政府公表資料等情報

法務年鑑平成21年版

※司法試験関連部分のみ抜粋

第1部 総説 第1.重点施策

5.司法試験制度及び法曹養成制度の改革

 司法試験制度及び法曹養成制度の改革に関しては,法曹三者が,平成9年10月28日,司法試験合格者を同11年度から年間1,000人程度に増加させるとともに,同年度からは司法修習の期間を現行の2年から1年6か月とする新たな修習制度を実施することなどを合意したことを受け,法務省は,第142回国会に司法試験法及び裁判所法の一部を改正する法律案を提出し,同法律案は,同10年4月24日成立,同年5月6日公布された。その後,平成14年3月に閣議決定された司法制度改革推進計画において,「現行司法試験の合格者数を,平成14年に1,200人程度に,平成16年に1,500人程度に増加させることとし,所要の措置を講ずる。」,「法科大学院を含む新たな法曹養成制度の整備の状況等を見定めながら,平成22年ころには司法試験の合格者数を年間3,000人程度とすることを目指す。」とされた。
 また,より質の高い法曹を養成するという観点から,法科大学院構想について,大学関係者,法曹関係者等において種々議論され,司法制度改革審議会においても調査審議が行われた。司法制度改革審議会意見においても,「司法試験という『点』のみによる選抜ではなく,法学教育,司法試験,司法修習を有機的に連携させた『プロセス』としての法曹養成制度を新たに整備すべきである。その中核をなすものとして,法曹養成に特化した教育を行うプロフェッショナル・スクールである法科大学院を設けるべきである。」とされ,さらに,「司法試験を,法科大学院の教育内容を踏まえた新たなものに切り替えるべきである。」とされた。これらを受け,司法制度改革推進本部において,司法試験法改正等関連法案の立案を含め,新たな法曹養成制度の全体的な制度設計について検討が進められ,平成14年10月18日内閣提出法案として司法試験法及び裁判所法の一部を改正する法律及び法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律が第155回国会に提出され,衆・参法務委員会等における十数回にも及ぶ法案審議を経て,同年11月29日参議院本会議において可決・成立し,同年12月6日公布された。また,平成15年3月14日内閣提出法案として法科大学院への裁判官及び検察官その他の一般職の国家公務員の派遣に関する法律が第156回国会に提出され,衆・参法務委員会における法案審議を経て,同年4月25日参議院本会議において可決・成立し,同年5月9日公布された。さらに,平成16年12月3日参議院本会議において,司法修習生に対し国が給与を支給する制度を廃止し,これに代えて,司法修習生に対し国が修習資金を貸与する制度を導入する裁判所法の一部を改正する法律が可決・成立した。各法案は,司法制度改革推進本部において法曹養成検討会の検討状況等を踏まえて立案作業が行われたものであるが,法務省としても,司法試験法を所管する立場から,最大限の協力を行ったところである。これらの立法措置に基づき,平成16年4月には法科大学院が開校して,法科大学院を中核的な教育機関とするプロセスとしての新たな法曹養成制度が構築され,同18年5月には,初めての法科大学院修了者を対象とする新しい司法試験が実施され,1,009人が合格した。その後,3回の新司法試験が実施され,同19年は1,851人,同20年は2,065人,同21年は2,043人が合格した。

 

第2部 業務の概況 本省 第1.内部部局
T 大臣官房 司法法制部 司法法制課 1.司法制度等に関する企画及び立案等

(3) 法曹人口,法曹養成制度について

ア.法曹人口については,司法制度改革推進計画(平成14年3月19日閣議決定)において,「法科大学院を含む新たな法曹養成制度の整備の状況等を見定めながら,平成22年ころには司法試験の合格者数を年間3,000人程度とすることを目指す。」とされている。
 法科大学院修了者に受験資格が認められる新司法試験は,平成18年から実施され,平成18年の新司法試験合格者数は1,009人,旧司法試験合格者数は549人,平成19年の新司法試験合格者数は1,851人,旧司法試験合格者数は248人であった。司法試験委員会は,平成19年6月22日,各法科大学院が,今後,入学者の適性の適確な評価,法科大学院における教育並びに厳格な成績評価及び修了認定の在り方を更に充実させていくことを前提として,同20年以降の併行実施期間中の新旧司法試験合格者数の概数(一応の目安)について意見を取りまとめた。平成20年の新司法試験合格者数は2,065人,旧司法試験合格者数は144人,平成21年の新司法試験合格者数は2,043人,旧司法試験合格者数は92人であった。

イ.法曹養成制度については,平成14年の臨時国会において,法科大学院を中核とする新たな法曹養成制度を整備するため,司法試験法及び裁判所法の改正が行われるとともに,法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律(以下「連携法」という。)が成立した。これらの法律によって,学校教育法上定められている専門職大学院の一つとして法科大学院を定義した上,法科大学院を新たな法曹養成制度における中核的教育機関と位置付け,法科大学院における教育と司法試験及び司法修習生の修習との有機的連携の確保を図ることが定められ(連携法),司法試験については,法科大学院を修了した者に受験資格を認め,試験の方法や試験科目等を改めることとし(司法試験法),他方,司法修習生の修習については,その期間を1年6月から1年に短縮することとされた(裁判所法)。

ウ.法科大学院は,平成21年度において,全国の74大学(定員5,765人)に開設されている。

エ.連携法において,国の責務として,法科大学院における法曹である教員の確保等のために必要な施策を講ずることと定められたことを受け,平成15年の通常国会において,裁判官及び検察官等が法科大学院における教員としての業務を行うための派遣に関し必要な事項などについて定めた法科大学院への裁判官及び検察官その他の一般職の国家公務員の派遣に関する法律が成立し,同21年12月末現在,29名の検察官が45校の法科大学院に派遣されている。

(4) 弁護士と隣接法律専門職種との役割分担について

ア.司法書士,弁理士等の隣接法律専門職種の活用は,利用しやすい司法制度を実現する観点から,弁護士偏在問題や弁護士の専門性を補完する重要な検討課題である。

イ.訴訟における活用

 今般の司法制度改革においては,平成14年の法改正により,@所定の研修を受け,法務大臣の認定を受けた司法書士は,簡易裁判所における訴訟及び簡易裁判所の事物管轄を基準とする調停・即決和解事件の代理をすることができることとされ,A所定の研修を受け,経済産業大臣が実施する試験に合格した弁理士は,特許権等の侵害訴訟の代理をすることができることとされた。また,同17年の通常国会において,司法書士法の一部が改正され,司法書士が自ら代理人として関与した事件についての上訴の提起の代理ができることとされた。
 また,税理士に対しても,平成13年の法改正により,税務訴訟において,裁判所の許可を得ることなく,補佐人として,弁護士である訴訟代理人と共に裁判所に出頭し,陳述することができることとされた。
 他方,行政書士,社会保険労務士,土地家屋調査士等の訴訟への関与については,司法制度改革審議会意見において,将来の検討課題とされており,これらの士業者について訴訟への関与を認めるかどうか,また,司法書士,弁理士及び税理士に現在以上の権限を付与するかどうかについては,今後の各士業者の活動状況等,実情を十分見極めた上で検討する必要がある。

ウ.ADRにおける活用

 また,今般の司法制度改革においては,隣接法律専門職種をADR(裁判外紛争解決手続)における代理人として活用することも検討され,司法制度改革推進本部は,平成16年11月26日,「今後の司法制度改革の推進について」を決定し,司法書士,弁理士,社会保険労務士及び土地家屋調査士について,一定範囲のADR代理権を付与する方向性を示した。そして,これを受けて,同17年の通常国会において,上記各士業の業法の改正が行われた。これらが施行されることにより,上記各士業は,既に付与されているADR代理権を含め,次のADR代理権が与えられることになる。

(ア) 司法書士

 所定の研修を受け,法務大臣の認定を受けた司法書士は,紛争の目的の価額が簡易裁判所の事物管轄の上限(140万円)を超えない民事紛争に関する調停,あっせん,仲裁の手続の代理することができる。

(イ) 弁理士

 特許,実用新案,意匠,商標,回路配置,特定不正競争又は著作権に関する調停,あっせん,仲裁の手続(経済産業大臣が指定する団体が行うものに限る。)について代理することができる。

(ウ) 社会保険労務士

 所定の研修を受け,厚生労働大臣が行う試験に合格した社会保険労務士は,@個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律に基づき紛争調整委員会が行うあっせんの手続,A都道府県知事の委任を受けて地方労働委員会が行う個別労働関係紛争のあっせんの手続,B雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律に基づき紛争調整委員会が行う調停の手続,C個別労働関係紛争に係る和解の仲介の手続(厚生労働大臣が指定する団体が行うものに限る。)について代理することができる(ただし,Cについては,紛争の目的の価額が60万円を超える場合には,弁護士と共同して受任しなければならない。)。

(エ) 土地家屋調査士

 所定の研修を受け,法務大臣の認定を受けた土地家屋調査士は,土地の境界が明らかでないことを原因とする民事に関する紛争に係る和解の仲介の手続(法務大臣が指定する団体が行うものに限る。)について代理することができる(ただし,弁護士と共同して受任しなければならない。)。

 その他の隣接法律専門職種については,上記司法制度改革推進本部決定が「税理士,不動産鑑定士及び行政書士の代理人としての活用の在り方については,裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律の施行後におけるこれらの隣接法律専門職種の手続実施者としての実績等が見極められた将来において改めて検討されるべき課題とする」としており,今後の検討課題とされている。

(5) 弁護士問題について

ア.弁護士制度改革

(ア) 司法制度改革における弁護士法の改正

 弁護士制度については,今般の司法制度改革において,平成15年及び同16年の2度にわたり弁護士法が改正され,@弁護士資格の特例の拡充・整理,A弁護士の公務就任の自由化,B弁護士の営利業務の従事に関する許可制の届出制への変更,C弁護士の報酬基準の撤廃,D弁護士の懲戒手続の透明化・迅速化・実効化,E弁護士法第72条(非弁護士による弁護士業務の禁止規定)の規制範囲に関する予測可能性の確保等の措置が講じられた。
 このうち,@は,従前から存在していた弁護士資格の特例について,次のような拡充及び整理を行ったものであるが,ここで資格の要件とされた法務大臣の認定に関する事務(弁護士資格認定事務)は,司法法制部において担当している。

a 弁護士資格の特例の拡充

・司法試験合格後5年以上国会議員の職に在った者

・司法試験合格後7年以上企業法務担当者や公務員として法律関係事務に従事していた者

・5年以上いわゆる特任検事(副検事を3年以上経験し,政令で定めた試験に合格して検事になった者)の職に在った者

 以上の者に対して,研修を受講し,かつ,法務大臣の認定を受けることを要件として弁護士資格を付与する。

b 弁護士資格の特例の整理

・5年以上大学の法律学の教授・助教授の職に在った者に対して弁護士資格を付与していた制度について,司法試験合格,研修の受講及び法務大臣の認定を要件として追加する。

・司法試験合格後5年以上簡易裁判所判事,内閣法制局参事官等の職に在った者に対して弁護士資格を付与していた制度について,研修の受講及び法務大臣の認定を要件として追加する。

(イ) 今後の課題

 弁護士制度については,「規制改革推進のための3か年計画」(平成19年6月22日閣議決定,同20年3月25日改定,同21年3月31日再改定)等において,弁護士法第72条の見直し,隣接法律専門職の法律事務の取扱い範囲の見直し等が課題として提起されており,今後も,これらの事項について法改正を含めた検討・措置を求められる状況にある。

イ.いわゆるFATF問題

 平成元年のG7アルシュサミットでマネーローンダリング対策のために召集された政府間会合である金融活動作業部会(FATF)は,マネーローンダリング対策に関する国際標準である「40の勧告」を定めているが,同13年2月から同勧告の改訂作業が進められ,同15年6月のベルリンでの全体会合において,改訂案が採択された。
 改訂された「40の勧告」は,@弁護士,公証人,公認会計士等の専門職業家が,一定の取引に従事するなどした場合には,これら弁護士等に対して,金融機関同様,顧客の本人確認義務及び犯罪収益又はテロ資金供与にかかる疑わしい取引に関する情報を当局等へ届け出る義務等を課する一方,A弁護士等の守秘義務の範囲に属する事項については,疑わしい取引に関する情報を当局等へ届け出る義務を負わない旨を規定している。同勧告については,平成16年末から各国による相互審査手続が開始された。同勧告の内容を実施するため,犯罪による収益の移転防止に関する法律案が平成19年通常国会に提出され,同年3月31日に成立し,平成20年3月1日に施行された。同法は「弁護士等による顧客等又は代表者等の本人確認,本人確認記録の作成及び保存並びに取引記録等の作成及び保全に相当する措置については」,同法「第二条第二項第四十号から第四十三号までに掲げる特定事業者の例に準じて日本弁護士連合会の会則で定めるところによる」(第八条第一項)と規定しているものの,弁護士の疑わしい取引の届出義務については,規定していない。
 一方,平成18年11月から,各国による日本に対する相互審査が行われ,同20年10月に同審査の報告書が公表され,当課関連では,弁護士等における身元確認など顧客管理については不十分であるとの指摘がなされたほか,弁護士等に疑わしい取引の届出義務を課していないことなどについて指摘を受けたことから,その改善状況について,平成22年のFATF全体会合に報告する予定であり,その対応について調査・検討が進められたところである。

 

平成二十二年十一月三十日提出
質問第二二三号
最高裁判所裁判官に関する質問主意書
提出者  浅野貴博

 最高裁判所長官、判事の最高裁判所裁判官(以下、「最高裁裁判官」という。)に関し、以下質問する。

一 「最高裁裁判官」に対して、衆議院議員総選挙の際に国民審査(以下、「国民審査」という。)が行われるが、その意義、目的等は国民に十分浸透しているか。菅直人内閣の認識如何。

二 現在国民が「国民審査」により「最高裁裁判官」を審査する際、十分な判断基準となり得る情報は示されているか。菅内閣の認識如何。

三 「国民審査」は、実質的な効果を上げているか。衆議院議員総選挙の際に付随して行われる、単なるセレモニーの一つとなってはいないか。菅内閣の見解如何。

四 「最高裁裁判官」は、三権分立を旨とする我が国において、司法の最高機関に勤める者である。主権在民を旨とする我が国において、その「最高裁裁判官」にも十分かつ実効的な国民によるチェックがなされなくてはならない。右の観点から、「国民審査」を行う際、各種選挙における候補者の経歴放送のように、それぞれの「最高裁裁判官」の経歴や過去の業績等を広報する等の方法により、国民により多くの、十分な判断基準となり得る情報を示し、真に国民が「最高裁裁判官」を審査することが可能となる制度にすべきであると考えるが、菅内閣の見解如何。

五 「最高裁裁判官」のうち、@司法試験に合格していない者、A司法試験に合格していても司法修習を終了していない者はそれぞれ何人いるか。

六 司法試験に合格していない者が、我が国の司法の最高機関である最高裁判所の判事となることは適切か。右は、例えるならば医師免許を持たない者が医療行為を行うことに等しく、甚だ不適切であると考えるが、菅内閣の見解如何。

七 過去に行政官庁出身で「最高裁裁判官」に指名された者は誰か、その出身府省庁並びにそれぞれの人数を全て挙げられたい。

八 「最高裁裁判官」のポストが、ある特定の府省庁の者が自動的に再就職をするポストに、つまり天下り先のようなものになってはいないか。

九 菅内閣として、右に挙げたような「国民審査」や人選の方法等、「最高裁裁判官」のあり方について見直しをする考えはあるか。

 右質問する。

 

平成二十二年十二月十日受領
答弁第二二三号
内閣衆質一七六第二二三号平成二十二年十二月十日
内閣総理大臣 菅 直人

衆議院議長 横路孝弘 殿

衆議院議員浅野貴博君提出最高裁判所裁判官に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

衆議院議員浅野貴博君提出最高裁判所裁判官に関する質問に対する答弁書

一について

 最高裁判所裁判官国民審査(以下「国民審査」という。)は、内閣の意思に基づき、既に天皇又は内閣によって任命された最高裁判所の裁判官を罷免すべきか否かを国民が決定する制度である。国民審査については、従来より、衆議院議員総選挙に際し、総務省及び都道府県の選挙管理委員会等において、ホームページなどの広報媒体を活用した啓発を行い、制度の周知徹底に努めているところであり、その意義、目的等は国民に広く認識されているものと考えている。

二について

 お尋ねについては、国民審査のための国民の判断材料の一つとして、最高裁判所裁判官国民審査法(昭和二十二年法律第百三十六号)第五十三条の規定に基づき、都道府県の選挙管理委員会から、審査に付される裁判官の氏名、生年月日及び経歴並びに最高裁判所において関与した主要な裁判その他審査に関し参考となるべき事項を掲載した審査公報が国民審査ごとに発行され、基本的な情報が示されるとともに、国民が国民審査において判断をするに当たっては、普段から目にする最高裁判所の裁判官や裁判に関する日頃の報道等も併せて判断材料とされるものと考えており、十分な判断材料が示されているものと考えている。

三について

 一について及び二についてでお答えしたとおり、国民審査については、その意義、目的等は国民に広く認識され、また、国民に十分な判断材料が示されているものと考えていることから、最高裁判所の裁判官がその職責にふさわしい者であるか否かについて、国民においては、適切に判断されているものと考えており、「単なるセレモニーの一つとなってはいないか」との御指摘は当たらないものと考えている。

四について

 三についてでお答えしたとおり、国民審査については、その意義、目的等は国民に広く認識され、また、国民に十分な判断材料が示されているものと考えていることから、最高裁判所の裁判官がその職責にふさわしい者であるか否かについて、国民においては、現行制度により適切に判断されているものと考えており、御指摘のような「方法」を導入することは考えていない。

五について

 現職の最高裁判所の裁判官で、司法試験に合格していないものは二人であり、司法試験に合格していて司法修習を終了していないものはいない。

六について

 最高裁判所の裁判官の指名又は任命については、裁判所法(昭和二十二年法律第五十九号)第四十一条第一項に規定する任命資格である「識見の高い、法律の素養のある年齢四十年以上の者」を満たす、最高裁判所の裁判官にふさわしい人物が選考され、適切に行われているものと考えている。

七について

 お尋ねの「行政官庁出身」及び「出身府省庁」の意味するところが必ずしも明らかではないが、これまでに最高裁判所の裁判官に任命された者のうち、その前職が主に府省(国立大学を除く。)の職員(検察官を除く。)であったものについて、その主な府省ごとに人数及び氏名をお示しすると、次のとおりである。

 内閣法制局 四人 高辻正己、角田禮次郎、大出峻郎、津野修
 外務省 七人 栗山茂、下田武三、藤崎萬里、高島益郎、中島敏次郎、福田博、竹内行夫
 旧厚生省 一人 横尾和子
 旧労働省 二人 高橋久子、櫻井龍子

八について

 最高裁判所の裁判官の指名又は任命については、裁判所法第四十一条第一項に規定する任命資格である「識見の高い、法律の素養のある年齢四十年以上の者」を満たす、最高裁判所の裁判官にふさわしい人物が選考されており、御指摘は当たらないものと考えている。

九について

 四についてでお答えしたとおり、国民審査については、最高裁判所の裁判官がその職責にふさわしい者であるか否かについて、国民においては、現行制度により適切に判断されているものと考えており、また、六について及び八についてでお答えしたとおり、最高裁判所の裁判官の指名又は任命については、裁判所法第四十一条第一項に規定する任命資格である「識見の高い、法律の素養のある年齢四十年以上の者」を満たす、最高裁判所の裁判官にふさわしい人物が選考され、適切に行われているものと考えている。これらのことから、御指摘について見直しを行うことは考えていない。

 

平成二十二年十二月一日提出
質問第二三四号
司法修習生への給与制の一年間延長措置に関する質問主意書
提出者  馳  浩

司法修習生への給与制の一年間延長措置に関する質問主意書

 本年十一月一日に施行された改正裁判所法により、司法修習生に対し給与を支給する制度に代えて修習資金を国が貸与する制度が導入された。
 しかし、修習専念義務により、兼職やアルバイトが禁止されている中での貸与制実施は、修習生の経済的な負担増や法曹志望者の減少などが懸念され、見直しを求める声も多くある。
 この状況を踏まえた議員立法により裁判所法の改正案が去る十一月二十六日の参議院本会議にて可決・成立したことで、貸与制を停止し、給与制が一年間延長された。この延長措置は、あくまで応急処置的な対応であり、問題の本質的な解決に繋がるものではない。
 今後、修習生への経済的支援のあり方や法曹養成を含めた司法制度全体の見直しが求められる。
 そこで、次の事項について質問する。

一 給与制を永続させるのでなく、一年間の延長措置の後、予定通り貸与制に移行することが前提であると承知しているが、政府の認識は如何。

二 最高裁によると、給与制を一年間延長することにより、約百億円の経費が必要との試算があるが、その数字の根拠について内閣として把握するところを示されたい。関連して、予算上その延長経費をどのように捻出するのか、その手法について伺う。

三 貸与制を前提にするならば、一年間の延長期間内に、司法修習生の中の生活困窮者に対する返済免除等の救済措置の検討も必要ではないかと考えるが、政府の今後の方針について示されたい。

四 法曹志望者の減少や、司法試験合格率の低下など法科大学院のあり方が問われている。さらに、修習期間を経て、たとえ弁護士になれても仕事がないという現状で、法曹人口年間三千人増員の見直し等の司法制度全体の改革が必要と考えるが、今後の法曹改革に対する政府のビジョンを示されたい。

 右質問する。

 

平成二十二年十二月十日受領
答弁第二三四号
内閣衆質一七六第二三四号平成二十二年十二月十日
内閣総理大臣 菅 直人

衆議院議長 横路孝弘 殿

衆議院議員馳浩君提出司法修習生への給与制の一年間延長措置に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

衆議院議員馳浩君提出司法修習生への給与制の一年間延長措置に関する質問に対する答弁書

一について

 御指摘の裁判所法の一部を改正する法律(平成二十二年法律第六十四号。以下「一部改正法」という。)においては、平成二十三年十月三十一日までの間、暫定的に、司法修習生がその修習に専念することを確保するための資金を国が貸与する制度を停止し、司法修習生に対し給与を支給するものとされている。

二について

 最高裁判所においては、一部改正法の施行により、司法修習生手当及び国家公務員共済組合負担金として、平成二十二年度に約二十六億円、平成二十三年度に約七十億円、平成二十四年度に約三億円の合計約九十九億円の経費が必要となると見込んでおり、平成二十二年度予算において増額が必要となる経費は、裁判所の他の予算を流用することにより確保することを検討していると承知している。

三について

 「裁判所法の改正に関する件」(平成二十二年十一月二十四日衆議院法務委員会決議。以下「決議」という。)は、政府に対し、平成二十三年十月三十一日までに、「個々の司法修習終了者の経済的な状況等を勘案した措置の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずること」について格段の配慮を求めており、政府としては、決議の趣旨を踏まえ、適切に対応してまいりたい。

四について

 決議は、政府に対し、「法曹の養成に関する制度の在り方全体について速やかに検討を加え、その結果に基づいて順次必要な措置を講ずること」について格段の配慮を求めており、政府としては、決議の趣旨を踏まえ、適切に対応してまいりたい。

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