政府公表資料等情報

衆院法務委員会平成23年12月06日より抜粋(下線は当サイトによる)

○中屋大介委員 民主党の中屋大介です。
 きょうは、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。裁判所法の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。
 先ほどの階委員の質疑の中でももう既に出てきた数字で恐縮なんですが、最初に三問、法務省にお尋ねして、司法制度改革の全体像というところをまず確認させていただきたいと思います。
 このたびの司法制度改革の特徴として、司法試験の合格者数を増加させようという問題意識が存在していたことは事実だと思いますが、実際のところ、この司法制度改革が始まる前と後とで合格者数はどのように推移してきているのでしょうか

○谷博之大臣政務官 お答えいたします。
 司法制度改革以前の司法試験の合格者数については、長きにわたって五百人前後で推移しておりまして、平成元年の合格者数は五百六人です。その後、合格者数は少しずつふえてまいりまして、司法制度改革審議会意見書が提出された平成十三年には九百九十人に伸びております。
 司法制度改革によって導入された新司法試験は平成十八年から実施されておりまして、平成二十三年までは新司法試験が並行実施されたところ、新旧司法試験を合格した合格者数については、平成十八年は千五百五十八人、その内訳は、新司法試験が千九人、旧司法試験が五百四十九人ということでありました。その後、増加して、現在では毎年二千人以上が司法試験に合格しております

○中屋委員 ありがとうございます。
 司法試験の一年度当たりの合格者数というのは長きにわたって五百人前後であったものが、これまでの期間で既に約四倍にふえているということですね。このことは、今回の裁判所法の一部改正に関して重要な前提条件であるというふうに私は理解をしています。合格者数そのものが増加をしないという状況であるならば、ほかの政策を実施するためにこのような意向があるんだというような話も出てくると思うんですけれども、合格者数そのものは、もちろん三千人という掲げられた目標にまだ届いていません、まだ届いていませんけれども、二千人にまではふえている。年々着実に増加してきて、今二千人には及んでいるということは指摘をしていきたいと思います。
 そこで、ここでまた一つ、かつての司法試験の周辺の風景を振り返っておきたいと思います。
 かつて中学校や高校で配られた職業教育のプリントや冊子を思い出しますと、司法試験というのは日本で最も難しい試験というふうに書いてあった記憶があります。それはもちろん現在でも基本的に変わっていないと思いますが、例えば旧司法試験の時代、大学に入学しますと、司法試験の予備校が早速学内で入学の案内のパンフレットをどんどん配っておりまして、せっかく受験勉強が終わって大学生になったのにまた勉強するのかと友達同士で冗談を言い合った記憶があります。ダブルスクールという言葉も普通に使われていたと記憶しています。そして、そのころは、司法試験に合格するということは、その出題範囲の膨大さやまた難しさとも相まって、一般の国民から見れば、ある種の超人的な目標をなし遂げた人というようなまなざしというのもある種あったというふうに思います。
 そこで、お尋ねしたいと思いますが、法曹養成制度改革の際に言われていたことというのは、司法試験合格者数の増加とあわせて、司法試験のあり方そのものに対する問題意識もあったと記憶していますけれども、旧司法試験制度におけるいわゆる一発試験の弊害ということでは、どのようなことが言われていたのでしょうか

○谷大臣政務官 お答えいたします。
 先生の御指摘いただきました一発試験の弊害、これについては司法制度改革審議会の意見書にもそのことが触れられておりまして、いわゆる司法制度改革以前の旧司法試験については、開かれた制度としての長所を持つものの、受験競争の激化、合格率の低下によって、一つは、受験生の受験技術優先の傾向が顕著となって、法曹の質を確保する、そういう上で重大な問題が生じている、二つ目には、長期間受験しても結局合格できない多くの司法試験浪人が生じること、こういうことによる社会的損失が看過しがたいというようなことで、こういった弊害が指摘をされ、そういうことがあるというふうに認識をいたしております。

○中屋委員 ありがとうございます。
 受験技術に偏重したというところが一つあったと思います。そのことが、この法科大学院という制度の根幹にある、プロセスとしての法曹養成という概念につながっていったのだと思うんですが、私は、そのプロセスとしての法曹養成という考え方の中で、一般教養あるいは幅広い教養ということが、また、人材の多様性ということが挙げられていると思います。
 この幅広い教養が新時代の法曹を担う人材にとって必要である、あるいは多様な人材が入ってくるということが新時代の法曹にとって重要であるということは繰り返し指摘をされていることなんですが、そのような法曹人材が社会の中にふえていくということの意義について、御所見を伺いたいと思います。

○滝実副大臣 お答えをさせていただきます。
 基本的には、裁判官であれ、検事であれ、あるいは弁護士さんであれ、社会の中のあらゆる分野の事例に直面するわけでございますから、当然、法律だけにではなく、社会全体のことが判断できるだけの能力、訓練が必要なわけでございます。そういう意味で、今御指摘のように、法科大学院というものを主体とした法曹養成ということになっているんだろうと思います。
 したがって、今も御指摘いただきましたように、社会人の経験者も法科大学院の中には受け入れる、あるいは法学部だけでなくて他学部の卒業生も受け入れる、こういうことで出発いたしておりまして、文部科学省の基準でも、そういった法学部関係以外の人たち、約三割はそういう人たちで受け入れるように、こういう基準まで設定しておりますので、仕組みとしては、今御指摘のようなことを当然初めから前提にして今日まで来たというふうに認識をいたしているところでございます。

○中屋委員 ありがとうございました。
 法科大学院の重要性ということを改めて確認することができたと思います。
 そこで、次に、法科大学院の現状についてお尋ねしたいと思います。
 法科大学院に在籍しておられる方やこれを修了された方とお話ししておりますと、とにかく、制度開始の当初言われていた条件と随分違うじゃないかという不満とか不信の声が強いというふうに私は思っております。とりわけ、合格率が、当初言われていた、法科大学院に入学すれば七割、八割が合格するということではなくて、それよりもかなり低いではないかということが言われていると思います。
 それで、文部科学省にお尋ねしたいのですが、法科大学院の近年の運営状況について、特に合格実績などの成果が上がっていない学校への対応については、現在どのようになっているでしょうか。また、これは法学系に限らず、文系の研究者に関しては共通する課題だと思いますが、地方に所在する法科大学院の振興の状況についてもお考えを伺いたいと思います。

○常盤豊政府参考人 お答えをさせていただきます。
 法科大学院の運営状況というお尋ねでございますけれども、法科大学院につきましては、これまで一定の評価がなされている一方で、一部におきまして、新司法試験の合格状況が低迷するなど、教育の質に課題を抱えているということが指摘をされております。各法科大学院におきましては、中教審の法科大学院特別委員会が提言をいたしました教育の改善方策を踏まえまして、教育内容の充実あるいは入学定員の削減等に取り組んでいるところでございます。
 入学定員につきましては、平成二十三年度までにすべての法科大学院が定員見直しを実施いたしまして、ピーク時に比べて千二百五十四人、全体に占める割合としては二割減の、四千五百七十一人となっているところでございます。
 また、実入学者数につきましても、厳格な入学者選抜等に伴いまして、平成二十三年度は三千六百二十人と、ピーク時に比べて約四割減少という状況でございます。
 文部科学省といたしましては、中教審が実施する教育の改善状況の調査であるとか、深刻な課題を抱える一部の法科大学院に対する財政支援の見直しなどによりまして、引き続き、各法科大学院に対して、教育内容、方法の充実や入学定員の削減を初めとした組織見直し等の改善を促してまいりたいと考えております。
 また、地方の法科大学院の役割ということでお尋ねをいただきましたが、地方の法科大学院は、地元に密着した法曹の養成であるとか教育を受ける機会の確保の観点から非常に重要であると考えております。司法制度改革審議会の意見書におきましても、地域を考慮した全国的な適正配置に配慮すべきとされておりまして、現在、北海道から九州、沖縄まで、全国的な広がりを持って設置をされているところでございます。
 文部科学省といたしましては、中教審の報告も踏まえながら、法曹養成機関としての機能、実績などに留意をいたしながら、適正な教育水準が確保されるように、入学定員の見直しあるいは統廃合などの組織見直しを促進していくわけでございますけれども、一方で、全国的な適正配置とか学生の学習機会の確保にも配慮できるように取り組んでいきたいというふうに考えております。

○中屋委員 ありがとうございます。
 ちょっと私の個人的な経験で、法科大学院に在籍したことはないんですけれども、大学院重点化の後の文系の大学院に在籍した経験もありまして、そのころの経験から、個人的な思いとして、特に大学院というものについては、出口戦略といいますか、それを出た後、それをどういうふうにその人が自分の人生に生かしていくのかということをしっかり考えないとかえって問題が生じるのではないかという問題意識を私自身が持っているものですから、今このような質問をさせていただきました。
 法科大学院の運営状況に関しては、特に中教審の方で、制度全体が悪循環に陥りつつあるというような非常に厳しい表現をなさったことを、私自身は、非常に大きなことというか、重たいことだと受けとめました。かなり踏み込んだ表現といいますか、強い表現だなというふうに思っております。
 文部科学省自身の役割として、教育機関がその本来の設置目的をしっかり果たしているかどうかということを監督するというか、本来の教育目的に合致した状況であるのかどうかということを見るというのは教育行政の、学校行政の基本的な役割だと思いますので、今後ともしっかり文科省の役割を果たしてもらいたいというふうに思っています。
 続いて文科省の方にお尋ねしたいと思います。先ほども少し触れましたけれども、多様な人材という概念に関連して、他学部の出身者など、いわゆる法学未修者の受け入れについてであります。
 法科大学院の制度としては、既修者の入学を主に想定した二年コースと未修者の入学を主に想定した三年コースの設置がいずれも可能であって、枠組みとしては法学未修者への配慮もなされた形になっていますけれども、未修者の合格率が既修者に比べて大幅に低く、直近では入学者数も低迷するなどしておりまして、何らかの対策が必要な時期に来ているのではないかと思います。
 私の問題意識として持っているのは、例えば法学部など学部教育で法学を体系的に学んだことはないけれども法曹の道への関心や志は持っているという人を想像したときに、少人数で密度の濃い教授を行うことを前提にして、期間当たりの授業料も一般に学部に比べて高額である場合が多い法科大学院にいきなり入学するということは、必ずしもすべてのニーズにこたえていないのではないかというふうに思っています。
 そこで、一つの提案なんですが、二年コースと三年コースという現行の形も残しながら、より低廉な学費で基礎的な事項を体系的に学習できる予科のような制度を充実させることはできないだろうか。例えば、法学部の学部教育の三年次への編入学、いわゆる学士入学、これは各大学で自主的に昔からある制度だと思うんですが、これをもっと拡充して使い勝手のいいものにするなどといったことも想定できると思いますが、いかがでしょうか。
 また、そうした大きな枠組みの話とは別に、現在の法科大学院制度のもとで、厳しいスタート地点からスタートしている法学未修者に対して何か経済的支援を充実させることはできないかとも感じます。
 法科大学院における法学未修者教育の充実に関して、文部科学省の御所見をお尋ねします。

○常盤政府参考人 法科大学院における法学未修者の教育については、非常に重要な課題であるというふうに認識をしてございます。私どもといたしましては、多様なバックグラウンドを有する人材を多数法曹に受け入れるという観点から、一つは未修者教育の充実という問題、それからもう一つは、経済的支援の充実ということが重要であるというふうに考えてございます。
 まず、先生からお話のございました法学未修者の教育の充実でございますけれども、現状の御説明ということになってしまいますが、中教審の法科大学院特別委員会の提言を踏まえまして、法学未修者につきましては、三年間の教育を行うわけでございますが、その一年目におきましては、法律基本科目を学修いたしますが、その基本科目の単位を増加して、より基礎的な部分の教育の充実を図ろうという方向が、提言が打ち出されております。それを踏まえて、文部科学省としては、省令改正を行いまして、そういうことが可能になるようなことを実現いたしまして、未修者教育の充実を図るということを進めているところでございます。
 それからもう一点、経済的支援策でございますけれども、経済的支援策につきましては、奨学金の貸与であるとか授業料減免措置が実施をされております
 このうち奨学金でございますけれども、日本学生支援機構が行う奨学金事業につきまして、法科大学院生に対する奨学金の貸与月額は一般の大学院生に対する有利子奨学金の上限に比べて高い金額も選択をできるということにしております。また、法科大学院生の中では、奨学金の貸与基準を満たす希望者については、現状においてその全員に対して奨学金を貸与できているというような状況にございます。
 授業料の減免措置につきましては、二十四年度概算要求におきましてその充実を図っているという状況でございます。
 以上でございます。

○中屋委員 ありがとうございました。
 では、また法務省への質問に戻りたいと思います。
 先ほど階委員も触れていただきましたけれども、若い法曹の方と話しておりますと、特に五年間で三回までという現在の受験回数の制限に対して、司法試験の合格率が当初言われていた七割、八割という数字になっていない以上、余りに過酷だという声が多く聞かれました。一方で、回数制限という発想そのものは、旧司法試験の時代に、合格するまでの期間が長期にわたる傾向が見られたことから設けられたものということも認識をしています。
 したがって、私の思いとして、回数制限を撤廃せよとまではいかないにしても、年数もしくは回数あるいはその両方において一定程度緩和するということは必要ではないかと思いますが、御所見をお尋ねします。

○滝副大臣 ただいま回数の問題について御質問がございました。
 当然、この出発点としては、当時言われておりましたのは、例の司法試験浪人、あたら青春時代を試験だけで埋めてしまうというのは、何となく人材の育成としてはいかがなのかということで、回数も設ける。あるいは、年数も、三年間連続で三回というのはいろいろな事情があって難しかろう、したがって、五年間という余裕を持って設定をしたということでございます。
 しかし、その後の実態を見れば、やはりいろいろな角度から検討するというのが委員の御指摘だと思います。現在政府で設定しておりますフォーラムにおいてもそんな問題を取り上げていく、こういうことにしなければいけないというふうに今受け取らせていただきました。

○中屋委員 ありがとうございます。
 さて、このたびの政府案は、経済的事由を理由とした奨学金の一時的な返還猶予の仕組み、これを新たに設けるということですけれども、今回この規定を盛り込むことの目的、趣旨について、改めて簡潔にお伺いできればと思うんですが。

○滝副大臣 この問題は、昨年の当委員会で、裁判所法の一部を改正して暫定的に給費制を設けるという一部改正法案が採決された折に、委員会の決議として実はつけられた問題でございます。
 その中で、個々に司法修習終了者の経済的な状況等を勘案した措置のあり方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずること、こういう決議の第一項、あるいは、その他の第二項ということに基づきまして、早速、司法修習終了後十五年以内の弁護士さん等について調査結果を出したところでございます。
 その調査に基づいて、十分な収入、所得を得ていない方々がおいでになる、こういうようなことが判明したものですから、そういうことも踏まえて、経済的な理由によってスムーズに返還できない場合等につきましても何らかの対応をするというのが今回の法案の基本的な目的でございます。

○中屋委員 ありがとうございました。
 もちろん、大きな、法曹養成制度全体が重要であるという認識は、私もそのとおりだと思っております。一方で、今回の改正案の審議という点では、給費制の存続かあるいは貸与制への移行かということもまた一つ大きな要素だと思いますが、この問題については、私自身は個人的に激しい葛藤を覚えながら、この間考えてまいりました。考えれば考えるほど自分自身の中に二つの思いが並び立って、どちらの側に立つべきかと非常に考えさせられました。政治とはそういうことなのかもしれませんけれども、大変苦しい思いをしたところであります。
 まず一つ目の立場は、現在、法曹を目指して日夜勉学に励んでおられる方々への心情的な共感です。
 この件に関しては、皆様御存じのとおり、若い法曹の方々やまた法科大学院に在学しておられる方々、修了生の方々から切々とした訴えを伺っております私自身、現在三十三歳ですが、約十年前、ほかの学部の文系の大学院に二年間、籍を置いたことがございます。また、友人の中にも、研究者を目指して頑張ってきた人たちが何人もおりまして、そういった方々のことを思うと、この決断というのは大変に重たいものだなというふうに感じております。
 学部時代の同級生たちが、社会に出て給料をもらって、社会人として手腕を磨いて、その結果、保護者も安心しているという、人生のレールに順調に乗っているのを横目で見ながら、ひたすら机や本棚やコピー機に向かっている日々でありまして、このことを思うとき、私自身の経験を幾つか思い出したんですが、個人的な経験ですけれども、二つをちょっと御紹介したいと思います。
 まず一つ、大学院生のときですが、学部時代の友人が結婚することになりました。結婚式に招かれまして、それで共通の友人からメールで、友人一同、それぞれ御祝儀は三万円でそろえようじゃないかという提案が来たんです。友人が持っていく御祝儀の金額としては大体常識的な金額だろうと思うんですが、当時、私には三万円というのは物すごい大金で、それだけの余裕がなくて、そのメールに対して、自分は頑張って一万円しか出せないから、どうか金額をそろえるということは勘弁してもらいたいという返事をして、気まずい雰囲気をつくったことを覚えています。今でも覚えているんですから、当時はかなり惨めな気持ちになったということです。
 もう一つ、大学院に入学するとき、学部でも奨学金を借りていましたので、修士課程の最後まで行けば合計で四百万円の借金を背負うことが確定していました。そのとき、ふっと不安になって、もし返し終わる前に自分が死ぬようなことがあったらどうなるだろう、親に借金を残してもし死んでしまったら本当に親不幸だなと思って、そういうときに親に心配かけないようにと思って、そのとき初めて、死亡保険金が五百万円ほどの、月々の掛金が二千円足らずの生命共済に加入しました。これは本当に切実な気持ちであったんです
 何が言いたいかといいますと、学部を出てそのまま大学院に進んだ若者にとっては、たとえ人生の先輩方にとってはそう大きくないように見える金額であったとしても、想像もつかない、途方もない大金なんだということなんです。今回、若い方々が連日声を上げておられたことの背景にそういった切実な心情があるということは、痛いほどに伝わってきました。
 しかし、なぜそこで私自身に葛藤が生じたかということなんですけれども、私自身はもう一つの問題意識も持っているからです。
 一つは、今回の貸与制への移行ということは、何年もかけて進められてきた司法制度改革において予定されていた内容でもあって、またしかも、司法試験合格者の大幅な増加とプロセスとしての養成ということと一体不可分のものであるということにかんがみれば、いつまでも従来の制度のままで残すということはできないだろうというふうに思うところであります。
 また、昨年の延長の際に指摘された事項を踏まえてフォーラムでの議論がなされ、今回、このような経済的事由による一時的な返済猶予という条項が加わったという経過を見ても、これ以上の延長は難しいのではないかなというふうに私個人は感じているところであります。
 最後に一言申し上げたいと思うんですけれども、大学生時代に飛び交っていた言葉の一つに、奨学金を借りるというのは今の自分が将来の自分に対して借金をしているんだということをよく言い合っていました。そうとも言えるんですけれども、この年齢になって奨学金をやっと完済したという喜びの声を周囲の友人から聞くときに、また別の見え方もしてきました
 それは、この期間、長い間お互いよくも何とか生き抜いてこられたなという実感であり、同時に、奨学金というものは、充実した高等教育を受けることでよりよい職業生活を、あるいはもっと広く、よりよい人生を生きようと決意した過去の自分から現在の自分に対しての投資でもあったということであります。
 法曹を目指す皆さんの人生が実り多いものであるということを私自身も心から願って、また、今後とも司法制度改革の議論に真摯に向き合っていきたいということをお誓いして、済みません、時間になりましたので、私の質疑を終わりたいと思います。
 きょうはありがとうございました。

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