政府公表資料等情報

小川法務大臣初登庁後記者会見平成24年1月13日(金)より抜粋

法曹養成制度に関する質疑について

【記者】

 法曹養成制度に関してなのですが,政府の方でもフォーラムで検討を続けていらっしゃると思いますし,党の方でもPTで議論が続いておりますが,この法曹養成制度についての見直し,これについて大臣どのようにお考えかお聞かせいただけますでしょうか。

【大臣】

 非常に緊急性を要する,また重要な課題だと思っております。司法制度改革の中には裁判員制度のように定着して非常にうまくいっている分野もありますが,この法曹養成制度は失敗したとまでは断定できないかもしれませんが,当初の制度設計とは随分かけ離れた現実が起きております。制度の導入そのものは過去の司法試験一発でという点での選択よりも,面といいますか長さ,ロースクールの長期間にわたる訓練ということでの選択に変えたという,私はその精神はしっかりと守っていきたいと思っておりますが,ただ,現実問題においては制度設計とは違う結果が出ている。制度設計では合格者が7割,8割としていましたが,それに満たないとか,合格者3000人と想定したところが2000人,実際にはそれでも多いという状況があります。あるいは3000人という目指したその中には法曹を,いわゆる弁護士という司法の分野だけではなくて,企業とか自治体とか,様々な分野にも活躍の場を設けていただいて3000人にするという,そうした制度だったと思いますが,それがまだできていないということであります。しかし,できていないままの状態で良いということではありませんし,今現在の在り方が問題ですので,法曹の養成に関するフォーラムでしっかりと取り組んでいただいておりますが,それも踏まえて,またそれと合わせてしっかりと取り組んでいかなくてはいけないという決意を持っております。

 

法務省提出法案に関する質疑について

【記者】

 先の臨時国会で法案が継続中になったものが二つあって,更に前の平岡大臣は新たな人権救済機関に関する法律について通常国会の早い段階でという意向は示されていましたが,それら重要法案と位置付けられているものについて,小川大臣としてどのように臨まれるか,また,提出時期についてお伺いできますか。

【大臣】

 提出時期については法務省の都合だけではなくて,党の国対や国会の都合もございますでしょうから,今ここで具体的に私の方で一方的にということは少し言いにくいのでございますが,基本的に提出予定のものは提出すると考えております。

【記者】

 司法修習生に対する修習資金の貸与制の裁判所法や刑の一部執行猶予,または新たな人権救済機関に関する法律の内容の見直しとかは特に考えていないのでしょうか。

【大臣】

 司法修習生に対する修習資金を給費制を貸与制にするということに関しましては,やはり給費制であればいいのかもしれませんけれども,現在の財政状況というもの,あるいは他の職種の方のバランスというのを考えると,貸与制も給費制も司法修習中に生活を支えるということでは同じでありますから,ただ,その後に返還できる状況になったときには返還していただくということです。なお,貸与制であっても司法修習中の生活を支えるという効用はありますので,そうした点を御理解いただいて,貸与制というものでいきたいと思っております。それと,人権擁護法案については,過去の人権擁護法案と違ってマスコミに関する条項も外しましたし,今,素案を固めておるところでございます。また,刑の一部の執行猶予は,既に国会に提出し審議して参議院で可決したものでございますので,特にこれを今変更するということは考えていません。

 

衆院法務委員会平成23年10月25日より抜粋(下線は当サイトによる)

階委員 法曹養成制度に話を進めます。
 資料の二枚目、資料の二を見ていただきたいんですが、「法曹養成制度についての問題」という見出しがついております。これは、私が総務省の政務官で行政評価局というところを担当していたときに、法科大学院の評価に関する研究会というのを立ち上げて、そこでまとめた平成二十二年十二月のものです。
 丸が三つほどあって、問題点を指摘しております。「法曹人口の拡大を目指すとしているが、法曹志願者は大幅に減少。また、司法試験合格者数年間三千人目標は未達成」。二つ目の丸として、「法科大学院修了者の相当程度(例えば約七〜八割)が新司法試験に合格するよう努めるとしているが、毎年の合格率は減少傾向で平成二十二年は二五・四%、また、修了者の累積合格率は」云々かんぬん。さらに三つ目として、「多様な人材を多数法曹に受け入れる(法科大学院入学者の三割以上)としているが、平成二十二年(度)の法学部以外の学部出身者の割合は、法科大学院入学者の二一・一%、新司法試験合格者の一九・〇%」というのがその当時のまとめでございました。
 そこで、次のページ、また同じような紙をカラーでつけておりますけれども、一年たってこの数字がどう変わってきたのかということで、わかりやすいように新しい数値を赤で記しております。数字を一々申し上げませんが、前年よりもさらに数値は悪化しておりまして、問題は深まる一方、こういうことでございます。
 今、給費制か貸与制かという議論が大詰めを迎えているということでございますけれども、法曹養成制度全体が抱えるさまざまな問題の中では、どちらかというと枝葉にすぎないと私は思っています。
 まず第一として、年間三千人目標、このペーパーにもありますように、未達成どころか、まだ二千人程度です。その二千人でも、弁護士の未登録者が、昨年であれば二百人も出ている。二回試験に受かって、弁護士になろうと思えばすぐにでもなれるのに、就職ができない、仕事がないので未登録だというのが当時二百人ぐらいいた。その後、減ってきているかもしれませんけれども。
 そういうことを考えれば、三千人という数字はもう実現不可能だ、その目標を目指すべきでもないというふうに思っています。閣議決定は早急に取り消して、現実的な目標に改めるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

平岡国務大臣 委員の御指摘になっている事実関係というのは、我々も、今の法曹養成制度において、進めようとしていた当時に比べてみるとちょっと状況が違ってきているという問題として、これはどう受けとめたらいいのかということを真剣に考えなければいけない問題だというふうに思っています。
 昨年の十月でしたか、例の給費制、貸与制の問題をめぐっていろいろな御議論があったというふうに承知しておりますけれども、その際、衆議院の法務委員会でも、修習資金のあり方についての検討を早急に行うべしということとあわせて、法曹養成制度の全体の問題についても検討すべしというような決議がされているわけでございます。
 その決議を受けた形で、現在、法務省、ある意味では中心となっておりますけれども、形の上では内閣官房、総務省、財務省、文部科学省、そして経済産業省と共同して法曹の養成に関するフォーラムというものを開催しておりまして、そこでさまざまな議論をしていただくということになっているわけでございます。
 第一次取りまとめというのが八月に出て、その修習資金のあり方についての考え方をお示ししていただいたということでございますけれども、その取りまとめの後の課題として、まさに委員が御指摘になったさまざまな問題点、課題についても、これから鋭意取り組んでいくというようなことで進めていくというふうに我々としても考えているところでございます。

階委員 問題は見直しのスピードで、先ほど申し上げたように、この一年間でもさらに問題は深まっているということですから、早急にやらなくてはいけないと思います。
 二つ目の問題として指摘したいのは、いわゆる三振制、ロースクール卒業後、五年間で三回受験に失敗すれば受験資格を失うという問題ですが、三振制で受験資格を失ったロースクール卒業生の処遇という問題です。
 七、八割合格というはずだったのが、平成十八年度修了者が結局五割の方しか合格せず、残り五割は失権するということが、今回の平成二十三年の試験をもって確定しました。五割の方、人数でいうと二千二百二十七人です。ほかの年度も合わせると、既に四千二百四十九人の方が失権しております。受験資格を失っております。
 そこで提案ですが、三振制は速やかになくすか、あるいは予備試験の口述試験だけ受かれば新司法試験を受けられるようにする、そういった早急な手当てが必要だと思いますが、その点いかがでしょうか

平岡国務大臣 答弁をする前に、先ほど、昨年の十月だったかというふうに申し上げましたけれども、十一月の二十四日の決議ということでございましたので、ちょっと訂正をさせていただきたいというふうに思います。
 それで、今御質問のあった件でございますけれども、旧司法試験の仕組みから新しい司法試験の仕組みに変わったということの考え方については、もう既に委員が十分御案内のとおりだというふうに思います。
 三振制の話について言えば、もともとの経緯が、司法制度改革審議会の意見の中で、三回程度の受験回数制限を課すべきであるということで、三年間三回というのを念頭に置いていたわけですけれども、例えば病気で受験できなかったというようなケースも考えると、五年間で三回というふうに、そっちの方を、期間を延ばしたわけですね。そういうことをすると、今度は逆にまた、ことし受けるべきだろうかどうだろうかというふうな問題も生じたりとか、別の問題も生じてきているということでありますので、我々としても、この問題については、そういう問題が生じてきているということを踏まえた対応を、これもまたフォーラムの中でも議論していただきたいというふうに思っております。
 それともう一つ、予備試験の関係で、法科大学院卒業生については口述試験だけ受ければいいようにすべきじゃないかという御提案でございますけれども、今私たちの考えている話としては、先ほど言われていたように、もう受験ができなくなって、大学院修了生としての受験ができなくなった場合でも、当然、予備試験を経て試験に臨んでいただくということは可能でありますけれども、その時点、そのときの考え方としては、その試験の時点において法科大学院の修了者と同程度の能力を有するかどうかを判定するために行っているという位置づけになっているということでございます。そういう意味で、修了したから口述試験だけでいいのかという点については、我々としては、もう少し検討しなければいけない話じゃないかというふうに思います。
 その点も含めて、フォーラムの中でも検討してもらいたいというふうに考えているところです。

階委員 今、失権して苦しんでいる人が四千二百四十九人いるということをしっかり認識した上で、早急に手当てをしてください
 最後に、多様な人材の受け入れが果たされていないのではないか。法学部以外の方や社会人の志願者、合格者が激減している傾向があります。これに歯どめをかけなくてはなりません。
 社会人が職についたまま通えるロースクール、大宮の夜間部というのがありまして、私の銀行時代の後輩が、大変優秀な人材ですが、そこに通って仕事をしながら合格しました。しかし、その人に話を聞きますと、未修者がロースクール三年で合格レベルに達するのはほとんど困難だし、社会人が仕事をしながらロースクールに通って最終合格をするのは難しいので、大抵の人はみんな途中で仕事をやめるんだ、こういうお話でした。
 一方で、ではロースクールに通わずに司法試験に受かれるかというと、予備試験というのも大変狭き門だということが今回、資料の四につけておりますけれども、予備試験の結果、論文試験まで終わったところですけれども、明らかになっております。実際に受験した六千四百七十七人のうち、論文試験まで受かったのはわずか百二十三人、合格率でいいますと一・九%にしかすぎません。これでは、昔の司法試験よりも仕事を持って受験をするということが難しくなっています。
 私が思いますに、多様な人材に法曹になってもらいたいというのであれば、ロースクール卒業を受験要件としないで、予備試験の合格者をもっとふやすべきではないかと思います。この点についていかがでしょうか。

平岡国務大臣 先ほどちょっと冒頭申し上げましたけれども、昔の司法試験の問題点というものがあったわけでございまして、その問題を克服するために、新しい司法試験と法科大学院制度あるいは司法修習というものが組み合わさってできているのが現在の仕組みということでございます。予備試験について改善を加える場合には、そういう全体的な見直しの仕組みの中でどう位置づけるかという、まさに全体的な問題として取り上げなければならないというふうにも思います。
 そういう意味で、繰り返しになりますけれども、現在つくられている法曹の養成に関するフォーラムの中でも、この問題もしっかりと検討していただきたいというふうに考えております。

 

大口委員 法曹養成制度のあり方につきましては、階議員からも質問がございました。司法制度改革推進計画において、平成二十二年ごろに司法試験の合格者数を年間三千人程度とすることを目指すこととされたということであるわけでございます。
 これについては、本当に今いろいろな問題が提起をされているわけですね。法曹の質の低下が取りざたされ、法曹有資格者の就職難という問題が生じているということから、この法曹人口の増加目標の見直し、つまり、司法試験の合格者数を減らすべきだ、こういう意見もあるわけです。
 他方では、法曹の増員の見直しを行うことは、国民があまねく司法サービスを受けられるようにするという司法制度改革の目標を放棄することであり、懸命に勉学に励んでいる全国の法科大学院生を裏切り、現場に無用の混乱をもたらし、多様な人材が法曹の道を選ぼうとする意欲を減殺するものである、こういう指摘もあるわけでございます。
 いずれにしましても、法曹の質もまた量も適正に保たれるような状況が望ましいと思うわけでありますけれども、やはり今その新たな法曹制度全体が悪循環に陥りつつある、こういう指摘もされているということでございます。原因がどこにあるのか、そしてどのように対処をするつもりであるのか。これは閣議決定で三千人と決まっているわけでありますけれども、フォーラムにその議論をゆだねるということではなくて、ゆだねていることではあるけれども、大臣としての基本的なお考えをお伺いしたいと思います。

平岡国務大臣 まさに、大口委員が御指摘になったような問題点が指摘されているということだと私も承知しております。
 今お話がありました法曹養成に関するフォーラムでも、そういう問題意識を持って検討を進めていただいているというふうに思いますし、既に昨年の七月に、法務省、文部科学省合同で開催いたしました法曹養成制度に関する検討ワーキングチームにおいても、いろいろな問題点が指摘をされているということでございます。
 その問題点が発生している原因は何なのかということを、これは私たちも法務省内でもいろいろと議論をしているところでございます。
 ある意味では個人的な意見にすぎない段階かもしれませんけれども、私自身は、やはり、当時司法制度改革をやろうとしていたときに予定していた法曹に対するニーズというものがなかなかふえてこないというところが一番の問題の根幹ではないだろうかという意見を出しました。
 そうしたら、また別の方は、いや、そうではなくて、やはり、法曹資格を持った人の処遇といいますか待遇というものが余りにもよ過ぎて、みんなが使おうとしない、使えないというところにまた根源があるんじゃないかというような意見もありました。
 事さように、根源にさかのぼっていくと、本当にどこにたどり着くのか、またぐるぐる回ってしまうんじゃないか、そういう点もあろうかというふうに思います。
 そういう法曹のニーズが高まっていないこと、そして、そのためにせっかく法曹資格を得ても仕事が十分にない、それを見たら法曹になるということについて意欲を失ってしまう、そのことによって今度は優秀な人が来ない、そのことによってまた合格者が減ってくる。いろいろなことが絡み合って発生している問題だろうというふうに思いますので、やはり総合的にこの点については、今現在はフォーラムで検討していただいておりますけれども、そういう場を通じてしっかりと原因そして対応策についても議論していただきたいと思いますし、我々もその場には法務副大臣あるいは関係する各省庁の副大臣、大臣政務官というものも参加しておりますので、しっかりと問題提起、そして検討していただきたいというふうに思っています。

大口委員 そのほか、ことしから予備試験が始まった。予備試験と、それから新しい法曹養成制度の法科大学院を中核としたプロセスとしての法曹養成の理念との関係がどうなのか。
 あるいは、司法試験の回数制限の見直し、階議員からもありましたけれども、三振制。これも、七、八割合格という時代であったわけですが、二三・五%ですね。ですから、このあたりも見直しを図っていかなきゃならない。
 法科大学院につきましても、ことしの、二十三年度の二三・五%の合格率ということでありますけれども、七十四の法科大学院のうち、修了者の合格率が一けたの法科大学院が二十七、ゼロの法科大学院も一つあるということでございますので、本当に法科大学院のあり方、また受験の方に偏っている、こういうこともありますので、法曹養成についてはさまざまな見直しをしていかなければならない、こう思うわけでございます。
 そういう点で、今、法曹養成に関するフォーラムで議論されているんですが、八月三十一日、法曹養成に関するフォーラムの第一次取りまとめを行ったわけであります。司法修習生の経済的支援について、貸与制を基本とした上で、十分な資力を有しない者に対する負担軽減措置として、最長五年の返還猶予期間を設ける等の措置が提案されたわけであります。
 この給費制から貸与制への移行に対しては、多くの法曹志望者が法科大学院在学時に多額の借金を負っている現状にあることからも、法科大学院生への経済的支援の充実がなされることなく司法修習生への給費制が廃止されるならば経済的な事情から法曹志望者がさらに減少する、こういう指摘もあるわけでございます。
 本年五月にこのフォーラムの開催が決定されて八月末に第一次取りまとめと、極めて短期間で検討がされ、法曹養成制度全体の、今いろいろ申し上げましたが、その議論が不十分なまま給費制を打ち切り、貸与制とする結論を出すというのは、非常に性急な話ではないかなと私は思うわけでございます。
 まず、法曹養成制度の本質的な課題、すなわち法科大学院制度のあり方、そして司法試験合格率、法曹有資格者の社会進出が進んでいない現状、それに対する対策、法曹養成全般の抜本的な検証、検討が必要である。それを真剣に議論していただくということがまず最初だろう。どうも議論が、貸与制か給費制かというところで第一次取りまとめが行われていることをおかしいなと思うわけですが、大臣の御所見をお願いいたします

平岡国務大臣 今の給費制、貸与制の議論が本来の議論とは逆になっているんじゃないかという御指摘でございましたけれども、この点については、これは委員も御案内のとおりでございますけれども、昨年の十一月の二十四日、先ほど私も触れましたけれども、衆議院の法務委員会の決議というのが出ております。
 二項目に分かれていますけれども、一項目めが修習資金の問題ということで、これは、そのときでいえば翌年の十月末ということですけれども、現在でいえばことしの十月末までに「個々の司法修習終了者の経済的な状況等を勘案した措置の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずること。」というのがあり、二項目めに「法曹の養成に関する制度の在り方全体について速やかに検討を加え、その結果に基づいて順次必要な措置を講ずること。」こういうふうになっています。
 まさに、政府の方ではこの御要請に基づいて検討してきたということでございます。五月になってしまったのは東日本大震災の影響等もあったというふうに聞いておりますけれども、非常に短期間になってしまったということ、それはある意味ではそういう御指摘もあろうかとは思いますけれども、先ほど申し上げた法務委員会の決議というものを我々としてもできる限り尊重して取り組んだ結果として、今回、給費制の問題についての考え方を、この第一次取りまとめに基づいて、政府としては法案を提出したいというふうに考えてきているところでございます。
 そのときの経緯からいえば、給費制を打ち切るという表現を委員が使われましたけれども、こう言ってはなんですけれども、司法制度改革をやったときに既に給費制を貸与制に変えていくということが法律的にも成り立っており、その施行が既に去年来ていたということで、一時それをストップして、一年間の検討期間というもので、先ほど申し上げたように、個々の司法修習終了者の経済的な状況等を勘案した措置のあり方ということを踏まえて検討しようということだったというふうに考えております。
 ただ、そうはいいましても、委員が御指摘になっている話、つまり、法曹養成全体の問題をしっかりと議論しなければいけないという問題については、私も共通の認識を持っているところでございます。現在、その問題については、法曹の養成に関するフォーラムをしっかりと運用する中で検討していっていただきたいというふうに思っておりますので、フォーラムに法務省含めて関係する省庁も参加するとともに、有識者の皆さん方の御意見もしっかりと賜ってまいりたいというふうに考えているところでございます。

 

柴山委員 給費制の問題についてお伺いしたいと思います。
 法曹の卵、司法修習生への給費なわけですけれども、従来、国が司法修習生の生活資金を公費の給費で賄っていたところ、平成二十二年の十一月から無利息の貸与制となるはずだった。しかしながら、さまざまな考慮の結果、議員立法によって一年間の給費制の延長ということになっていたわけです。
 先ほどちょっとお話がありましたが、衆議院の法務委員会では、平成二十三年の十月三十一日までに、所要の検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずることという附帯決議をされています。
 きょうは十月二十五日、十月三十一日まであと六日間であります。法務省としてどのような検討をされたのか、お伺いしたいと思います。

平岡国務大臣 先ほど来からいろいろとお話が出ておりますけれども、法務省の中では、法曹の養成に関するフォーラムというところで、まさにこの法務委員会の決議をしっかりと受けとめるための議論を積み重ねてまいりました。八月にそのフォーラムで第一次取りまとめというものが出ました。
 そこの中身は、貸与制は貸与制でありますけれども、法務委員会の決議の中にも示されているように、司法修習が終わった方々の経済的状況というものをしっかりと踏まえた制度にすべきであるということで、司法修習終了後五年たったところで返済が開始されるわけでありますけれども、そのときのその人の経済状況というものをしっかりと踏まえた制度であるべきだということで、そのために必要な法案の提出の準備を今させていただいているというところでございます。

 

城内委員 給費制の存続の問題ですけれども、私は給費制存続の立場であります。大臣も弁護士出身ですから、この法務委員会のメンバーの多くの方が給費制が存続すべきであると考えておりまして、また昨年も、貸与制ではなくて給費制を一年延長するということで全員が賛成したわけであります。
 他方、現在、民主党の有志の皆さんが、貸与制は暫定措置ということで、今後も給費制の再開をなお検討いただくという方向になったという報道があったんですが、私は半分評価しますけれども、暫定というのはいかにも妥協的ですよね。貸与制は暫定措置であると。ここではっきりと、給費制に戻す、そういうふうにもう決めたらどうですか。どうですか、大臣。

平岡国務大臣 今の報道については、ちょっと私も正確に存じ上げてはおりませんけれども、これまで法曹の養成に関するフォーラムでもこの給費制と貸与制の問題については議論をしてきていただいておりました。その議論の結果として、第一次取りまとめというものが出まして、返済をする司法修習終了者の経済状況もしっかりと踏まえた貸与制ということで御提言をいただいて、我々として、政府としてはその提言を最大限に尊重して法案を提出したいというふうに考えているところでございます。
 そのフォーラムの中における議論をいろいろ見てみますと、給費制にしても貸与制にしても、やはり一般の国民の皆さんにちゃんと支持してもらえる制度であるのかどうか、そういう視点というものがかなり強く出ていたように思います。今後の議論の中でも、そういう視点をしっかりと踏まえた議論が行われていくことを私としては期待しているところでございます。

城内委員 私も、当初は貸与制でいいんじゃないかと思っていたんです。しかし、いろいろな司法修習生の皆さんの切実な声を聞いているうちに転向したんですよ。だって、彼らは法科大学へ行って一生懸命勉強しなきゃいけないわけですよね。そして、司法修習生になって。借金を抱えている人だっているわけですよ。そして、さらに借金をふやさなきゃいけない。そうすると、金持ちしか弁護士や裁判官や検察官になれないか、そういう話になってくるわけですよね。
 私はやはり、社会のあらゆる階層から、お金がなくても法曹界に飛び込んで、金もうけのためではなくて社会正義を実現するために弁護士になるんだという人がもっともっと出てきてほしいんですよ。ですから、そういう切実な声、だったらもう司法の道に行くのをあきらめるという人だって本当にいるんです。私はびっくりしましたよ。その声を聞いて私は転向して、これは数をふやしたからお金がかかるから貸与制にします、こんなのは財務省の論理でしょう
 大臣は財務官僚だったみたいですけれども、今は法務大臣なんだから、もうちょっと司法修習生の立場に立って、これはもう私が責任を持ってやりますと財務大臣を打ち負かすぐらいのことをやっていただきたいんですけれども、どうですか。

平岡国務大臣 私も、給費制が果たしてきた役割というのは大きなものがあったというふうに思います。
 ただ、先ほどから申し上げているように、法務委員会の、この委員会の昨年の決議に基づいて法曹の養成に関するフォーラムというところで検討してきた、そういう経緯もございます。その中で、法務副大臣を含め、関係する省庁の副大臣あるいは大臣政務官も入り、有識者も入って、国民の皆さんに納得してもらえるといいますか、支持してもらえる仕組みはどうなんだろうかということで出してきた結論が、先ほどの返済の経済的な負担というものを考慮した貸与制ということになったわけでございます。
 ただ、委員が御指摘のように、給費制か貸与制かというだけの問題では実はなくなっていまして、例えば、法科大学院においても大変な費用がかかる、あるいは、法科大学院を受験する人たちが、その後の負担を考えると受験がしにくいというような状況とか、いろいろな、さまざまな状況が生じてきていますので、その点はやはり、法曹の養成に関するフォーラムも含めて、全体的な検討ということも必要であるというふうに私としては認識をしております。

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