政府公表資料等情報

法科大学院特別委員会平成23年9月14日(第45回)議事録より抜粋(下線及びは当サイトによる)

【永田眞三郎(関西大学法学部教授)委員】
 それでは改善状況調査ワーキング・グループの主査を務めます永田でございます。
 本ワーキング・グループは前回6月2日開催の本特別委員会において、これまでの第3ワーキング・グループの活動を引き継ぐ組織として設置され、引き続き改善状況に係る調査を実施することになりました。本日は6月2日開催の特別委員会における平成23年度法科大学院入学者選抜に係る審議を踏まえ、本ワーキング・グループが実施致しました各法科大学院の入学者の質の確保に関する取組に係る改善状況調査の結果を御報告いたします。
 ・・適性試験については、適性試験の成績と法科大学院入学後の成績、新司法試験の成績との間に有意の相関関係が認められないことや、適性試験の点数が著しく低いものであっても、入学後に学力が伸びる可能性があることから、入学者の選抜の段階で絞りきることは適切でないという説明をする法科大学院もございました。これにつきましては、確かに、適性試験の入学後の成績、新司法試験の成果に正の相関が顕著に認められるとまでは言えないかもしれませんが、適性試験の点数が著しく低い者が、ごく一部の例外を除くと、一般に法科大学院の入学後の成績も良くなく、仮に修了できたとしても新司法試験に合格していないという成績傾向があるということは確かであります。そのような意味から、入学者の選抜における質の確保のための最低ラインとして、適性試験の点数が著しく低い者を合格させることのないように、適性試験に最低基準点を設定し、厳格に入学させることが必要と考えられました。
 さらに、入学者選抜のあり方に関連して、特に法学未修者については、入学者選抜の段階では適性を図ることが困難であるため、入学者選抜の厳格化よりも、むしろ入学後に厳格な成績評価を行うことにより、適性を判別し、適性のない者は進級・修了させないものとすることにより、対応するのが適切であるという意見もございましたしかし、これらにつきましては、法科大学院が法曹養成のための高度専門教育機関であることからすれば、充実した教育を行うことにより、法曹資格を得られるようなレベルに導くことが求められているのであり、また、入学する学生との関連でも、入学後に絞り込むというような対応は多くの学生の期待を裏切りかねないものでもあります。
 ・・以上が調査結果でございますが、この調査・ヒアリング等をしていく中で、一点このワーキング・グループから所感を示して今後御検討いただきたいという点がございます。最後に「その他」といたしまして、適性試験の最低基準点というものもこの報告書に加えております。この適性試験の最低基準点の設定の必要性に関してですが、先ほどの特別委員会報告では統一的な入学最低基準点については、総受験者の下位から15%程度の人数を目安として、適性試験実施機関は毎年の総受験者数や得点分布状況などを考慮しながら、当該年度の具体的な基準を設定すべきである、とされていますしかし、現状におきましては適性試験実施機関による得点分布の発表は行われておりますけれども、具体的な最低基準点の設定は行われておりません。適性試験につきましては、高度専門職業人を養成するための基礎としての資質・能力を測る、具体的には、法科大学院教育に適切に対応できることができ、その成果と結びつける資質・能力を測るために、入学者選抜の重要な判定資料として活用することが求められているものであり、適性試験を課している趣旨を無意味にするような、点数の低い者を入学させることがないようにする必要があるということが、提言の趣旨と考えられます。そこで、本ワーキング・グループとしては、実施機関が最低基準点を設定しないとしても、各法科大学院において、最低基準点を設定する必要性について説明してきました
 また、入学者の質の確保の観点から、自主的に適性試験の最低基準点の設定を行われる法科大学院も多数存在しています。そのほとんどは、特別委員会報告で言及されている下位15%を目安として設定しております。さらに、最低基準点を設定するには至らないものの、全体のうち、54の法科大学院においては、下位15%未満の者を合格とはしておりません。
 一方で、ヒアリングの中で、今回の調査におきまして、適性試験最低基準点の設定について、複数の大学でございますが、適性試験実施機関が設定したらそれに従う、あるいは法令で定められれば守るという意見も一部に見受けられました。こういう状況の中で、本ワーキング・グループは改善を促しているわけでございますが、こうした状況を踏まえまして、この適性試験最低基準点に関しましては、先ほど申しましたように、実施機関による設定が行われていないということから、平成21年4月の特別委員会報告の内容を本委員会で御確認いただき、明確化する必要があるのではないかと考えております。また、この最低基準点を設定していても、その公表の取り扱いは各法科大学院で様々でございます。志願者に対して選抜基準を予め明示することの必要性や、適性試験の運用性について明確なメッセージの発信といった観点から、この方針を導入する点も検討する必要があると考えております。以上でございます。

 (中略)

【中野専門職大学院室長】
 ・・平成22年度に実施した適性試験で下位15%にあたる点数というのは、大学入試センターの適性試験では38点でございます。では実際に23年度に入試を実施しました73校で、合格者の適性試験の最低得点は何点かを調べたところ、30点未満というところが4校、30点以上38点未満、ただし日弁連法務研究財団の場合は、入試センターの点数に換算すると36.9点が下位15%の点数とのことですので、その点を踏まえた結果、15%未満という点数のところが15校、合計で19校ということでございます。それから、15%以上で50点未満というのが46校、50点以上が8校という分布でございます

【田中成明(財団法人国際高等研究所副所長)座長】
 ・・全般的に、こういう入学定員の問題とか、実際に入学させている者の数とかを見ると、やはり、各法科大学院で入学者の質を一定レベルに確保することは非常に重要だと、そういう認識が基本的には広がってきている、というような理解でよろしいのでしょうか。問題のある法科大学院はもちろん御指摘のようにあるわけですけれども、全般的にはやはり、無理をして人数を揃えるという発想はあまりなくなってきている、と理解してよろしいのでしょうか

【永田委員】
 座長のお話の通りあります。全般としては競争倍率の問題も、適性試験の最低基準の設定についても、正面からそれを否定する考え方の法科大学院は、ごく限られています。大方はそれを守っていくべきだという認識にあると思いますが、これが必ずしも実際には遵守されていないのは、やはり全体の志願者数が減少する中で、特に志願者数を多く獲得できない法科大学院では、競争力の確保は重要なのだと認識しつつも、先ほど申し上げましたいろんな理由から、現実にはそれが遵守できないという結果としてなってしまった、というところでございます。
 それで、ヒアリングをしておりましても、ほとんどの法科大学院では、その基準をできる限り守っていきたいという認識にはなってきておりますし、そういう意味では、競争倍率2倍という基準も、適性試験の最低基準点を設けていくということも、いわばデファクト・スタンダードになってきているという感じはいたします。

【有信睦弘(東京大学監事)委員】
 よろしいですか。質問なのですけど、一つはやはり入学試験の成績と司法試験の合格者数には、強い相関があるという前提で考えることができるのですけど、もう一つ、ツールの要件として、法学の既修者と未修者という観点で見たときに、実際の最終的な司法試験の合格者数の合格率は、未修者の方が確かに低いのですが、入学試験という観点で見たときに、どういう取扱いになっているかというところは、特に問題があるようなところで、その取扱いについて教えていただきたい。

 (中略)

【井上正仁(東京大学大学院法学政治学研究科・法学部教授)主査代理】
 入学者選抜はペーパーテストだけでやっているわけではありませんので、確実にこうだということは言えませんけれども、ペーパーテストの結果と入学後のパフォーマンスないし成績、それと司法試験の合格率が有意の、正の相関がある程度認められるのは既修者の場合で、学部の法律の試験の成績との間でも相関が見られることもあります。ただ、法学部の成績については、出身大学によって事情がずいぶん違っていて、学部の成績のつけ方が非常にゆるやかなところから来る人については、あまり当てにならない。厳しいところから来る人については当てになる。こういうことが言えるのですけれども、未修者については、少なくとも今までの経験では、そういう正の関係というのが認められるとまでは言えないですから、どの法科大学院でも、未修者については、どういう試験をし、どういう選抜をすれば質のいい人が確保できるのか、試行錯誤している、というのが現状だと思います。
 私どものワーキング・グループが本特別委員会の指示で行ったのは、それとは正反対の方法の観点からのチェックでありました、これぐらいは最低ないと入学してもついていけないだろうし、学力を本当に身につけ、またそれだけの自信を持って修了するということが難しいのではないかと思われる人を入口のところで選抜しているかどうか、ということです。マイナスの方向のチェックでしかありませんので、我々もややうんざりしながらやっているところがあります。そのぐらいのことしか今の段階では申し上げられないのですけれど。

【永田委員】
 若干の法科大学院ですけど、競争倍率2倍、あるいは適性試験の15%未満の者については入学させないという基準について、司法試験の合格との相関関係があるのかという議論をする中で、一部の法科大学院では、各法科大学院で実施している入学試験の成績との相関関係も必ずしも明確ではなく、それも本格的に検証しなくてはならないというような意見もみられました

【井上主査代理】
 一点付け加えますと、入学者選抜ではなく、法科大学院に入ってからの成績が上位であることと司法試験の合格率とは明らかに正の相関があるというデータが出ています。
 問題は上位ではなくて、真ん中ぐらいから下の方の成績の人について、その辺をどう高めていくかということで、入ってからの問題なのですけれど。

【田中座長】
 今の問題と関係するかもしれないのですが、未修者の入学者選抜は、適性試験と、小論文と面接という形でやっていて、既修者試験の場合と比べて、合否判定データが少ないというところがどうしてもありまして、入学者を見ると、非常によくできる人と、そうでない人、両方いるのですね。結果として、司法試験の合格率が全体としては非常に低くなっていますけれども、みんなできないというのではなくて、既修者以上に非常によくできる人もいるのですね。そのあたりを踏まえて、適性試験の問題と併せて、未修者の試験の仕方の工夫がもっと要るのではないかということも指摘されております。未修者の質のばらつきが大きいことは。まあ、制度的にやむを得ないところもあります。

 (中略)

【永田委員】
 下位15%というのは、非常に低い点数です。仮に適正試験の問題が五肢中一肢を選択するとしますと、全くわからなくても、確率的には、100点満点中20点は取れるわけです。ですから、10問中2問が解れば、その20点を基礎に、残り8問について当てずっぽうに選択しても確率的にはプラス16点となる計算になり、36点となります3問解れば、44点になります。すなわち、下位15%というのが、これまでの実績では100点満点で換算すれば40点前後でしたから、その受験生は10問中3問できるかできないかの非常に低い位置以下にあるということです。先ほども申しましたけれども、従来、低い点数で入学させていた法科大学院でも、その院生が司法試験に合格することは、エピソード的に例外はありうるけれども、ほぼ絶望的であるというような認識になってきています。

【日吉由美子(弁護士)委員】
 適性試験の性格なのですが、試験としての、一つ質問がございます。私も受けた口なのですけれども、受けた感覚で言いますと、言葉は悪いのですが一種の知能テストだったような記憶がございます。そうして、あるところでデファクト・スタンダードを設定して切る。私のかすかな記憶が正しいとすれば、知能テスト的な性格のものでデファクト・スタンダードを設定するということにした場合に、果たしてそれが全国の15%という、それは一種の相対評価なわけですけれども、そういう設定の仕方がいいのかそれとも、出題を考えておられる機関の方で、ある程度デファクト・スタンダードとして何点というような絶対評価的な点数の設定の方が、試験の出題の仕方との関係で相応しいのか、ちょっとその辺りがよくわからないのですが。

【永田委員】
 それは当初からある問題でもありまして、それから適性試験がどういう意味でなされるかで、大きく二つに分かれております。高度専門職業人としての資質、ある意味では知能テスト的なものになるという考え方もありますし、一方では、法科大学院の教育に耐えうるかどうかという点であって、あるいは、法科大学院に特化して、それに向けた適性試験かどうかという議論もあります。
 いずれにしても、適性試験は法制度上求められているわけですから、それを廃止してしまうならともかくとしまして、そういう制度がある以上、その中でどういう運用が適切かということは考えざるを得ないものでございます。それが数年前の特別委員会では、当初考えた線の30%の半分くらいのところを15%まで切り下げて、偏差値を計算する場合の一般的な考え方からも、15%以下を除くという基準は、低すぎるかもしれないが高すぎることはないだろうという議論をしたわけです。というところで、私どもも特別委員会の議論を踏まえまして、各法科大学院に対応してきたという状況でございます。以上です。

【井上主査代理】
 どこが設定するのかというのは、結局、入学者の質の確保の責任をどこが負うのかという問題だろうと思いますので、最終的には個々の法科大学院ではないか。ただ、そのために意味あるものとして、適性試験を実施する機関において、毎年の適性試験の内容・結果に応じて目安を設定していただこう、というのが本委員会の提言の趣旨であったかと思うのですが、実施機関としては、適性試験の成績は相対的なものなので、ここが最低基準だとは言いにくいことがあるのかもしれません。
 そうすると、各法科大学院の責任で設定していただくしかないわけですが、その際、各校があまりばらばらでも適切でもありませんので、質の確保という意味で目安を示すのは本委員会の責務ではないか。その意味で、本委員会で明確化していただくべきだと、私は考えます

【土屋美明(一般社団法人共同通信社論説委員・編集委員)委員】
 適性試験は一種の予備試験的な性格を強めるような方向かなということが一つ心配なところであるのです。最初から、適性試験が行われた時期の議論を思い起こしていくと、そこに一種の強い拘束力、その結果に対してですね、拘束力を求めるようなことではなくて、適性試験の結果をそれぞれの法科大学院が独自に判定をして、選抜に役立てるということだったように思います。それを、将来の法曹としての到達地というか、そういう結果とも睨み合わせながら活用していくというような趣旨で、拘束されない試験だと思うんですけれども、それが、最低基準点というようなことで、一種の、事実上の効力を持っているというようなことになると、試験の性格が、位置付けが変わってくるのではないかという気がします。今、適性試験の制度について、委員会で今までと違う形で一本化が実際に行われていこうとしておりますので、そういう動きと絡めながら、結構大きな役割を果たしていく結果になりはしないかな、というような気がするのです。そうすると、この場ですぐ決めてしまうというよりは、もうちょっと、例えば日弁連法務研究財団にヒアリングするとか、法科大学院協会にヒアリングするとか、適性試験の意味付け、位置付けみたいなものをもう一度考え直して、そこから決めていくのが良いのではないかなと、そんなことを感じております。
 私は最低基準点そのものが、下位15%で事実上機能していく、させていくということについては反対するものではありませんけれども、実際にメンテナンスをしないで運用されていくと、それは別の意味になってくる。制度設計全体にも影響してくるものがあるのではないかなということを感じています。

【田中座長】
 今の点につきまして、適性試験の位置づけについて、いろんな意見があったのですが、法科大学院の入学者の質を一定レベルに確保するために全国統一の適性試験が必要だということは、やはり当初から含まれていたのです。特に法科大学院ということで、法的な思考能力などの適性を備えているかどうかのテストではないということになりましたけれども、一般的に、専門職大学院レベルの教育を受けるのに適した能力を備えていることを判定し、法科大学院入学者のレベルを維持するというのが適性試験の基本的な性格としてあったわけです。入学者選抜は各法科大学院の判断に任せるけれど、一定の学生のレベルは確保し、プロセスとしての法曹養成の出発点についても一定のレベルは維持する必要があるということが、適性試験のミニマムの役割として了解があったと思います。法科大学院の入学者の質の確保ということがこれだけ問題になってくると、やはり適性試験のそういう側面についてももう少し詰めて考えなければならない状況になってきたのではないかと。そういう流れだと私自身は理解しております。土屋委員がおっしゃるように、全くこういうことが、適性試験の機能というか役割に含まれてなかったというわけではないと思っています。

【土屋委員】
 おっしゃる通りだと思うのですが、一方ではまた、適性試験をこういう形で、非常に得点が低い人も入学させるというような形で使われることも想定されていなかったわけです。それで、適性試験制度というのはやはり、それなりに参考にして入学手続に活用するというふうなことが盛り込まれていたはずなのに、これはやはり、法科大学院の方に結構問題がある、というように私は思うのですけど。ただ、そのことと、つまり理想的な形で適性試験が活用されているわけではないということと、その結果に対して、先ほど一種の拘束力みたいなことを言いましたけれども、そういう事実上の足切りというのを強く出した拘束力を与えることについては、いろいろ議論があろうかと思います。そういう意味でもう少し、日弁連法務研究財団とかの意見を伺った上で決めてもいいのではないかと。そういうことです。

【井上主査代理】
 土屋さんの御懸念はよくわかるのですが、これは今回新たに出てきた話ではなく、御承知のように、前期の特別委員会の下で設けられていた第1ワーキング・グループでかなり突っ込んだ議論して、このぐらいが最低基準だろうということになった。ではないかと。ただ、その年ごとの適性試験の難易度の違いなどもあるので、実施機関において15%ぐらいを目途に最低基準を出してもらって、それを踏まえて各校において選抜をすべきだ、という提言になったわけです。
 もう一つ、制度を立ち上げる時、適性試験がもっと意味のあるもの、活用できるものとなると多くの人が期待を抱いていたのですが、残念ながら今までのところ、プラスの方向の意味づけというのはなかなかしにくい状況です。適性試験の機関が統一され、精度を上げていただくよう期待しているところなのですけれども、現状ではむしろ、マイナスの方向の意味、つまり最低限の質を確保するという点で一定の意味があるという認識はかなり広く共有されており、そのような使い方をすべきだということだろうと思うのです。その際、今問題になっている下位15%というのは、実は相当低い数字であり、統制と言うにはちょっと恥ずかしい話なのです。これがもっと高いところに設定され、それによって足切りということであれば、おっしゃるような問題も出てこようかと思うのですが、本当に最低限の数字なものですから、土屋さんの問題とされているところとは違っているような感じがします。

【土井真一(京都大学大学院公共政策連携研究部教授、京都大学大学院法学研究科教授)委員】
 実際の最低点と言いますか、この程度を目安にするということ自体は、全く異論はないのですけど、先ほどから言われているように、技術的にどういう設定のさせ方をするかというのはいろんなやり方があります実施機関側に任せるというやり方をすると、結局は、先ほど土屋委員から少し出ましたけれども、適性試験の合格・不合格という認定をさせてしまうということになりますし、法科大学院側に設定させますと、ワーキング・グループの経験では、いろんなやり方を大学はやっていて、端から入学の受験資格を認めない設定をやっているところと、受験資格は認めるけれども実際の合否判断で切るところとか、いろいろ聞いております
 それから、評価機関の中には、最低基準点を実施機関が設定するという文言を入れて評価基準を作っているところもあって、二順目の評価が始まるということにもなろうかと思いますので、基本的にどういう方法にするか、ある程度技術的にも方向を示さないといけないと思います。今日はそこまで詰められないと思いますが、次の機会には大体こういう方向でというのをお示しいただく必要があるのではないかと思います。

【田中座長】
 法科大学院の教育の質の向上に対応するというよりも、これは困るというような話なので、あまり時期的に積極的に議論してもどうなのかという感もあるのですけれども、理論的には非常に難しい問題です。どこが基準を設定するのかということは、これ以上の成績であったら法科大学院で学ぶ能力、資格があるということを、この委員会などで決めるのか、それとも、各法科大学院の責任で決めるのか、あるいは、適性試験の実施機関が決めるのかということになるわけですが、なかなか詰めにくい問題です。制度設計している段階では、適性試験の成績が四割とか五割以下だと、法科大学院の入試資格そのものを与える必要はないのではないかというような意見も結構あったのですけど、適性試験の実施機関が一つに統一できなかったとか、いろいろありまして、そういう議論がつまらないままに、とにかく適性試験利用を義務付ける方向がやっと決まったというのが実情です。これまでの議論の経緯とか、制度的にもどういう問題があるかということを、次回までに詰めておいていただくということでお願い致します。
 いろいろ御議論いただきましたけれども、こういうあまり生産的でないことも議論しなければならないということは、法科大学院を取り巻く状況が非常に厳しく、各法科大学院においても、鋭意改善に取り組んでいただく必要があるというところです。

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