政府公表資料等情報

小川法相閣議後記者会見平成24年3月21日(水)より抜粋

法曹養成に関する質疑について

【記者】

 法曹養成に関連して,先週日弁連の方から政府が閣議決定している司法試験合格者3000人という枠を1500人に削減してほしいという提言があったかと思うのですけれども,大臣はどのように受け止めていますでしょうか。

【大臣】

 司法の一翼を担っている弁護士会の意見ですから,しっかりと拝聴したいと思うのですが,3000人という司法試験合格者の枠組みの点は,法曹が,いわゆる司法の現場だけではなくて,産業界,経済界,あるいは公務員の分野とか,様々な活動分野も広げて3000人ということでありました。ですから,法曹の活動分野を広げるという発想を持って,もっとしっかりと取り組むということを考えるべきではないかと思っています。いただいた意見ですからしっかりと検討したいと思います。

 

政策評価・独立行政法人評価委員会 政策評価分科会(3月14日開催)議事要旨より抜粋

法曹人口の拡大及び法曹養成制度の改革に関する政策評価について、田名邊評価監視官より説明。質疑等の概要は以下のとおり。

○ この政策についての効果はあったのか。全体のトーンとして、うまくいっていないとすれば、それは目標設定に問題があったのか、達成手段に問題があったのか、それともその両方に問題があったのかとの指摘があった。

○ 公的支援の見直しによって、未修者を中心とした法科大学院への補助が削減され、結果として未修者への支援不足が生じていることや、法科大学院の設置認可の基準が甘かったために、その数が多すぎることは、制度設計の問題である。未修者教育、専任教員の配置などは個別の法科大学院の運用の問題である。どういうレベルの課題であるかについて整理が必要との意見があった。

○ 法学部関係者にとっては、すでに認識されていることが、詳細な数字によって裏付けられつつあるという印象である。合格者数3,000人、7〜8割合格という目標に対して、これだけの数の法科大学院を認可していったことは問題であるが、現に大勢の学生が学んでおり、今後法科大学院で学んでいく者もいる。それを踏まえて、どういう形で評価をしていくのか、相当の配慮が必要であるとの意見があった。

○ 基本的な要因として、法曹人口の需要予測が過剰だったのは明らかであるが、それはどういう根拠で出されていたのか。需要に基づく制度設計は、法曹養成制度だけでなく、他の制度も含めて、今後の課題であるとの意見があった。

○ 法科大学院の制度の趣旨や国民の関心は、多様なバッググラウンドを持つ者を法曹に送り出すというところにあったと思われる。未修者の志願者が減少しているとのことだが、入口のところの議論だけでなく、その原因分析をもっとしっかりやっていただきたいとの意見があった。

○ 初学者にとって、法的な概念を理解することは非常に難しい。未修者への手当は、ぜひ真剣に考えていただきたいとの意見があった。
  また、これだけコストがかかっていながら、その効果はなかなか出てこない。公的支援の見直しも、目的がはっきりせず中途半端な内容となっている。もう少し厳しくコストの見直しをしていくべきではないかとの意見があった。

○ 法科大学院は未修3年のコースが原則である。未修コースの入学者の中には法学部を卒業した学生もおり、未修者コースの入学者すべてが純粋法学未修者という訳ではない。制度についてよく理解した上で評価しないと、思わぬ誤解を招く可能性もあるとの意見があった。

 

法科大学院特別委員会平成22年7月27日(第41回)議事録より抜粋(下線は当サイトによる)

【中野専門職大学院室長】

 お手元の議事次第に配布資料の一覧がございます。・・資料2ですけれども、本日のヒアリングの関係でございまして、法科大学院に係る認証評価の見直しに関する留意事項という資料でございます。これは3月12日に本特別委員会でおまとめをいただいたものでございます。それから資料3ですけれども、資料3−1から資料3−3で、法曹養成制度に関する検討ワーキングチームにおける検討結果取りまとめというもの、これは法務省、文部科学省の両副大臣が主宰し、法曹三者等に入っていたただいた会議の検討結果として7月6日に出たものでございますが、資料3−1が概要、資料3−2が取りまとめ本体、資料3−3が資料でございます。
 それから参考資料といたしまして、参考資料1として法科大学院関係基礎資料をお手元にお配りしております。この資料は事務局の方で各法科大学院の調査を致しているもので、1枚目に入学者選抜の実施状況、2枚目に修了認定の状況という事で、前年と比較したものを掲載しております。簡単に申し上げますと、各法科大学院の入学者選抜実施状況につきましては参考資料2でございますが、全体と致しまして、志願者数が平成22年度の入学者選抜で24,014人という事で、前年度から比較してかなりの人数が減っている、約20%の減となっております。志願倍率が4.9倍でございます。それから、(2)の入学者数と致しまして、法学既修・未修の別、それから社会人の入学状況、それから学部系統別の入学状況という事で整理を致しております。未修・既修ですけれども、右の方に合計がございまして、前年度と比べると既修者の割合が増えていると。社会人につきましては合計欄を見ていただきますと、未修・既修共に、取り分け既修につきまして社会人の割合が減っているという事でございます。それから学部系統別ですけれども、1番下が合計、国・公・私の合計ですけれども、法学出身の割合が全体として増えているという事でございます。2枚目の修了認定状況でございますが、平成21年度の修了者数ですけれども、標準修了年限の修了者の割合、国公立を合計致しまして、75.9%のうち、未修者コースは67.1%、既修者コースが91.2%という事で、いずれも平成20年度と比べまして数字的には少ない割合になっていると。数字だけでは分かりませんけれども、厳格な修了認定がよりなされているのではないかと推測されます。それから、(2)として平成21年度に標準修業年限になる方で修了しなかった方の事由別の一覧でございまして、退学が40.3%、その他は原級留置ですとか休学等ですけれども、こちらが59.7%となっています。

【永田眞三郎委員】

 入学定員の見直しのところですけれども、特別委員会のところでも統廃合を含む組織見直しということが言われておりますが、これは統合するほとんどの区分が国立だったのかもしれませんが、廃止を含む統廃合とは、統合して一方が廃止されるという吸収合併だったり、あるいは対応が遅れる形の統合という事を考えているのではなくて、統合もあり、廃止もあるという事の意味でしょうか

【井上正仁座長代理】

 私の受け止め方としては、廃止ということも当然含まれていると思っています。

【永田委員】

 でそういう事で、この組織見直しを促す事は必要であるというのは異論がないのですが、その次に措置としては財政的支援と説明出来ると思うのですけれども、この最終的に今おっしゃった廃止も含む、そういう動きにどういうものを持っていくのかという事が非常に重要だと思うんですね。第3ワーキング・グループでここの関連については、毒どころか皿まで食おうとしているわけですけれども、やはりそこは先程おっしゃったように大事なところで、それぞれがどういう役割でどういう方向にこれを持っていくかという事が極めて大事だと思うのです。と申しますのは、法科大学院というのは唯一のその新司法試験受験資格を与える機関であって、それが十分な競争性を持っていない、そして出口も重要な成果を上げていない。こういう状況の中で、これは放置出来ない状態である事は確かで、それをどういう風に持続させていくか、廃止も含む、それはそれぞれの機関が考えなければならない事ですが、先程の前の議題で認証評価機関にある程度それを見直しをと、いうところがあるのかもしれませんが、しかし認証評価機関も法令違反について正面から不適格校を出すという事はできるのですが、必ずしもこれは法令違反に持っていけるかどうかと、そもそも法の基本といいますか、制度の基本かもしれないので、それに該当するかもしれませんが、そこでこの仕組みを使いますと、結局文部科学省は認証評価機関から報告を受けると、文部科学省はこれに対して法令違反があれば勧告を出すと。そうするともう1回これは法令違反なのかと、自分の成果をあげていないのはというような問題にぶち当たる訳ですね。そのあたりはきちっと理論的な整理をしておかなければならないと同時に、それぞれがそういうところまでいかなくても、どういう形で最後きっちりと再編成していくかという事をそれぞれの役割がこの委員会を含めまして、文部科学省ではその事に関して考えなければならないと僕は思いました。認証評価機関にある程度期待しても、最後はやはりその統廃合に関わる判断というものは文部科学省がするとすれば、勧告・廃止という事しかない訳ですから、そこでまた同じ問題が見つかるという事です。そういう事にするという事なのか、あるいはもう少し色々な方策でそこに収束させるということなのかは共通に考えなければならないと思います。ここで出ているのは、人員の派遣をしたりとか財政的な支援の見直し、それを実行しなければならない年もあるかと思います。これは僕の意見です。これからそれぞれお考えいただきたいという風に思います。以上です。

【井上座長代理】

 ・・法学部志願者もかなり大幅に減ってきているただ、その問題と法科大学院について数が多すぎるという今われわれが議論している問題とはちょっと違うところがありまして、法科大学院の入学定員が多過ぎるのではないかということから、新司法試験の合格率をかなり低く下げる結果を招いており、その結果として、例えば社会人や非法学部出身者の入学志願者が当初に比べて激減している。また、法学部出身者でも、優秀な人達が法科大学院に進学して法曹になろうとするのをためらう傾向が出て来ている。そこを何とか改めていかないと、優秀な人材を受け入れて良質の法曹として育てていくという当初の目的が実現できないその関連で、入学定員の問題が出てくるという訳です。もちろん、法科大学院が十分な教育をし、司法試験も資格試験としての趣旨どおりに機能して、人為的に設定した合格者数の目標などは軽く上回るだけの人達が合格ラインに達しているというような状況ならば話はまったく異なるのですけれども、現実には、法科大学院の修了者である受験者の質が問題とされる状況にある。私は、質が悪い、あるいは学力が不十分だから合格者数が増えないのだという主張ないし説明については、根拠が十分でないところもあり、全面的にその通りだということはできないと考えていますけれども、問題点の指摘には当たっているところも少なからずあり、それらについては、法科大学院側として改善していくよう努力するべきで、その一環として、入学定員についても適正な規模にするよう、やはりもう1度見直さないといけないのではないか。そういうことなのだろうと思うのです。

【田中成明座長】

 ・・法曹養成制度の問題点について、法科大学院だけを議論するのではなく、司法試験、司法修習等を含めて、いっしょに検討する必要があるというのはそれでいいのですけれども、検討に直接加わっているメンバーをみると、利害関係者だけで議論しているところに問題があると思われます。それからいろいろ問題点を見ると、法曹の活動スタイルとか、法曹資格の問題とか、法科大学院の内的な努力によって改善できる点と、外的な条件・環境をいろいろ変えないと上手くいかないという点が両方あるので、外的な条件・環境の問題から切り離して、法科大学院の教育の質をどうのこうのと言っても結構無理があると思われます。客観的にみて、法科大学院制度によって質のいい法曹がたくさん養成されるようになったという事は間違いがないわけで、従来の法曹養成システムでは、法曹志望者も、こんなシステムでは・・・と敬遠していて、大学卒業者の正規の就職先として法曹は特異な存在だという状況は是正されたと思います。法曹の増員という話は、法科大学院の教育を良くすれば増えるというのではなくして、弁護士会があれこれ消極的なことを言っているけれども、要するに業務スタイルの改善とか、何も努力しないでそれで数が増えたから従来のようにやっていけないというような話をしている限り、法科大学院のサイズをそれに合わせて縮小していこうという問題になってしまうだけです。結構根の深いところがあって、あまり法科大学院だけで問題を抱え込んでなんとかしようとしても無理なところがあり、弁護士の業務スタイルの改善など、外的な条件の改革も併せて考えないと、その検討の仕方自体がまさに負のスパイラルを増幅しているというところもあるという感じがしますね。

【小山太士委員】

 ちょっとよろしいですか。最近、新聞に出ましたけれど、司法修習生が就職難だというんですね。これは個人的な見解なんですが、ひとつ思うのは、自分は弁護士ではないからかもしれませんが、本当にイソ弁として雇われないと弁護士というのは食えないのかという基本的な疑問が実はあります。、資格なんだから数人集まって共同事務所作ったっていいというのがひとつです。あと、現在は、前の制度のもとから養成されてきた500人の人たちが弁護士事務所を経営しているのですが、もうすぐ経営側に回る人も増えるはずなんです。1000人とか1500人と合格者が増えてきた、そういう年代の人がイソ弁を雇うようになればもう少し状況は明るくなるのかなとちょっと思うこともあります。

【笠井治委員】

 ・・まさにおっしゃる通りで、個人的な事を言えばこういう私も当初給与はもらっておりませんでした、初めから。ですから独立して事業を、法律家という仕事に携わるというのは、本来弁護士の職業的なあり方そのものではないかと逆に思っているのですけれども、ただ一方ですね、弁護士としての自覚は勿論の事、それから基本的な能力、技術、スキルを養うのに、やはり先輩から修行を受けた方がいいというのは当然だと思うんですね。法曹倫理の問題もありますし、これに逸脱する弁護士も少なからず、まぁ少ないと思いますけれどいるという中でですね、そういう意味で言えば、環境的には就職という事ではなくて、指導してくれるその先輩がいると、あるいは独断と議論が出来るという環境が望ましいものだと思っています。ですからそういう方向での環境作りというのは絶対に必要であって、必ずしもその就職先が見つかるという事が絶対条件ではないという事です。将来的な事をいえば、今小山委員もおっしゃったようにですね、こうやって合格者が増えてきているわけですから、だんだん先輩となってくる方々も多くなってくる訳ですから、そういう意味で吸収していく事も、全く不可能ではないだろうとなと、全然根拠は無いですけれども思っております。

【田中座長】

 取りまとめの検討の視点についてちょっと気になった事があるのですが、現状のままでは、法曹の質を維持しつつ、その大幅な増員を量るという司法制度改革の理念が実現できないのではないかという懸念から検討を始められているのですが、司法制度改革の理念としては確か法曹の質の維持向上を図りつつ増員するという表現になっていたはずで、たんに法曹の質の維持ではなく、現在の法曹の質にも問題があって、それを向上させることもめざされていたわけです。最近の新しい法曹の質が悪い悪いと言われますけれど、従来の法曹の質がいいとは社会的には決してそう思われていないわけです。新しい法曹の質が従来の法曹に比べてよくないというのはあまり根拠がないのではないかと思います。今小山さんがおっしゃったように、新しい弁護士が集まって自分たちだけでやると、従来の弁護士事務所でやっているよりも悪いサービスしか提供できないとは到底思えません。従来の事務所システムが無いと弁護士が活動できないというのは、弁護士会のギルド的体質以外の何者でもないと思います。要するに弁護士の業務スタイル、活動スタイル、そのものに対する根本的な疑問があるように思われます。
 弁護士の業務スタイルが従来のままでは法曹人口が増えても吸収しきれないということは当初から想定されていたことで、従来の業務スタイルという前提そのものを考え直さないと法曹人口を円滑に増やせないという1番前提のところが忘れられているわけです。法曹人口増員は国際化対応だけではなく、国民が法曹に対して望んでいるサービスに十分応えられていないのではないかという反省から始まっているわけで、従来の法曹養成スタイルもそうですし、今の司法試験のようなレベルの試験をやらないと、本当に国民のニーズにあった法律業務を提供できる法曹の質が確保できないのかどうか、かなり疑わしいと思うのですね。私の個人的な意見かもしれませんが。

【井上座長代理】

 異論はないのですけれども、ただ、現在の社会的状況は非常に厳しいとうことも意識していただかなければといけないと思います。もともと司法制度改革の趣旨だとか意義だとかに賛同していない、それどころか、とんでもないことで元に戻すべきだとすら思っている人は、社会にはなおたくさんいる訳で、そのような環境の中で、この新しい制度をどのようにして根付かせていくのかということだと思うのです。あれれだけ大きな変革であったのですから、当然強い反発や抵抗が予想されるわけで、その意味で想定内といえば想定内の話で、産みの苦しみなんだろうと思うのですけれども、その産みの苦しみは非常に苦しく、下手をすると、新たに生まれたばかりの命は絶たれてしまうおそれもある。ですから、あまり呑気な事ばかり言っているわけにはいきかず、出来るところから、改めていくこともやっていかなければなりません。

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