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最高裁判所大法廷判決平成23年03月23日

【事案】

 公職選挙法によると,小選挙区選挙における候補者の届出は,所定の要件を備えた政党その他の政治団体又は候補者若しくはその推薦人が行うものとされ(同法86条1項ないし3項),候補者の届出をした政党その他の政治団体(以下「候補者届出政党」という。)は,候補者本人がする選挙運動とは別に,自動車,拡声機,文書図画等を用いた選挙運動や新聞広告,演説会等を行うことができるほか(同法141条2項,142条2項,149条1項,161条1項等),候補者本人はすることができない政見放送をすることができるものとされている(同法150条1項)ところ,上記規定は,小選挙区選挙の選挙運動に関し,候補者届出政党に所属する候補者を優遇し,そうでない候補者を差別的に取り扱い,その結果,選挙人が投票行動をする際,その判断資料である候補者の適性,政見等に関する情報を均等に享受することを妨げ,選挙人の適正な選挙権の行使を阻害しているとして,憲法14条1項等の憲法の規定に違反する旨の主張がされた事案。

【判旨】

1.平成6年の衆議院議員の選挙制度の改正は,選挙制度を政策本位,政党本位のものとするためにされたものと解されるところ,政党は,議会制民主主義を支える不可欠の要素であって,国民の政治意思を形成する最も有力な媒体であるから,国会が政党の重要な国政上の役割に鑑みて衆議院議員の選挙制度の仕組みを政策本位,政党本位のものとすることは,その裁量の範囲に属するものであることが明らかである。憲法は,各候補者が選挙運動の上で平等に取り扱われるべきことを要求しているというべきであるが,合理的理由に基づくと認められる差異を設けることまで禁止しているものではないから,国会の具体的に決定したところが裁量権の行使として合理性を是認し得ない程度にまで候補者間の平等を害するというべき場合に,初めて憲法の要求に反することになると解すべきである。
 公職選挙法の規定によれば,小選挙区選挙においては,候補者のほか,所定の実績を有する政党等のみがなることのできる候補者届出政党にも選挙運動を認めることとされているのであるが,このような立法政策を採ることには,選挙制度を政策本位,政党本位のものとするという国会が正当に考慮することができる政策的目的ないし理由に照らして相応の合理性が認められ,これが国会の裁量権の限界を超えるものとは解されない。
 そして,候補者と並んで候補者届出政党にも選挙運動を認めることが是認される以上,候補者届出政党に所属する候補者とこれに所属しない候補者との間に選挙運動の上で差異を生ずることは避け難いところであるから,その差異が合理性を有するとは考えられない程度に達している場合に,初めてそのような差異を設けることが国会の裁量の範囲を逸脱するというべきである。自動車,拡声機,文書図画等を用いた選挙運動や新聞広告,講演会等についてみられる選挙運動に関し,公職選挙法の規定における候補者間の選挙運動上の差異は,候補者届出政党にも選挙運動を認めたことに伴って不可避的に生ずるということができる程度のものであり,候補者届出政党に所属しない候補者が行い得る各種の選挙運動自体がその政見等を選挙人に訴えるのに不十分であるとは認められないことに鑑みれば,上記のような差異が生ずることをもって,国会の裁量の範囲を超え,憲法に違反するとは認め難い。公職選挙法150条1項が政見放送を候補者届出政党にのみ認めることとしたのも,候補者届出政党の選挙運動に関する他の規定と同様に,選挙制度を政策本位,政党本位のものとするという合理性を有する立法目的によるものであり,政見放送が選挙運動の一部を成すにすぎず,候補者届出政党に所属しない候補者が行い得るその余の各種の選挙運動がその政見等を選挙人に訴えるのに不十分であるとはいえないこと,小選挙区選挙に立候補した全ての候補者に政見放送の機会を均等に与えることには実際上多くの困難を伴うことは否定し難いことなどに鑑みれば,政見放送に係る相違の一事をもって上記の差異が合理性を有するとは考えられない程度に達しているとまで断ずることはできず,これをもって国会の合理的裁量の限界を超えているものということはできない。

2.したがって,小選挙区選挙の選挙運動に関する公職選挙法の規定が憲法14条1項等の憲法の規定に違反するとはいえない。このことは,最高裁平成11年(行ツ)第35号同年11月10日大法廷判決及び平成19年6月13日大法廷判決の判示するところであって,これを変更する必要は認められない。

【須藤正彦補足意見要旨】

 国民主権を基本原理とする憲法においては,政治的意思の形成(国政の決定)を行う国会の構成員たる議員は,代表民主制において,選挙によって選ばれた国民の代表者がなるものである(憲法前文,43条)。しかして,国会における政治的意思の形成(国政の決定)は,基本的に,政策本位,政党本位で,つまり,互いに同一又は近似の政治上の意見を有する者の集合体たる政党や政治団体(以下「政党等」という。)の所属者たる議員により,かつ,その政党等が作成した政策が国会全体の意思となることを目指した論争・審議やその結果としての(窮極的には多数決による)議決を通してなされる。そうであれば,その議員を選出決定するための選挙制度も,これを政策本位,政党本位のものとすることは,必然的なことといえるし,議会制民主主義が本来の機能を発揮することに資し,憲法の理念に合致するものとして合理的なことともいえる。
 しかして,選挙制度の仕組みをどのようなものにするかは国民の選択,具体的には国会の広範な立法裁量に委ねられるところ,現行の衆議院議員選挙制度は,小選挙区制の選挙制度を中心とし,これによって政策本位,政党本位の選挙制度としているといえる。しかるところ,この小選挙区制の選挙制度の下では,一つの選挙区から1人の議員しか当選しない仕組みが採られている。その結果,一定の実績と継続的活動能力を有すると認められる政党の所属者が当選しやすくなり,そうすると,国会での多数派ないし2大政党の形成が容易になり,政権交代の可能性が高くなる一方において,政権交代はこれら多数派政党間で行われ,国政の連続性,安定性の確保が図られ得るといえる。そして,小選挙区制の選挙制度の趣旨・目的についての以上の捉え方よりすれば,それは,国会において一定の実績と継続的活動能力を有すると認められる政党による論争・審議が中心となることが前提とされているといい得るし,また,そのような考え方を重視すると,その一環ないし延長として,飽くまで合理性を是認し得ないほどに候補者間の平等を害しない範囲においてではあるが,一定の実績と継続的な活動能力の存在を示す一定の要件を備えた政党について,その政策や所属候補者についての情報など投票のための判断資料が選挙民に十分に伝わるように,候補者個人とは別に選挙運動を認めるという考え方も生じ得よう。もとより,民主主義社会にとって,多様性は生命線ともいうべきもので,小政党や無所属の者の表現の自由が侵されたり,少数意見が封じられることがあってはならないのは当然であるが,上記の考え方は,議会制民主主義の機能発揮という憲法上の理念に合致する面を有しており,賛否はいずれにしても,一定の合理性が認められる一つの考え方として成り立ち得ると思われるのである。
 しかして,この考え方に立った場合,上記のような選挙運動を認める政党等の要件をどのようなものとするか,その程度を具体的にどのようなものとするかについても,合理性を是認し得ないほどに候補者間の平等を害しない範囲内においてではあるが,やはり立法裁量が認められるといえる。結局,問題の核心は,本件の選挙運動上の差異が,裁量の範囲を超えるほどの不平等であるかどうかである。
 そこで,以上の見地に立って現行公職選挙法上の本件の選挙運動上の差異につき検討してみるに,同法86条1項は候補者届出政党の要件を,同法141条2項,142条2項,149条1項,150条1項,161条1項等は候補者届出政党の選挙運動をそれぞれ規定するところ,候補者届出政党の候補者とそれ以外の候補者とで選挙運動上の取扱いの差異は小さいとはいえず,候補者届出政党の要件もより緩やかな定め方もあり得るのではないかとの感もないではない。しかし,前記のとおり,一定の要件を備えた政党(候補者届出政党)に候補者個人とは別に選挙運動を認めること自体は許されるとの考えも一つの考え方として成り立ち得ると解する以上,その前提を重く考えるとともに,候補者届出政党以外の政党等の候補者に選挙運動自体は認められており,その者についての投票のための判断資料たる候補者の適性,政見等に関する情報を得ること自体には特に不足があるとは思われないこと,さらに,候補者届出政党以外の政党等は政治活動を何ら制限されるわけではなくこれを行って支持を拡大し,そのことによって一定数の議員を当選させることに特に支障があるわけではないことなどを考慮すると,合理性を是認し得ないほどに候補者間の平等を害するとまでは評価し得ないと思われるのである。前記のとおり,選挙制度の設計についての立法に広範な裁量が認められることを勘案すると,本件の選挙運動上の差異を規定する公職選挙法の規定は,国会の合理的裁量の限界を超えているということはできず,なお違憲ではないというべきである。

【田原睦夫反対意見要旨】

 私は,本件選挙について,小選挙区選挙の候補者のうち候補者届出政党に所属する候補者と,これに所属しない候補者が行い得る選挙運動の格差は,候補者届出政党が,その政党に所属する個々の小選挙区候補者のために実際に行い得る選挙運動の内容をも加味すれば,質量の両面において著しく大きく,政策本位,政党本位の選挙制度とすべく小選挙区比例代表並立制の制度が採用され,その選挙制度を実効あらしめるべく,候補者届出政党に小選挙区選挙に関して選挙運動を行うことが認められたものであるとの立法目的を考慮しても,その格差は,その目的のために許容される合理的範囲を超えるものであると評さざるを得ないのであり,候補者になろうとする者の被選挙権の平等を妨げるものとして,憲法14条1項,44条ただし書,47条に違反するとともに,選挙人の選挙権の適正な行使を妨げるものとして,憲法14条1項,15条3項,44条ただし書,47条に違反するものであると考える。
 その理由は,平成17年9月11日施行の総選挙に関する選挙無効訴訟についての前掲平成19年6月13日大法廷判決において述べた私の反対意見と同様であるから,ここに引用する。
 なお,若干付言するに,本件選挙では政党要件を満たさないある政党の候補者が,多数の小選挙区において立候補したほか,無所属候補を含め政党要件を満たさない政党の候補者が合計362名(小選挙区での全候補者数1139名の32パーセント)立候補していたところ,それらの候補者は,候補者届出政党に所属する候補者に比して,質・量の両面において,不利益な選挙運動を強いられたことになるのである。また,本件選挙では,政党要件をぎりぎり満たす小規模な政党の候補者が小選挙区において立候補していたが,仮にそれらの政党が,候補者届出政党としての要件を少しでも欠くに至った場合には,次回の総選挙からは政見放送を行い得ない等,それまで享受していた候補者届出政党としての選挙運動を行うことができなくなるのである。複数以上の小選挙区に候補者を立てようとする小規模な政党にとっては,候補者届出政党としての要件を満たすか否かによってその行える選挙運動の質及び量に著しい格差があるが,政党本位の選挙制度であることをもって合理化できるかという観点から見ても,その合理性については強い疑念を抱かざるを得ないのである。

 

最高裁判所第一小法廷判決平成23年03月24日

【事案】

1.居住用建物を被上告人から賃借し,賃貸借契約終了後これを明け渡した上告人が,被上告人に対し,同契約の締結時に差し入れた保証金のうち返還を受けていない21万円及びこれに対する遅延損害金の支払を求める事案。被上告人は,同契約には保証金のうち一定額を控除し,これを被上告人が取得する旨の特約が付されていると主張するのに対し,上告人は,同特約は消費者契約法10条により無効であるとして,これを争っている。

(参照条文)消費者契約法10条

 民法、商法(明治三十二年法律第四十八号)その他の法律の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比し、消費者の権利を制限し、又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第一条第二項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。

2.事実関係の概要等

(1) 上告人は,平成18年8月21日,被上告人との間で,京都市西京区桂北滝川町所在のマンションの一室(専有面積約65.5u。以下「本件建物」という。)を,賃借期間同日から平成20年8月20日まで,賃料1か月9万6000円の約定で賃借する旨の賃貸借契約(以下「本件契約」という。)を締結し,本件建物の引渡しを受けた。本件契約は,消費者契約法10条にいう「消費者契約」に当たる。

(2) 本件契約に係る契約書(以下「本件契約書」という。)には,次のような条項がある。

ア.上告人は,本件契約締結と同時に,保証金として40万円を被上告人に支払う(3条1項。以下,この保証金を「本件保証金」という。)。

イ.本件保証金をもって,家賃の支払,損害賠償その他本件契約から生ずる上告人の債務を担保する(3条2項)。

ウ.上告人が本件建物を明け渡した場合には,被上告人は,以下のとおり,契約締結から明渡しまでの経過年数に応じた額を本件保証金から控除してこれを取得し,その残額を上告人に返還するが(以下,本件保証金のうち以下の額を控除してこれを被上告人が取得する旨の特約を「本件特約」といい,本件特約により被上告人が取得する金員を「本件敷引金」という。),上告人に未納家賃,損害金等の債務がある場合には,上記残額から同債務相当額を控除した残額を返還する(3条4項)。

経過年数   1年未満   控除額   18万円
  2年未満   21万円
  3年未満   24万円
  4年未満   27万円
  5年未満   30万円
  5年以上   34万円

エ.上告人は,本件建物を被上告人に明け渡す場合には,これを本件契約開始時の原状に回復しなければならないが,賃借人が社会通念上通常の使用をした場合に生ずる損耗や経年により自然に生ずる損耗(以下,併せて「通常損耗等」という。)については,本件敷引金により賄い,上告人は原状回復を要しない(19条1項)。

オ.上告人は,本件契約の更新時に,更新料として9万6000円を被上告人に支払う(2条2項)。

(3) 上告人は,平成18年8月21日,本件契約書3条1項に基づき,本件保証金40万円を被上告人に差し入れた。なお,上告人は,本件保証金のほかに一時金の支払をしていない。

(4) 本件契約は平成20年4月30日に終了し,上告人は,同日,被上告人に対し,本件建物を明け渡した。

(5) 被上告人は,平成20年5月13日,本件契約書3条4項に基づき,本件保証金から本件敷引金21万円を控除し,その残額である19万円を上告人に返還した。

3.原審は,本件特約が消費者契約法10条により無効であるということはできないとして,上告人の請求を棄却すべきものとした。

【判旨】

1.所論は,建物の賃貸借においては,通常損耗等に係る投下資本の減価の回収は,通常,減価償却費や修繕費等の必要経費分を賃料の中に含ませてその支払を受けることにより行われるものであるのに,賃料に加えて,賃借人に通常損耗等の補修費用を負担させる本件特約は,賃借人に二重の負担を負わせる不合理な特約であって,信義則に反して消費者の利益を一方的に害するものであるから,消費者契約法10条により無効であるというのである。

2.そこで,本件特約が消費者契約法10条により無効であるか否かについて検討する。

(1) まず,消費者契約法10条は,消費者契約の条項が,民法等の法律の公の秩序に関しない規定,すなわち任意規定の適用による場合に比し,消費者の権利を制限し,又は消費者の義務を加重するものであることを要件としている。
 本件特約は,敷金の性質を有する本件保証金のうち一定額を控除し,これを賃貸人が取得する旨のいわゆる敷引特約であるところ,居住用建物の賃貸借契約に付された敷引特約は,契約当事者間にその趣旨について別異に解すべき合意等のない限り,通常損耗等の補修費用を賃借人に負担させる趣旨を含むものというべきである。本件特約についても,本件契約書19条1項に照らせば,このような趣旨を含むことが明らかである。
 ところで,賃借物件の損耗の発生は,賃貸借という契約の本質上当然に予定されているものであるから,賃借人は,特約のない限り,通常損耗等についての原状回復義務を負わず,その補修費用を負担する義務も負わない。そうすると,賃借人に通常損耗等の補修費用を負担させる趣旨を含む本件特約は,任意規定の適用による場合に比し,消費者である賃借人の義務を加重するものというべきである。

(2) 次に,消費者契約法10条は,消費者契約の条項が民法1条2項に規定する基本原則,すなわち信義則に反して消費者の利益を一方的に害するものであることを要件としている。
 賃貸借契約に敷引特約が付され,賃貸人が取得することになる金員(いわゆる敷引金)の額について契約書に明示されている場合には,賃借人は,賃料の額に加え,敷引金の額についても明確に認識した上で契約を締結するのであって,賃借人の負担については明確に合意されている。そして,通常損耗等の補修費用は,賃料にこれを含ませてその回収が図られているのが通常だとしても,これに充てるべき金員を敷引金として授受する旨の合意が成立している場合には,その反面において,上記補修費用が含まれないものとして賃料の額が合意されているとみるのが相当であって,敷引特約によって賃借人が上記補修費用を二重に負担するということはできない。また,上記補修費用に充てるために賃貸人が取得する金員を具体的な一定の額とすることは,通常損耗等の補修の要否やその費用の額をめぐる紛争を防止するといった観点から,あながち不合理なものとはいえず,敷引特約が信義則に反して賃借人の利益を一方的に害するものであると直ちにいうことはできない。
 もっとも,消費者契約である賃貸借契約においては,賃借人は,通常,自らが賃借する物件に生ずる通常損耗等の補修費用の額については十分な情報を有していない上,賃貸人との交渉によって敷引特約を排除することも困難であることからすると,敷引金の額が敷引特約の趣旨からみて高額に過ぎる場合には,賃貸人と賃借人との間に存する情報の質及び量並びに交渉力の格差を背景に,賃借人が一方的に不利益な負担を余儀なくされたものとみるべき場合が多いといえる。
 そうすると,消費者契約である居住用建物の賃貸借契約に付された敷引特約は,当該建物に生ずる通常損耗等の補修費用として通常想定される額,賃料の額,礼金等他の一時金の授受の有無及びその額等に照らし,敷引金の額が高額に過ぎると評価すべきものである場合には,当該賃料が近傍同種の建物の賃料相場に比して大幅に低額であるなど特段の事情のない限り,信義則に反して消費者である賃借人の利益を一方的に害するものであって,消費者契約法10条により無効となると解するのが相当である。

(3) これを本件についてみると,本件特約は,契約締結から明渡しまでの経過年数に応じて18万円ないし34万円を本件保証金から控除するというものであって,本件敷引金の額が,契約の経過年数や本件建物の場所,専有面積等に照らし,本件建物に生ずる通常損耗等の補修費用として通常想定される額を大きく超えるものとまではいえない。また,本件契約における賃料は月額9万6000円であって,本件敷引金の額は,上記経過年数に応じて上記金額の2倍弱ないし3.5倍強にとどまっていることに加えて,上告人は,本件契約が更新される場合に1か月分の賃料相当額の更新料の支払義務を負うほかには,礼金等他の一時金を支払う義務を負っていない。
 そうすると,本件敷引金の額が高額に過ぎると評価することはできず,本件特約が消費者契約法10条により無効であるということはできない。

3.原審の判断は,以上と同旨をいうものとして是認することができる。論旨は採用することができない。

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