政府公表資料等情報

衆院法務委員会平成23年05月17日より抜粋(下線は当サイトによる)

○階猛委員 ・・先日の日曜日に司法予備試験が行われました。初めての予備試験に六千四百七十七人の受験者があったと報道されております。
 この委員会で私も指摘しましたけれども、近時、ロースクールに入るための適性試験、この受験者がどんどん減ってきて、今や八千人台と言われております。旧司法試験のとき、ピークでは三万人以上司法試験を受けていたことからすると、まさに危機的な状況だということも申し上げました。他方、予備試験は六千四百人ということであれば、ロースクールの適性試験、ロースクールに入りたいという人と余り変わらなくなってきています
 そもそも、このロースクールによる法曹養成制度を設けた趣旨というのは、一発試験ではなくてプロセスによる法曹養成制度を目指すという趣旨だったはずでありますが、この数字を見ておりますと、何となくこの改革の趣旨が骨抜きになりそうな不安を覚えるわけであります。この点について大臣の所見をお聞かせください。

○江田五月国務大臣 私なんかはもう旧制度の中でどっぷりつかってしまっている人間でございますが、旧制度一発試験、夢を持ってというのはいいんですが、夢破れ、破れ、破れ、さらに破れ、人生台なしというような人たちもいっぱいいたのもよく知っているんです。そこで、やはりそういう制度ではなくてプロセスとして養成しようということで、いろいろ考えをめぐらせたあげくロースクールということを導入いたしました。しかし、今委員御指摘のとおり、そのロースクールが大変な困難を抱えているというのは事実です。
 ただ、この予備試験というのは、ある意味、ロースクールというプロセスの養成ではなくて、しかしロースクール修了者と同等の力があるという者を判定する、そういう制度として設けていますが、やはり、私ども、予備試験は予備試験で重要であるが、しかしロースクールというのが法曹養成の中核的な道筋だというところを何としても崩さないように、ロースクールの改革をきっちりやっていきたいと思っておりまして、今、法曹養成フォーラムをつい最近立ち上げたところで、そんな中で大いに、当初の理念を大切にしながら、しかし既定の制度にしがみつくことなく、やはりそこはしっかり見直しながらいいものにしていきたいと思っております。

○階委員 この予備試験の受験者の中には、新司法試験をロースクールを卒業して受けたんだけれども、いわゆる三振制、五年以内に三回不合格になったら失格になってしまうという三振制にひっかかった、三振制が適用された方が含まれているそうです、六千四百人の中には。
 もしその大体の人数がおわかりになればそれを教えていただきたいんですが、それはさておくとしても、三振制度というものは廃止すべきではないかと思います。結局、三振制度があったとしても、予備試験の方に流れていくんだったら、一発試験の方で、本来受けるべきではないロースクールの人たちが予備試験に行くというのは何か矛盾のような気がしますので、三振制というものはもはややめた方がいいのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

○江田国務大臣 まず、今回の予備試験を受けた人たちの中で、今委員が御指摘になりました、三回受験をしてすべて失敗で受験資格を失った者がどのくらいいるのか、これは、把握が今のところ、今のところといいますか、どういう方法で把握できるかというのはなかなか困難で、把握は残念ながらできないというお答えしかできません。
 ただ、しかし、三回でアウトになった者が、予備試験でもう一度志を持ってという人たちが出てくるのも、それも容易に想像できることではあります。そうさせるぐらいなら三振制というのはやめたらいいんじゃないかという御指摘ですが、ここは、三振制を導入したときの意図というものも、そう軽い意図じゃありませんで、いろいろな思いを込めながらこの制度を導入したので、今の委員の御指摘を踏まえて、また検討してまいりたいと思います。

○階委員 時間が参りましたので終わりますけれども、そもそも三振制が導入された際には、ロースクールを卒業すれば七、八割は合格します、こういう話とセットだったわけです。その七、八割が崩れた以上、三振制も存続の前提を失ったというのが私の見解ですし、この委員会でも何人かの方が指摘されたと思いますので、ぜひ、その点も含め、三振制の見直しをお願いします
 以上です。ありがとうございました。

 

衆院法務委員会平成23年05月27日より抜粋(下線は当サイトによる)

○大口善徳委員 ・・一昨日、法曹養成に関するフォーラムの開催があったと聞いております。私ども、この五月十三日付のペーパーをいただきました。検討内容が、一、個々の司法修習終了者の経済的な状況等を勘案した措置のあり方、二、法曹養成に関する制度のあり方ということでございまして、その検討の進め方について、会議は非公開とする、原則として会議終了後速やかにこの議事録を作成して公表する、そういうことで、この経済的な状況を勘案した措置という方は本年八月末までに第一次報告を取りまとめる、それから法曹養成に関する制度のあり方については第一次報告までに可能な限り検討するとして、その後も引き続き検討を行い、検討結果を第二次報告として取りまとめる、こういうことでございます。
 この法曹の養成に関する制度のあり方というのは非常に国民的な関心がある。また、経済的な状況を勘案した措置につきましても、これは司法関係者にとっては非常に大きな関心事でございます。ですから、会議を非公開にするということ自体、これはとんでもないことであって、今の政権のこれまで言ってきたことと違うのではないか、こう思います。会議は公開すべしということについて、いかがでございますか。

○小川敏夫副大臣 法曹養成フォーラム、私出席しておりますので、私から答えさせていただきます。
 一昨日開催されました第一回の中で、委員から会議を公開すべしという意見が多数出ました。また、それを受けまして、私ども政務の方、準備段階でも非公開ということになってはおりますが、趣旨としましては、最低限議事録を公開する、そしてそれ以上のことはむしろ委員会の判断で決めていただこうというニュアンスがあった上での非公開ということでございました。
 それで、一昨日、そのフォーラムの中で、多数の委員の公開すべしという意見を踏まえまして、公開するという方向の中で、ただ、司法試験の試験の内容とか事柄の性質上公開することに差し支えがあるものは、やはりその部分に限定して非公開ということがあり得るとしても、基本的には公開しようという方向性が確認されました。それを踏まえて、今座長を中心としまして、どのような形で公開するかということを議論いたしまして、次の第二回からは決まった方法で公開するものと予定しております

 

参院法務委員会平成23年06月09日より抜粋(下線は当サイトによる)

○木庭健太郎君 ・・先週、地元の福岡で、司法修習生に対する給費制の問題についてのシンポジウムが弁護士会の主催で、実は地元福岡で開かれました。この給費制の問題につきましては昨年本委員会でも質疑いたしましたが、貸与制への移行を一年間猶予すると、つまり一年間はこの給費制を続けるという法改正がなされて、そしてこれをどうするのかということを今年議論しようということになっている、こういうテーマでございます。
 シンポジウムに出て、様々な御意見ありました。大震災で大変なときに給費制の問題、本当に出してもいいんだろうかというようなお話から始まって、ただ、今司法修習生たちがやはりこの給費制という問題に対して、法科大学院を始めかなりの費用が、結局物すごいお金が掛かっている、司法修習する前の段階で四百万とか五百万、こんな借金を抱えた形で次へ進む、そういう現状がありますとか、やはり質のいい法曹養成といいますか、公の立場で仕事をするんだという、そういう意味合いを込めるならばこの給費制の持っている意味は大きいんではないかとか、様々な議論がございました。
 私自身は、やはりこの給費制が果たした役割というものは大きなものがあったし、司法制度改革の中で一旦はこれをやめようという議論をしたことは事実です。しかし、法科大学院の問題を始めこういった改正の中で、やはり質のいい法曹養成のためにはこの給費制は存続すべきではないかという考えを、私自身また私どもの党としては何とか継続はできないかという思いは持っております
 大臣において、これは法務省というか全体で、法曹養成に関するフォーラムというのを今開いて政府としていただいているということも承知しております。是非この問題について、私どもとしては継続してもらいたいという強い気持ちを持っている、そういった方向でまとまらないかなという気持ちも持ちながら、大臣として、現時点でこの給費制という問題にどういうお考えをお持ちか、そしていつごろまでにこの問題を整理しようとされているのか、これについて冒頭お伺いしておきたいと思います。

○副大臣(小川敏夫君) 法曹養成フォーラムに私が担当して出席しておりますので、私から答弁させていただきます。
 委員御指摘のように、昨年秋に一年間給費制が延長されました。したがって、今年の秋にはそれが切れるわけでございます。その一年延長する際、衆議院の法務委員会から決議をいただきまして、司法修習終了者の経済的な状況等を勘案した措置の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずること、それから、法曹の養成に関する制度についても検討することという決議をいただきました。これを受けまして、法務省、それからロースクールですので関係する文科省、様々な関係省庁等も出席いただいて、それから有識者にも出席いただきまして、法曹養成フォーラム、これを立ち上げたところでございます。
 そして、その法曹養成フォーラムにおきましては、まず一つとして、個々の司法修習終了者の経済的な状況等を勘案した措置の在り方ということでございますが、具体的にはこの給費制について検討するということになっておりまして、先般第一回会議が開かれました。そこで確認されましたことは、八月末までにこの給費制の問題を一つのまとめた一次案を出そうということになっております。当局としましては、そのいただいた案を基に検討していきたいと、このような状況でございます。

○木庭健太郎君 大臣が発言すると予断になるとかいろんな話もありますが、給費制についての大臣の考え方がもしあれば聞いておきたいと思います。

○国務大臣(江田五月君) まさに法曹養成フォーラムで議論をしていただくということで、今関係大臣合意でスタートをさせ、小川副大臣に担当してもらっていますので、それ以上のことを申し上げると予断を与えてしまうことになりますが、昨年、委員ともいろいろ議論をして、司法修習生というのはこんなに大切な仕事、仕事というか、これからの未来を担っていくんだから、その養成はやはり社会でひとつ経費的な負担もしようじゃないかというような議論をしたのは事実で、そしてそのときに法案が出てきて私も委員の一人として賛成をしたのも事実でございます
 そこで止めておきたいと思います。

 

平岡法務大臣初登庁後記者会見平成23年9月2日(金)より抜粋

司法制度改革に関する質疑について

【記者】

 野田総理の方から御指示があった重要課題の一つの司法制度改革についてなのですが,法曹養成のテーマで当初の検証の中にありました,3000人計画についてはどのような考えを持っているのかというのが一点と,それからもう一点,司法制度改革の関連で,給費制について,民主党のPTの方では,全体を見直すまでは維持すべきというような意見も出されていますけれども,その点を大臣はどのようにお考えになるのでしょうか。

【大臣】

 司法試験の合格者3000人とか,あるいは司法修習生に対する給費制か貸与制かという問題は,やはり貸与制にすることによって発する問題,また3000人にすることによって発生する問題というものがあることは事実だというふうに思っております。そういう意味では,どこにどういう弊害が生じているのかということをしっかりと検証していく,分析していく中で,どうあったらいいのかということは考えていきたいというふうには思います。今どちらだけではいけないという結論を持っているわけではなくて,その辺は検証しながら考えていきたいというふうに思っております。

 

平岡法相閣議後記者会見平成23年9月9日(金) より抜粋

司法試験合格者及び法曹養成制度に関する質疑について

【記者】

 昨日,新司法試験の合格発表がありまして,合格者数が2,063人で合格率が23.5パーセントということで,合格率については過去最低を更新したということですが,この結果についての受け止めと,それから合格者数を年3,000人にするという2002年の閣議決定について,見直す必要があるかどうかについて,お願いします。

【大臣】

 今年度の合格者の数が今御指摘があったように2,069人で,その内訳としては,新司法試験が2,063人,旧司法試験が6人という結果が出たということであります。結果について言えば,これは司法試験委員会の方で法曹となるべき能力の有無を判定するという観点から,適切に合格者が決められたものであると考えておりまして,特に私がコメントすべきようなことではないというふうに思います。それから,当初の司法制度改革の中で,平成22年ころには,司法試験の合格者数を年間3,000人程度とすることを目指しているということの考え方について,どう考えるか,また改める必要があるのではないかというような御指摘について言えば,これはいろいろな要素を考えていかなければならないだろうと思います。その要素については,現在,法曹の養成に関するフォーラムというのが開催されておりまして,その中で,法曹人口の在り方の問題,あるいは,法曹養成の在り方についての問題,そういうものについても議論されるということでありますので,その議論を待ちたいと思います。ただ,個人的に,なぜこういう状況になっているのかということを考えてみると,先ほど言いましたように,合格者というのは司法試験委員会が法曹となるべき能力の有無があるかどうかの判定をしているということで,その数が二千数十人しかなかったということでありますので,本来3,000人を目指すのであれば,そのような数になるような希望者がたくさんいるということが必要であろうし,そして法科大学院の中での教育というものも,非常に大事だろうと思います。その辺がどうなっているかという問題,それから,もう一つ逆に言うと,当初3,000人ということを言っていた理由としては,現在の法曹人口が我が国の社会の法的需要に十分に対応することができていない状況にあって,今後の法的需要の増大をも考え合わせると,法曹人口の大幅な増加が急務となっているという認識の基に3,000人という数字が出ているわけですけれども,その前提となっているところが,必ずしも世の中がそうなってきていないという面もある。つまり,司法修習を終えて,社会に出ていくときに,それだけの働く場と言いますか,法曹が求められている場というのが,必ずしも社会の中で十分に整っていないというようなこともあるのではないかと思います。以上,私が申し上げたようなことも含めて,現在進められている法曹の養成に関するフォーラムでの検討の中で,皆さんで議論をしていっていただきたいと今思っているところであります。

 

中川正春文部科学大臣記者会見平成23年9月9日より抜粋

記者) 昨日、今年の新司法試験の結果が公表されまして、合格率が5年連続で過去最低を更新して、合格者数は政府が目標としていた3,000人に遠く届かない、約2,000人ということになりました。
 一方で、法科大学院の上位15校が、合格者全体の7割を占める一方で、12校は合格者が3人以下ということで、学校間の格差が依然として大きいままです。法科大学院の今後の在り方と、3,000人という目標設定の妥当性、それと新司法試験の在り方について、大臣のお考えをお聞かせください。

大臣) 以前から、法科大学院のこうした問題については議論が進められておりまして、具体的には「法曹の養成に関するフォーラム」でありますが、これは23年5月に設置されて、6大臣、これは内閣官房、総務、法務、財務、文部科学及び経産の各大臣の申し合わせによって設置されておりまして、文部科学省からも、前の鈴木副大臣が参加してまいりました。
 今回、さっき御指摘のあったような結果がまた更に出まして、私たちもこのことについては、文部科学省の学校制度ということだけではなくて、トータルで見直しが必要であろうというふうに思っていまして、引き続き、このフォーラムの中で調整しながら、見直しをしていきたいというふうに思っています。
 当面、文部科学省としては、合格率の低い大学について、運営費交付金、あるいは補助金を減額していくということで、整理すべきところは具体的に予算の中でそのように促していくということを、まず始めております。今回も、こうした実績に基づいて、来年度の予算の申請の中にこれを反映していくということになっていきます。

記者) 3,000人の目標についてはどうですか。

大臣) これは、現状の法曹界からは様々な意見が出ているということを、私も承知しております。これは、もう少し精査をしながら、海外と違って弁護士業務というのが限られているというか、非常に限られた専門課程の中での業務ということもあろうかと思うので、その辺の業務の在り方も含めた検討というのが必要なのだろう。だから、単純に3,000人が多過ぎるとかというような形での議論はせずに、もう少し全体の制度として、あるいは社会の仕組みが変わってきていますから、その中での法曹の専門家というものをどう使うかというようなところも含めた議論が必要なのではないかなというふうに思います。

記者) 法科大学院に関連して、まず1点は、今回から基準を満たした学校に対して、来年度からの補助金削減が行われるわけですけれども、これによって今後も統合・再編といった流れというのは、更に広がるというふうな認識をお持ちであるかという点と、もう一つは、今回の試験で、未修者の方の合格者が既修者の方より、これは例年そうなのですけれども、半分ぐらいということで非常に低いというような感じなのです。ただ、本来の最初の制度導入の趣旨からすると、様々なバックボーンを持った人たちを法曹界に輩出できるというふうな仕組みでとられた法科大学院制度だと思うのですが、こういう未修者の方を、逆に今度は既修者の方にシフトしていくという動きも各大学院で出ているのですけれども、合格率を上げるために。こういった流れについて、当初の制度の趣旨からすると、だいぶかけ離れているのではないかというふうな指摘もありますが、この点についてどうお考えかという2点を伺います。

大臣) 全体、そうした流れについても、私も一遍、この議論の中に入って整理をしていきたいというふうに思っています。さっき御指摘された二つの問題だけではなくて、これはいろいろな角度から、どうしたらよいかということがあるのだと思うのです。だから、それも併せてこれからの議論になっていくというふうに思いまして、今のところ、私自身がトータルで考え方をまとめてできているというわけではありませんので、これから頑張っていきたいというふうに思います。

 

平成二十三年九月十四日提出
質問第一〇号
今後の法曹養成制度の検討の進捗状況に関する質問主意書
提出者  橘 慶一郎

今後の法曹養成制度の検討の進捗状況に関する質問主意書

 我が国の今後の法曹養成制度の在り方については、法務省及び文部科学省が設けた「法曹養成制度に関する検討ワーキングチーム」の取りまとめを踏まえて平成二十三年五月十三日の関係大臣申し合わせにより、「法曹の養成に関するフォーラム」が設けられ、八月三十一日に「第一次取りまとめ」が出されたところである。また、総務省行政評価局において、「法曹人口の拡大及び法曹養成制度の改革に関する政策評価」が平成二十三年一月から実施されている。一方、平成二十三年九月八日の法務省発表によれば、平成二十三年司法試験の合格者数は二千六十三人、合格率は二十三・五パーセントと五年連続で過去最低を更新し、「平成二十二年ころには年間三千人程度」との「司法制度改革推進計画」(平成十四年三月十九日閣議決定)の目標とは乖離したまま、多数の若者が受験資格を失う事態となっている。このため、法曹養成制度の再検討は、人材活用の観点からも早急に結果を出すべき課題であると思料する。ついては、内閣の認識及び取組み状況について、以下六項目にわたり質問する。

一 平成二十二年十月十二日付け答弁書(内閣衆質一七六第一六号)で、内閣は平成二十二年の司法試験合格者数について、三千人程度の「目標を下回っていることは遺憾」としていたが、その認識に変化は無いのか、確認する。

二 一の答弁書の時点において、内閣は、三千人程度という目標について、「直ちに、これと異なる新たな目標を設定する状況にはないと認識している」としていたが、その認識に変化は無いのか、確認する。

三 一及び二に関連して、本年の司法試験の合格者数及び合格率についての内閣の認識を伺う。

四 一の答弁書の時点において、内閣は、法科大学院協会において、「就職状況の調査等に取り組んでいる」としていたが、前途有為な人材が受験資格を喪失し、別途就職口を探さなければならない状況について、その困難性や問題点など、内閣において把握されているところを伺う。

五 「法曹の養成に関するフォーラム」では、「法曹の活動領域の在り方、法曹養成制度の在り方、法曹人口の在り方等について意見交換。第一次取りまとめ以降も、引き続き検討」とされているが、この作業を促進すべきと考える。内閣の見解及び今後の取りまとめの目途を伺う。

六 「法曹人口の拡大及び法曹養成制度の改革に関する政策評価」の進捗状況及び今後の取りまとめの目途を伺う。

 右質問する。

 

平成二十三年九月二十七日受領
答弁第一〇号
内閣衆質一七八第一〇号
平成二十三年九月二十七日
内閣総理大臣 野田佳彦

衆議院議長 横路孝弘 殿

 衆議院議員橘慶一郎君提出今後の法曹養成制度の検討の進捗状況に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

 

衆議院議員橘慶一郎君提出今後の法曹養成制度の検討の進捗状況に関する質問に対する答弁書

一から三までについて

 本年の新司法試験合格者数は二千六十三人であり、合格率(受験者数に占める合格者数の割合)は二十三・五パーセントであるところ、合格者は、司法試験委員会において、法曹となるべき能力の有無を判定するという観点から適切に決定されたものと認識している。
 司法試験合格者数については、「司法制度改革推進計画」(平成十四年三月十九日閣議決定)において、「法科大学院を含む新たな法曹養成制度の整備の状況等を見定めながら、平成二十二年ころには司法試験の合格者数を年間三千人程度とすることを目指す」との目標が設定されてきたところであり、昨年及び本年において同目標を下回ったことは遺憾であるが、現在、御指摘の「法曹の養成に関するフォーラム」を開催しており、同フォーラムにおいて、このような司法試験の合格状況を含め、法曹人口の在り方等について必要な検討を行うこととしているところである。

四について

 先の答弁書(平成二十二年十月十二日内閣衆質一七六第一六号)五についてで述べた法科大学院協会における就職状況の調査等については、現在、同協会において、法科大学院修了者及び在学生に対し、調査への協力を依頼して、新司法試験の受験状況や就職状況等に関する情報の収集を行っているところであると承知している。

五について

 一から三までについてで述べたフォーラムにおいて、今後、法曹の養成に関する制度の在り方について必要な検討を行い、できる限り早期にその結果を取りまとめることが重要であると認識している。

六について

 御指摘の政策評価については、法曹人口の拡大及び法曹養成制度の改革に関する政策の総合性を確保するため、本年一月から、総務省において実施しているところである。現在、法科大学院、弁護士会、都道府県及び市区町村を対象に、当該政策の効果の発現状況等について調査を行っているところである。今後は、法科大学院の教員、在学生等の法曹養成制度の関係者、その他関係団体等を対象に同様の調査の実施を予定している。それらの調査の結果を踏まえ、できる限り早期に評価の結果を取りまとめてまいりたい。

 

中央教育審議会大学分科会法科大学院特別委員会座長談話
平成23年9月14日
中央教育審議会大学分科会
法科大学院特別委員会
座長 田中 成明

1.本年9月8日に発表された平成23年新司法試験の結果によれば、合格者数は2,063人であった。司法制度改革推進計画(平成14年3月閣議決定)に掲げられた「平成22(2010)年ころには新司法試験の合格者数を年間3,000人程度とすること」との目標にも関わらず、いまだ実現に至っておらず、さらに合格者数が昨年よりも減少していることは誠に遺憾である。

2.また、合格率が全体で23.5%と前年にも増して低い水準となり、とりわけ未修者の合格率が16.2%となったこと、修了後5年間で3回の受験資格を喪失した者も多数いることも、事実として重く受け止めなければならない。

3.各法科大学院について見ると、合格率が全国平均の半分に満たない法科大学院が32校に上り、合格者がごく少数にとどまる法科大学院も一部に見られるなど、一層厳しい状況となっている。

4.各法科大学院においては、本委員会が21年4月に示した提言を踏まえ、入学定員の削減などを含む、教育の質の向上のための改善方策に取り組んでいただいているところであり、本委員会としても、第3ワーキング・グループ、改善状況調査ワーキング・グループによる教育の改善状況に関する調査などを通じて、それぞれの状況を踏まえた改善を促してきた。

5.その結果、入学者選抜における競争倍率が2倍未満となる法科大学院が、平成22年度選抜では40校にも上っていたが、平成23年度選抜においては、19校となるなど、多くの法科大学院においては、入学者の質の確保とともに、教育の質の改善にも真摯に取り組み、充実した教育を行う体制の整備が図られてきているところである。

6.しかし、本年1月に第3ワーキング・グループから報告された調査結果によると、深刻な課題を抱えているにもかかわらず、抜本的な見直しが進んでいるとは言い難い法科大学院も一部に存在している。

7.本特別委員会の提言を踏まえ、昨年、文部科学省より発表された公的支援の見直しは、深刻な課題を抱える法科大学院の自主的・自律的な組織見直しを促進するために行われるものであり、特に、見直しの対象校となった法科大学院は、自らの課題をしっかり認識し、課題解消のため早急に改善に取り組む必要がある。

8.法科大学院教育と新司法試験の連携の在り方については本年5月に設けられた「法曹の養成に関するフォーラム」などでも今後立ち入った検討がなされるものと予想されるし、法科大学院教育を新司法試験の結果のみで評価することは必ずしも適切ではないが、法科大学院が法曹養成のための高度専門教育機関であることからすれば、質の高い修了者を出していくという責務を果たすことは重要であり、あらゆる改善策を講じて教育の質の向上に取り組む必要がある。

9.法科大学院を巡る状況は年々厳しさを増していっている。各法科大学院は、現状を認識し、強い危機意識を持って、入学定員の削減や組織の見直しをはじめとした教育の改善に引き続き取り組んでいただきたい。

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