政府公表資料等情報

衆院法務委員会平成23年12月06日より抜粋、下線は筆者

○階猛委員 おはようございます。民主党の階猛です。本日は、質問の機会を与えていただきまして、ありがとうございました。
 裁判所法の一部を改正する法律案、これは法曹養成に絡む問題で、私もたびたびこの委員会で取り上げさせていただきました。ただし、私は、この給費制か貸与制かという問題は、法曹養成制度が抱える問題全体の中ではごく一部、しかも枝葉の部分にすぎないという理解でございます。
 なぜそう思うかについて、お手元の資料、まず一枚目をごらんになってください。これは、総務省の行政評価局でつくった資料でございますけれども、法科大学院(法曹養成制度)の評価に関する研究会報告書、二〇一〇年十二月の資料から抜粋したものでございます。
 法曹人口の拡大及び法曹養成制度の改革に関する政策の体系のイメージをちょっと図にまとめたものでございますけれども、そもそも、司法制度改革の基本理念というのは、自由かつ公正な社会の形成に資するということで、大きく三つの理念があった。「国民の期待に応える司法制度の構築」、これは法テラスという形で具体化されている。それから、右側の「司法制度の国民的基盤の確立」、これは裁判員制度という形で具体化されている。
 さらに、ここで問題となっているのが、この真ん中の「司法制度を支える体制の充実強化(人的基盤の拡充)」というところでございまして、多数の法曹の養成及び確保を目指すんだということで、その下の矢印、「法曹人口の拡大」と「法曹養成制度の改革」ということをやっていこうというのが平成十四年三月の閣議決定でございます。
 法曹人口の拡大の方では、平成二十二年ころには司法試験の合格者を年間三千人、法曹養成制度の改革では、法科大学院を中核とし、法学教育、司法試験、司法修習を有機的に連携させた新たな法曹養成制度を整備するということで、その法曹人口の拡大と法曹養成制度の改革に係る主な施策が下の方のフローチャートでございまして、司法修習は、右側の方に掲げてありますけれども、合格した後の話でございまして、その前にいろいろな関門があります。
 まず、左から、「適性試験」、これは法科大学院に入る能力があるかどうかということを検査するための試験でございますが、法律に無関係な試験で法科大学院の適性を見るということが果たして機能するのかどうか。かつ、法科大学院の入試の選定基準に当たって、適性試験の成績が必ずしも考慮されなくていい仕組みになっているというのも、どうとらえるべきかという問題があります。
 それから、「法科大学院」というところでは、ここに掲げている「主な目標」、修了した者のうち、七、八割が新司法試験に合格できるよう努めるとか、あるいは入学者の三割以上は法学未履修者等というふうになっていますけれども、これがいずれも達成できていないということはかねがね御指摘しています。
 さらに、法科大学院では学費の問題もあります。国立で二百七十一万、私立で四百二十七万、大体かかると言われております。また生活費も、二年間であれば大体六百万ぐらい、三年間であれば九百万ぐらいかかる。こういうことで、そもそも、法科大学院があることによってお金持ちしか法曹になれないということが生じているのではないかということがあります。
 お金がかかった上で、先ほど言ったように、新司法試験に七、八割は受かっていない。さらに三千人合格目標というのも、達成されていないどころかまだ二千人ほどです。そして、新司法試験が受からなかった人たちには三振制というペナルティーがありまして、五年間で三回失敗すればもはや受験資格を失って、平均して三百五十万程度借金が残るというふうに言われていまして、まさに、借金だけが残って何も残らない、二重ローンのような問題です。
 そして、予備試験というルートもあるにはあるんですけれども、これも後で指摘しますけれども、非常に狭き門です。
 そういう関門を経た上で司法修習になるわけでございまして、司法修習の前にいろいろ解決すべき問題があるのではないかということです。
 質問に移りますけれども、法務大臣にお伺いします。
 法曹養成制度のあり方全体について速やかに検討を加え、その結果に基づいて順次必要な措置を講ずると昨年のこの委員会で決議しました。一方で、法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律、いわゆる連携法附則二条の検討条項では、施行後十年を経過した場合、必要があると認めるときに、法曹養成制度の検討を行う、そしてその結果に基づいて所要の措置を講じるとなっておりますけれども、私は、こういう悠長なことではいけないと思っていまして、検討条項の文言にかかわらず、法曹養成制度全体について早急に見直すべきだと思っていますが、その決意について、大臣にお伺いします

○平岡秀夫国務大臣 階委員の御質問にお答えいたしたいと思います。
 今、階委員から御紹介がありました昨年の法務委員会の決議に基づいて、我々の方では、内閣官房、総務省、法務省、財務省、文部科学省及び経済産業省で合意をいたしまして、法曹の養成に関するフォーラムというものを開催させていただいているところでございます。
 法曹養成制度のあり方については、さまざまな問題点が指摘されているところでございまして、決議に基づいて、全体的な見直しというものを行う、検討を行うということで進めているわけでありますけれども、これには一定の時間が要するものだというふうにも思います。
 ただ、フォーラムをつくるに当たってのこの法務委員会の決議と今委員が御指摘になりました連携法の附則第二条の検討条項との関係ということになりますと、我々の方では、このフォーラムでできる限り早くいろいろな結論といいますか、問題点の整理といいますか、してほしいということがありますけれども、附則第二条の規定というものもにらみながら、現在開催中のこのフォーラムにおいて本格的な検討を進めてほしいというふうに思っておりますし、フォーラムではできる限り早期に取りまとめを行う必要があるというふうにも考えているところでございます。

○階委員 大口委員にも後の方で質問したいので、なるべく端的にお答えをお願いします。
 そうしますと、検討条項については、にらみながらという表現もありますけれども、必ずしも拘泥されないということなんだと思います。
 それで、今後、もしこの閣法が原案どおり成立して一応貸与制になるとしたとしても、法曹養成制度のあり方全体を見直すわけですから、見直しの結果、貸与金の返還時期が到来する前に給費制を復活させるべしという結論が出れば、今貸与制でお金を借りた人の返還義務も免除されることはあり得べしという理解でいいのかどうか。明快に、端的に御答弁をお願いします。

○平岡国務大臣 ちょっと今、階委員の方から附則第二条の規定にこだわらないという表現がありましたけれども、あくまでもこれは法律で決まっている話ですから、一応こだわらなければいけないとは思います。ただ、十年たったらすぐに結論が出せるようなということを頭に置きつつというような意味で申し上げたところでございます。
 今の御質問の点ですけれども、返還義務が免除されるのかという点について言えば、これは我々としては、いろいろな見直しをする中でどういう結論が出てくるかわかりませんけれども、純粋に法律論的なものを言えば、立法上の措置によって免除をすることについては、法制的に不可能なことではないというふうには思っております。

○階委員 ということで、あくまで今回の閣法は、未来永劫貸与制にするということではない。これは、理論的にもそうですし、我々政治家が覚悟を決めてやれば必ずそうなるということを確認させていただきました。
 その上で、個別の論点に入っていきます。
 文科省に伺います。
 適性試験と法科大学院は文科省の所管だと思います。法科大学院については、修了者の七、八割を合格させるという目標や、入学者に占める非法学部の出身者あるいは社会人の割合を三割以上にするという目標の達成からどんどん遠ざかっているということは、前にもこの委員会で私の方から指摘させていただいております。法科大学院を中核とした法曹養成制度の改革、先ほどの資料一にもありましたけれども、この改革は失敗と言わざるを得ないのではないかと思っていますけれども、この点について、政務官、城井さん、いらっしゃっています。お答えをお願いします。

○城井崇大臣政務官 お答えを申し上げます。
 両論あるというふうに認識をいたしております。一方で、多様な経験、能力を有する法曹を多数輩出しているといった点では相応の成果ということも言えるかもしれませんけれども、実際には、新司法試験の合格率の低迷、そして法曹志願者の大幅な減少といった点では、制度全体が悪循環に陥っているという指摘があるということは承知をいたしております。
 その上でですが、これを好循環に変えていくためにはということで、まず制度が抱える問題の共通理解を深めること、そして見直し、改善に取り組むということを、これまでも、先ほど大臣からも御指摘のありましたフォーラムなどにおきまして、関係者が現在議論を行っているところであります。

○階委員 率直な御答弁、ありがとうございます。
 今までこの委員会で余り指摘されていなかった事項について、また城井さんにお伺いしたいんですが、今御答弁にありましたとおり、適性試験の志願者、法科大学院の志願者、そして法科大学院の入学者がいずれも激減してきています。それに連動して、大学法学部の入学者も減少してきていると伺っています。こういったことが大学の経営にも悪影響を及ぼしているのではないかと思っています。
 資料三というのをごらんになってください。これが激減の状況を示したものです。左上から、法科大学院適性試験の志願者数の推移ということで、見事に右肩下がりです。二十三年度から棒グラフが一本になっているのは、適性試験を実施する機関が一つになったからでございまして、この七千八百二十九という数字でとらえてみても、前年の多い方の数字、八千六百六十四よりは減っている。また、法科大学院志願者数の棒グラフも右肩下がり。法科大学院入学者数の推移も右肩下がり、かつ、法学未修者についてはさらに右肩下がりの度合いが大変強うなってございます。
 そうしたことで、城井政務官には、大学の経営への悪影響の点についてどうお考えになっているか、お願いします。

○城井大臣政務官 お答えを申し上げます。
 議員御指摘の点について、事務方から報告をいたさせまして確認をいたしておるところでございますが、法学部の入学者の減少についてでありますが、法科大学院の志願者数等とどのように関係しているかというところは必ずしも定かではないというふうに思っております。
 ただ、その上ででありますが、法科大学院導入をした後の法学部の教育については、それぞれの大学が特色を発揮し、独自性を競い合う中で、全体としての活性化が期待されるという考え方が司法制度改革審議会の意見書においても示されているということでありまして、その実態を踏まえて充実のあり方を今後検討してまいりたいというふうに存じます。

○階委員 そうすると、まだはっきりとした悪影響というのは把握していないということで受けとめてよろしいですか。

○城井大臣政務官 お答えを申し上げます。
 法科大学院の志願者自体の減少というところの把握はしておるわけでありますけれども、そこが、いわゆる法学部との関係というところについて、具体的にこういう部分があるからというところが、特に今、まずは国立大学のあたりから確認をしておりますが、そこはまだ確認ができていないということでありまして、引き続き検討を続けたいと思います。

○階委員 いずれにしても、法科大学院については定員割れというところも多数あって、それ自体が経営の足を引っ張っているということはあると思うんですね。
 さらに加えますと、優秀な学生が、今までだったら、研究者になろうとしていた人が、まず法科大学院に進んで、修了後に司法試験に合格して法曹になってしまう。その結果、研究者になろうとする人材が減る。そうなると、学問としての法学を支える人材が減って、法学の発展を阻害するのみならず、法学部や法科大学院の教員が減少して、ますます教育の質が下がるのではないかという懸念もあるんですが、この点についてはどうお考えになっていますか。

○城井大臣政務官 お答えを申し上げます。
 法科大学院のカリキュラムにおきまして、研究論文の作成や外国法といった研究者養成に必要な基礎的な教育が十分なされる体制になっていないという指摘があることは十二分に承知をいたしております。
 このために、例えばでありますが、東京大学や京都大学におきましては、実定法学研究後継者や法科大学院教員の養成のための体制を強化するための取り組みを行っております。ほかの大学については、そうした取り組みの波及を期待したいという状況にとどまっているというふうに思っておりまして、文部科学省といたしましては、こうした取り組みを支援することによりまして、法科大学院の教員の養成、教育の質の向上を促進してまいりたいというふうに思っております。

○階委員 それから、従来の司法試験が、予備校での受験教育に頼って、それを経て合格していることによって、余り法曹の質がよくなかったんじゃないかという問題意識から、法科大学院では受験指導はやらないという方針だったと思うんですが、法科大学院の第三者評価基準が昨年三月に見直されまして、司法試験の合格状況なども第三者評価基準に含まれたということで、これは当初の理念に反して、私は法科大学院の受験予備校化を招く自殺行為ではないかと思っているんですが、この点については文科省はどういうふうにお考えですか。

○城井大臣政務官 お答えを申し上げます。
 認証評価機関による法科大学院に対する評価について、平成二十二年四月に、文部科学省令を改正いたしまして、質の評価に軸足を置いた評価基準方法への改善を行ったところであります。具体的には、先ほど御指摘のあったように、「法科大学院の課程を修了した者の進路(司法試験の合格状況を含む。)に関すること。」を評価項目に加える等の改正を行っているところであります。
 ただ、この項目につきましては、法曹養成の中核的機関という法科大学院の設置目的にかんがみて、司法試験の合格状況等を含む法科大学院修了者の進路について適正に評価することが求められるということから加えられたものであります。
 なお、この項目につきましては、平成二十二年三月の本改正に際して、その趣旨や留意事項を各法科大学院に通知しているところでございますけれども、その中に、法科大学院の修了者の進路については、司法試験の合格状況や法曹三者への進路のみではなく、受審法科大学院の掲げる人材育成の目標を踏まえた、企業や官公庁などの多様な職域への進路を含むものであるということに留意する必要があるということ、また、司法試験の合格状況については、単に司法試験合格率などの数値的指標のみで判断するのではなく、合格状況の分析やその改善に向けた教育内容、教育体制の見直しが適切に行われているかなど、法科大学院の取り組みについて総合的に評価される必要があるということを示しているところでございます。
 今後も、そうした趣旨を十分に踏まえて周知をしてまいりたいというふうに存じます。

○階委員 一方で修了者の七、八割を合格させるという目標が達成できず、その改善が迫られる、また一方では受験予備校化を防ぐ、こういうはざまの中で、今のは大変苦しい説明だったと思います。
 こうしたことから、私は政策仕分けでも指摘させていただきましたけれども、法科大学院というのは、制度のあり方そのものを抜本的に見直す、廃止も含めて抜本的に見直すことを主張しまして、そういった制度のあり方そのものを抜本的に見直すことを検討すべきという仕分けの結論になっています。
 今後、どのようにその検討を進めていくのか。政務官、お願いします。

○城井大臣政務官 お答えを申し上げます。
 先日の提言型政策仕分けでも、法科大学院につきましては、入学定員の適正化を計画的に進めること、産業界、経済界との連携をとりながら法科大学院制度のあり方そのものを抜本的に見直すことを検討することが指摘されたことは承知いたしております。
 その上ででありますけれども、基本的には、これまでのいわゆる法曹の養成に関するフォーラムでの関係者の議論というところが基本でありますけれども、文部科学省といたしましては、このたびの提言型仕分けを受けまして、タスクフォースを設置いたしまして、そうした中教審ですとかあるいは法曹養成に関するフォーラムの議論に先駆けて、しっかり方針を示していこうということで、取り組みを加速することというふうにいたしております。
 今後、議員の御指導をいただければと思います。

○階委員 ありがとうございます。
 それでは次に、新司法試験と予備試験について、今度は法務省の管轄になるかと思います。
 資料四というのをごらんになってください。
 これは、やはり総務省の行政評価局がまとめたものでございますが、平成二十二年のデータなんですが、新司法試験の合格者と不合格者の得点の状況を示したものでございます。
 合格した人数は、この真ん中やや上に合格者二千七十四とありまして、合格率は二五・四%なんですが、得点率でいいますと四九・二%、満点を一〇〇%として四九・二%とると合格できるということでございます。点数でいうと千五百七十五点満点中七百七十五点ということなんですが、その下、七百七十四点から七百二十四点、最低合格ラインとの差が一点から五十一点の幅に何と九百三十八人が入るということでございまして、もしこの九百三十八人を合格させていれば三千人という目標は達成できていたわけでございます。
 一方で、なぜ七百七十五が合格最低ラインなのか。はっきり言って、この得点率を見ていただくと、四九・二というのがよく意味がわからない数字なわけです。例えば五〇パーなら五〇パーで切るというならまだわかるんですけれども、四九・二で切るというのがよくわかりません
 三千人を目標にして、上位三千番に入れば合格できるというふうに受験者は思っているはずなのに、実際には、法務省の説明では、これは競争試験ではなく資格試験で、上位三千番に入っていても合格基準をクリアしなければ不合格になるという御説明を受けています。しかし、今申し上げたように、三千番目の試験成績は最低合格ラインからさほど離れていません。最低合格ラインがなぜ四九・二%なのかということも意味がわかりません。
 なぜ三千番目を不合格にしなくてはならないのか、受験生が納得できる説明をいただければと思いますが、いかがでしょうか。

○平岡国務大臣 御案内のように、司法試験の合格者というのは、専門的見地から司法試験考査委員の合議によって判定され、司法試験委員会において決定されているということでございます。そのときに、先ほど委員からもお話がありましたように、資格試験といいますか、この司法試験というのは、裁判官、検察官または弁護士となろうとする者に必要な学識及びその応用能力を有するかどうかを判定するということでやっておりますので、まさに専門的見地から判断していただいているというふうに考えております。

○階委員 私は、全くそれでは説明になっていなくて、受験生が聞いたらとんでもないと思うと思います。そこが明確に説明できない以上は、資格試験という旗はおろし、三千人という合格目標も変更すべきだと思っています。
 資料五というのを見ていただきたいんですが、これは、司法修習生の進路の内訳ということで、新司法試験に合格して修習を終えた人のうち、弁護士に登録していない人の割合というのが示されております。
 未登録者割合が真ん中より左側のところに書いてありますけれども、新六十期は三・三%だったのが、新六十一期は五・一%、新六十二期は六・七%、新六十三期になりますと、何と二けた台、一一・〇%に上がっている。もちろん、それは、右側の方には、その後、月を経るごとに徐々に登録する人はふえてきて、未登録者数は減るわけでございますけれども、とにもかくにも、昔はこんなことは考えられなかった、修習が終わったらすぐ登録するというのが当たり前だったのが、もはや当たり前ではなくなってきているということでございます。
 こうしたことから、現実問題として、合格者二千人とか、もっと少なく目標を見直すべきではないか、これは前回の質問のときも指摘しました。ここでは答弁は求めません。
 それからもう一つ、予備試験について。資料六をごらんになってください。
 これはことし初めて実施した予備試験の結果を示したものでございまして、右側に私の事務所の方で手書きで加えた数字がありまして、受験者のうち最終合格者がどれぐらいの割合になっているかということを示したものでございます。
 見ていただきたいのは、一番下の一・八%、これは全体の中の最終合格率。一・八%、極めて低い数字です。それに加えて、「法科大学院修了」という項目が上の方にあると思いますが、法科大学院を修了して最終合格した人は五・七%なんですね。法科大学院を修了すれば無条件で新司法試験の受験資格が与えられるはずなのに、予備試験を受けると五・七%しか最終合格できず、したがって、予備試験を合格して新司法試験の受験資格を得られる人はごくごくわずかということでございます。これは余りにも法科大学院を修了した人の合格する割合が低いということでございまして、矛盾があるのではないか
 どちらかの理由があると思います。一つは、法科大学院の教育が極めて質が低い。もう一つは、予備試験が極めて狭き門になっている。いずれにしても、この予備試験のありようは大変問題があって、もっと門戸を広げるべきではないかと思っています。これも指摘するにとどめます。
 それからもう一点、三振制度についても前回も指摘させていただきました。
 法科大学院修了の七、八割が合格という目標も、合格者三千人という目標も達成されていない状況に加えて、今申し上げた、予備試験に通ることも至難のわざで、予備試験に通って新司法試験の受験資格を得て再チャレンジするということも至難のわざです。こうしたことを考えると、三振制度は全体の見直しの中でもまず真っ先に廃止すべきではないかということも、前回に引き続き指摘させていただきます。
 そして、司法修習について、これはお尋ねしますけれども、法務大臣は弁護士資格を有するということでございますが、お聞きしたところによりますと内閣法制局に勤めていたということで、これは五年以上勤めると、司法修習を受けなくとも弁護士資格が取れるということなんですね。
 資料七をごらんになってください。
 そこで、調べてみますと、弁護士資格認定制度というものがございまして、司法試験を受かりさえすれば、例えば企業法務の担当者だと、七年以上従事する、その後、認定を申請、以下手続がありますけれども、そういう流れで弁護士資格が得られるまた、国会議員とか、大臣がお勤めになった内閣法制局の参事官では、五年以上在職すれば弁護士資格を得られる
 きょうここで問題になっている、司法修習生の経済的負担をいかに軽減するかどうかという論点の関係でいうと、私は、この弁護士資格認定制度を広げていけば、修習を経ずに、その間の生活費の負担などもなく弁護士資格を得られるのではないかと思っていまして、そういう選択の幅を広げるべきではないかというふうにも思います。
 例えば、国会議員が五年で弁護士資格を得られるというのは、私は企業法務の担当者もしておりまして、企業法務が七年かかるのに何で国会議員は五年で済むのかなと思っております。正直言って、私は企業法務をやっていたときの方がよっぽど法律に精通していたと思います。そういうことを言ってはまずいですけれども、実際問題そうだと思いますよ。確かに立法の作業にはかかわっていますけれども、多くのことは事務方がやってくれて、我々は大きな方針を決めるだけですので、実務能力という点でははるかに企業の法務部にいた方が研さんを積むわけで、私は、国会議員五年を前提とするなら、企業法務の担当者とかあるいは公務員でそういう仕事に携わる方は三年ぐらいでもいいんじゃないかと思っています。
 大臣に、この点について御所見を伺います。

○平岡国務大臣 国会議員については、当時、この法改正をするときにその議論をして、私も本会議場で、おかしいんじゃないかということで文句を言った経緯がありますので、意見としては余り変わらないと思います。
 ただ、今回我々の提案させていただいている法案との関係でいけば、法曹資格を得るまでの経済的負担とは弁護士資格認定制度というのは無関係の制度であるというふうに我々としては考えております。この間口を広げるかどうかということについては、別途いろいろな議論をしていただけたらというふうに思います。

○階委員 それから、修習のときの経済的負担に配慮する仕組みとして、私も修習生をやったときに、やはり家族持ちですから、借金をしないと給費制でも生活できないんですね。反面時間的な余裕は企業に勤めていたときよりも全然あるわけで、時間的余裕がある中で、兼業ということもでき得る限り認めていいのではないかと思っています。時間が参りましたので質問はしませんけれども、そういったことも御検討いただきたい。
 それから、大口先生には、済みません、通告しておきながら時間の関係で申しわけなかったんですけれども、法曹養成制度全体を見直さなくちゃいけないという御党の主張には全面的に賛成しておりますし、それを早急に進めていかなくてはいけないということは共通でございます。ただ、前段で確認したとおり、今回閣法で出している貸与制というのも、これが未来永劫続くというものではございません。未来永劫続くというものではなくて、仮に貸与制にしても、途中から給費制に変えて、そして既に貸与制の適用を受けた方も返還義務を免れるという余地もあるということも御理解いただければと思っておりますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。
 質問を終わります。ありがとうございました。

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