども、先ほどの質問ともやや重なるかも分かりませんが、そもそも法曹人口を増加を図ろうとしてきた目的、そこら辺をやっぱり改めてというか再確認というか再検証をする必要があると思うんですね。
 それで、かつてやっぱり日本というのは、いつからか、少なくとも近代国家が成立した明治以降は法治国家として存立してきたと思うんですが、ヨーロッパとかアメリカ諸国と比べては、明らかにやっぱり法曹人口……(発言する者あり)うるさいな。

○委員長(松あきら君) 御静粛にお願いします。

○丸山和也君 法曹人口が非常に少ない、あるいは司法予算がヨーロッパ先進国あるいはアメリカと比べても非常に少ないというふうに言われていました。そして、やはりそういう意味では本当の三権分立というのはその体を成しているのかというようなこともありまして、やはり法曹人口を増やす中で司法のパイを、全体のパイを、立法、行政と比較して三権のやっぱり平等な一権としてできるためにもやっぱり司法を拡大しなきゃいかぬという中で法曹人口の拡大というのが唱えられてきたんじゃないかと思うんですが。
 そういう意味では、そういう認識は変わっていないのかどうか、それと、またそういうことで既にもう目的はほぼ達成されたと思われているのか、いやいや、まだ前途、先が長いんだというふうに考えているのか、これはやや法務大臣にお聞きするような質問ですけれども、我と思わん人は答えていただきたいと思いますけれども。

○国務大臣(千葉景子君) 我と思わん私の方からお答えをさせていただきたいと思います。
 私の認識とすると、法曹人口の拡大はこれからもやはり必要であろうというふうに私は思っております。これはそもそも、委員が御指摘になるように、日本の司法というのが大変小さい、司法をもっと大きなものに、そして一人一人の権利を救済をすると、そういう立場から考えても司法の機能をより強化をしていこうという必要が当然あるだろうというふうに思います。
 それから、このところの司法制度改革という中でも、これから法曹の役割というのが大変大きくなるであろうと、それは国民生活の様々な場面で法曹に対する需要が高まっていくはずだと、これは民間の企業の中でも、あるいは行政機関等の中でもそういうことがこれから必要になってくると、こういうことも指摘をされてまいりました。
 また、法の支配ということを考えたときには、弁護士の地域的偏在を是正する、あるいは、よく言われておりましたけれども、ゼロワン地帯のようなことを解消し、そしてだれもが身近で利用することのできるようなそういう体制をつくっていく必要があると、こういうことも指摘をされてまいりました。
 そして、私はそれにプラスして、先ほどのやはり大きい司法、これまで余りにも脆弱である司法ということを考えるときには、本来、裁判官であるとか検察官も併せてですけれども、やはり裁判所の裁判官の数というのをこの間も増大はさせてはきましたけれども、更に多くして、そして適切な裁判が行われるという環境をつくっていかなければいけない、こういうことを感じております。
 そういう意味では、現時点におきましても、確かに一部弁護士の皆さんの偏在といいましょうか、それからなかなか仕事が少ないといいますか、そういう悲痛なお声も、これも私も十分理解はしておりますけれども、全体とすれば、これから法曹人口それから司法の役割、こういうことをより一層大きなものにしていく必要があるのではないかという認識でございます。

○丸山和也君 大臣の、基本的にはこれからもそういう認識の下に司法の力量を付けていくといいますか、司法の実質的に人員を含めて拡大する必要があるという御認識のようなことが分かりまして、それは納得いたしました。
 そこで、その次の問題なんですけれども、拡大されつつある司法の中身なんですけれども、先ほども松岡議員がおっしゃっていましたのでそれを引用させてもらいますけれども、例えば判検交流の話が出ました。
 それで、ちょっと古いあれを見てみますと、これ通告はしていないんですけれども、御存じだと思うんですが、関東御成敗式目というのがあるんですよ、鎌倉時代のあれだと思うんですけれどもね。なかなかいいことを書いておるんですね。それで、現代でも十分なるほどなという、納得することが多くて、先人というのはなかなかやっぱりよく考えているなという思いを致したんですが、その中で一つこういうことを言っておるんですね。
 やっぱり裁きは公平でなきゃならぬと、これはもう当たり前のことなんですね。それで、そこの次に、特に同僚に対する配慮ということを排さなきゃいかぬと言っておるんですね。これは一見人情がないように聞こえますけれども、要するに、裁きの場においては、同僚だとかあるいは仲間だとか、何らかのよしみがあるような人に対する思いやりということを入れてはならないと。これはなぜかというと、ほっておいても自然にそういうことが入っていく、いろいろ交流していたりあると、だから、そこにあえて同僚に対する配慮を排すべきだというような意見が述べられている。
 私は、これはなかなか、特に日本のような、同志と言わないけれども、やや単一民族的で非常に農耕的で交わりが強い社会においては非常にこれが大事だと思っているんですよ、あえてそういうことを認識しておくということでね。
 それで、先ほどの判検交流もありましたけれども、もちろん、いろいろな人と交流し、いろんな職場を見ていろんなことを吸収する、これはいいこと、一般の人ならいいんだけれども、やっぱりそこで何年か一緒に飯食えば、同じかまの飯を食った仲間というのが出るんですね。ところが、裁きの場というのは、命を懸けなくても、刑事だって命ありますけれども、非常にやっぱり厳しいんですね。そこにおいてそういう私情がどうしても人間というのは弱いものですから入りますよ。そうすると、やっぱりそこに不公平感とか生まれてくる。ここが、判検交流なんかにも批判されている面があるとすれば、そういう点がやっぱりあるんじゃないかと思うんですよ。
 ですから、今、先ほどの松岡委員の質問ありましたけれども、やはりいつから始まったか分からないけれどもと言われるところにまさにこの制度の本質があるんですよ。何となくスタートしている、何となく仲間だと、司法だと、何となくお互いそこは余り攻撃しないでおこうよみたいなところになってしまうところがあるので、歴史的にいつ始まったか分からない制度ですけれども、それなりにやっぱり一度検証を是非していただいて、存続も含めて検討していただきたいと思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。

○国務大臣(千葉景子君) 先ほどの松岡委員の質問にも答えさせていただきましたように、私も改めて、これまでもこの判検交流やあるいは裁判の独立ということを担保するためにこういう問題どうなんだろうかということを私自身も考えてきた経緯もございます。
 確かに、いつから、それからどういう理由でということは必ずしも明確ではない。全く交流というのが意味がないとか、そういうことは私も思いませんけれども、やはり一度、司法の独立とかあるいは公正さ、こういうものを改めてきちっと確立をするという意味でも検証し、そしてまたどのような方向を持ったらいいのかということを検討をしていかなければいけないのではないかというふうに考えております。

○丸山和也君 やはり法曹一元化という、一元という理論もありますし、一人の人が判事やったり検事やったりあるいは弁護士やったりその他の民間の企業へ行ったりいろんなことをする、それは非常にいいと思うんですよ。それで、これはアメリカにおいてもほかの国においても行われていますけれども、制度として集団的にそういうのが綿々と交流していくというところがやはり問題だと思うんですね。だから、もちろん判検交流というのはアメリカにもありませんし、非常に日本的な制度だと思うんですね。
 それで、何といいますか、特にやや目に見えた形でもしかすると弊害が生じているんじゃないかと僕が思っているのは、やっぱり刑事なんですね。刑事の事件の場合は、やはり刑事第何部とありますよ。それで、判事とその部、転勤とかでいろいろ替わることありますが、基本的に一つのチームになっていますよね。そのチームに毎回新しい事件の弁護人が来るわけですよ。だから、向こうは、判検交流しているかどうかにしても、一つのチームとして一年なりやっていく、そこに新参者が来ると、双方でうまくあやされて終わりというわけじゃないですけれども、公平にやっているんですけれども、どうしてもやっぱり、常に、ああ、午後からこの事件ですねとやり合ったり、年間通じてこういうチームとして動いて、一つのチームというか対の両輪として行っているところへ毎回新参の、新しい個別の弁護士が行くわけですから、ここら辺も、もう極端な場合、やっぱり情が通じるというか、いろんな意見を言ったときに採用されやすい、されにくいとか、やっぱりさじ加減というのはどうしても生じるんですね。
 ここら辺も、やはり刑事裁判の仕組み、構成、毎回一回で変えるというのは難しいかも分かりませんけれども、配置転換を促すとかそういうことも必要じゃないかと思っておりますので、併せてひとつ検討をしていただきたいというふうに思っております。
 それで次に、先ほどもありましたけど、裁判官の増員によって審理期間の短縮、これがかなり進んできたというふうに局長の方からおっしゃっていまして、何年の統計かはちょっと聞き忘れたんですが、八・八か月が六・五か月になったとか、長期未済事件が一・二万件から〇・六万件になったとか、こういう成果を発表されたんですけれども、これは、もう十分審理の期間が短縮化がなしたと、このくらいがまあちょうどいいところだというような御見解なんでしょうか、それとももっと短縮する必要があると思っておられるのか、ここら辺、御意見をお聞きしたいと思っています。

○最高裁判所長官代理者(戸倉三郎君) 委員御指摘のように、全体としての民事第一審の審理期間は六・五か月という状況になってございます。
 しかしながら、その一方で、審議会当時、最高裁でも御説明いたしましたいわゆる人証調べを行いました事件というのがございます。これは当時二十か月を超えた審理期間が掛かっておりまして、これも当時の一つの目標値としてこれを十二か月にまで短縮したいということを申し上げたわけでございます。
 これはその後、事件増が更にあったというようなこともございまして、現時点でも依然として十九か月程度まで掛かっているといったまだ課題もあるわけでございまして、私どもといたしましても、この審理期間につきましては、事件によってはまだまだ改善すべき余地もあるものというふうに考えております。

○丸山和也君 どのくらいが適正な審理期間かということは非常に実は難しいんですね。
 それで、当然、もっと主張したいという当事者側からなると、民事の側ですけれども、やっぱり、いや、これはもう証拠調べ必要ないとか、あるいは、結審しますと言われたときは、今からやろうと思っていたときにばさっと切られるというのは非常に不満が残りますし、それから、もちろん相手方で、もう早く勝訴判決が欲しいという、そういう見込みの場合は早く切ってほしいという、引き延ばされるのは嫌だということがあったりしますし、判断が非常に難しいと思うんですけれども。
 個別の事案によってもちろん違うと思うんですが、私はこれ、平均月数出されましたけれども、決してそう長いという弊害が生じているという状況ではもうないんじゃないかというふうにも思ったりするんですけれども、そこら辺は、もう一度、局長、お聞きしたいんですけれども。

○最高裁判所長官代理者(戸倉三郎君) お答えいたします。
 今委員御指摘のように、平均六・五か月というのは、かつての水準あるいは外国の水準等と比較いたしましても、これは相当迅速に審理判断がされているものというふうに我々も承知しておるところでございます。そういう意味で、これを更に、平均値をただやみくもに短縮すべきであるというようなことは我々考えておりませんで、やはり個々の事件の個性、あるいは当事者の求めておられる審理の速度といったものは事件類型によって様々であろうかと思われますので、そういった事件類型に応じてやはり更に充実した審理をすると、そういったことをやった上で、結果として審理期間が短縮するというのが我々理想であろうというふうに考えておりますので、こういった点で、今、先ほど申し上げました人証調べを行った事件というのは、やはり事案としてそれ以外の事件に比べますと複雑困難な面があるということでございまして、そういった点について十分な充実した審理ができるような体制はつくってまいる必要があるというふうに考えておる次第でございます。

○丸山和也君 具体的にちょっと問題になりますのは、やはり人証調べをする事件は結構長くなっていると。ところが、やっぱり人証調べを決定するかどうかというところではねてしまうんですね、結構。やっぱりそれすれば長くなるということがありまして、結構実務家の中では、人証がかつてと比べて非常に極端にやっぱり認められにくくなっているという声も聞こえています。
 それから、この平均六・五か月という中に過払い金訴訟なんかも含まれているんですかね。その点はどうなんでしょうか。

○最高裁判所長官代理者(戸倉三郎君) 含まれております。

○丸山和也君 私は、インドでちょっと訴訟をやっていたことがあるんですけれども、あの国は非常に面白い国で、非常に司法が繁盛しているんですよ。繁盛していると言うとおかしいけれども、世界でも有数の訴訟国家でして、ある例、これ実例ですけれども、これ、私が担当しなかったんですけれども、境界確定訴訟というのがありますね、あれで、聞いてみたら、大した境界確定争いじゃないんですけれども、五十年以上掛かっているんですよ。まだ判決が出ないんですよ。それで、これどうなんだと聞いたら、どうしてそんなに早く判決出す必要があるんですかと当事者が言っているんです。おれの代に解決しなくても、孫、ひ孫の代に解決したらいいじゃないかと、何でそれが問題なんだと。
 そういうことで、だから、早く解決するということがベターなんだという発想の国もあれば、いや、とことんやったらいいんだ、それで納得した方がいいんだという価値観の国もあって、それと、当事者が張り合うと大変被害をこっちは被るんですけれども、日本人はやっぱり早く解決してすっきりしたいと思いますけれども。だから、諸外国と比べても平均六・五か月というのは私かなり早いと思うんですよね、過払い金訴訟がたくさん入っている例もあるのかもしれませんけれども。その前の、何ですか、八・八か月という数字にしたって、決してそう長い審理期間が掛かっているとは決して思えないんですね。
 それで、やや日本は、マスコミも含めて、裁判長く掛かり過ぎる、とんでもないというような、知らないままにあおられて、裁判が本当に進んでいないんじゃないかというようなムードが高揚したために、早く解決するという、やや、何といいますか、ごみを処理するみたいな形で、もう早く片付ければ成果があったと、また片付ける裁判官は優秀なんだという風潮ができると、これまたちょっと本来の充実した司法をつくろうという目的とかなり懸け離れてくると思いますので非常に注意が必要なんだと思うんですが、そこら辺については局長はどのようなお考えですか。

○最高裁判所長官代理者(戸倉三郎君) 委員御指摘のように、ただ、一応私どもといたしましては、裁判所に裁判を申し立てられた方は、やっぱりできるだけ早く適正な判断を望んでおられるという気持ちで事件に取り組んでおるところでございます。しかしながら、他方で、私どもといたしましてもやみくもに早くするということを考えているわけじゃございませんで、やはりこういった裁判所の役割というものは、やはり十分な当事者の主張、立証というものを的確に把握いたしまして、必要十分な証拠調べを行った上で説得力のある判断をお示しするということも裁判の役割としては非常に重要なことであるというふうに認識しておる次第でございますので、こういった点につきましては、個々の事件の内容に応じて、各裁判官、それに、当事者の主張を踏まえた充実した審理に心掛けておるものと私考えておりますけれども、今後ともそういう方向で努めてまいりたいというふうに考えております。

○丸山和也君 いつも模範回答が出るから、張りがあるというか張りがないというか、質問する側も複雑な心境なんですけれども。
 例えば、現在、裁判官個人個人、一人当たり手持ち件数というのがよく話題になるんですけど、これはどのように推移しているのか。私の認識では、裁判官は本当に記録を家に持ち帰って、週末ももうふろしきにこんな重いのを抱えて帰っているというイメージがあったんですけど、現在は、例えば東京地裁の例でもいいですけれども、裁判官の一人当たりの手持ち件数というのはどのように推移しているんでしょうか。局長、お願いします。

○最高裁判所長官代理者(戸倉三郎君) 東京地裁の民事通常部の平成二十一年度末の裁判官の手持ち件数は、一人当たり約二百七十件となっております。

○丸山和也君 これは、どうなんですかね、かなりオーバーワークになっているのか、それともまあまあそんなものだということなんでしょうか、それとも、いや、まだ少ないということなのか、ここら辺について若干コメントを、認識をお願いしたいと思いますけど。

○最高裁判所長官代理者(戸倉三郎君) 二百七十件でございますから、私個人の経験にいたしましてもこれは決して少ないという件数ではないというふうに理解しております。
 この手持ち件数が二百七十件になったのは、ここ数年、急激にやはり事件が増えたということでございまして、その増加の内容を見ますと、やはり先ほど来申し上げておりますいわゆる過払い金事件というものが集中的に申し立てられておるというようなことがございます。そういった点で、決して、数という面では非常に多うございますけれども、過払い金事件というのは、一方で事件処理については通常の事件とはやや異なる処理の仕方も行われておるというようなこともございまして、これは何とか裁判官の方で努力いたしまして、審理期間その他については先ほど申し上げたとおり大きな問題は生じないということにはなってございます。しかしながら、やはり全体として今の件数は非常に負担が重いということは私どもも認識しておるところでございます。

○丸山和也君 細かいことを聞きますけど、この二百七十件のうちの過払い金というのはどのくらいの割合を占めているんですか。

○最高裁判所長官代理者(戸倉三郎君) 二百七十件のうち今手持ちでどれぐらい過払い金があるかというのはちょっと集計はできておらないわけでございますが、毎月裁判官が受ける新受件数ということでいきますと、大体今の件数でいきますと一月四十件程度に一人当たりなっておりますが、そのうち四割余りが過払い金であるというふうに承知しております。

○丸山和也君 そうしますと、それから推測しまして、二百七十件のうちの三、四割はそういうのが入っているんじゃないかと思われますから、そういう意味では過重ではないということになるのかも分かりませんけれども、裁判官の声として、実際に現在裁判をやっている、手持ち件数を抱えている、二百七十件抱えている裁判官の生の声としてはどういう声なんですか。これは、いや、多いと、いや、まだまだやれると、正直なところ、どんな声があるんでしょうか。

○最高裁判所長官代理者(戸倉三郎君) やはり裁判官、伺いますと、一様にといいますか、やっぱり繁忙度はここ数年非常に増しておるということは、我々もやはり裁判官の感想としては聞こえておるところでございます。

○丸山和也君 じゃ、ついでにもう一つ、裁判官の声といいますか、お聞きしたいんですけれども、我々から見ると裁判官というのは結構給料が高いと思うんですよね。そこら辺については、自分らは少し給料を減らしてもいいからあるいは裁判官を増やしてくれと、こういう声はないんでしょうか。

○最高裁判所長官代理者(戸倉三郎君) そういった報酬との関連で人数を裁判官が議論したというようなことは私どももまだ経験特にございませんので、そういう形での増員の希望ということはちょっとお答えしにくいんですが、やはり今申し上げたような裁判官の事件数に対する実感からすれば、できれば、やはり少し、可能な限りそれは体制を充実させてほしいというのはやっぱり現場の要望であるというふうに私ども認識しておりまして、そういった観点からも、いろんなこのような増員要求もお願いしたり、あるいは全体の人員の配置というようなものを細かく見直したりといったことをしておるところでございます。

○丸山和也君 裁判所も、いろんな役所もそうですけれども、やっぱり自ら内部改革するという意味では、裁判官がやっぱり集まって、これだけの事件を抱えてみんな大変だと。中には、ノイローゼになったり時たま自ら命を絶ったりする人もあるじゃないですか。いろいろ、かつては、それは僕の聞いた話では、五百件ぐらい抱えているという人も結構いたように思うんですけれども、それから見れば減ったのか、良くなっているように見えるんですけれども。
 やはり、結構過重であるならば、そして一気に予算なりあるいは増やせないならば、やっぱり自らの身を削ってでも人員を増やしてそういうふうにやってくださいよという声が内部から上がってもいいと思うんですけれども、そういう自由闊達な裁判官の声をみんな語り合って、それを集約して一つの内部からの意見として出すというような、そういうことをされたらどうなんですか。そういうお考えは全くない、ないわね。でも、まあお聞きしたいんですけれども。

○最高裁判所長官代理者(戸倉三郎君) 私どもは、こういうやっぱり人員配置ということを考える際には、もちろん事件数という客観的なできるだけ指標で判断をするということもやっておりますけれども、一方で、やはり個々の裁判官の事件処理の実情と、どういう種類の事件があってどういう形で審理をし判断しておるかという辺りのそういう実情についても機会をとらえて意見を聞いておる、そういうことも把握していろんな増員であるとかあるいは裁判官の配置などについても検討しているところでございまして、そういった意味で、いろんな裁判官の意見というものは我々もいろんな形で踏まえた上で人員配置等も検討しておるというところでございます。

○丸山和也君 是非、いろんな角度から、硬直化しないで、やっぱりより充実した司法の実現のためにいろいろ、やっぱり司法制度の大改革の時期ですから、裁判所においても内部の率直な意見も入れて改革を進めていただきたいとお願いしておきます。
 それから、合議と単独の審理についてちょっとお聞きしたいんですけれども、いわゆるこれを合議事件、合議体に回すかそれとも単独にするかというような判断基準というのは、どこがどのような基準に基づいてやるんでしょうか。

○最高裁判所長官代理者(戸倉三郎君) 民事事件につきましては、これを合議にするかどうかは各裁判体が判断をしております。一般的には、そういう単独で受けました事件について合議をする場合には、やはり事件が複雑困難であるとか社会的な影響の大きさとか、そういったことも考慮して判断されているものと承知しております。

○丸山和也君 これについては、もちろん我々も代理人になったときに、合議にやってほしいなと思っても単独に行ったりすることも多いんですけれども、これについて意見を言ったからというと認められるということはないんですけれども、今一般的に合議、複雑性とか、いろんな観点から合議にふさわしいやつは合議にしているんだということなんですけれども、ここら辺は極めて臨機応変というか柔軟にされているのか、かなり具体的な何か基準があって、ガイドライン的に、非常に細かく基準に当てはめてやっておられるのか、ここらはちょっと実務的なことですけど、お聞きしたいと思っているんですけど。

○最高裁判所長官代理者(戸倉三郎君) 今も申し上げましたように、各合議体において判断をしておりまして、そういった各合議体に共通のいわゆる基準といった、そういったものは特に存在しておりません。

○丸山和也君 時間の関係で、今回の法改正に判事補の定員が二十人減って千人となり、一期当たりの判事補数は平均百人となるそうですが、今後、判事補の採用は百人以上採用はしないという考えなのかどうかについてお聞きしたいと思います。

○最高裁判所長官代理者(戸倉三郎君) 今回、判事補二十名を判事に振り替える結果、判事補の定員が千名となるわけでございますが、この振替は、今回判事、判事補が二期分、これは司法修習が二年から一年半に変わったことに伴いまして、十年前に二期分が判事補に任官したと、その者が今回判事になるということに伴う極めて例外的な措置でございまして、その後の定員につきましても、これは従来どおり、従前のとおり、言わば十期分の判事補の定員として千名があるということでございます。
 そういう意味で、これまでおおむね百人を超える判事補の採用が行われてきているわけでございますけれども、この千人の定員があれば従前どおりの採用ペースを維持できるものと我々は考えておる次第でございます。

○丸山和也君 では、一方、来年度、十年間の増員計画が一応ほぼ完了するということなんですが、その後のすると増員計画については何かお考えがあるのか、既にそういうことを検討されているのかどうか、そこら辺についてお聞きしたいと思います。

○最高裁判所長官代理者(戸倉三郎君) これまでも申し上げましたとおり、裁判所といたしましては、司法制度改革審議会で申し上げた意見に基づきまして、平成十年度から計画性を持った増員をしてきたわけでございます。
 そういう観点からいきますと、平成二十四年度以降はどうかというようなお尋ねでございますけれども、これについては、いずれやはり今後とも人的体制の在り方については検討する必要があろうかというふうに考えておりますが、現時点で今具体的にどうなっているというのは、まだ申し上げるようなところになっておりません。
 ただ、いずれにしましても、各種事件の動向であるとか、特に法曹人口の増加が事件数にどういう影響を及ぼすかということ、あるいは裁判所に参ります事件の内容の困難さであるとか、さらには裁判員制度を始めといたします新たな制度がどういうふうに運用されていくかといったことも諸情勢を考慮いたしまして、必要な人的の体制の整備ということを考えてまいりたいというふうに考えております。

○丸山和也君 法務大臣にお聞きしたいんですけれども、こういうことで裁判官の増員というのが図られてきたと、しかし、まだまだ課題も多いし、今後の計画についても、含みはありましたけれども、検討していくということなんですけれども、大臣としては、今までの討論を見ていまして、今後の裁判官の数等についてどのように基本的にお考えをお持ちなのか、お聞きしたいと思います。

○国務大臣(千葉景子君) 私も、今後、どのような規模が裁判官必要なのか、あるいは目標を定めていくのかということは、確たるところをまだまだお示しをするということではございませんし、これは裁判所の方でまずは考えていただくということが第一であろうと、私の方からああだこうだと申し上げることではないというふうに思いますけれども、ただ、この間も、国会の御議論含めて、やはり先ほどからお話があるように、司法というものの充実、それから裁判官がそれぞれの事件について十分にしっかりとした審議をしていただくということを考えますときには、決して多過ぎるという話ではないだろうというふうに思います。
 ただ、先ほどお話があったように、給料が高いので云々というお話もございますが、やはり人件費といいますか、そういうことにもかかわるんだろうというふうには思いますが、決して多過ぎるという実情にあるとは私は思いませんので、適切に、きちっとした規模、そしてまた充実した審理ということを踏まえて今後のまた増員計画なりを考えていくべきではないだろうかというふうに思います。

○丸山和也君 最後の質問になりますが、これも大臣にお聞きしたいんですが、いわゆる法曹人口、司法試験の合格者数の問題があるんですけれども、これは今般日弁連会長選挙もあって、それで法曹人口の歯止めといいますか、千五百人程度が妥当だろうというような一つの考え方を示してその方が当選された経緯もございますし、かつて政府を中心にして三千人規模の合格者数を目指すと、これも基本的には変わっていない。しかし、見直すという、やや見直そうというような閣議決定がなされたというようなふうにも、前政権でですね、聞いているんですけれども、そこら辺も含めまして、最後に、司法試験合格者数、これは当然法曹人口、裁判官の数にも間接的にやっぱり影響してまいりますので、大臣の所見を、現時点でも結構ですけれども、どのようにお考えになっているかお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。

○国務大臣(千葉景子君) 先ほども多少関連をしたお答えをさせていただきましたけれども、今、法曹人口、司法試験合格者三千人というのは、閣議決定をされたものが今継続をしているというのが実情ではございます。それが変更されたということはないと認識をいたしております。
 これは、司法制度改革審議会等の議論の中でも様々な各分野の皆さんの御議論があったと承知をいたしておりますけれども、今後日本の社会の中で、やっぱり法曹に対する需要というのが大変多様化、高度化していくのではないかと、こういう想定がございました。
 それから、先ほどもこれもお話をいたしましたけれども、法の支配、こういうものが徹底した社会をつくるということになりますと、全国身近なところに法曹、弁護士などの存在が求められると、こういう御意見あるいは指摘もあり、そういう中で法曹人口の拡大ということが三千人という形で閣議決定されたんだというふうに承知をいたしております。
 ただ、正直言いまして、この需要が本当に多様化、高度化するという想定、これがそのまま今推移しているのかというと、必ずしも、例えば一般的な企業とかあるいは自治体であるとか行政機関、そういうところで法曹資格を持った者がいわゆる弁護士、検事、裁判官という形だけではなくて本当に活躍をするような方向になっているかというと、まだまだそういう状況にもないのではないかと。ただ、ゼロワン地域が大分解消されたように、かなり弁護士の全国的な偏在というのが努力をされて少し解消されてきているということはありますけれども、まだまだ地域によっては大変、一人、二人で原告、被告両方の代理になってしまうのではないかというような心配があるような地域もないわけではないと、こういうことでございます。
 そういう意味では、一方で確かに合格者を減らす必要があるという大変悲痛な実情も踏まえての御意見があることも、これも私も大変よく理解をできるところでもございます。全体として、今後、法曹人口、それから日本における法曹の役割、あるいは司法の大きさ、こういうことなども踏まえながらこれから検証し、そしてまたその規模というものを考えていかなければいけないのではないかというふうに考えております。直ちに減らすべしということではないだろうというふうには思っております。

○丸山和也君 閣議決定は維持されているので、その方向を維持しつつも柔軟にやっぱり実情を検証しながら将来設計をしていくと、このように承りましたので、是非そういう意味で、新しい内閣の下、是非司法の充実ということについては、これはもう党派を超えた国民的課題であるし社会的要請だと思いますので、是非頑張っていただきたいと思います。
 私の質問を終わります。

戻る