政府公表資料等情報

参院法務委員会平成23年10月27日(下線は当サイトによる)

○中村哲治君 民主党の中村哲治です。
 本日は、平岡法務大臣の所信に対する質疑ということで、先日述べていただきました所信の中の法曹養成についての部分について質問をさせていただきます。
 大臣は、司法制度改革において新たに導入した法曹養成制度については各方面から様々な問題点が指摘されていると、この部分の冒頭で述べていらっしゃいます。特に、志願者が大幅に減っております。志願者が減るということは、この法曹養成制度がうまくいっていないことの一番大きな証拠であります。だからこそ、私たち民主党の法務部門会議の大勢は、現在問題となっております司法修習生に対する給費制を維持しないといけないと、そういう議論になっております
 このように、法曹養成がうまくいっていない理由は、原因は、法科大学院の在り方にあるのか、司法試験の在り方にあるのか、法務省、文科省、それぞれから伺います。

○国務大臣(平岡秀夫君) 今、中村委員が御指摘になりましたように、法曹養成の在り方については各方面からいろんな問題点が指摘されているというふうに思います。
 今、法科大学院の在り方に原因があるのか、司法試験の在り方に原因があるのかという択一的な御質問でありましたけれども、そこのところはいろんな原因が、何といいますか、相乗的に組み合わさって現在の状況が生じているのではないかというふうに私としては思います。
 そういう観点から、今年の五月に、法曹の養成に関する制度の在り方について検討するという観点から、法務大臣を含めまして、内閣官房長官、総務大臣、財務大臣、文部科学大臣、経済産業大臣が共同して法曹の養成に関するフォーラムを開催しているところでございまして、この場において指摘されている問題も含め、各種の問題についてしっかりと全体的に検討を進めていってほしいというふうに考えているところでございます。

○大臣政務官(城井崇君) 文部科学省の立場をお答えを申し上げます。
 政府のワーキングチームの認識ということにもなりますけれども、新たな法曹養成制度については、多様な経験、能力を有する法曹を輩出することなど相応の成果を上げているという評価がなされている一方で、新司法試験の合格率が低迷をし、法曹志願者が大幅に減少するなど、制度全体が悪循環に陥っているという指摘があるというふうに承知をいたしております。
 これを好循環に変えていくためにはということで関係機関が連携をし、制度の抱える問題について共通理解を深めて制度全体を見直し、改善に取り組んでいくことが必要でありまして、先ほど平岡大臣からもお話がございました法曹の養成に関するフォーラムなどにおいて関係者と議論をしてまいりたいと思っております。今月、その再開第一回があったところでございます。なお、法科大学院についても、これまでも、中央教育審議会法科大学院特別委員会が提言した教育の改善方策を踏まえ、入学定員の削減等の改善に取り組んできているところでございます。
 文部科学省といたしましては、中教審が実施する教育の改善状況の調査や、深刻な課題を抱える一部の法科大学院に対する財政の支援の見直しにより、引き続き、法科大学院に対し、教育内容そして方法の充実や入学定員の削減を始めとした組織見直し等の改善を促してまいりたいというふうに存じます。

○中村哲治君 今、結局、法曹養成フォーラムで議論をしていますという答弁と、中教審の法科大学院特別委員会でされた提言を基にしっかりやっていますというようなことが言われているだけで、原因がどこにあるのかというようなことに関しての端的なお答えはありませんでした
 もう一度お聞きいたしますが、平成十三年六月十二日、司法制度改革審議会の意見書で示されていた方針であるにもかかわらず、なぜ法科大学院は平成二十二年ごろに三千人という合格者を出せるような教育をできていないのでしょうか、また、司法試験は受験者の七、八割が合格するという結果になっていないのでしょうか。文部科学省、法務省の順にお聞きいたします。

○大臣政務官(城井崇君) お答えを申し上げます。
 司法試験合格者数については、法曹人口の大幅な増加が喫緊の課題であるとの司法制度改革審議会の意見書を踏まえ、平成十四年三月の閣議決定によりますが、司法制度改革推進計画において、平成二十二年ころには年間三千人程度とすることを目指すとされたところでございます。
 また、同意見書では、法科大学院の学生が在学期間中その課程の履修に専念できるようにする観点から、法科大学院では、その課程を修了した者のうち相当程度、例えば七、八割ということでありますが、これは単年度の合格率ではなくていわゆる累積の合格率といたしたものでありますけれども、そうした人たちが新司法試験に合格できるように充実した教育を行うべきというふうにされております。
 法科大学院につきましては、その修了者に対し一定の評価がなされている一方で、一部の法科大学院において新司法試験の合格状況が低迷するなどの課題を抱えているということも指摘されているということであります。中央教育審議会法科大学院特別委員会では、平成二十一年四月に、法科大学院教育の質の向上のための改善方策については体系的な提言を取りまとめており、各法科大学院では、同提言も踏まえて入学者の質の確保や教育体制の充実、成績評価の厳格化などに取り組み、質の高い修了者を輩出するよう改善に取り組んでいるところでございます。
 文部科学省といたしましては、特別委員会が実施する教育の改善状況の調査等を通じ、各法科大学院による改善取組の加速を促進してまいりたいと存じます。

○国務大臣(平岡秀夫君) 司法制度改革推進計画の中で言われておりました話は今の答弁の中で尽くされていますので、私からは繰り返すことはいたしませんけれども、現在の司法試験の合格者については、司法試験委員会におきまして、法曹となるべき能力の有無を判定した上で決定されるということになっているところでございます。
 その結果として、残念ながら合格者数は約二千百人程度にとどまっているということでございまして、御案内のように、その合格率についても、当初の意見書の中に示されていた七割、八割といったようなところには届いていないというのもまた事実というような状況でございます。
 その原因については様々な見方があると思いますけれども、先日も少し政務三役で議論したときには、やはり法曹のニーズというものが当初予定していたほどには進んでいないというようなところに根源があるのではないかといったような、もっともっと、何といいますか、法曹養成だけじゃなくて、社会の在り方にまで議論として考えていかなければいけないんじゃないかと、こんなところの議論もしたというところでございまして、いずれにしても、現在開催中の法曹の養成に関するフォーラムにおいて、法科大学院の在り方あるいは司法試験の在り方も含めて全体的に議論を進めていく予定としているところでございます。

○中村哲治君 今大臣おっしゃいましたけれども、社会のニーズが少ないから司法試験の合格者が二千人余りにとどまっているわけじゃないでしょう。今大臣の答弁にあったように、司法試験委員会が考査委員会としてレベルがそこまで至っているかどうかということを判断したときに、二千人余りでしか合格者が出せないというのが状況じゃないんですか

○国務大臣(平岡秀夫君) ちょっと私が舌足らずだったですけれども、私が申し上げたいのは、今、この法曹養成に関する問題というのが全体的な問題としてあると、その根源がどこにあるんだろうかという議論をいろいろとしているということが他方にあり、その中でこの二千人という結果が出ているということについて言えば、先ほど答弁申し上げたように、それは司法試験委員の方でそれだけの法曹に値する能力があるのかどうかということを選定していく中で、結果的にその判定は二千人にとどまっていると。
 じゃ、その二千人にとどまっているのはなぜなのかと。これはどんどんどんどん遡っていきますと、例えば受験者の数あるいは受験者の質、そしてそこに至るまでの法科大学院の陣容、陣容といいますか、法科大学院における制度の状況、なぜその制度の状況になっているのかと。そうすると、法科大学院に入学する人たちがやはり減少して、入学を目指している人が減少してきている
 じゃ、そういう入学を目指す人が減少してきているのは何なんだろうかといえば、出口のところの、例えば法曹家になっても、法曹に対するニーズが少ないためになかなか仕事が、いい仕事が見付からないというふうな形になっている。そういうふうにいろいろと循環をしているという意味で、根源的なところに、どこにあるのかということをちょっと中で議論したときの話として紹介した次第でございます。

○中村哲治君 そうなんです。
 だからこそまず考えないといけないのは、司法試験で二千人余りしか通らないというのは、これはニーズが少ないから通らないんじゃなくて、その時点での法曹としての資質を兼ね備えているのかという試験をしたときに、今までの法曹の人たちから試験委員が選ばれているわけですけれども、そういった人たちから見て法科大学院で十分な効果を上げられていない、結局、受験をしても二千人余りしか通すことができないという、そういうふうな教育効果しか法科大学院は得られていないということなんです。ある意味で入学試験のセレクションも甘いのかもしれません。
 志願者が、もうどうせ法律家になれないような志願者しか入学しないのであれば、そこは絞らないといけないというのが法科大学院の在り方であるはずです。そこは、まず指摘をさせていただきます。
 それから、先ほど城井政務官の答弁の中で、この平成十三年の司法制度改革審議会の意見書の中で、「法科大学院では、その課程を修了した者のうち相当程度(例えば約七〜八割)の者が新司法試験に合格できるよう、充実した教育を行うべきである。」と。ここについては、一回の試験ではなくて、そのトータルとして七、八割だというふうに今御答弁されました。それはこの意見書のどこに書かれているのでしょうか

○大臣政務官(城井崇君) お答えを申し上げます。
 この意見書のどこに書かれているかということでありますけれども、今私が申し上げましたのは、その意見書に書かれている部分と、その意見書作成に当たっての経緯を通じた部分で今御説明を申し上げたところでございます。

○中村哲治君 その意見書の経緯の部分というのはどこですか。

○国務大臣(平岡秀夫君) 司法試験の方の合格率との関係ですので、私の方から答弁させていただきたいと思うんですけれども、よろしいでしょうか。

○中村哲治君 私は、本文のところで、もう一回読みますと、意見書にはこう書かれております。
 「法科大学院では、その課程を修了した者のうち相当程度(例えば約七〜八割)の者が後述する新司法試験に合格できるよう、充実した教育を行うべきである。」と。私はこの教育の質のことを聞いているんですよ。だからこそ、いや、三回受けて、そのときで七、八割だったらいいんですよというようなことを、それじゃどこに書かれているのかと。
 私は、この意見書が出たときに、私自身は司法試験も受けていましたから、やはり医者と同じような形で一回の試験で七、八割が受かるのが普通だろうと、だから三回だったら大体九割以上は通るようになってくる、それだったら三年のロースクールの意味があるんじゃないかと、そういうふうに考えておりましたし、そういうふうに印象を受けておりました。しかし、それでもなお三回で七、八割というふうなことを言われる根拠というのはどこにあるんでしょうか

○大臣政務官(城井崇君) お答えを申し上げます。
 今、委員からも御指摘ございましたけれども、この試験については修了後五年間で三回の受験した結果、その累積でということで考えておりますけれども、その部分につきましては、この仕組み自体が想定したものからこの三回の受験をした結果を考えたときには、何と申しますか、仕組み自体が三回を、何というか許容していることを考えますと、その三回の中で考えるということが合理的ではないかというふうに考えているところでございます。

○中村哲治君 ここの部分につきましては、もう堂々巡りの議論になるので、また違う観点で後ほど議論させていただきたいと思います。
 やはりそういうことを考えていくと、法科大学院の在り方、司法試験の在り方、それぞれの在り方について詳しく具体的に検討していかなくてはなりません。
 そこでまず、法科大学院の在り方について検討をさせていただきます。
 実務家養成機関であるにもかかわらず、法科大学院では、司法試験に受かっていない教員が多数教鞭に当たられております。昨日、質問通告のときに資料請求させていただきまして、専任教員合計が千六百三十二人、そのうち実務家教員は五百三十四人で三二・七%、研究者教員は千九十八人で六七・三%ということでございます。
 私の感覚からすれば、実務家養成機関にもかかわらず司法試験を受かっていない研究者教員が六七%もいると、これは異常なんじゃないでしょうか。やはり、全員とは言いませんけれども、司法試験に通っていない教員は例外的にすべきではないでしょうか。どのような考え方を法務省、文科省はされているんでしょうか。

○大臣政務官(城井崇君) お答えを申し上げます。
 今の御指摘の点でありますけれども、法科大学院は、司法制度改革審議会の理念を踏まえながら、法学教育、そして司法試験、司法修習を有機的に連携させたプロセスとしての法曹養成の中核機関でありまして、体系的な理論をまず基調にしながら、そして実務との懸け橋の部分を強く意識した教育を行うというものでありまして、研究者教員、ここは司法試験を通っているとは限らない部分でありますけれども、そうした方々と法曹三者を中心とした実務家教員の双方が教育に参加しているというところでございます。
 各法科大学院におきましては、この理論と実務の架橋を図る観点から、研究者教員と実務家教員が適切に役割分担をするとともに、連携協力をして共同で授業を担当するなど、授業内容、方法等について様々な工夫を行っているところでございます。
 文部科学省といたしましては、各大学においてそれぞれの教育理念にのっとり、担当する授業科目等との関係において適切な人材を登用しているものというふうに認識をいたしております。

○国務大臣(平岡秀夫君) 基本的には、法科大学院の教員の在り方という点については、優秀な教員を確保すること、当然重要であろうというふうに思いますけれども、具体的には、法科大学院の専任教員については専門職大学院設置基準において要件を定めているということで、この内容については、今、城井大臣政務官の方からお話があったとおりだということでございます。
 ただ、それが本当に法科大学院としてしっかりと教育できる体制になっているのかどうかというような点について言えば、また第三者評価機関といったようなものとして、法科大学院を対象とした認証評価機関、日弁連法務研究財団、あるいは大学評価・学位授与機構、大学基準協会といったようなところが評価機関になっておりますけれども、そこの評価の対象にもなっておりますので、そこからもしっかりとした評価をしていただきたいというふうにも思っているところでございます。

○中村哲治君 今、城井政務官から、理論と実務の架橋をするのが法科大学院という目的が述べられました。それじゃ、果たして本当にそれができているのかということなんです。理論家が三分の二で実務家が三分の一、それが効果を上げているというふうに例えば学生は思っていますか。それについては調査されていますか

○大臣政務官(城井崇君) お答えを申し上げます。
 調査の件でありますけれども、文部科学省としては承知をしておりませんけれども、各大学におけるアンケート等を通じて把握しているものというふうに認識をいたしております。

○中村哲治君 実務家教員というのは二年なり三年なりで替わっていくんですよね。そして、研究者教員というのはずっと残っていくので、教授会でも研究者教員の言うことで大体運営が決まっていくというのが私が大体実務家教員に聞いた答えです。そういうことであって、どんどん現場の実務者教育から懸け離れていくようなプロセスになっていくんじゃないかと。上位校はかなりうまくいってやっているわけですよ。しかし、そこについての総合的な取組を少なくとも担当政務官や担当副大臣は御認識の上で、ピンポイントとしてどこがどうおかしくてどういうふうに変えていくのか、実務家教員が割合が少ないところのそういうような成果はどうなっているのか、そして学生の声はどうなのかということも聞いていただく必要があるんじゃないでしょうか。いかがですか。

○大臣政務官(城井崇君) お答えを申し上げます。
 今委員御指摘の部分につきましては、極めて重要な御指摘だというふうに考えております。とりわけに、今各大学における取組を相当自主的に組んでいただくようにということで我々も注視をいたしておるところでございますけれども、その実態の把握、とりわけに理論と実務の懸け橋の部分を重視しながらという、何というか、そもそものスタートの部分の議論はあるにいたしましても、その部分が実践としてどうかというところ、とりわけに今法科大学院の存在の意義が問われている時期でもありますので、その点はしっかり受け止めさせていただきたいというふうに思います。

○中村哲治君 そこで、法科大学院側の自主的な取組としては、コアカリキュラムという、法科大学院ごと共通したカリキュラムを組んで教育の実効性を上げていこうという取組がされているようでございますが、このコアカリキュラムという取組について御説明いただけませんでしょうか

○大臣政務官(城井崇君) お答えを申し上げます。
 法科大学院におきましてはプロセスによる法曹養成の中核を成すものでありまして、その修了生について、司法試験、司法修習を経て、将来法曹として活躍するために必要な一定の資質、能力を習得させることが必要であります。
 そのため、修了生が共通に備えておくべき能力について関係者で共通理解を得、その質を保証することが重要であり、このような観点から中央教育審議会法科大学院特別委員会が平成二十一年四月に取りまとめた報告におきまして、今議員から御指摘がありました全ての法科大学院における共通的な到達目標、いわゆるコアカリキュラムでありますけれども、この策定の必要性が提言をされ、昨年九月には法科大学院の教員や法曹関係者が参画する調査研究班がそのモデルを策定したところであります。
 共通的な到達目標は法科大学院における学修として共通に必要な最低限の水準、片仮名で言えばミニマムスタンダードということになろうかと思いますけれども、これを定めるものでありまして、各法科大学院においてはこれを参考としつつ、それぞれの教育理念にのっとり創意工夫による教育を行っているものというふうに認識をいたしております。

○中村哲治君 そのようなコアカリキュラムについてはまた後で議論をさせていただきたいと思いますが、文科省から今日の御答弁にもありますように、平成二十一年四月に中央教育審議会の法科大学院特別委員会が提言を出していて、その提言に基づいて法科大学院の改革を進めているという、そういう御回答でありました。
 しかし、私としてはまだまだ危機感が足りないんじゃないかと思っております。今民主党の法務部門会議の中では、法科大学院はもう全廃すべきという法科大学院全廃論も出ています。また、予備試験に一本化すべきだという一本化論まで出ております。今の議論の流れでは、残しても三年合格率や五年合格率の高い上位校のみ残せばいいんじゃないかと、あとはもう予備試験で対応すればいいんじゃないかというような議論も出ております。多分そういうふうな形になるんじゃないかなと思います。
 しかし、本当にそれでいいのかということもありますので、私は地域ごとに教育効果の高い教育機関として再生をしていくべきなんではないかと考えております。そうすると、今の中教審の提言よりももう少し速いペースで統廃合を促進していくべきかと考えておりますけれども、文科省、法務省の見解を伺います。

○大臣政務官(城井崇君) お答えを申し上げます。
 先ほどから答弁させていただいておりますように、各法科大学院での努力というところもありますけれども、中央教育審議会の法科大学院特別委員会におきましても平成二十一年四月の報告書におきまして、単独では質の高い教員や入学志願者の確保が困難な法科大学院については他の法科大学院との統合等を検討する必要があるという提言がなされております。
 さらに、先ほども少しお答えを申し上げました、いわゆる法科大学院の自主的、自律的な組織見直しを促すために、例えば公的支援の見直しを検討すべきという提言もなされておりまして、そうしたものを受けまして、文部科学省といたしましても、この新司法試験の合格率や入学選抜における競争倍率を指標とした財政支援、具体的には国立大学法人運営費交付金でありますとか私学助成ということになりますけれども、そうしたものを見直すということを昨年の九月に発表したところでございます。
 この法科大学院の統合等を行うかどうかというのは設置者の判断ということでございますけれども、ただ、先ほどからの、委員からも御指摘があった危機感が足りないんじゃないかというところについては我々も共有するところであります。そうした深刻な課題を抱えている法科大学院の取扱いについては、一層自主的、自律的な組織見直しなどの改善をより一層促してまいりたいというふうに思います。

○中村哲治君 私は、法曹養成制度に関する検討ワーキングチームに、議論に参加をしておりました。当時、法務大臣政務官を務めておりましたのでそういう機会でも発言をさせていただきました。
 平成二十二年の七月六日にこのワーキングチームによる検討結果を取りまとめさせていただきまして、そこのところで、組織見直しについては、「法科大学院の統廃合を含む組織見直しを実効的に促進するために認証評価を活用すべきであるとの指摘や、平成二十二年三月に法科大学院特別委員会が提言したとおり、新司法試験の合格実績を十分に挙げていない法科大学院について財政的支援の見直し(国立大学法人運営費交付金・私学助成金を削減すること)や人的支援の中止(法科大学院への裁判官及び検察官その他の一般職の国家公務員の派遣に関する法律(以下「派遣法」という。)に基づく裁判官及び検察官の教員としての派遣要請に応じないこと)といった措置を検討すべきであるとの意見があった。」と、こういうふうな取りまとめをさせていただいたから、やっと平成二十二年九月十六日に文科省としては「公的支援の見直しについて」ということがされたわけです。
 いかにも法務省とのこのやり取りがなければ自主的には文科省がこの取組をやらなかったというのは、私、ワーキンググループに出て実感しております。
 だからこそ加速をしないといけないんじゃないかと言っているにもかかわらず、実際それじゃ、平成二十三年の、今年の結論を受けて、入学選抜等の結論を受けてどれだけのことを二十四年度以降されようとしているんですか

○大臣政務官(城井崇君) お答えを申し上げます。
 繰り返しになりまして恐縮でありますけれども、先ほど申し上げた、いわゆる財政支援の見直し等も通じながらの法科大学院の、それを受けての取組の作り直し、見直しというところを今注視している途中でありますので、その自主的で自律的な組織見直しなどの改善を促していくというところを引き続きまずは注視をさせていただきたいというふうに存じます。

○中村哲治君 党側での議論からすると、今のような答弁というのはいかにも、城井さんの個人的な意見じゃないのでそういう答弁になるというのはよく分かっているんですけれども、危機感が文科省としては足りないということを改めて指摘はさせていただきたいと思います。
 今日は質問通告をしていないので聞きませんが、もうこの段になったら人的支援の中止もやっぱり考えていくべきであるのではないかなと、そういうことは改めて法務省の皆さんにもちょっと指摘だけさせていただきたいと思います。
 それで、次は司法試験の在り方について議論をさせていただきたいと思います。
 法科大学院の見直しを進めるとしても、今までの学生にしわ寄せが来るような見直しではよくありません。ただ、いわゆる三振制度、五年内に三回しか受けられないという制度はやはりここで見直すべきではないでしょうか

○国務大臣(平岡秀夫君) この新しい司法試験の中で三振制度が設けられた趣旨については委員も御理解いただいていると思いますけれども、旧司法試験については、受験競争の激化、合格率の低下、あるいは合格者の平均年齢の高齢化という事態がありまして、受験生の受験技術優先の傾向が顕著となって、法曹の質を確保する上で重大な問題が生じてきていた、長期間受験しても結局合格できないいわゆる司法試験浪人が多数発生して社会的損失が看過し難いといったような弊害が指摘されていたということでございます。
 そういう状況の下に、新司法試験においては、合理的な範囲内で受験回数の制限を設ける必要があると考えられたことによって五年間で三回の受験ということに決まったというふうに承知をしているところでございます。ただ、今、これから御指摘もあろうかというふうに思いますけれども、この点についての問題点の指摘があるということも承知しているところでございます。

○中村哲治君 その今の議論は、七、八割の卒業生が合格できるというような、そういう教育効果を上げていることが大前提ですよ。
 今、もう大臣、改めて聞きはしませんけれども、五年合格率、五年間たって三回受けてそして合格率何%かということが法科大学院ごとに出ております。これで、五年合格率で、平成十八年度修了者が二十三年度までの司法試験を受けた中で、七割以上合格を達成できている法科大学院は何校ありますか。もう改めて聞きませんけれども、七十四校のうち七校、八校ぐらいしかないわけですよ。そういうふうな状況の中で果たして三回というのが合理的なんだろうか、そういうことで皆さんが納得できるのか、法科大学院の今のこの五年間頑張ってこられた学生の皆さんが納得できるのかということを私は問うているんです。
 改めてそういう人には、予備試験をもう一回受けて、そして合格して次の年からまた受ければいいじゃないかという議論もあるかもしれませんが、ここは法科大学院が教育効果を上げていないという特殊事情に鑑みて、この五年間の修了生については回数制限をなくすとか、そういうことを考えるべきではないかと申し上げているわけですけれども、いかがでしょうか。

○国務大臣(平岡秀夫君) 今委員が御指摘の問題意識というものについては我々も持っているところでございますけれども、先ほど来からちょっと申し上げております法曹の養成に関する制度の在り方について検討するための法曹の養成に関するフォーラムにおいても、この受験回数制限の在り方について必要な検討を行っていただきたいというふうに考えているところでございます。

○中村哲治君 私は、私事にもなりますけれども、私は司法試験五回受けました。五年間で諦めました大学の同級生は昨年、旧試験、旧司法試験が終わるまで十六年間受け続けましたこの彼と私の十年間の違いを考えても、本人の意思ではなく強制的に回数制限を設けるということは結局本人のためになるということは、私もそれはあると思いますそれはあくまでも本人の側から見たときにそういうふうな制限を設けるべきだというようなことが理由になっているから、私は、三回ないし五回ないし十回がいいのか分かりませんけれども、そういうふうな回数が設定される、制限が設定されるというふうに見るべきじゃないんでしょうか。
 今のような形で理由を言われても、なかなか、法科大学院に通って、多額の借金を抱えて、そして試験を受けた。しかし、当初七、八割は通ると言われていたのに七割以上通っている法科大学院は全体の十分の一しかないと。そういうふうなことになっているということに対してどのように当事者である法科大学院卒業生の皆さんがお感じになっているのか。そのことに私たちは政治家として寄り添えているのか。これは与野党を超えた課題であると思いますけれども、そのことについての答えで本当に今のような答えでいいのかどうか。もしお答えいただけるのであれば答えていただいて、もし答えていただけないのであれば次の質問に行きたいと思います。

○国務大臣(平岡秀夫君) まさに委員の御指摘については私も大変共感を覚えるところもございます。先ほどのフォーラムでも真剣に取り組むように、私の方からもお願いをしていきたいというふうに思います。

○中村哲治君 積極的な御答弁をいただきまして、ありがとうございます。
 それでは、司法試験の在り方についてなんですけれども、質問通告と少し順番を変えまして、先ほど文科省からの答弁にありましたコアカリキュラムについてお聞きしたいと思います。
 法科大学院側で今進められておりますコアカリキュラムの取組、これは司法試験にどのように生かされているのでしょうか。司法試験の内容がどのような形で法科大学院の教育に生かされているのかということと併せて、文科省、法務省から答弁をいただきます。

○国務大臣(平岡秀夫君) 御指摘のコアカリキュラムについては、全ての法科大学院において学修することとして共通に必要な最低限の水準を定めたものと承知しておりますけれども、当然、法科大学院においてもこれを念頭に置いて教育が実施されているというふうに思っております。
 そのような教育を踏まえて、司法試験考査委員による司法試験問題の作成等が行われているものと承知しているところです。

○大臣政務官(城井崇君) お答え申し上げます。
 私からは、司法試験の内容がどのような形で法科大学院の教育に生かされているかという点について答えさせていただきます。
 法科大学院の教育については、それぞれの教育理念にのっとり、創意工夫による教育が適切に行われているというふうに認識をいたしておりますけれども、個々の大学院ということで申しますと、例えば演習において判例や仮想事例を用いて議論するのと同じように、題材として新司法試験の問題を活用するという事例があるというふうに把握をいたしております。

○中村哲治君 司法試験の問題を活用しているということであるのであれば、法科大学院においてはもう少し受験指導の割合を増やしていく必要があるんじゃないでしょうか。
 今、現場の意見を聞いておりますと、いや、文科省に聞くと、文科省はそういう過度な受験指導にならないようにだけを言っているけれども、そんなことやっちゃいけませんなんて言っていませんと、そういうふうな答弁が返ってくるんですけれども、そうではなくて、現場は、いや、文科省からもうそれはやるなと言われていますのでできないんですという話になっています
 本当に司法試験の問題を生かすような形で演習等をされているんでしょうか。答案の書き方も含めて、適切な分かりやすい答案を書くような技術、こういったものはやはり身に付けていく必要があるんじゃないでしょうか。そういった受験指導といいますか答案の書き方講座みたいなものは各校でやられているという御認識でしょうか

○大臣政務官(城井崇君) お答えを申し上げます。
 法科大学院の日々の生活パターンと申しますか、学びのお話を聞いておりますと、これも担当と少し議論をさせていただいたんですが、いわゆる受験対策をするようなダブルスクールを組む暇はないというのが日々の生活の実態であるというふうに認識をいたしております
 その意味では、あくまで法科大学院であって受験予備校ではないわけでありますけれども、そうした日々の取組の中でトータルで法曹人口を育成していくということを考えるならば、その中での工夫は、与えられた場所の最大限で工夫することは可能なのではないかというふうに思っております。

○中村哲治君 工夫は可能ではないかと考えているということは、今やっているかどうか分からないということなのかなという印象を受けます。
 現場の声を聞かせていただくと、私も、法曹関係者多いわけでして、法務省の方も個人的に話をさせていただくと、娘が法科大学院へ行っていて卒業したとか、弁護士さんもそういう方がいらっしゃって、そういうふうな方に聞いたら、いや、法科大学院だけやっていたら落ちちゃったと、結局、後でみんなに聞いたら、やはりみんなダブルスクールやっていたと、そんな受験指導をそこで受けていたというのが現場の声ですよね。
 だから、そういったことを考えれば、今政務官お答えになりましたけれども、現状は不十分だと認めていただいた上で思いますと言っていただいたということは、これからそういうふうな形で、よりダブルスクールをしなくてもいいような形で教育内容を総合的に見直していくと、そういうふうな御決意と受け取って構いませんね

○大臣政務官(城井崇君) 今委員から御指摘をいただいた部分を十二分に受け止めさせていただいて、法科大学院において本来なすべき部分についてしっかりやれるように注視してまいりたい、取り組んでまいりたいというふうに存じます。

○中村哲治君 積極的な答弁ありがとうございます。
 それと、そこと関係してくるのですけれども、教科書をどのようにこれからしていくのかというのは非常に大切な問題であります。予備試験が始まりましたので、予備試験を受ける受験生がどのようなテキストを使って勉強すべきなのか。それから、今まで法科大学院としてはコアカリキュラムというような形でしていただいているわけですけれども、そのような取組がされるのであれば、コアカリキュラムにのっとった、そういう標準的な教科書というのはやはり必要なのではないかという視点が出てまいりました。
 質問通告時に、今各法科大学院で使われている教科書についてはどのようになっているのかということを質問させていただきましたら、各大学に任されているという、そういうふうな回答でありました。私も通りはしませんでしたし、向いていなかったから通らなかったんだと思いますけれども、司法試験、また法律の勉強をしておりまして、学者の書いている教科書というのは正確だけれども難解、また自説の偏りもあります。一方で、司法試験予備校が作った参考書は分かりやすいけれども内容が不正確であると。こういった、両方問題があるわけですね
 そうした中で、やはり国民から見て分かりやすい、法曹三者が作るような正確で分かりやすい実務者養成用の教科書が必要ではないかと考えますけれども、法務省、文科省、いかがお考えでしょうか。

○大臣政務官(城井崇君) お答えを申し上げます。
 議員の問題認識、共有するところであります。
 その上ででございますが、ここは難しいんですけれども、法科大学院の教育内容というのは、その独自性と多様性をどうやって尊重していくかというところはやはり求められると。ですので、その教育内容にかかわる例えば教材の選定や作成については、各法科大学院に現在のところ創意工夫しながら決定せよということで今進めているところであります。
 仮に、例えば法科大学院教育にかかわる法曹三者の教員によりまして教科書が作成されるということが仮にある場合には、それを選択肢とすることは一つあり得るのではないかというふうには思いますけれども、それを採用するかどうかというところについては、あくまでやはり各法科大学院、その独自性あるいはその創意工夫というところの範囲に任されるものと、判断に任されるものというふうに存じます。

○国務大臣(平岡秀夫君) 教科書の在り方というのは大変私は重要な話ではあるけれども、また難しい話ではないかというふうに思います。
 自分が法律を勉強しているときの経験からしても、何か人によっては基本書を何回も何回も読んで頭にたたき込んでいくというような形で勉強されている方もいましたし、人によっては同じ本を二度読むよりは別の本を読んだ方がいいというような勉強の仕方をされておられる方々もおられました。そういう意味で、学ぶ側においても教科書をどういうものを自分として選んでいくかということもあろうかと思いますけれども、教える人にとってみても、やはり教科書、どういうものを使っていったら最も教育効果が上がるというふうに考えるのかと、様々あろうかというふうに思います。そういう意味で、大変重要だけれども難しい問題だというふうに思います。
 御提案のあった法曹三者が作る正確で分かりやすい実務者養成用の教科書についてちょっと部内でも議論してみましたけれども、法曹三者が一致してまとまるようなものを作るのはなかなか困難ではないだろうかというような意見も多々出たということでございます。

○中村哲治君 大臣、検討した上で困難ではないかという意見があったと、だからこそ、やってみる価値はあるんですよ。法曹三者が話し合って教科書を作ろうとしてまとまらないという、誰がまとまらなかったのか、それも全部オープンにしてやっていけば、そういうところで問題点も見えてくるかと思われるので、それは是非検討していただきたいと思います。
 それで、この議論というのは、いかに教育をしていくのかという、教育プロセスを標準化いかにしていくのかという、そういうふうな問題であります。これで教科書ともう一つ重要なのは、やはり教え方、講義の内容をいかにしていくのかということでございます。
 私は、政府の法務省と文科省でつくっていたワーキングチームのときでも申し上げて提案させていただいたことがあります。それは、未修者用には特に全国共通のビデオ講座をつくった方がいいのではないかということでございます。
 具体的には、各大学が競ってライブの講座をビデオに撮る、登録されたビデオ講座は各法科大学院の学生ならば誰もがそのビデオを見ることができ、勉強することができる、そして評価の高かった講座についてはアーカイブ化をする、そして次年度からネットで公開をすると。そのことにより、予備試験を受ける人や法科大学院に進もうと検討している人が学ぶための教材とすることができます。このような全国共通ビデオ講座があれば、アジア諸国に法曹養成制度を広めていく法制度整備支援にも活用できると、そこまで視野を広げることができます。
 大学では難しいのかということもあるかと思いますけれども、法科大学院協会に検討を促すつもりはないか、文科省に伺います。
 また、先ほどとも関係してきますけれども、大学では難しいということであれば、法曹三者でつくることはできないか、この点については法務省に伺います。

○大臣政務官(城井崇君) お答えを申し上げます。
 先ほどの教材のお話と同様になるかと思いますけれども、ビデオについても、その中身、教育内容ということでは各法科大学院の創意工夫による独自性、多様性を尊重するというところがやはりベースになろうかというふうに思います。
 その上でですが、特にビデオという特性から申しますと、何というか一方的になってしまうのではないかと。人を見て法を説けという先達の言葉がありますけれども、やっぱりそこはお互いに顔が見えて双方向でというところが基本なんではないかと。そういたしますと、その部分が担保できるんだろうかというところの心配もありつつでありますが、そういうところも頭に置きながらでありますけれども、そうした講座を例えばビデオに撮って活用するということは選択肢だと思いますけれども、それをいわゆる国が推奨して全国共通でという形が本当にいいのかどうか。先ほどの創意工夫、多様性というところを頭に置くならば、仮にそれを行うにしても、文部科学省側から、国から検討を促すという形よりも、むしろ各法科大学院が知恵を結集するという形でお話しいただくという形の方が適切なんではないかというふうに存じております。

○国務大臣(平岡秀夫君) 基本的には、今、城井大臣政務官が言われたこと、私も同感でございます。
 各法科大学院で、やはりお互いにいい教育をどうしてやっていったらいいのかという、そういう競争というものも必要だというふうにも思いますし、是非、各法科大学院でどういう教育をするのかについてしっかりと検討していっていただきたいと、このように考えています。

○中村哲治君 ということですので、やはり多様性、独自性という法科大学院のメリット、特徴があるわけですから、そういったことも含めて講座内容を公開してもらうということにつながるわけですね。そうすると、やはり司法試験を受けたい人、自分が法曹を目指したい人が法科大学院を選ぶときに、公開されている講座が幾つかあれば、あっ、この先生はこういう教え方するんだなと、どういう双方向のやり取りがあるんだなということで、それをチェックすることが利用者側からできるわけです。
 私は何も国の側から推奨してよと言っているわけじゃなくて、こういう形をやったらどうですかというような形でやはり法科大学院側に提案をしていくと、そういうふうな枠組みづくりが政府としては必要なんじゃないかと考えているんですが、城井政務官、もう少し答えていただけますでしょうか。

○大臣政務官(城井崇君) 委員御指摘の趣旨は大変大きな部分があるというふうに思いますので、受け止めさせていただきたいというふうに存じます。

○中村哲治君 司法試験の在り方にまた戻ります。
 司法試験や予備試験の合格基準についてはどのような基準を設けるべきなのかということは一つ議論になろうかと思います。今、司法試験考査委員や予備試験考査委員が内部で決めているということなんですけれども、その決め方について、それじゃ客観性がどのように担保されているのかということが一つ問題だという声も、そういう指摘もあります。
 私が一つ提案させていただきたいのは、例えば、入って一年目の検察官や裁判官に司法試験や予備試験の問題を解いてもらう、そしてそのときの得点分布などを参考にして合格の基準を決めるような資料にすると。
 今、司法試験に関しても予備試験に関しても、その試験内容、そして合格の点数を決めるのは考査委員なんですけれども、そのときの資料を用意するのは大臣官房人事課でありますので、そのような資料として、このような取組で、入って一年目の裁判官や検察官の解いた得点分布というものを参考資料として付ければいいんじゃないかと、そうすると客観性が担保できるんじゃないかというふうに考えているんですが、この点についてはいかがでしょうか。

○国務大臣(平岡秀夫君) 委員御案内のように、司法試験あるいは司法試験予備試験については、委員会制度の下で中立性、独立性のあるものとして、各試験の合否判定はその委員会に置かれた司法試験考査委員又は司法試験予備試験考査委員において専門的見地から行われているということでございます。そういう仕組みを取って委員の合議によって判定をしているということでありますので、基本的には司法試験委員会においてどういうふうにするのが最も適切な判断ができるのかということを考えていただく問題ではないかというふうに思います。
 今私の方から司法試験委員会等に対して、こういうふうにすべきだ、ああいうふうにすべきだということについてのコメントをすることについては適当でないと思いますので、その点については差し控えさせていただきたいというふうに思います。

○中村哲治君 私は、そのようにすべきと法務大臣に委員会の方に言ってくれと言っているわけじゃないんです。今それを徹底するのであれば、事務方も大臣官房人事課が行うのもおかしいわけですよ。いろいろな資料の整理をするのもおかしい。
 そうではなくて、資料の整理をするときに、その資料の一つとして、入ってきた一年目の裁判官や検察官が試験を受けた場合にはどれぐらいの点数が取れました、どういうふうな答案でしたというふうなことを考査委員の方々にお示しをすると、そういうことは一つの資料の提供としていいのではないかということなんですけれども、御認識はいかがでしょうか。

○国務大臣(平岡秀夫君) 法務省の事務方が司法試験委員会のお手伝いをするといいますか、事務局として活動しているということはまさにそのとおりでありますけれども、あくまでもこの司法試験委員会の判断の下といいますか指揮の下といいますか、そういう下で行われているというふうに私としては承知しておりますので、その範囲内でどういう判定の仕方をするのがいいのかということについての情報提供ということについてはしていければいいと思いますけれども、あくまでもそれは司法試験委員会の判断の下で、指揮の下で行われていくべき問題だというふうに思います。

○中村哲治君 また、別の考え方としては、考査委員が自分の専門以外の問題を解いてみると。実務家として必要な知識を問うのであれば、そのような幅広い知識を見るということであるのであれば、専門外のものでどれぐらい解けるのかということをやってみて、それを採点の基準にしていくと、そういうことも考えられると思うんですけれども、これについては答えられないということでしょうかね。

○国務大臣(平岡秀夫君) これは法務大臣としてというよりは一法律を勉強した者としてという感じで聞いていただければというふうに思いますけれども、そういう形にすると、考査委員になっていただける方が限られてくるといいますか、何となく気が、腰が引けてしまうんではないかというふうなところを危惧するところでございます。

○中村哲治君 それでは、これで質問を終わります。ありがとうございました。

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