政府公表資料等情報

総務省政策評価・独立行政法人評価委員会政策評価分科会委員懇談会平成21年2月17日より抜粋

【金本良嗣(東京大学大学院経済学研究科・公共政策大学院教授)分科会長】 ・・「平成21年度行政評価等プログラムにおける政策評価テーマ等について」、こちらは新井総務課長から御説明いただきたいと思います。

【新井総務課長】 それでは、お手元の資料2「平成21年度における行政評価等プログラムにおける政策評価テーマ等について」に沿いまして、行政評価局が取り組むいわゆる統一性・総合性確保評価というテーマについて御説明申し上げたいと思います。
 まず、枠組からで、資料の4ページ御覧いただきたいと思います。いわゆる政策評価法の条文の中で、総務省が行う政策の評価として第12条で、二以上の行政機関に共通するそれぞれの政策であって、その政府全体としての統一性を確保する見地から評価する必要があると認めるもの。または、二以上の行政機関の所掌に関する政策であって、その総合的な推進を図る見地から評価する必要があると認めるものについて、評価局において統一性、総合性の確保のための評価に取り組むことになっております。
 さらに13条を御覧いただきますと、この評価につきまして、毎年度、当該年度以降の3年間についての評価に関する計画を定めなければならないことになっておりまして、総務省といたしましては、毎年行政評価等プログラムの中でこれを定めてやってきているところでございます。
 1ページにお戻りいただきまして、本日御説明するのは行政評価等プログラムの中に書かれる統一性・総合性評価でございます。このプログラムは毎年度末に策定しておりますが、本日御審議いただきまして、その終了後パブリック・コメントの募集も行い、再度この分科会で御議論いただいた上で大臣の御決裁をいただいて、3月末には公表する形にしてまいりたいと思います。
 次のページを御覧いただきますと、行政評価等プログラムの中には評価局全体の業務が書かれることになっており、俗に4本柱と言っておりますが、政策評価、行政評価・監視、独立行政法人評価、それから行政相談と、これらについてそれぞれ書かれることになります。
 ・・3ページを御覧いただきたいと思います。ここに書かれてございますとおり、21から23年度で、行政評価局で取り組もうと考えているテーマは上の箱の中にございます4テーマ、児童虐待の防止、ヒートアイランド、食育推進、法曹養成でございます。
 さらに今年度から引き続きやっております低公害車、配偶者からの暴力防止といったものについても引き続き取りまとめ、またバイオマスについては現地の管区行政評価局等を使った調査も21年度に予定しているということでございます。
 なお、行政評価・監視としては下に書いております8つのテーマについて調査を、21年度において実施することを考えているということでございます。
 それでは、時間の関係もありますので、個別のテーマについて説明いたします。
 ・・10ページにあります「法科大学院の教育と司法試験等との連携等による法曹の養成に関する政策評価」を掲げております。法科大学院ができまして、それまで司法試験1本であったところが、法科大学院制度に変わってきまして、法科大学院における教育と司法試験あるいは司法修習の連携を図ることが、「法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律」の中に書かれたということでございまして、こういった連携がうまくとれているか、法科大学院の教育についてさらに効果などどうなっているのかを評価しようというものでございます。
 法科大学院が16年度から導入されまして、18年度には最初の修了者も出ているのですが、法科大学院の課程修了者のうち、例えば約7、8割が新司法試験に合格できるように努めるというところですが、合格率が低いこともございまして、制度をこれからどうしていこうかという問題もございますが、法科大学院の教育と司法試験等との連携等による法曹の養成について評価をしていこうと考えているところでございます。

【森田朗(東京大学公共政策大学院・法学政治学研究科教授)臨時委員】 今度取り組むテーマが出ていますけれども、たまたま法学部に所属しているものですから法科大学院のことで伺いたいと思います。たしか平成22年度から旧司法試験制度がなくなってかなり制度が大きく変わる予定になっていると聞いているのですけれども、そうだといたしますと、要するに評価の対象が今の制度ですとそれ自体はもう変わってしまうことになると思いますし、新しい制度だとこの時点だとまだ評価はかなり難しいのではないかという気もするのですけれども、その辺はいかがでしょうか。

【松本評価監視官】 担当の監視官をやっております松本と申します。どうぞよろしくお願いします。
 御承知のとおり、新しい司法試験の受験者は二つの道が予定されていると承知しておりまして、一つは法科大学院の卒業生の方々、もう一つは今準備されておられるようですが、予備試験という形で法科大学院を卒業しない方も受験できる道を用意しようということです。今先生が御指摘の予備試験の仕組については、平成23年度以降旧司法試験がなくなってスタートするということで、まだ動いているという御指摘だと思っております。
 したがって、両者を見るということであれば、先生の御指摘のとおり少し時期が早いかという感じがいたしておりますが、私どもここに掲げさせていただきましたのは、法科大学院という新しい仕組みを用意して、新しい司法試験合格者を育てていこうという政策で、これは平成14年から動いておりまして、関係する法律の附則におきまして、法施行後10年経過した時点で見直すという規定が設けられております。したがいまして、予備試験の動向の如何にかかわらず、法科大学院教育と司法試験等との連携等に関する法律の見直しは平成25年4月からスタートすることになっておりますので、私どもその点に着目いたしまして、連携法に基づいて行われている政策が有効に機能しているのかを評価し、10年後見直しの参考情報として、寄与していきたいという観点で取り上げてまいりたいと考えておるところでございます。

【高木勇三(公認会計士)臨時委員】 今、森田委員から御指摘のあったこの4番目のテーマなのですが、私も少々評価のタイミングとしては早いのではないかと感じるのですけれども、弁護士さんに限って言えば私も似たような業界なのですけれども、制度の改正の影響が数年後で把握できるかといいますとなかなか難しいのではないかと。もう少し長い期間が経過したところでないとなかなか見えにくいのではないかと言えるかと思いますので、なかなかこれは難しいテーマではないかと思うことが1点です。
 また同時に、近年感じておりますのは、昔と比べるとどうかなとかなり感じておりまして、ステークホルダーとして八丁地委員もいらっしゃるのですけれども、私も接する時間は決して少なくないと。そういう中でいかがなのかという憂うべき状況は実はかなり持っておるわけなのですけれども、そのような状況を考えたときに、果してこの法科大学院との関連だけで評価できるのか。もう少し幅広の視点でないと今の現状は評価できないのではないかと思いますので、仮に、評価に着手したとしても現状の分析との結びつけが極めて困難ではないかというようにも思われますので、今の視点、いま一度再検討されてみたほうがよろしいのではないかという提案でございます。
 以上でございます。

【田辺国昭(東京大学大学院法学政治学研究科教授)臨時委員】 今との絡みで、法科大学院に関する評価のところでございます。私もこれはあまりうまくいきそうもないという感触を持っております。かつこういう形でやってもあまり効果が出ないのではないかと思っています。
 一つは、この法科大学院に関するところは認証評価がありますし、あと国立大学ですと国立大学法人評価という形で少なくとも5年に1回は必ず見ているわけです。そうなると、ここに書いてある検討項目はもはやレビューされている状態ですので、それに輪をかけてもう1回出ていく意味があるのか、ほかのところにリソースを割いたほうが、むしろレビューが1回もされていない領域は多々ありますので、持っていった方がいいのではないかが1点目です。
 2点目は、ここをやろうとすると教育内容に関して手を突っ込むと、それを評価する力はあるのか、無理だというのが私の判断でありまして、もう少し、フレーム自体を設計し直したほうがいいのではないかというのが2点目です。
 3点目といたしまして、特に要するに7割、8割は率の問題、簡単に言うと定員問題でありますけれども、これもおそらく2009年度の中で定員見直しが行われて形を得ると思いますので、これが出た後で評価をしたとして何に使えるのか、もう少しフレーム自体を見直したほうがいいのではないのかと思っています。
 特に行政評価局が強いところとは、管区を使って一番下の国民レベルでどういう形で政策が行き渡っているのかをすごくきちんとした事実に基づいて評価することだと思っていますので、そこに合致する形のテーマをむしろ取り上げたほうがいいのではないのか。司法制度改革全体はどこかでレビューしないといけないとは思うのですけれども、その中でも最終目的は結局リーガルサービスを従来よりも国民の手に非常に簡便に便利な形で使えるようにするところがあろうかと思いますので、それでしたら法テラスとか、いろいろほかの司法制度改革絡みの施策がありますので、むしろそっちのほうが評価のテーマに合致するのではないのかという感じがしているのが率直な感想でございます。

【金本分科会長】 事務局から何かございますか。

【松本評価監視官】 貴重な御指摘、御助言ありがとうございました。
 このテーマは、来年度着手しようと考えてございませんで、22年度ないし23年度、どちらかというと時期が早いということであれば、23年度あたりを視野に入れながら検討してまいりたいと考えておりますので、評価設計をどうするのかについては十分検討したいと思っております。
 担当といたしましては、法科大学院をめぐる問題は最近マスコミでも大きく取り上げられておりますし、国民の大きな関心事だと思っておりますので、何らかのアプローチができないかという視点で引き続き検討させていただきたいと思っております。
 田辺先生から御指摘をいただいた幾つかの点につきましては、ここに書き切れておりませんが、法の主要な目的、評価局のできる範囲を考えましたときに一つ例示として考えておりますのは、例えば法科大学院の教育を充実させる政策として掲げられております中に、社会人の入学者、いわゆる既修コースだけではない、法学部出身者だけではなくて、もっと幅広い多様性のある人間が司法界にどんどん登用されていくべきだという観点がございますので、入学者の多様性の確保という観点からの教育はどうなっているのだろうかとアプローチできると考えております。
 それから、教育専門スタッフ、教員の確保という観点から見ましたときには、従前の大学の先生方のみならず、裁判官、弁護士、検事といった実務を経験なさっている方々も教育にお手伝いするのだというのも別途の法律で用意されておりますので、その辺はまさに政策としてどのような実績と効果をあげているのか、その辺のアプローチもできるのではないかと考えております。
 もう一点、もう少し幅を広げてという指摘の中で田辺先生からいただきました司法制度改革全般の見直し、それから法テラスの話がございましたが、司法制度改革全般の問題は極めて幅が広いという問題と、行政府にとどまらないと実は考えておりまして、評価局が司法府の政策と言いますか、そちらの部分にアプローチするのは難しいということで、そこへのアプローチは慎重にかつまたよく考えてみないと難しいと考えております。
 それから法テラスの部分につきましては、法テラス自身は基本的には独立行政法人の範ちゅうに入る組織でございますので、別途行政評価局が担当しております独立行政法人評価の中で、法テラスの取組については見ていくことができるだろうと思っております。

【金本分科会長】 こういう評価の目標みたいなものが若干問われるのかと思いますが、基本的に政策のパフォーマンスを評価するのが評価の目的とされていて、裁判官等、実務家がどれぐらい使われているかを評価するというのは政策評価ではない気がします。政策評価としてふさわしいものをどう仕立てることができるかをもう少し検討していただいたほうがいいのかという気がいたします。

 

総務省政策評価・独立行政法人評価委員会 政策評価分科会平成21年3月17日より抜粋

【金本分科会長】 ・・平成21年度の政策評価テーマ等についてということで、事務局から説明をお願いいたします。

【新井総務課長】 それではお手元の資料2「平成21年度行政評価等プログラムにおける政策評価テーマ等について」というもので御説明申し上げたいと思います。
 1ページめくっていただいて、ここに出ているものは前回お示ししたものと同じでございます。政策評価につきましては、平成21年度に実施するものとして児童虐待の防止、平成22年度・23年度の実施予定のものとしてヒートアイランド対策、食育の推進、法曹養成と、この4本を提示しているところでございます。また、行政評価・監視としましては、その下に8本を御紹介したところでございます。
 前回の分科会で御審議いただきましたが、その後関係方面とも調整を行い、またそれぞれこれら政策評価、行政評価・監視のテーマについて、2月24日から3月10日の間におきましてパブリックコメントに付したところでございます。パブリックコメントの結果といたしましては、政策評価関係について申し上げれば、食育の推進について1件、法曹養成について2件、行政評価・監視関係では4件の御意見があったところでございます。
 ・・法科大学院の教育と司法試験等との連携等、いわゆる法曹養成の関係に対しましては、2件の御意見がございました。要約いたしますと、1つは、関係機関が連携して制度の改善、充実に取り組んでいるというところであり、評価のタイミングとしては時期尚早ではないかという点。それから効率性という観点から評価を実施することは、教育への影響が懸念されるので、評価方法については慎重に検討すべきではないかという点。それから法曹養成は、法科大学院と司法試験だけではなくて、司法修習とか資格取得後の研修といったところまで視野に入れながら検討すべきということで、もうちょっと広い観点での議論が必要ではないかという御意見でございました。
 これらにつきまして、いろいろ検討の余地はあると思います。ただ、この法曹養成の関係につきましては、平成21年度に評価を実施するという予定ではなく、22年度・23年度ということでございますので、今回いただいた御意見、御懸念といったものを十分念頭に置きまして、今回の行政評価等プログラムに掲載しますが、さまざまな方面からまた御意見を伺いながら、評価の内容、実施時期といったものについて引き続き検討してまいりたいと考えているところでございます。
 今回この分科会を経まして大臣の決裁をいただきましたら、この内容につきましては行政評価等プログラムということで公表する予定でございます。また前回も申し上げましたが、それぞれのテーマの具体的な評価の設計はまだいろいろ検討中でございますし、これから詰めていくところでございます。実際に評価するタイミングが近くなったところで、さらに詳細な評価設計につきまして御説明の上、御意見を承り、評価を行っていきたいと考えているところでございます。
 以上でございます。

【田辺委員】 前回も意見を申し上げさせていただきましたが、この法曹養成制度に関しては難しいのではないかなと思っています。お考えいただきたい点というのは、この行政評価局の評価として行うということと、ほかでもいろいろ評価のフレームがありますので、そこで行われていることとの間の関係をどういう形で考え、整理するのかということでございます。要するにほかのところで評価を出されているものに関してもう1回出てくるということが、評価資源の効率的な利用になるのかどうかといった点は、お考えいただきたいと思っております。
 2番目は、この政策評価がどこまでとは言いませんけれど、何が適切であるかということでございます。例えば教育の中身に関して手を突っ込むとなりますと、行政評価局で行うよりはむしろピアレビュー等を通じてやった方が効率的であるし、また生産的であろうと思われるわけであります。ある意味では出ていかない方がいいものという部分を、今後の選択の場合にもいろいろ影響があるかと思いますので、ある種の規範としてお考えいただきたいというのが2番目でございます。
 それから3番目は、行ってどうなるかという部分だと思うんです。行うからにはまず評価としていいものを出すというのと、別に評価のために評価を行うわけではありませんので、次の制度改革に結びつくことなのだろうと思います。法曹養成に関して言うと、あまり私がこれに賛成でないのは、おそらく今月の末ぐらいに、今の何校かある中で個別の評価が行われていますので、ここのところは不適格だよという情報がもう出るわけですね。それと同時に定員の改正というのもおそらくは進行すると。それが終わった後で今まで行ってきた評価情報を出して何が直せるかというと、既に直されている可能性がありますので、タイミングでいうと制度改革に向けて最も、ある意味では情報がいかされる部分、タイミングというものをできるだけお考えいただきたいということでございます。
 以上、3点ほど意見を申し上げさせていただきました。

【金本分科会長】 事務局から何かありますでしょうか。

【新井総務課長】 ただいまいただいた御意見も踏まえまして、また考えてまいりたいと考えております。行政評価局が行う評価について、出ていかないようなところもおのずから出てくると思いますので、何が評価できるのか、何が役に立つのかということも含めて考えてまいりたいと思います。

 

総務省政策評価・独立行政法人評価委員会 政策評価分科会委員懇談会平成22年3月19日より抜粋

【金本分科会長】 ・・平成22年度に総務省が行う評価のテーマ選定について、事務局のほうから御説明をお願いいたします。

【讃岐総務課長】  それでは、次、1−(4)という資料、「平成22年度における政策評価テーマ選定について」、併せて、机上にお配りしているA3の非常に大きな紙、左上に席上配付、本日委員限りということで、本日は回収させていただく、こういう前提の資料、この両方の資料で御説明させていただきたいと思います。
 まず、資料1−(4)の束のほうですけれども、1枚おめくりいただきますが、「政策評価テーマについて」と書いてございます。本日御議論いただきますのは、総務省行政評価局が自ら行う政策の評価、これは各府省では取り組めない、府省横断的な政策について統一性、総合性を確保するために行う、そしてまた、当局の出先機関の調査、実態把握を通じて行う、そういう評価のテーマとその計画についてということでございます。
 これは最初の3行に書いてございますが、1行目に、毎年度、当該年度以降3年間についての計画を定めるということで、これは政策評価法に基づいて3年計画として定めるという仕組みになっております。
 今大体、私どもの体制の関係から、年金記録確認第三者委員会に人がとられているということから、政策評価については大体1本、毎年新規に着手するテーマは1本ぐらい、3年間ということですので3、4本ということで御議論いただいてきたということでございます。
 ・・それでは、中身ですけれども、2ページ以降がいわばその計画の文章の形でございます。
 2ページから4ページまでは総論的なものでございます。これは、今年度は行政評価局の機能強化が求められているということで、それぞれの評価の実施に当たってはそれぞれの政策の公開度、説明度の徹底であるとか、あるいは、国民との対話というようなことを念頭に置きながら、また、行政のパフォーマンスの改革、改善に資するような取組を推進していく、そのために、調査機能を非常に実効性のあるものとして活用していくと、こういう趣旨を記載しているものでございます。
 ・・それで、具体的なテーマについては5ページ以降でございます。
 5ページのところで箱の中に書いているものが、総務省が行う各府省横断的な政策についての統一性・総合性確保のための評価の、向こう3年間のテーマとして考えているものでございます。
 ここに4つございますけれども、黒丸のところは既に昨年の3か年計画に入っていて、これからの3か年計画ということでまた計画として載せていくかということです。白丸のところが本年度新しくテーマとして入れていくと考えているものでございます。星印にありますとおり、バイオマスと児童虐待については今既に実施中でございます。
 ・・第1に挙げているテーマですけれども、これは昨年から挙げているテーマですが、法科大学院の教育と司法試験等との連携等による法曹の養成でございます。法科大学院の教育についてはなかなか合格率にばらつきがあるとか、当初の想定どおりでない様々な問題が指摘されているところでございます。
 これにつきましては、法務省と、教育という面では文部科学省ということで、その教育内容について法務省と文部科学省の連携が十分に図られているのか、さらに、その後の法曹の養成という意味でも連携が図られているのかということの効果を十分に把握する必要があるのではないかということで、検討テーマとして挙げさせていただいております。
 一方で、2つ目のポツにありますとおり、法務・文科両省でやはり問題意識を持って今年の2月から検討ワーキンググループを定めていて、本年半ばを目途に問題点・論点を整理中という状況でもございます。昨年から、教育内容の評価となることについてはどうか、さらに、評価実施時期、制度の何らかの見直しに向けて一番適切な時期はいつなのかというようなことについて御議論があったところでございます。

 

総務省政策評価・独立行政法人評価委員会 政策評価分科会平成22年12月27日より抜粋

【金本分科会長】  ・・法科大学院の評価に関する研究会の状況について事務局のほうから御説明をお願いいたします。よろしくお願いいたします。

【松本評価監視官】  法科大学院(法曹養成制度)の評価に関する研究会報告書の概要について、御説明させていただきます。
 お手元の資料2をお開きいただきたいと思います。・・この研究会は本年5月31日に発足いたしておりまして、・・総務省(行政評価局)が今年度実施を予定している政策評価の在り方、方法について御検討いただきまして、去る12月21日にその検討結果を取りまとめて公表したということでございます。
 1ページをお開きいただきたいと思います。研究会では法務省、文部科学省のほかに法科大学院の教官・学生、新司法試験の合格者・不合格であった方などからヒアリングをいたしますとともに、法科大学院や新司法試験の現状に関するデータなどを分析した上で、現行制度の現状と課題等について御議論いただきました。その結果、法曹養成制度につきましては、現在、例えば、次のような問題が生じており、これを国民の前に明らかにし、国民的な議論を喚起していく必要があるということで一致いたしました。この背景には、この問題が法曹関係者のみで議論されているのではないか、広く国民に関係する重要な課題であるにもかかわらず、それが国民の前にオープンになり、国民的な議論が行われているとは言い難いのではないか、そういう意味ではメッセージをきちんとお伝えすることが大事であるという御認識があったと承知しております。
 現状の問題点といたしまして、大きく分けて3点お示しいただきました。一つは、政府は法曹人口の拡大を目指すとしておるわけですけれども、法曹志願者、これが大幅に減少しております。それから、また、政府は司法試験合格者数年間3,000人という目標を立てておりますが、実績は平成22年が2,133人ということで、掲げた目標が未達成になっているということでございます。その下に幾つかの詳細のデータを紹介させていただいております。例えば、二つ目の法科大学院の入学志願者数を見てみますと、制度が発足した平成16年度は、複数の法科大学院を受験される方もおられますので延べ数でございますが、7万2,800人が法科大学院に入学を志願したわけですが、以降ずっと減少傾向にございまして、今年の4月の志願者数は約2万4,000人ということで、67%も減少している状況でございます。
 それから、二つ目は、法科大学院修了者の相当程度、例えば、7〜8割の方が新司法試験に合格するよう努めるという目標を政府として掲げておりますが、毎年の新司法試験の合格率は減少傾向にありまして、今年の新司法試験合格率は25.4%となっております。それから、新司法試験の受験資格は、法科大学院を修了した者が得られ、法科大学院修了後5年間で3回まで受験できるという制限が設けられているわけですが、法科大学院を修了してから5年間の累積の合格率を見ますと、18年に修了したかたがたは既に4年経過しており、あと1年しか受験することができませんが、そのかたがたの累積の合格率は49.1%となっております。あと1年でこれが7〜8割に到達する可能性というのは極めて低いと言わざるを得ず、目標達成度という面ではかなり厳しい状況になっております。
 三つ目でございますが、法学部系の方だけでなく、社会人の方や法学部以外の学部の出身者など、多様な人材を多数法曹界に受け入れていくこととし、法科大学院入学者の3割以上という目標を掲げているわけですが、平成22年度の法学部以外の学部出身者の割合は、法科大学院入学者の21%で、新司法試験合格者の19%という状況になっております。
 政府は一定の数値目標を掲げてこの間取り組んでまいったわけですけれども、なかなかその目標が達成されている状況にない、こういう現状、問題があるのではないかということをまずもって明らかにしていただいたということでございます。
 次のページでございますが、こういった現状を踏まえて総務省が行う政策評価の在り方、方法等について御提言をいただきました。総務省が政策評価を行うに当たっては、政策の所管府省とは異なる第三者的立場から、評価の専門機関として全国調査網等を活用し収集した実証データを基に、政策の総合性を確保するための評価を行うことが重要だという御提言をいただいております。その際、制度の「利用者の視点」からの評価が特に必要であり、例えば、法曹志願者及び法曹利用者の側から見た制度改革の効果についての評価や、新司法試験不合格者対策といった関係府省等の取組が不十分と見られる問題などについての評価が必要であるという御提言をいただいております。また、今後、法曹志願者や法曹利用者からも広く意見を聴取することが必要とされております。それから、最近の関係府省等における検討の動向に触れた上で、これらの検討を促すよう、速やかに調査に着手するとともに、早期に成果が出されることを強く期待するという御提言をいただきました。最近の動向といたしましては、法務省と文部科学省が設置したワーキングチームで、法曹養成制度の問題点や課題を検討するために「新たな検討体制(フォーラム)」といったものを構築するという提言が今年の7月になされておりますが、現在、実現するには至っておりません。それから、司法修習生に対する給費制を1年間延長する法案が可決されたところでございますが、その際、衆議院の法務委員会で、「法曹養成制度の在り方全体について速やかに検討を加え、その結果に基づいて順次必要な措置を講ずること」という決議が出されております。こういった関係方面の検討を促すよう、速やかに調査に着手するとともに、調査の効率的な実施に努め、できるだけ早期にその成果が出されることを強く期待するという御提言をいただきました。
 それから、総務省が行う政策評価の参考とするため、研究会の報告書の内容や総務省の評価の在り方につきまして、広く国民の皆様から意見を募集しております。募集期間は1月31日まで約1か月としております。
 このような研究会の報告書を取りまとめていただきましたので、総務省といたしましては、来年年明けからこの研究会報告書を踏まえて速やかに調査に着手してまいりたいと考えておるところでございます。詳細な評価計画等がまとまった段階で本分科会でも御審議賜りたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

【吉野直行(慶應義塾大学経済学部教授)委員】  慶應大学の吉野ですけれども、法科大学院に関して質問というか、これから考えておいていただきたいことを、大したものではないんですけれども、一つは、アメリカの弁護士さんの場合では海外で活躍される方の数がすごく多いと思うんです。それで、よく日本とアメリカの比較をして、日本は弁護士の方の数が少ないというわけですけれども、もう一つの解決法としては、日本の弁護士、司法試験を通った方で、もっと海外で活躍できる方を増やしていけば、この司法修習生なり法科大学院の規模を大きくできると思いますので、そういう意味では、もっと英語とか、そういう形で、海外で活躍できる弁護士の数を増やしていくということが一つではないかと思いました。
 それから、2番目は、アメリカとかは、そういう意味で、非常に海外での活躍の場が多くて、アメリカの法律をなるべく海外に同じように持っていって、そこで彼らが働ける場所をつくってきたわけですけれども、そうだとしますと、日本の最適な司法の関係者の数はどの程度が本当にいいのかというのを比べていただかないと、やっぱり過剰が出てくる可能性があるのではないかと思いました。感想です。

【田辺委員】  法曹養成のほうに関して若干コメントをしたいと思います。こちらの研究会報告書を拝読させていただきまして、実に様々な視点からいろんな意見が言われているということを感じて、問題意識が非常に高いところから出発しているなということは理解することができました。ただ、他方、こちらはやっぱり評価をどう行うかということに関するエバリュエーションデザインがうまくいっているか、いっていないかというところに関してははっきり言ってかなり弱いという感じがしたわけであります。具体的なクエスチョンとしては、例えば、今吉野委員のほうから御説明がありましたけれども、法曹のこの目標とする3,000人という数が多いか少ないかという、達成できていないから多過ぎるという方向になるのかもしれませんけれども、それを検証するときにどういうデータでもって検証し、かつどういうロジックでそれを見るのかというところのエバリュエーションデザインがまだ見えていないというところがあって、例えば、リーガルサービスに関する市場が潜在的にどのくらいあって、どういう形でこれが将来的に、10年後、20年後に展開するのかということをやるんだったら、おそらくこのリサーチデザインではその結論は出てこないのではないのかなという危惧をしているというところであります。つまり、データと、それから言いたい命題との連関が見えるような形のエバリュエーションデザインというのを上手に設定していかないと、意見の羅列になる可能性が高いのではないかというのが1点。
 それから、2点目はこのロースクールの評価にかかわるところであります。簡単に言うと、認証評価があり、それから、国立大学法人ですと、国立大学法人に関する評価があり、大学全体での評価がありと、いろんな形でこのロースクールに対する評価というものが行われており、そこにおいてかなりのデータが収集されているわけであります。それに加えて、さらにもう1回どういう形でこれを評価するのかという点、つまり、この法曹養成に関するフレーム自体を問うと。その中でどういうレギュレーションをして、どういう形で教育が進行しているのかということを見ることは可能だと思いますけれども、法曹養成の各大学の上下というのでしょうか、というところを見るということは若干屋上屋を重ねるというところがありますし、かつ教育の中身に関して総務省というところが手を突っ込むというところがかなり、大学の自治論を言う気はありませんけれども、難しい側面があるのではないかなと思っております。そういった点からも教育と、それから、その結果に関する調査というところというのが、かなり意を尽くして、かつその制約要因等考えてエバリュエーションデザインというのを設計いただければと思います。
 以上、2点ほどコメントを申し上げました。

【立花宏((株)情報通信総合研究所特別研究員)委員】  ちょっと私もよく分かっていない点がありますけども、この司法制度改革の利用者という視点が大事だということが書いてありましたけども、全く私も同感なんですけども、その利用者という面では、つまり、こういったかたがた、人材の受け入れ先の一つとして、公務員制度改革の絡みで、確かもう三、四年前になりましょうか、現在の上級、中級、I種、II種、III種というのでしょうか、そういう制度から、総合職なり専門職なり、あるいは、一般職とか、そういった試験制度に変えていくべきだということの中で、役所のほうでもこういった人材に対するニーズがあるということで期待されていたと思うんですけども、公務員制度改革のほうも政権交代に伴ってどういう状況になるのか私もよく分かりませんけども、その辺の役所側のニーズの変化といいましょうか、その辺がどうなっているのかという点が私はちょっと気になっております。
 以上です。

【松本評価監視官】  吉野先生、田辺先生の御指摘につきましては、これから評価の詳細を考えてまいりますので、よくそれを踏まえて進めていきたいと思っておりますので、今後の参考にさせていただきたいと思います。
 それから、立花先生から御指摘いただいた公務員制度改革との関連で申しますと、人事院は、I種、II種、III種試験のほかに専門的能力を有するかたがたを採用するための試験ということで、新司法試験合格者を対象とした選考試験というものを別途やっておられるようでございます。既にその制度も5年ほど経過しておりまして、毎年3,4人程度採用されているようです。その辺も評価の視点には入れていきたいと思っております。

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