司法試験平成22年最新判例肢別問題集
を出版しました

でじたる書房より、電子書籍「司法試験平成22年最新判例肢別問題集」を出版しました。
価格は、税込みで315円です。

平成22年に出された最高裁判例のうち司法試験に出題される可能性のあるものを選び、肢別問題にしたものです。
今回は、より短答の知識対策を意識した内容にしています。
司法試験平成22年最新判例ノート(コンパクト版)との準拠性を高め、問題ごとに短答対策上の重要度を付しました。
問題は、従来よりも素直な出題を心がけました。
解答についても、正しい肢については、改めて判旨を引用することは避けると共に、誤肢についても、端的に誤っている部分を下線等で示すにとどめました。
従来よりもコンパクト化し、短時間の知識習得に便利になったのではないかと思います。
問題数は、憲法49問、行政法16問、民法26問、商法5問、民訴法29問、刑法8問、刑訴法9問の計142問で、総ページ数は67ページです。
ファイル形式は、PDF形式となっています。

現在の司法試験は、単に知っているかどうかで差が付いてしまう部分を含んでいます。
事前に新判例情報に触れているかどうかで、有利・不利が分かれています。
本書のような教材によって、新判例についての情報格差が解消され、司法試験がより公平な試験となればと思います。

以下は、本書の一部抜粋です。サンプル版は、こちらからダウンロードできます。

 

 

【憲法問題】

1:重要度:A
 市が町内会に対し無償で神社施設の敷地としての利用に供していた市有地を同町内会に譲与したことが憲法20条3項、89条に違反するかが争われた事案において、判例は、上記神社施設は、一体として明らかに神道の神社施設に当たるものであり、上記神社において行われている諸行事も、神道の方式にのっとって行われているその態様にかんがみ、宗教的行事と認めるほかないとした。

2:重要度:A
 市が町内会に対し無償で神社施設の敷地としての利用に供していた市有地を同町内会に譲与したことが憲法20条3項、89条に違反するかが争われた事案において、判例は、氏子に相当する地域住民の集団が社会的に実在するものの、この氏子集団は憲法89条の宗教上の組織ないし団体には当たらないとした。

 

【行政法問題】

1:重要度:A
 判例によれば、国家賠償法2条1項にいう営造物の設置又は管理の瑕疵とは、営造物が通常有すべき安全性を欠いていることをいい、当該営造物の使用に関連して事故が発生し、被害が生じた場合において、当該営造物の設置又は管理に瑕疵があったとみられるかどうかは、その事故当時における当該営造物の構造、用法、場所的環境、利用状況等諸般の事情を総合考慮して具体的個別的に判断すべきである。

2:重要度:A
 北海道内の高速道路で自動車の運転者がキツネとの衝突を避けようとして自損事故を起こした事案について、判例は、小動物の侵入防止対策が講じられていなかったことは国賠法2条1項における設置又は管理の瑕疵に当たるとした。

 

【民法問題】

1:重要度:C
 判例は、共有者の1人が共有不動産から生ずる賃料を全額自己の収入として不動産所得の金額を計算し、納付すべき所得税の額を過大に申告してこれを納付した場合には、過大に納付した部分に係る所得税の申告納付は当該申告者以外の共有者の事務であるから、他人のために事務を管理したものといえ、事務管理が成立するとした。

2:重要度:B
 A社の財務部門を法人化して設立され、A社を中核とするグループに属するX社が、上記グループに属するB社に金員を貸し付け、B社の代表取締役であるYがこの貸付けに係るB社の借入金債務を保証した場合において、B社が既に事業を停止している状況下で、X社がYに対して保証債務の履行を請求することが権利の濫用に当たるかが問題となった事案において、判例は、上記グループに属する各社とB社との関係、B社の経営体制、B社におけるYの立場、上記保証をするに至った経緯、上記貸付けの約定利率等を考慮しても、X社のYに対する保証債務の履行請求が権利の濫用に当たるとはいえないとした。

 

【商法問題】

1:重要度:A
 取締役に対する退職慰労年金が取締役の職務執行の対価として支給される趣旨を含むものであると認められる事案において、判例は、当該退職慰労年金は会社法361条1項にいう報酬等に当たるとした。

2:重要度:A
 判例は、株主総会の決議を経て、役員に対する退職慰労金の算定基準等を定める会社の内規に従い支給されることとなった会社法361条1項にいう取締役の報酬等に当たる退職慰労年金について、退任取締役相互間の公平を図るため集団的、画一的な処理が制度上要請されている以上、上記内規の廃止の効力を既に退任した取締役に及ぼし、その同意なく未支給の退職慰労年金債権を失わせることも許されるとした。

 

【民訴法問題】

1:重要度:A
 共同相続人のうちの1人に相続欠格事由があるとして、その者が相続財産につき相続人の地位を有しないことの確認を求める訴えにつき、第1審が訴えを棄却し、原告が控訴した事案において、判例は、相続欠格者に当たると主張された者以外の第1審被告に対する控訴の利益はないとした。

2:重要度:A
 原告甲の被告乙及び丙に対する訴えが固有必要的共同訴訟であるにもかかわらず、合一確定の要請に反して甲の乙に対する請求を認容し、甲の丙に対する請求を棄却するという趣旨の判決がされたという事案につき、判例は、上訴審は甲が上訴又は附帯上訴をしていないときであっても、合一確定に必要な限度で、上記判決のうち丙に関する部分を、丙に不利益に変更することができるとした。

 

【刑法問題】

1:重要度:A
 判例は、インターネット上での表現行為の被害者は、名誉毀損的表現行為を知り得る状況にあれば、インターネットを利用できる環境と能力がある限り、容易に加害者に対して反論することが可能であるし、個人利用者がインターネット上で発信した情報の信頼性は一般に低いものと受けとめられていることからすれば、加害者が主として公益を図る目的のもと、公共の利害に関する事実についてインターネットを使って名誉毀損的表現に及んだ場合には、加害者が確実な資料、根拠に基づいてその事実が真実と誤信して発信したと認められなければ直ちに同人を名誉毀損罪に問擬するという解釈を採ることは相当ではなく、加害者が、摘示した事実が真実でないことを知りながら発信したか、あるいは、インターネットの個人利用者に対して要求される水準を満たす調査を行わず真実かどうか確かめないで発信したといえるときにはじめて同罪に問擬するのが相当であるとした。

2:重要度:A
 街頭募金の名の下に通行人から現金をだまし取ろうと企てた者が、約2か月間にわたり、事情を知らない多数の募金活動員を通行人の多い複数の場所に配置し、募金の趣旨を立看板で掲示させるとともに、募金箱を持たせて寄付を勧誘する発言を連呼させ、これに応じた通行人から現金をだまし取ったという街頭募金詐欺の事案について、判例は、上記所為に係る詐欺罪の罪数につき、これを一体のものと評価して包括一罪と解することができるとした。

 

【刑訴法問題】

1:重要度:B
 現に人が住居に使用せず、かつ、現に人がいない建物に侵入(初回の侵入)し、同所において現金等を窃取し、出入口を施錠して退去した後、再度上記建物に侵入(2回目の侵入)して同建物内において火を放ち、同建物を全焼させて焼損した各行為のうち、前訴で初回の侵入に係る住居侵入罪及び窃盗罪につき有罪判決がされ、後訴では2回目の侵入に係る非現住建造物放火罪の訴因で起訴された事案について、判例は、2回目の侵入が時間的に接着したもので、初回の侵入と同様の目的によるとしても、新たな犯意によるものというべきであり、初回及び2回目の各侵入行為を包括一罪と評価すべきものとはいえないから、前訴の確定判決の一事不再理効は後訴に及ばないとした。

2:重要度:C
 判例は、高等裁判所の判決中の判断がその上告審である最高裁判所の決定において否定された場合には、上記判決は刑訴法405条3号の「判例」に当たらないとした。

(参照条文)刑訴法405条
 高等裁判所がした第一審又は第二審の判決に対しては、左の事由があることを理由として上告の申立をすることができる。
一  憲法の違反があること又は憲法の解釈に誤があること。
二  最高裁判所の判例と相反する判断をしたこと。
三  最高裁判所の判例がない場合に、大審院若しくは上告裁判所たる高等裁判所の判例又はこの法律施行後の控訴裁判所たる高等裁判所の判例と相反する判断をしたこと。

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