TPPと法曹人口問題の関係を理解するための資料(1)

司法制度改革審議会に対する米国政府の意見表明2000年6月9日より抜粋(下線は当サイトによる)

II. 国際法務サービスに向けた環境整備

・・貴審議会もご承知のとおり、1987年以来、日本は、外国人弁護士が「外国人弁護士による法律事務の取り扱いに関する特別措置法(法第66号 1986年改正)」の規定に基づき外国法事務弁護士として、日本で事務所を設立し、原資格国法に関する問題に対し助言を与えることを認めてきました。1987年以降、外国政府と日本国内の外国人司法界からの一貫した要請に応えて、日本は、外国人弁護士に対し課されていた幾つかの規制を緩和しました。しかし、これらの改善は限られたものであり、日本の国際司法社会は依然としてあまりにその規模が小さく、日本のビジネス社会が必要とする国際法務サービスを提供できずにいます。日本で国際法務に携わる日本人弁護士と外国人弁護士は、両者合わせても600人にすぎません。この数値は、ニューヨーク、ロンドン、その他の国際センターで同様の業務に携わる人数に比べあまりに少なく、需要に対して全く不十分であると言わざるを得ません

国際法務の専門家が不足している最大の理由は、現在に到るまで最も大きな障害となり続けている外国弁護士と日本弁護士との間のパートナーシップの形成を禁止する現行の司法制度が、外国人弁護士にとっての業務環境を不利なものにしていることです。以下の二つの障害もこのような環境の一部を形成しています。第一に、いわゆる「第三国法」に関する助言を行う際に、外国人弁護士が不平等な取り扱いを受けていることであり、第二には、外国人弁護士が日本で得た経験を職務経験要件として算入する際に受ける不当な扱いです。米国は、日本による早急な対処を必要とするこれら三つの課題に対して、貴審議会が注意を傾注し、建設的な勧告を行うものと確信します

1. 外国弁護士、日本弁護士及びその他の法律専門職間におけるパートナーシップその他の関係の形成の許可

・・国際法務サービスに必要な一定の質を確保するためには、依頼人に最も効率的かつ効果的にサービスを提供することを可能とする最良の提携形態を ― それがパートナーシップ、雇用、或いはその他のものであろうと―外国弁護士と日本弁護士自身が選択することを認めることが極めて重要であると米国は考えます。従って、米国は、貴審議会が、外国法事務弁護士、日本弁護士、そして、弁理士、税理士、司法書士、行政書士を含むその他の法律専門職間のパートナーシップの形成、雇用、その他の費用分担関係の形成に関する制限を撤廃し、日本の法律専門職間における完全な提携の自由を勧告するよう強く要望します。

2. 外国法事務弁護士と日本弁護士に対する同等の取扱

・・米国は、貴審議会が、外国法事務弁護士には適用されるが日本弁護士にはされない・・差別的な規制の撤廃を勧告されることを強く勧奨します。

3. 外国弁護士に対する職務経験要件の緩和

・・米国は、貴審議会が、外国法事務弁護士としての登録に必要な職務経験に関して、日本における原資格国法の職務経験は、現行の一年のみではなく、その全てを算入することを認めることを勧告の中に盛り込まれることを提案します。

III.法務インフラ

・・ビジネス社会の一員が、紛争解決や法務サービスに対する彼らのニーズが適宜に満たされると確信するためには、・・便利で効率的な裁判制度が存在していることも必要です。ビジネス社会にとって、必要とする法務サービスを得ることができ、紛争を可能な限り迅速かつ効果的に解決できる裁判制度にアクセスすることができるようにするためには、日本の法務インフラには大幅な改善が必要であることは広く認識されています。

1. 法曹人口の増加

現在、日本の総人口に対する法曹人口の割合は世界の先進国の中で最も低く、日本で活動する国内及び外国企業双方の法務サービスに対するニーズを賄うための法務専門職の数が不足しています。国際ビジネス・コミュニティーは、日本における投資や事業を効率的かつ効果的に行うために必要な法律的な助言や説明を得るに際して、弁護士数の不足が重大な障害となっていると感じています。米国は、貴審議会がこの問題に関して、司法試験合格者数の増加、米国型ロースクール制度の導入、準法律専門職の業務範囲の拡大等を含む様々な選択肢を検討中であることを理解しています。米国は、貴審議会が、日本における法曹人口を劇的に増加させるためのあらゆる可能な方策を積極的に検討されることを強く勧奨します。一般的な原則として、米国は、法曹人口は規制当局者や専門機関によって恣意的に決定されるべきものではなく、法務サービスに対する市場の需要にしたがって決められるべきものだと考えます。米国は、貴審議会が勧告の中でこの原則を採用されることを強く要請します。しかし同時に、米国は、自由民主党の司法制度調査会が平成12年5月18日に発表した報告書の中で目標としているような、弁護士数を具体的かつ劇的に増加させるための方策を、貴審議会が出発点として勧告されることを強く要望します

2.必要な司法資源の確保

裁判所による迅速かつ効果的な紛争解決(同様に、倒産及び他の方法を通じた企業再構築の迅速な完了)に対するビジネス社会のアクセスを確保するためには、裁判所に対して適切な人員を配備することが必要です。弁護士の場合と同様、日本の総人口に対する裁判官の比率は、先進国中もっとも低いものとなっています。米国は、貴審議会が、基本的に重要な課題として、いかにして裁判官の数を増加させるかと共に、裁判官の任命の方法を検討中であることを理解しています。

米国の経験に照らして貴審議会の検討対象として推奨できる一つの方策は、裁判所によるmagistrates及びspecial mastersの使用です。米国の法律においては、裁判官が一定期間、一定の司法機能を遂行させるために magistrates を任命することが認められています。Title 28 United States Code, Chapter 43, Section 631 et seq. をご参照ください。地方裁判所の指示により、magistratesは連邦刑法(Federal Criminal Code)に定められる「小さな犯罪 (misdemeanors/軽罪)」について令状を発し、事実審理を行う権限が与えられ、証拠審理を含む民事事件における多くの公判前申立てを聴取し、公判前の事柄を取扱います。更に、訴訟当事者の同意に基づき、magistratesが審理を完全に監督し、法的決定を下すことを含め、民事事件に関する全ての手続きを行うことも可能です。このmagistrate制度は、裁判官の仕事量を軽減し、訴訟プロセスを促進する意味で極めて効果的に機能してきました。1999年においては、米国のmagistratesは65万件近くの事件を扱い、当事者の同意に基づき11,000件以上の民事事件を処理しました。貴審議会が米国型のmagistrate制度を勧告される際には、必ずしも全く新しい司法職員の職種を創設する必要はなく、単に現在の簡易裁判所職員の機能、権限及び資格基準を拡大することで代替できます。

更に米国の法律は、裁判所が特別に複雑な事件について、ある特定の機能を遂行させるため「special masters」を任命することを認めています。この制度独特の方法として、special mastersに対する報酬は訴訟当事者により支払われます。裁判所は、special mastersに与えられる権限、行うべき行為を具体的に示し、special mastersは彼らが行った事実認定、法的決定等を裁判所に対して報告します。伝統的にspecial mastersは会計に関すること、損害額の計算、時には文書等の提出要求手続きを要する事件に用いられてきましたが、近年においては、科学的、技術的知識あるいは企業経営の経験を必要とするより多くの複雑な事件において用いられています。

米国は、貴審議会が日本における裁判官不足の問題を精力的に検討し、この分野に関して具体的かつ広範にわたる勧告を発せられることを希望します。米国における上述のmagistrates 及びspecial masters制度は、貴審議会がこの重要な問題を検討する際に役立つものと考えます。

IV. 訴訟手続き

・・米国は、日本の現行の民事訴訟過程は、その多くの分野で、効率性及び迅速性を改善するという観点からの見直しが必要であると考えます。貴審議会において、これらの課題が直接的かつ完全に検討されることを要望いたします。

1. 裁判所提訴から判決までの所用時間の短縮

法的論争の速やかな解決は、訴訟費用の軽減、明確性や確実性の向上をもたらします。それらのものは皆、企業の立場からも一般的社会的関係においても利益となるものです。・・「複雑な商業問題、高度な技術的、科学的問題を含む訴訟は、日本においては甚だしく長期間を要し、それは少なくとも部分的には日本の裁判の非統合的性格によるものである」と広く認識されています。このことは日本において弁護士及び判事がその数において不足していることの結果であり、本意見書「セクション III.」において指摘した法的インフラに関する課題を検討することは民事訴訟に要する期間に対して極めて大きな影響を持つものです。

また、民事事件に関する裁判の運営方法も訴訟の迅速性に大きな影響を与えます。米国においては、事件の提訴から実際に裁判に持ち込まれた案件に対する最終処分までに要する期間は平均的には概ね19ヶ月ですが、一部の地域ではわずか9ヶ月で行われています。この違いは、裁判所による厳正かつ積極的な事件処理によってそのほとんどが説明できます。米国は貴審議会に対して、日本における民事訴訟過程の迅速化に向けて全ての選択肢を検討するよう強く要望します

VII.司法制度の透明性

国際ビジネス・コミュニティーが、自らがその下で活動する司法制度を理解し、また、裁判所を通じた紛争処理が予見可能であり、確実であり、公正であると確信するためには、司法過程の透明性が基本的に重要となります。しかし、日本の司法制度は、透明性についても、情報に対するアクセスについても改善される必要があります。

関係者のみならず一般国民が、裁判所に対する提訴及び裁判所の判決に関する情報に、より完全かつより簡便にアクセスすることを可能にするためには、そのような情報の普及を実質的に拡大する必要があります。例えば、裁判所の判決に対するアクセスが完全かつ容易に行えなければ、判例に対する信頼は損なわれることになります。裁判所判例に対する一般的なアクセスもまた同様の訴訟に対しより迅速かつより満足な解決をもたらすことに貢献する可能性があります。例えば、日本の製造物責任法に基づきある行為を求めた判決が広く、容易に入手できれば、具体的損害や企業の責任が明らかになり、同様の事件の解決を促す可能性があります。従って米国は、貴審議会が、営業秘密やその他の特に高度あるいは私的な要素を保護しつつ、司法過程の透明性を実質的に改善するための方策を提案することを勧奨します。

加えて、一般市民が弁護士に関する情報にいつでもアクセスすることが出来ることが基本的に重要です。現在は、弁護士に関する情報は広く入手可能なものとはなっておらず、依頼人が先ず弁護士を「値踏みして回り」、その後に彼らのニーズに最も適した弁護士を選択することを難しくしています。米国は、この分野に関する貴審議会の勧告を歓迎します

X.終わりに

日本の司法制度改革に関連する課題は、国際ビジネス・コミュニティーが日本市場において事業を行い、また日本市場に対してその資源や技術を投入しようとするその能力、更にはその意志にさえ重要な関わり合いをもつものです。日本がその司法制度の有効性と企業活動との間の関係をどのように取り扱うかは、究極的には、規制改革、経済の再活性化、そして国際金融センターとしての発展に向けた日本の努力が報われるか否かに極めて大きな影響を与えます。

貴審議会が検討されている課題及び解決策の範囲は極めて広く、その影響も広範囲に及びます。米国は、貴審議会が、一方において検討中のある課題は他の課題に比べより容易に、迅速に解決できるものであり、またある課題は他の課題に比べより緊急性を要するものであることを認識しつつ、他方においては包括的かつ将来指向的な考え方に基づき改革や解決に向けた方策を勧告されることを勧奨します。

日本における国際法務サービスの不足が結果的に日本における高度な国際取引きの障害となっていることを考えるとき、米国は、外国法事務弁護士と日本弁護士との間のパートナーシップ及び雇用の禁止の解除、また法律専門職間の提携の自由の保証は緊急に検討される必要のある課題であると強く信じます。米国は長年にわたりこれらの課題を提起し、討議して参りましたが、今がまさに時宜を得た解決の時であると確信します。従って米国は、貴審議会が上記規制の排除を優先事項として勧告されることを強く要請します

 

日米規制改革および競争政策イニシアティブに基づく日本政府への米国政府の年次改革要望書(仮訳)2001年10月14日より抜粋(下線は当サイトによる)

提言の概要

・ 提携の自由化: 日本弁護士と外国弁護士間の提携の自由に関するすべての制限を撤廃し、弁護士自身が提携の形態を決定することを可能にする。

・ 外国弁護士に課せられている規制: 外国弁護士による日本弁護士の雇用を認める。また、第三国の法律に関する助言の提供に関して、外国弁護士の処遇を日本弁護士と同様にする。外国弁護士による専門職法人、有限責任パートナーシップ(LLP)、有限責任法人などの設立を許可する。

・ 外国弁護士に係わる規制制度の改善: 外国弁護士に影響を与える規則の制定および実施に関して、外国弁護士がその検討プロセスに参加できる機会を確保する。外国弁護士の登録までの時間を短縮する。

・ 司法制度改革審議会の意見書の実施: 法曹人口の増加、・・民事訴訟の審理の迅速化と効率化・・といった司法制度改革審議会の意見書を迅速に実施する。

 

詳論

I. 法律サービス

I-A. 弁護士と外弁間の提携の自由化 日本の国際法律サービス分野における最も重大な構造的欠陥は、日本弁護士(弁護士)と外国法事務弁護士(外弁)の提携関係に課せられた厳格な制限である。米国は、日本政府に対して、弁護士と外弁間の提携の自由化に対するすべての禁止事項を撤廃するために必要なすべての措置を取ること、また対等の法務専門職として、弁護士と外弁が提携の形態を彼ら自身が決定することを認めることを強く要望する。改革の根幹をなす原則は、弁護士・外弁間および外弁相互による制限を設けない提携の自由化である。これは、他の先進国ではすでに認められている。さらに、米国が日本政府に対して要望するのは、追加的な変更が施された特定共同事業(合弁企業)制度のもとで試行錯誤することではなく、上記の要望にある完全な規制の撤廃である。特定共同事業制度は、創設されて以来6年が経過した現在においても、弁護士と外弁間の効果的なチーム・ワークに必要な枠組みを提供していない。

I-B. 外弁に課せられている規制の撤廃

I-B-1. 米国は日本政府に対して、外弁に課せられた差別的な規制を撤廃し、外弁と弁護士に対等の処遇を与えることを要望する。特に、米国が日本政府に対して検討を要望する規制条項は以下である。

I-B-1-a. 日本の弁護士による外国弁護士の雇用が認められているように、外弁による弁護士の雇用も認める。

I-B-1-b. 第三国法(日本あるいは当該外弁の登録国以外の国の法律)に関する法律的助言の提供に関して、外弁に課せられている差別的取り扱いを撤廃する。

I-B-2. 米国は日本政府に対して、外弁として登録するために必要な職務経験要件について、現行認められている1年のみではなく、外弁が日本で行った原資格国の法律に関する業務のすべての期間の算入を認めることを要望する。

I-B-3. 米国は日本政府に対して、弁護士と同様に外弁についても、彼らがいわゆる外弁法の規則を順守している限りにおいて、専門職法人、有限責任パートナー・シップ(LLP)および有限責任法人(LLC)を設立することを認める。

I-C. 外弁に係わる規制制度の改善

I-C-1. 米国は日本政府に対して、外弁に影響を与えるすべての法律および規則の制定とその実施に関して、日本弁護士連合会(日弁連)および委任地方弁護士会が、その検討プロセスに外弁が参加できるように効果的な機会の提供確保を提案する。

I-C-2. 米国は日本政府に対して、外弁資格に対する報告プロセスを迅速化、合理化することにより、外弁申請者が外弁として登録されるまでに要する時間を、不服申し立てに要する時間も含めて短縮することを提案する。

II. 法制度改革

II-A. 司法制度改革審議会による意見書の実施

II-A-1. 法曹人口の拡大

 同審議会による最も重要な要望の1つは、日本における法曹人口の大幅な増加の必要性に関するものである。米国は日本政府に対して、早急に司法試験合格者を最低でも年に1500人に増加させること、また、合格者を年に3000人に増加させるための計画を策定することを強く要望する

 

日米規制改革および競争政策イニシアティブに基づく日本政府への米国政府の年次改革要望書(仮訳)2002年10月23日より抜粋(下線は当サイトによる)

提言の概要

・ 提携の自由: 日本の弁護士と外国弁護士間の提携の自由に関するすべての制限を撤廃する。それには、日本の弁護士と、外国弁護士および外国弁護士事務所との間のパートナーシップの許可も含まれる。また、外国弁護士や外国弁護士事務所による日本の弁護士の雇用を認める。

・ 専門職法人と有限責任組織: 外国弁護士や外国弁護士事務所が、日本で事務所を設立する際、その形態を自由に選択することを認める。それには、外国法律事務所による有限責任パートナーシップ(LLP)や有限責任法人(LLC)設立の認可が含まれる。また、外国弁護士が、日本の弁護士と同様に専門職法人を設立することを許可する。さらには、外国弁護士や外国弁護士事務所が、日本の専門職法人と同等の立場で日本全国に支店を開設することを認める。

・ 外国弁護士に対する不必要な規制の撤廃: 外国弁護士が日本で行う法律実務のすべての期間を、彼らが外国法事務弁護士(外弁)の資格を取得するために必要な職務経験として換算する。また、外弁が日本の弁護士と同様に、第三国の法律に関する助言を提供することを認める。さらに、外弁資格取得の申請に必要な書類および審査に必要な時間を削減する。

・ 弁護士会の審議における透明性と公平性: 日弁連および地方弁護士会が、外弁に影響を与えるであろう規制を制定・実施する際には、外弁がその過程に効果的に参加できるよう確保する。

詳論

I. 法律サービス

I-A. 提携の自由 米国は日本に対し、日本の弁護士(弁護士)と登録された外国弁護士(外弁)との間ばかりでなく、弁護士と日本国外で法律業務を行っている外国弁護士(あるいは彼らの法律事務所)との間の提携の自由を禁止しているすべての規則を撤廃し、また、彼らが法務専門職として対等の立場で、しかし異なった業務範囲を持って、提携の形態を決定できるよう認めることを求める。この観点から、米国は日本が以下の措置を取るよう提言する。

I-A-1. 外弁が弁護士あるいは弁護士法人との間でパートナーシップを形成することを許可する。そのようなパートナーシップの下では、双方が自ら選択した名称を持つひとつの統合された法律事務所を設立することができ、そのような法律事務所が、所属するメンバーの権限内で、いかなる案件についても統合された法律的助言やサービスを提供することができる。

I-A-2. 外弁のみによって構成されるか、あるいは外弁と弁護士両者によって構成されるかを問わず、法律事務所が弁護士を雇用することを認める。

I-A-3. 弁護士が、日本国外で活動する外国弁護士、あるいは日本国外に本部を置く国際法律事務所との間にパートナーシップその他の提携関係に参加するに当たり、日本弁護士連合会(日弁連)や地方弁護士会が制限を加えないよう保証する。

I-B. 専門職法人と有限責任組織 外弁および外国法律事務所が日本で事務所を設立する際には、形態を自由に選択できるようにすべきである。この観点から、米国は日本が以下の措置を取ることを求める。

I-B-A. 日本の司法制度が、日本で法律業務を行う外国法律事務所の有限責任パートナーシップおよび有限責任法人に対し、完全な法律的認知を与えることを確保する。それにより、日本における外国法律事務所は、それぞれの本国の組織の支部として登録されることができる。

I-B-2. 外弁が、本国における組織の日本における支部の代わりに、法律専門職法人を設立することを認める。

I-B-3. 外弁により構成される、あるいは外弁と弁護士により構成される法律事務所が、日本における形態にかかわらず、日本の法律専門職法人と対等の立場で全国に支部を設置することを認める。

I-C. 外弁に対する不必要な規制の撤廃 登録された外国弁護士が日本で行う法律業務は、法律サービスを求める日本の顧客に対し重要な専門知識その他の恩恵を提供することができ、より効率的な企業取引を可能にする。以上の理由から、外弁の業務にかかわる障害を最小限に抑えることが重要である。そのため米国は、日本が以下の措置を取ることを求める。

I-C-1. 法務省は、外弁資格取得のための職務経験要件として、外国弁護士が日本においてその原資格国の法律に関する業務に費やしたすべての期間を換算できるようにするため、必要な措置を講じる。

I-C-2. 弁護士に認められているのと同様に、外弁が第三国の法律に関する助言を提供することを許可する。

I-C.3. 外弁資格取得のために必要な書類や審査に必要な時間を削減するための措置を講じる。

I-D. 弁護士会の審議における透明性と公平性 米国は日本に対し、日弁連および地方弁護士会が外弁に影響を与えるすべての法律や規則を制定・施行する際に、外弁が効果的に参加する機会を提供するために必要な措置を講じることを求める。それらの措置には、外弁が適切な通知や意見表明の機会が与えられ、また、外弁が行ったとされる不正行為を審査する懲罰委員会への参加も含まれる。

 

日米規制改革および競争政策イニシアティブに基づく日本政府への米国政府の年次改革要望書(仮訳)2003年10月24日より抜粋(下線は当サイトによる)

 米国は、日本が最近、「外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法」と「弁護士法」を改正することにより、外国法事務弁護士(外弁)と日本弁護士(弁護士)との間の提携の自由に関する規制を実質的に取り除いたことを評価するしかし、日本における法務サービスの利用者が、最近のこうした法改正の恩恵を最大限に享受することを可能にするためには、更なる自由化措置が必要である

提言の概要

・ 提携の自由 日本弁護士と外弁間の提携の自由を認めた最近の法改正が、2004年9月までに施行されるように必要な措置を取る。日本弁護士連合会(日弁連)および地方弁護士会が、改正法の実施に伴う規則および規制の採択に際して、外弁が完全な投票権を有する会員として参加することを認めること、また、規則・規制の原案を公表し、パブリックコメント手続きに付すことを確保する。

・ 外弁の資格基準 外国弁護士が日本において原資格国法に関する業務をおこなったすべての期間を、外弁資格における3年の職務経験要件に算入することを認める。

・ 専門職法人と支店 日本弁護士と同等の位置付けで、外弁が専門職法人を設立することを認める。日本弁護士による専門職法人と同等の位置づけで、日本弁護士と外弁によって、あるいは外弁のみによって形成される法律事務所が、日本全国において支店を開設することを認める。

 

日米規制改革および競争政策イニシアティブに基づく日本国政府への米国政府要望書(仮訳)2004年10月14日より抜粋(下線は当サイトによる)

 米国は、2003年に日本がいわゆる「外弁法」を改正し、日本の消費者の利益のために、外国弁護士が日本弁護士と自由に提携を結ぶことを可能にしたことを賞賛する。米国は、これらの改正事項が、自由化に向けた改正法の精神とその文言に則って実施されることを期待する。米国は、また、日本国民が紛争を迅速かつ廉価で解決することを助ける裁判外紛争処理手続(ADR)を整備するとする日本のコミットメントを歓迎する

提言の概要

・ 提携の自由:日本弁護士と外国弁護士間の提携の自由を認めた2003年の改正「外弁法」を、2005年4月1日までに完全に実施する;日本弁護士連合会が、その会則・規則を改正法の自由化精神に則って実施することを確保する、特に(i)外国弁護士パートナーは、彼らのいかなる外国弁護士アソシエイトの権限内である外国法事件を受諾できることを妨げない、(ii)日本弁護士と外国弁護士に対して、倫理規則を平等に適用する、(iii)弁護士と依頼人間のコミュニケーションに関する義務を、近代的かつ国際的慣行に沿ったものに限定し、過度に負担となるものとしない。

・ 専門職法人とその支所の設立:外国弁護士が、日本弁護士と同等に、また、同等の利益を享受できる形で、専門職法人を設立することを認める;日本で活動する外国法律事務所及び外国弁護士が、日本の専門職法人の設立を要求されることなく、支所を設立することを認める;

・ 裁判外紛争処理(ADR)手続:国際基準・慣行に合致するADRの基本的枠組みを採用する、ADRを使用しようとする関係者が、その規則、課程、適用される基準について、彼ら自身で合意することを認める、そして国際的要素を含む全てのADR課程において、外国弁護士が関係人を代表することを認める非弁護士が、弁護士法違反の危惧や、日本弁護士の監督の必要無しに、ADRプロセスにおいて中立者(すなわち仲裁者、調停者、仲介者)として活動することを認める;いかなるADR免許制度も、完全に自主的なものであり、非免許人ありいは組織によって提供されるADRサービスが適法であることを妨げる効力を有するものではなく、外国人、日本人そして組織に平等に開かれたものであり、さらに、不合理に負担とならない免許及び報告手続・基準を設定することを確保する

・ 外国弁護士の資格基準:日本において行なった原資格国法に関する全ての実務期間を、外国法事務弁護士資格に必要な三年の職務経験要件に算入することを認める。

詳論

I. 外国弁護士に対する提携の自由の確保

 2003年の「外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法」の改正は、外国法事務弁護士(外弁)と日本弁護士(弁護士)間の提携の自由を供与するための重要な一歩であった。2003年の法改正によって規定された提携の自由は、改正法が施行され、その文言と精神に則り実施されれば、日本の消費者による適時かつ効率的な統合された法務サービスの利用に大きく貢献する。この目的のために、米国は、日本が以下の措置を講ずることを要望する。

I-A. 2003年の改正法を2005年4月1日までに、完全に実施する。

I-B. 特に以下の点を担保することにより、日本弁護士連合会(日弁連)による会則並びに規則の運用が、2003年改正法の文言及び精神に則ったものとなるよう必要な措置を講ずる。

I-B-1. 日弁連の会則並びに規則が、自身と異なる業務範囲をもつ外弁アソシエイトを雇用する外弁パートナーが、その外弁アソシエイトにより取り扱われる法務事件を受諾することを束縛するような形で適用されない。

I-B-2. 倫理及び機密性に関する会則並びに規則は、弁護士や外弁が外国法共同事業のメンバーであるか、あるいは国内の法律事務所のメンバーであるかに関わり無く、両者に対して平等に適用される。

I-B-3. 弁護士、外弁それぞれの権限及び法律業務についての依頼人に対する説明義務は、近代的かつ国際的慣行に沿ったものであり、不合理に負担となるものとしない。

II. 専門職法人及び支所の設立の容認

 外弁は、専門職法人を形成し、その支所を設立することを含めて、弁護士と実質的に同じ権利が与えられるべきである。米国は、法務省が外弁に対して専門職法人の形成を認めるかについて検討を進めていることを歓迎する。米国は、日本が以下の措置を講じることを要請する。

II-A. 支所の開設を含め、外弁が、弁護士と同等に、また同等の利益を享受出来る形で専門職法人を形成することの容認に向けて、法務省の検討を2004年度末までに完了する。

II-B. 日本において活動する外国法律事務所並びにそれらの外弁パートナーが、別個に日本の法務専門職法人を形成することを義務付けられることなく、日本において彼らの支所を設立することを認める。

III. 外弁に対する最低資格基準の緩和

 日本における業務に長期的関心を有する外国弁護士が外弁資格を取得することを奨励するために、米国は日本に対し、日本において外国弁護士が原資格国法に関する実務に費やした全ての期間を、3年の職務経験要件に算入することを認めることを要請する。

IV. 裁判外紛争処理手続の促進

 日本は、裁判外紛争処理(ADR)メカニズムは、個人や企業が効果的かつ廉価に紛争を解決することを助ける上で重要な役割を果し得ることを理解し、日本におけるADR手続を強化、再活性化するための措置を検討中である。米国は、日本におけるADRサービスの発展を促進する柔軟かつ開かれた法務環境の創造に向けた日本のコミットメントを歓迎する。これらの目的のために、米国は日本に対し、以下の措置を講じることを要請する。

IV-A. ADRに関する基本的枠組みの採用 ADRのための柔軟かつ開かれた法務環境を創出するため、ADRのために導入される法体系は以下の点を担保する。

IV-A-1. 国連国際商取引法委員会の国際商務調停に関する規範法を含め、国際的基準、慣行に合致する。

IV-A-2. 現在の仲裁手続で認められているものと同程度に国際的側面が存する全ての形式のADRプロセスにおける関係者を代表するために、外弁及び外国弁護士が日本を訪れることを認める

IV-A-3. ADR関係者が適用される規則、プロセス、基準について合意することを一般的に認めることにより、ADRプロセスが柔軟に個別の状況に即した最適なものとなることを可能にする。

IV-A-4. アドホックの自己管理された国際仲裁及び調停、また、国際商工会議所、アメリカ仲裁協会、ロンドン国際仲裁裁判所などの国際機関が、日本法の基において明確に合法かつ正当であること、さらに、それらが日本政府あるいは日本政府によって指名されたものによる許可なしに、日本において活動を継続できることを確保する。

IV-B. 非弁護士がADRプロセスにおいて中立者として活動することの容認

IV-B-1. 仲裁、調停、仲介その他のADRプロセスにおいて報酬のために中立者として活動する紛争処理組織、外弁、非弁護士は、法律業務を行っているのではなく、従って弁護士法第72条、あるいは 外弁法(適用される場合は)に違反するものでないことを、新しい立法措置を通じて明確にする。

IV-B-2. 非弁護士が、自身であるいは中立者として取り扱うADRプロセスは、弁護士の監督を受けるとする要件は、一般的に、課せられないこととする。

IV-C. ADR免許制の制限  ADRプロセスに対する障害が生み出されることを防ぐため、導入されるいかなるADR免許制度も以下の点を満たすことを確保する。

IV-C-1. 仲裁サービスには適用されない。

IV-C-2. 完全に自主的なものである。

IV-C-3. 報酬のためにADRサービスを提供する非免許の組織あるいは請負人は、なんら弁護士法に違反するものではないこと、また、非免許の組織あるいは請負人によって提供されたADRサービスによる紛争の解決は、ADR提供者の非免許資格を理由とする法的告発の対象とはならないことを明確にする。

IV-C-4. 日本人及び日本の組織と同等の基準で、外国人及び組織にも開かれたものとする

IV-C-5. 免許制並びに免許取得後の全ての報告義務について、妥当かつ過度に負担とならない手続及び基準を設定する。

 

日米規制改革および競争政策イニシアティブに基づく日本国政府への米国政府要望書(仮訳)2005年12月7日より抜粋

提言の概要

・ 外弁に対する提携の自由の確保:日弁連と各地弁護士会の規則が、外弁と弁護士との提携の自由に関して外弁法の文言及び自由化の精神に則ったものであり、外弁に対して差別的でないことを確保するため、法務省と日弁連との継続的協議やその他の必要な措置を含む取組みを行う。

・ 専門職法人及び支所の設立の容認:外弁が、弁護士と同等に、また同等の利益を享受できる形で専門職法人を設立することを認める内容の法案を提出する。また、日本において活動する外国法律事務所並びにそれらの外弁パートナーが、別個に日本の法務専門職法人の形成を義務付けられることなく、日本において複数の支所を設立することを認める法案を提出する。

・ 外弁に対する最低資格基準の緩和:外国弁護士が原資格国法に関する実務に費やした全ての期間が、外弁資格に必要な3年の職務経験要件に算入できるよう、外弁法を改正する。

 

日米規制改革および競争政策イニシアティブに基づく日本国政府への米国政府要望書(仮訳)2006年12月5日より抜粋

提言の概要

・ 司法制度改革の達成:認可された外国法事務弁護士(外弁)に専門職法人の設立および支所の設立を認める。日本における法務経験を外弁の最低資格要件として算入する。日本弁護士の海外の法務パートナーシップへの加入を認める。日本における国際ADR手続きにおいて、外弁および外国弁護士が中立者として活動し、当事者を代理することができることを確保するとともに、国際基準および慣行と整合性の取れた新たなADR法の施行により、仲裁およびその他のADRを推進する。

詳論

IV. 司法制度改革の達成

IV-A. 専門職法人および事務所設置の容認 弁護士の専門職法人と同一条件で、また同等の利益を享受できるように、外弁が専門職法人を設立することを許可する。また、日本において活動する外国法律事務所ならびにそれらの弁護士および外弁パートナーに対し、専門職法人の設立にかかわらず複数の事務所を設置することを認めること。

IV-B. 外弁に対する最低資格基準の見直し 原資格国法に関する実務に費やしたすべての期間が、その経験を得た環境にかかわらず、外弁資格に必要な3年間の職務経験要件に算入されるよう、外弁法を改正する。

IV-C. 弁護士に対する日本国外の国際法務パートナーシップとの自由な提携の容認 日本弁護士が、単独であっても、あるいは他の日本弁護士または外弁との共同であっても、制限や制約を受けることなく、日本国外の国際法務パートナーシップに加入できることを公式に確認する。

IV-D. 仲裁および裁判外紛争解決手続きの推進

IV-D-1. 外弁、外国弁護士および非弁護士が、準拠法や紛争事項にかかわらず、全体的にまたは部分的に日本で行われるあらゆる国際仲裁またはその他の国際的な裁判外紛争解決手続き(ADR)において、中立者として活動を許可されていることを確保する。

IV-D-2. 外弁が日本で行われるあらゆる国際的なADRにおいて当事者を代理することができることを明確にするため、外弁法を改正する。

IV-D-3. 裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律(ADR法)が、国際基準と慣行に整合する形で施行され、また日本を国際的な紛争解決の中枢として確立させるという目標を阻害するのではなく推進することを確保する。この目的の促進のために、以下の措置を取る。

IV-D-3-a. ADR法の施行に関して政府が提案するすべての法令、規則およびガイドラインに対して、パブリックコメント手続きを適用する。

IV-D-3-b. 日本仲裁人協会が、ADR法の施行に関する規則が最終決定される前に、規則案を公表してパブリックコメントを募集し、最短60日間のコメント提出期間を設けることを確保する。

 

日米規制改革および競争政策イニシアティブに基づく日本国政府への米国政府要望書(仮訳)2007年10月18日より抜粋

提言の要点

・ 司法制度改革の達成:外弁による専門職法人および支所の設置を認める。日本の弁護士が国際的な法務パートナーシップと自由に提携することを認める。外弁の最低資格要件を改正する。仲裁および裁判外紛争解決を促進する。

詳論

IV. 司法制度改革の実現

IV-A. 専門職法人および支所設置の容認

IV-A-1. 外弁が、支所を設置する資格など、日本の弁護士の専門職法人と同一条件で、また同等の利益を享受できるように、専門職法人を設立することを許可する。

IV-A-2. 外国弁護士事務所ならびに日本にいるその弁護士および外弁パートナーを含むすべての弁護士事務所が、専門職法人の設立にかかわらず日本国内に複数の支所を設置することを認める。

IV-B. 弁護士に対する国際的法務パートナーシップとの自由な提携の容認 単独か、または他の弁護士もしくは外弁とのパートナーシップを通じてかにかかわらず、日本の弁護士が、日本国外で弁護士の国際的パートナーシップのメンバーになることに対して、法律あるいは弁護士会規則による制限がないことを保証する。

IV-C. 外弁に対する最低資格基準の見直し 原資格国法に関する実務に費やしたすべての期間が、その経験を得た環境にかかわらず、外弁資格に必要な3年間の職務経験要件に算入されるよう、外弁法を改正する。

IV-D. 裁判外紛争解決手続(ADR)の促進 外弁が、日本で行われるあらゆる国際的ADRにおいて中立的第三者として活動すること、また当事者を代理することができることを明確に許可するため、外弁法を改正する。

 

日米規制改革および競争政策イニシアティブに基づく日本国政府への米国政府要望書(仮訳)2008年10月15日より抜粋

提言の要点

・ 司法制度改革の実現:外国法事務弁護士(外弁)による専門職法人の設立を許可する。すべての弁護士事務所が日本全国に支店を設立することを認める。日本の弁護士がインターナショナル・リーガル・パートナーシップと提携することを容認する。最低資格基準を簡素化するとともに、新規の外弁登録申請の承認手続を迅速化する。外弁があらゆる国際仲裁手続において当事者を代理することを許可する。営業秘密盗用の刑事訴追を促進する。

詳論

V.司法制度改革の実現

III-A. 日本における国際的な法務サービス提供の促進

III-A-1. 支店を設置する資格など、日本で登録している外国法事務弁護士(外弁)が日本の弁護士の専門職法人と同じ根拠に基づき、同じ利益を享受できる専門職法人を設立することを容認する法案を、次期通常国会に提出する。また、非法人の外弁と弁護士の間で認められているパートナーシップ関係と同等の弁護士法人を個々の弁護士が設立するしないにかかわらず、外弁が弁護士とのパートナーシップを構築または維持するための専門職法人を設立する自由を確保する。

III-A-2. 外国ローファームならびに日本にいるその弁護士および外弁パートナーを含むすべての弁護士事務所が、専門職法人の設立にかかわらず、日本国内に複数の支店を設立することを認める。

III-A-3. 弁護士がインターナショナル・リーガル・パートナーシップのメンバーになることの法的な意義について、インターナショナル・リーガル・パートナーシップの実際の実務に関する調査を含めた法務省による検討を2009年3月までに完了する。また、単独か、他の弁護士もしくは外弁とのパートナーシップを通じてかにかかわらず、日本の弁護士が日本国外で弁護士の国際パートナーシップのメンバーになることに対して、法的あるいは弁護士会の規則上の障害は存在しないということを明確にするための措置を講じる。

III-A-4. 日本以外の法律に準拠するすべての仲裁を含め、日本で行われるすべての国際裁判外紛争解決(ADR)手続きにおいて、外弁が主宰者として活動すること、また当事者を代理することができることについて、法的確実性を高めるための適切な措置を講じることができるかどうかに関する法務省の調査を2009年3月までに完了する。また2009年中にそのような措置を実施するための措置を講じる。

III-A-5. 日本弁護士連合会および各地の弁護士会が、原則として法務省に対する原出願日から3カ月以内かつ法務省による承認日から2カ月以内に、外弁の新規登録請求を承認するよう確保する。

III-A-6. 日本で外国弁護士が弁護士または外弁の下で働いた経験が、外弁登録における3年間の職務経験要件に全面的に算入されるよう、外弁登録における3年間の職務経験要件に今も適用されている地理的制限を撤廃する。

III-B. 営業秘密盗用の刑事訴追の促進

 営業秘密盗用の被害者が、犯罪者に対する刑事訴訟において検察官と協力することを促すため、営業秘密を公開すると見込まれる証人が傍聴人不在の状況で審問されることを許可し、その上で公開の法廷でその営業秘密を守る証言の概要を提供することで、営業秘密盗用の刑事裁判において営業秘密の内容が公開されないことを確保する新たな手続きを導入する。

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