政府公表資料等情報

衆院法務委員会平成23年12月06日より抜粋(下線は当サイトによる)

○橘慶一郎委員 ・・まず司法試験の問題から入らせていただきます。
 先ほど来からお話がありましたとおり、司法試験の考え方であります。資格試験ということで、絶対評価なんだろう、相対評価、いわゆるお互いに競争するというよりは絶対評価である、要するに基準に達したら、試験官の方がこれでいいというところに達したら合格をしていくんだというふうに私も受けとめさせていただいたわけであります。
 そこで、平岡大臣、一問目、二問目、まとめてお伺いいたします。
 一つは、三千人程度という目標との現在の、昨年の合格者数二千七十四人、ことしの合格者数二千六十三人というこの乖離というのは、要は、絶対評価による部分でそのめがねにかなっていないということであるということの確認と、あわせて、ということであれば、今度は、受験者の能力が備わってくれば、めがねにかなうんであれば三千人の合格者を出すということが、今でもそういう考え方で試験を運営されているのか、ここの点をまず導入で確認させていただきます。

○平岡秀夫国務大臣 お答えいたします。
 まず最初の質問でございますけれども、これも先ほど来からお話がありますように、司法試験というのは、法曹となるべき能力を持っているのかどうかということを判定するという観点から、司法試験考査委員の皆さんが合議で判定をし、そしてそれを司法試験委員会の方で決定するということでやっております。という意味においては、司法試験委員会の方で適切にその能力を判断した結果がこの二千人強というような状況になっているというふうに認識をしております。
 二つ目の質問でありますけれども、そうであるならば、能力が備わっているのなら、今でもというか、そういう人が三千人であるならば三千人の合格ということはあり得るのかという点について言えば、先ほど申し上げたような試験の位置づけであるならば、実際の試験結果により、法曹となるべき能力があるものと判定される者が三千人いれば、三千人が合格者と決定されるということになるというふうに思います。これはあくまでも司法試験委員会の方が決定をするということでございますけれども、そういうものであるというふうに思います。

○橘(慶)委員 そこで、最初のこの第一パートの質問の問題点は、本当にこの三千人ということが、今おっしゃったように、そうなると、今受験で一生懸命勉強されている方々にとっては、頑張れば、三千番までに入って、三千番どころか、ある一定の水準まで到達すれば、三千の枠にさえ入れば弁護士資格が取れるんだ、こういうことになってくるわけですね。果たして、それで本当に、そのまま弁護士資格を取って、これで世の中でうまく回っていくのかどうかというところが問題だと私は思っております。もしそうじゃないとすれば、早くそこはメッセージを出していかないとこの問題はなかなか深刻になるんじゃないかということを最初のところでいろいろお伺いをしていきたい、どうであるかという認識をお伺いしたいわけであります。
 そこで、そのことに入る前に、ことし、司法試験予備試験というものが導入されて、一回目の試験が行われました。六千四百七十七人が受験されて、報道を見ましたら、合格者数は百十六人である、二十から二十四歳の方が四十人、大学生の方が四十人という結果が出ている、このように聞くわけであります。
 法曹養成制度の中核機関ということで、法科大学院、ロースクールというものを入れながら、改めて、こういう予備試験というものを導入し、申し上げたとおり、それこそ学部学生でも、中には、この司法試験というのは、私ども、昔の経験でもそうですけれども、私は受けたわけじゃありませんけれども、受かる人は受かるというところがある、こういう部分があるわけであります。
 そうすると、そういうバイパスといいますか、違うパスをつくったということはどういう意味があるのか。これは、抜け道ということになっては、また、法科大学院というものの存在意義からするとちょっと問題があるんじゃないかということになると思います。このあたり、総合的にどのようにお考えになっているのか、このことを確認しておきたいと思います。

○平岡国務大臣 司法試験の予備試験については、今委員が御指摘になったような結果が出ておるわけでございます。
 予備試験については、司法制度改革審議会の意見書の中でもこういうふうに述べられています。経済的事情や既に実社会で十分な経験を積んでいるなどの理由により法科大学院を経由しない者にも法曹資格取得のための適切な道を確保すべきであるただ、法科大学院を中核とする新たな法曹養成制度の趣旨を損ねることのないように配慮しなければいけない、こういうような中身の意見書が出ているわけであります。
 我々は、この予備試験というのは、法科大学院にいろいろな事情で行けないというような人に対しても法曹となる道を開いていく必要性があるという趣旨でこの予備試験というものが設けられたというふうに思います。そして、予備試験については、これは法科大学院の修了者と同程度の能力があるかどうかを判定するものということでございまして、この判定を適切に行うことによって、法科大学院を中核とする法曹養成制度の理念を損ねることのないようにする必要があるというふうに考えているところでございます。
 そういう意味で、予備試験の制度設計については、これらの観点を踏まえて定められておりまして、司法試験委員会においても適切にその具体的な実施がなされるものというふうに承知をしております。

○橘(慶)委員 これはさっきの三千人の問題とも同じなんですが、ある面から見たらそうなんだけれども、それを違う面から見ると違ってくるという。例えば、行けない事情のある方々を救済しようとしたんだけれども、では、二十とか、あるいは学部学生で受かっちゃうということは、行かずに済ませてしまったという、あるいは行かずに済ませることができるという道を開いたというふうにも言えるわけです。
 だから、それがやはり、法科大学院へ行くよりも、もういっそ予備試験を通っちゃった方がいいんだということになっちゃいますと、法科大学院での専門教育であったり、あるいは修習期間を短くしたこととの兼ね合いがおかしくなってくるんじゃないかという問題意識を持つわけであります。
 きょうはその問題に深入りしませんけれども、例えばそうであれば、そういう学部学生で受かった方の修習の中において、それから、実際、弁護士を始められるに当たって、何か別の形での教育を施すとか研修を施すとか、何か考えないとそこが全体、つじつまが合わないんじゃないか、そんな感じも今御答弁を聞きながら感じたわけであります。これは意見として申し上げておきます。
 そこで、問題の三千人ということですが、この問題に入っていく際に、やはりどうしてもまず、そもそも論を考えなきゃいけない。三千人ということは、この司法制度改革の中で、あるべき司法制度をつくり上げていくための必要なパートとして三千という数字を当然出してきているはずであります。
 そこで、では、なぜ三千なのかと、そこの目標数値の設定をした根拠ということですね。もちろん、今いらっしゃる皆さんの中で議論に参加された方もあるし、もう時代が変わっているということもあるかもしれませんが、今法務省さんとして、この三千というのはこういう根拠である、こういうことについてここでお示しをいただきたい、このように思います。

○平岡国務大臣 当時の考え方というのは、先ほど来から申し上げているように、司法制度改革審議会というものが意見書を出しているということで、この審議会で相当数の議論を重ねて出していただいたものでございますので、そのときの議論を踏まえて御答弁申し上げたいというふうに思います。
 この審議会では、法曹需要の増大が予想される要因として、一つには、法の支配を全国あまねく実現するため、弁護士の地域的偏在の是正の必要性があると。そして、第二には、弁護士が、公的機関、国際機関等、社会の隅々に進出して多様な機能を発揮する必要があるというような点を指摘されておられまして、法曹人口増大の必要性というものを言われているわけでございます。
 さらに、国際的な視点でちょっと見ますと、フランスを初めとする諸外国の法曹人口を参考にいたしたわけでありますけれども、例えばフランスについては、平成九年当時でございますけれども、法曹一人当たりの国民の人口というのは千六百四十人でございます。これは法曹人口が三万六千人というような状況でございます。
 そうした状況を参考にしながら、これは平成二十二年に新司法試験の合格者数の年間三千人を達成するならば、おおむね平成三十年ころには、実働の法曹人口が五万人規模になる、そして法曹一人当たりの国民の数は約二千四百人になることが見込まれるということがこの意見書の中にも書かれているところでございます。
 そういうことを踏まえて、司法制度改革推進計画、これは平成十四年三月十九日に閣議決定したものでございますけれども、この閣議決定におきましては、「法科大学院を含む新たな法曹養成制度の整備の状況等を見定めながら、平成二十二年ころには司法試験の合格者数を年間三千人程度とすることを目指す。」というふうに決めたところでございます。

○橘(慶)委員 フランスということも引いていただきました。人口千六百四十人に対して一名ということも伺いました。問題は、そのことが、我が国の実情、そのときと今日とも実情は変わってくるかもしれません。今日、弁護士さんにいろいろな面で活躍いただいているわけですが、その活躍の領域なり、期待される、言ってみれば社会からのニーズということで、千六百四十分の一という数字が合ってくるかどうかが非常に大きな問題じゃないかと思うわけであります。
 そこで、まず、今ちょうどいみじくも二つの目的ということでおっしゃった一つ目の、全国あまねく法曹サービスを受けられる状況、いわゆる、こちらの専門用語で言えばゼロワン地域の解消ということと聞いております。弁護士がゼロあるいはお一人という地域を解消していこうじゃないかということで、そのことについては、司法試験合格者がふえて弁護士登録される方がふえてくる中で、かなり進んでいると伺っております。どの程度達成されているのか、現状をお伺いいたします。

○後藤博政府参考人 お答え申し上げます。
 お尋ねの、弁護士ゼロワン地域というふうに申しておりますけれども、地方裁判所の本庁、支部の管轄、これが全部で全国で二百五十三カ所ございますが、その管轄単位で、弁護士が全くいない地域を弁護士ゼロ地域、一人しかいない地域をワン地域と呼びまして、一人かゼロ、あわせてゼロワン地域と呼んでおります。
 平成十二年四月の時点では、このゼロ地域が三十五カ所、ワン、一人の地域が三十六カ所ございましたので、平成十二年時点では、いわゆる弁護士ゼロワン地域は七十一カ所ございました。
 その後、法テラスや日本弁護士連合会等の取り組みによりまして、平成二十三年十二月現在では、弁護士ゼロ地域はなくなりました。弁護士ワン地域、一人いるという地域は、旭川地裁の紋別支部と大分地裁の佐伯支部の二カ所にまで減少したものと聞いております。

○橘(慶)委員 そんな意味では、まず一つの目的についてはこの段階でかなり達成された、もうあと一息というところまで来ていると。
 確かに、このことは、私どもみたいに地方に住んでいる者にとっては、いろいろなところに弁護士さんが配置されている、これは大変ありがたいことではあるわけですが、一面ここで心配になってくるのは、そうなってくると、私のような地方都市、私は人口十七万の町に住んでいるわけですけれども、そういったところでもだんだん弁護士さんの数がふえてきている、本当にこの後、私の地域なら地域でどうなっていくんだろう、こんな話を地域の弁護士さんなんかともするわけです。
 そこで、三千人と言わずに二千人台の合格者になってきた、弁護士として活動されている方がふえてくる中で、弁護士登録されている方の推移というのはどうなっているんだろう、こういうことであります。
 実は、きょうこの質問の機会を与えていただけるかどうかわからなかったので、質問主意書を出していまして、今できたてほやほやで、きょうの朝内閣からいただいたばかりなんですが、これを見ますと、十三年四月現在で一万八千二百四十六人の弁護士登録の方があったものが、五年後の平成十八年四月一日現在、二万二千五十六人、そして、ことしの二十三年四月一日現在で三万五百十八人ということで、一万八千人から三万五百人にまでふえてきているわけであります。
 先ほど五万人云々という話もあったわけですけれども、現在二千人の状態でも三万五百人と。これは、毎年、合格されて修習が終わって入っていかれる方、弁護士業務につかれていく方、それから、リタイアされる、いろいろな方で登録を抹消されていく方、そのおつりの足し算ということになるわけですが、この後どういう推移になっていくのか。先ほど五万という数字もいただきましたが、どのように見通されているのか、まずお伺いをいたします。

○後藤政府参考人 当時の想定としては、年間三千人の合格者を出していきまして、先ほど大臣が答弁されたとおり、ある時点、平成三十年には五万になるということでございました。
 今二千人ということで推移しておるわけでございますけれども、その数字のもとでも年々着々と弁護士登録数は増加しておりますので、今後も、何人程度になるということはちょっと今手元に数字を持ち合わせておりませんけれども、着実に増加していくものと思っております

○橘(慶)委員 昔、司法試験に合格された方は、それこそ五百とか六百とか、そんな数字だったわけであります。今二千という数字が出て、もし二千ということで続けていっても、五年間で今八千人ぐらいはふえるわけですから、やはり三十年になると、今のペースでいっても四万人を超えて、限りなく五万に近づいていく、数字が上がっていくということは予見されるわけであります。
 問題は、それだけの活動領域、活動範囲というものが確保されてくるかどうかということであります。
 ゼロワン地域の問題については、大体これで解消されてきた。そうすると、先ほどおっしゃったように、社会のニーズといいますか、いろいろな場面で弁護士さんが活動していくというところがないといけない。ない場合はどうなるかといえば、結局なかなか、先ほど修習から未登録のお話がありました。だんだんその活動する場がないという問題に立ち至ると、これは大変不幸なことになるわけであります。
 そこで、ここはまた感覚的な部分もあるわけですけれども、これから参入する方、また、二十三年、ことしの修習が終わったら来年の方はなおではないかと思うんですが、弁護士事務所に置いてもらえないとか活躍の場がないとか、そういう問題がだんだん深刻になるんじゃないかと。
 このあたり、多分、法務省さんは日々、日弁連さんやいろいろな形でおつき合いもあると思います。そういった日々の感触でもいいんですが、把握されている実態、本当にその辺でいわゆる活動の場がないなんということが起こってこないのかどうか、あるいは起こっていないのかどうかということについて、現在の率直な感じておられる部分をまずここでお示しいただきたいと思います。

○平岡国務大臣 今の御質問については、法務省として直接資料を持っているわけではなくて、日本弁護士連合会の調査等を踏まえて我々として把握をしているわけでございますけれども、日本弁護士連合会の調査によりますと、新六十四期司法修習生の進路内定状況、つまりことしの十二月に修習を終了される方々でございますけれども、この方々については、前年同期と比べ就職先の内定率が低くなっているという状況にあるというふうに承知をしております。
 また、司法修習終了者で裁判官及び検察官に任官しなかった者のうち、司法修習終了直後、これは例年十二月半ばになりますけれども、一括登録日というのがございまして、そこで弁護士登録をしなかった者の割合というのは近年増加傾向にあるということと承知をしております。
 ただ、この人たちも、時がたつにつれてだんだんだんだん登録をするというようなことになっているということでございますので、その一括登録日にかなり高いからといって、それがずっと続いているということではないというふうには承知しております。

○橘(慶)委員 今はまだそういう状況が見えてきただけだといいながらも、それがだんだん深刻になっていくというのがこういう問題の常ではないかと思うわけであります。
 今たまたま、内定率が下がっているというお話がございました。大臣、もしそこにデータがございましたら、去年とことしでどれくらい内定率が変動しているのか、教えていただけるとなおうれしいんですが。

○平岡国務大臣 ことしのものは、先ほど言いました一括登録日が十二月の半ばぐらいなので、まだございませんけれども、この六十四期の前の六十三期と六十二期あるいは六十一期ということで、一括登録日でどうだったかということを比較した推移を申し上げますと、六十一期につきましては一括登録日の未登録者割合というのが五・一%、そして六十二期の方々については六・七%、そして六十三期、昨年の十二月になるわけでありますけれども一一%ということで、徐々に高くなってきているというような状況にあるということでございます。
 ちなみに、この六十三期、一一%というふうに未登録割合が高かったのでありますけれども、その後の推移を見ますと、三カ月後には未登録の割合は三・七%、そして半年後には二・六%というふうに下がってきているというような状況にございます。

○橘(慶)委員 今お答えいただいたのは先ほどの階委員の資料の中にもあった数字でありまして、その手前の、内定率というお話があったものですから、内定率の数字があればそこを教えてほしいということだったんですが、それはあればお答えいただくとして、まとめて次のことと一緒に聞きます。
 要は、弁護士事務所に籍を置いて先輩の先生のことを勉強してということすらだんだん難しくなってくるんじゃないか。うちの弁護士事務所はもういいよ、どこかよそを回ってくれということが、何か私どもの町でも始まっているような感じがしてならないんです。そうなってきた場合に、では、新たに弁護士として参入する方の活動領域を広げていかなきゃいけない、先ほどおっしゃった二つの目的の二番目であります。
 そこで、今法務省として、どういう分野を期待されているのか、どういうところにもう少し弁護士さんが進んでほしいと考えておられるのか。この私の通告では八番目の質問、もし内定率がわかればそれもあわせて、大臣からお答えいただければ幸いです。

○平岡国務大臣 まず最初に、内定率のお話でございますけれども、我々が承知している調査結果で申し上げますと、実は六十三期と六十四期を比較してみますと、六十四期の人が三月の時点では未定率が五六%、六十三期の方も、これは新で比べますと、新しい司法試験で比べると五六%と、同じでございます。これが時期を経るにつれまして、例えば六月の実施では、新六十四期は四七%、六十三期の方は四三%。そして、六十四期の方の統計としては七月実施までしか今ちょっと我々の手元にはないのでありますけれども、七月時点で未定率が新六十四期で四三%、そして新六十三期では未定率が三五%というような状況になっておりまして、六十四期の方が六十三期よりも未定率が高くなっているという状況は見てとれるわけでございます。
 二つ目の質問でございますけれども、今後、活動をする領域として期待されるものは法務省としてどう考えているのかという点でございます。
 その前に、司法制度改革審議会ではどういうところに法曹需要の増大を予想していたのかということを申し上げますと、まず第一は、経済、金融の国際化の進展や人権、環境問題等の地球的課題への対処というような分野、二番目に、知的財産権、医療過誤、労働関係等の専門的知見を要する法的紛争の増加、三番目が弁護士人口の地域的偏在の是正、四番目が社会経済や国民意識の変化を背景とする国民の社会生活上の医師としての法曹の役割の増大といったようなところを指摘されておられたわけでございます。
 現状でございますけれども、これも実は、先ほど来からお話があります法曹の養成に関するフォーラムの中で、経済界の方々とかあるいは地方自治体の方々とか、そういう方からもいろいろな点が指摘されているところでございまして、そういう指摘も踏まえて考えますれば、先ほどお話がありましたように、弁護士の地域的偏在というのはまだ残っているということでございますので、そういった点にも需要はあるであろう。それから、民間企業とかあるいは官公庁でも法曹の需要は少しずつではありますけれども増加はしておりますけれども、当初期待していたほどには増大がしていないというふうに我々としては考えております。
 そういった点も、これからの法曹の養成に関するフォーラムで、しっかりと事実認識、それからその事実認識を踏まえて、将来どういうことになるのだろうかというふうな点についてもしっかりと議論をしていただきたいというふうに思っているところでございます。

○橘(慶)委員 確かにやはり、事実に基づいて認識を変えていく、これは非常に大事なことなんですが、私が申し上げたいのは、三千人ということを今維持されていて、主意書を出して答弁書では、三千人になっていないのは遺憾であるという答弁をずっといただいているわけですが、本当にそうなのかな、そして、そのことが結局、誤ったメッセージということで伝わっていくということがどうなのかなと。今おっしゃったように、思ったほど需要が出てきていないとすれば、やはり、合格者はこれくらいなんだ、そういうことで設計しているんだというメッセージがどこかでは必要じゃないかという思いを実は持っているわけであります。
 そして、今、把握した数字もお示しになられて、やはり内定率が、景気の変動もあるにしても、かなりドラスチックに何か下がってきているようにも今ちょっと受けとめさせていただいたわけであります。そうなると、これからが大変。ここまではいい、でも、来年、再来年もっと大変になるのであれば、やはり早く手を打つ方がいいんじゃないかという問題意識を持つわけであります。
 同じような問題が公認会計士さんでも起こっております。公認会計士さんの場合は、そういう問題が生じてきて、公認会計士の地位をどうするかということから始まって、今、例えば同じ士業ということでいえば、税理士さんと公認会計士さんの間でどういう役割分担をするかという問題に立ち至っているわけであります。
 そう考えたときに、例えば、弁護士さんのいわゆる周辺領域として司法書士さんとか行政書士さんとかいうものがあるわけであります。こういった業際分野において、今申し上げたような公認会計士と税理士さんのような問題は現状生じていないのかどうか、法務省さんの認識をお伺いいたします。

○平岡国務大臣 弁護士につきましては、弁護士法第三条の規定によりまして、「一般の法律事務を行う」ということになっております。これに対して、先ほど御指摘がありました、司法書士とかあるいは行政書士などの隣接法律専門職種につきましては、それぞれの業法に定められているところに従って、限定的な法律事務を取り扱うということになっているということでございます。
 この点については、司法制度改革審議会の意見書の中でも、弁護士と隣接法律専門職種との関係についてどうするのかという点については意見が出されているところでございますけれども、実は、その後の状況については、昨年の七月に、法務省、文部科学省が合同で開催しました法曹養成制度に関する検討ワーキングチームというところで、隣接法律専門職種の団体の方々からの意見を聴取させていただきまして、その方々の意見によりますと、弁護士の数がふえて隣接法律専門職種の職域を侵犯することについての懸念は特に示されていなかったというふうに認識をしているところでございます。

○橘(慶)委員 そこは公認会計士さんと税理士さんほどの問題ではないという状況だということで、今御答弁を御理解しました。
 しかし、今幾つかの問題を聞きながら、そして私、この質問をしたいのは、どちらかというと、先ほどから、悪循環とか、制度の存続、要するに持続可能性が云々ということはあるんですが、これはある意味で、きょう議論している私どもの立場でいえば、それはそういう制度を運営するなり制度を設計する立場。しかし、その制度に対してトライしてくるのは、実は私どもではなくて、今を生きる二十代の方とか三十代前半の方ということになります。そういった方々にとって、今というのは今しかないということを考えますと、やはりきちっと物事を見直していかなきゃいけないよということは間違いないわけですけれども、一面、時間というのはとまらないというところもあるわけであります。
 そんなことを思いながら、まず一つ。先ほど言ったとおり、三千人に達していないというのは遺憾であるというふうに今まで答弁いただいてきているわけですけれども、やはり三千人という目標数値について、現在でも妥当である、このように思われているのか、この妥当性についての大臣のきょう現在の御所見をお伺いいたします。

○平岡国務大臣 橘委員の質問主意書の答弁がきょう閣議決定されて出たわけでございますけれども、その点について、昨年及び本年において三千人程度とすることを目指すという目標を下回ったということについては遺憾であるということは、その答弁書の中でも述べさせていただいたところでございます。
 しからば、そういう状況の中で三千人という目標は妥当なのかどうかという点について言えば、我々としても、先ほど来から申し上げているように、問題意識は持っております。問題意識を持っておりますものですから、我々としては、先ほど来からお話し申し上げている、法曹の養成に関するフォーラムを開催している中でしっかりと議論をしていただきたいというふうに思います。そのときには、司法試験の合格状況も含め、あるいは法曹の方々がどういうふうに社会に期待されているのかというようなことも含めて、法曹人口のあり方について必要な議論を行っていただきたいというふうに考えています。
 いずれにしても、当初の司法制度改革の中でありましたように、法曹資格を有している人たちが質量ともに社会の中でしっかりと社会を支えるようなものでなければいけないという点については、我々としても認識をしているということでございます。

○橘(慶)委員 この法曹の養成に関するフォーラムで問題意識を持って見直していくということになるんだ、こういうことであります。かつ、もともとの目的に基づいて、やはりその職域といいますか、活動範囲と言った方がいいですね、活動範囲を広げていく努力を法務省としても続けていかれる、働きかけていく、あるいは考えていくということだと思います。
 この点についてさらに、言ってみれば、今弁護士資格を取られた方、今法科大学院を修了した方々にこれからどんな道があるかということについては、いろいろな道をやはり示していかなきゃいけないわけですから、それはぜひ第二パートで聞かせていただくといたします。
 第一パートの最後に、フォーラムのスケジュールは示されております。十月のフォーラムで、二十四年五月、来年の五月までに現状把握及び意見交換を踏まえて論点整理を行うんだ、二十五年五月を目途に取りまとめを行う、こういうスケジュールだ、このようには伺っております。しかし、今申し上げた私の問題意識からすると、時間がとまらないということからすると、本当にそうかなという感じもいたします。
 少しでも急ぎ、あるいは結論が出たものからでも何かを実行していくという考えはないものか、ここで大臣に最後に確認をしておきたいと思います。

○平岡国務大臣 今委員が御指摘になりました、フォーラムの今後の進め方については、これはフォーラムの委員の皆さん方が議論をされて、こういう方向でやってみようというふうにされたことでございます。
 実は、フォーラムの委員の方々は、お願いしたのが一年間ということで、来年の五月にはその一年間の期限が切れるわけでございます。ただ、我々の認識としては、多分それで十分な検討ができるということではないということなので、さらにまた更新をするとかいうような形で続けていただかなければならないというような認識の中で、こういうような議論といいますか、今後の予定というものが示されたんだろうというふうに思います。
 我々としては、先ほど来からここでもいろいろな議論が出ていますように、これは全体を見るということになりますと、いろいろな視点から、あるいはいろいろな角度から見ていただかなければいけないということでございますので、それなりに必要な時間というのはあるんだろうというふうに思いますけれども、ただ、そうも言っておられないというような声もございます。
 連携法に基づいて、平成二十五年の四月、十年たったら見直せという義務を法的なものとして我々は受けとめておりますので、そうなったときにすぐに動けるような、そういう気持ちでフォーラムには検討を進めていただきたいというふうに思っているところでございます。

○橘(慶)委員 検討しながらも、もしできることがあればそういうものに、順次着手できるようなところがあれば、全体像を壊さない中でできることがあればぜひどんどん進めていただきたい、このように思うわけであります。
 そんな思いの中で、第二パート、司法試験に合格しなかった方々を含めて、法科大学院に通われた方々全体ということでお話をしていきたいと思います。
 先ほど来この質疑の中でももう出ておるところは少し飛ばさせていただきますが、法科大学院修了者の司法試験合格率については、平均で二〇%台前半にとどまっておると。先ほど来、七、八割という数字も出ておるものですから、これと当初の設計との乖離が目立つわけであります。
 先ほど来、旧司法試験における司法試験浪人、こんなお話も一部出ておりまして、青春時代を云々というお話もありました。しかし、今はまた別の意味で問題なのは、七、八割という数字を掲げながら、それで皆さんに頑張れと言いながら二割ぐらいの出口になっているというところが、やはりこれはこれでまた私どもの世代として次の世代には申しわけないんじゃないかな、こんな思いをするわけであります。
 そこで、まず、また二つまとめて文科省の審議官にお伺いいたしますが、合格率の低迷している大学院にはどのような助言を実際されているのか。また、法科大学院の数というものが今七十以上あるわけですが、やはり絞り込まざるを得ないのではないか。かといって、もちろん地方における適正配置ということは残していただきたいわけですが、この辺の文部科学省さんとしての現在の御見解を二つあわせてお伺いいたします。

○常盤豊政府参考人 お答え申し上げます。
 まず、法科大学院の修了者の司法試験合格率が低迷している大学院に対してどのような対応をしているのかということでございます。
 この点につきましては、文部科学省といたしましては、中教審の特別委員会が教育の改善方策を示しておりますので、それを踏まえて、各法科大学院に対して、教育内容の充実あるいは入学定員の削減等の改善を促進しております
 具体的には、各個別の法科大学院の教育の改善状況につきまして、中教審の特別委員会においてフォローアップ調査を行っております。課題を抱える法科大学院につきましては、専門の委員がヒアリングや実地調査を直接に行いまして、入学者の質の確保、教育内容、方法の充実、成績評価の厳格化、組織見直し等について助言を行っております
 また、もう一点、法科大学院の数を絞るべきではないかというお話がございましたが、この点につきましても、中教審の委員会の提言を踏まえまして、法科大学院の入学者の質の確保や教育体制の充実等の観点から、入学定員の見直しを促進しております。
 特に、単独では質の高い教員や入学者の確保が困難な法科大学院につきましては、他の法科大学院との間での教育課程の共同実施であるとか、あるいは統廃合の検討ということを促進してございます統廃合につきましては、これまでに一校が学生募集を停止しておりまして、二校については今後の統合を既に発表しているところでございます
 文部科学省といたしましては、中教審の実施しております教育の改善状況の調査や、深刻な課題を抱える一部の法科大学院に対する財政支援の見直しによりまして、引き続き、各法科大学院に対し、入学定員の削減を初めとした組織見直し等の改善を促してまいりたい、このように考えております。

○橘(慶)委員 先ほど、入学者の定員も四千五百人ぐらいになったというお話もありました。これもなかなか難しくて、七、八割という目標を維持するためには、四千五百人だと、大体三千人という司法試験合格者にならないと七、八割にならない。もし司法試験合格者数が二千人ぐらいということにしたら、七、八割で割り返すと、例えば三千人程度に入学定員を減らさないと七、八割にならない。文科省さんと法務省さんが入れ子になっていますので、ここはなかなか難しいなと思うわけであります。
 そして、今ほどは、そういうふうに教育内容を改善しろ、また、しっかりやってくれ、頑張れ頑張れということなんですが、問題は、ではアウトプットはどうなっているのかという把握も大事だと思っております。
 これまでに、三振制、失格制度によりまして、法科大学院を修了された中で受験資格を喪失した方というのはどれくらいになっているのか、まずお伺いいたします。

○後藤政府参考人 お答えいたします。
 新司法試験における受験回数の対象となる試験を三回受験して合格しなかった者は三千百二十一人、それから、五年の受験期間との関係では、新司法試験を一回でも受験した者のうち、合格せずに受験期間である五年を経過した者が二千六百六十人となっておりまして、この両者を合計して、両方に該当する方が千七百五十七人おりますので、差し引きますと、四千二十四人が失格制度により受験資格を喪失した方の数ではないかと思っております。

○橘(慶)委員 今、入学定員は減ってくるわけですけれども、それにしても、これから当然この数はふえていく。先ほどの弁護士登録の数とはまた違った意味でこの数もふえていく。では、この四千人の方がどういう進路に行くかということが問題だと思うわけであります。法曹養成の中核機関と言われる法科大学院を修了した方々の進路としてどういうものが可能性が出てくるかということは、やはり大学院も、また私どもも提供していかなきゃいけない、それは広げていかなきゃいけないと思うんです。
 そこで、法科大学院で学んだ方々が方向転換を余儀なくされて、どういう就職状況になっているのか、まず実態の把握はどうしても必要であります。法科大学院協会において就職状況の調査等に取り組んで、その数字を見てということで今までも聞いておるんですけれども、残念ながら、きょうの答弁をいただいたところによりますと、この取りまとめがいつできるかまだ現時点では決まっていないという答弁はもういただいちゃっているんですけれども、要するに、その四千人の方がどんな進路になっているのかということで、わかる範囲で文科省さんのお答えをお願いしたいと思います。

○常盤政府参考人 お答え申し上げます。
 法科大学院修了者の進路の問題でございます。
 法科大学院の修了者につきましては、これまでの御議論にもございましたように、法曹以外の分野でも、例えば企業法務や公務員等として活躍することが期待されておりまして、各法科大学院におきまして、修了者の進路状況について調査、把握し、今後の教育に役立てていくことが重要だというふうに考えております。
 ただ、実際の進路状況につきましては、各法科大学院においても把握に努めているところではございますが、修了後に司法試験の受験ということもございまして、やはり就職までに相当の期間がかかるということもございまして、なかなか実態の把握が難しいというのが実情でございます。
 このため、今御指摘ございましたが、法科大学院協会におきまして、昨年度、法科大学院生等を対象とした就職支援サイトにおいてメールによる連絡体制を構築しまして、これを活用して何とか就職・就業動向調査を実施したいということで取り組んでおりますが、先ほど先生から御指摘いただきましたが、現在の段階ではまだデータの蓄積を図っているという状況でございますので、その点、御理解いただきたいと思います。

○橘(慶)委員 法務省さんにすれば、司法試験を受かった方だけを、ある意味で、行政の範囲からいえば対象にすればいいということになるかもしれませんが、しかし、その試験がある以上、それにチャレンジしている人たちのこともいろいろ考えていただいて、やはり、そういうデータがなければ、どうなっているかわからない限りにおいてなかなか答えは出てこないと思いますので、ぜひそういったものの把握は急いでいただいて、科学的に政策をつくっていただきたい、このことをお願いするものであります。
 そして、法科大学院は、先ほど申し上げたとおり、基本的には法曹養成の中核機関でありますので、私もちょっと勘違いしまして、法曹は弁護士と検事と判事なんですと言われちゃうとそれでは困るわけでありまして、今申し上げたように、合格者が二割しか出ないということになってくると、ではどうするんだ。そこでケースメソッドとかいろいろなことを勉強した、そのことを社会でどう生かしていくのか、どう身を立てていくのかということについては、法科大学院自身が進路指導とかいろいろな意味でやはり学生に、院生に働きかけていかざるを得ないんじゃないか、このように思うわけであります。
 何せ、学部学生ではなくて、さらに二年間、より教育を受けてしまっている分だけ、ある意味で社会に出る時間がおくれているわけですから、今の日本の社会の実情からすればなかなか、よく勉強すれば就職口がどんどん広がるというわけでも多分ないんだろうと思っております。
 そこで、どういう進路指導ということを考えておられるのか、どういう資格、能力ということでアピールしていくのか、文部科学省さんの見解を伺います。

○常盤政府参考人 法科大学院の修了者につきましては、ただいまも申しましたように、法曹以外の分野でも、例えば企業法務や公務員等として活躍するということも期待されているわけでございますので、司法制度改革におきましても、当初の審議会の意見書において、やはり二十一世紀の司法を担う法曹に必要な資質として、専門的な知識に加えまして、柔軟な思考力であるとか説得、交渉の能力とか、あるいは社会や人間関係に対する洞察力、こういうものを求めていきたいということで法科大学院の教育を設定しているということでございます。
 こうしたことを受けて、各法科大学院におきましても、今申し上げましたような能力の涵養ということに努力をしているところでございます。
 進路変更等によりまして仮に法曹とならない場合であっても、今申し上げましたような能力は、社会の各方面で活躍するためにも必要な能力であるというふうに考えておりますので、私ども文部科学省といたしましては、こういう視点からの各法科大学院の教育の質の改善ということをさらに進めていきたいというふうに思っております。

○橘(慶)委員 高められる能力としてはそういうことなんですけれども、それが具体的なキャリアイメージとして、こういう職種、こういう活躍ということにうまくつながっていくかどうかということが大事である。あるいは、そういう職種の受け入れということを、今度は官も民も、いわゆる社会の方がしてあげないと、なかなか法科大学院というのが難しくなってくるんじゃないかという心配をするわけであります。
 どうも、七、八割という先ほど出た数字がなかなか維持されないような気がするわけです。そうなった場合に、法科大学院というものはどういう位置づけにしていくかということもこれから考えていかなきゃいけない、このように思うわけであります。
 そこで、官と民それぞれということで、質問を一つ飛ばしまして、人事院さんの方へお伺いをしていくわけですが、実は人事院も、来年から国家公務員の採用試験を大幅に変更することにされているわけであります。今まで1種、2種、3種ということでやったものを変えて、総合職云々ということで変わるわけです。ここにパンフレットを持ってまいりましたが、この中で、法科大学院修了者あるいは弁護士さんについての取り扱い、特別なものがあれば、それをひとつお伺いしておきたいと思います。

○菊地敦子政府参考人 お答え申し上げます。
 人事院におきましては、法科大学院の創設など人材供給構造の変化等に対応するため、平成二十四年度から、国家公務員採用試験の種類、内容を抜本的に見直しさせていただきました。
 国家公務員採用総合職試験に、大学院修了者等を対象といたしました院卒者試験、及び司法試験合格者を対象といたしました院卒者試験の法務区分を設けることとしております。御指摘の法科大学院修了者につきましては、法務区分を除く院卒者試験を受験できることとなり、弁護士を含む司法試験合格者につきましては、院卒者試験の法務区分を受験できることとなります。
 院卒者試験は、大学院修了者にふさわしく、受験しやすい試験内容とすることとしておりまして、例えば行政区分につきましては、専門試験は、法科大学院で履修する法律科目のみの選択で受験できることといたしております。一方、司法試験合格者を対象とした法務区分では、国家資格をお持ちでございますので、専門試験は課さず、政策課題試験や人物試験を重視して行うこととしてございます。

○橘(慶)委員 これは、弁護士さんの資格を持った方については一つ明るい話題なわけですね。要するに、弁護士資格を持たれて国家公務員として働くということについては、特別の試験区分の中で採用されていくことになってくるということであります。
 ただ、法科大学院修了者については、ほかの大学院の修了者、いわゆる文科大学院であれ経済大学院であれ、そこと同じ扱いになってしまう。だから、そこのメリットが今はない仕組みなんですね。それはまた、人事院さんは人事院さんの思いはそうなんだろうと思いますし、平岡大臣におかれましては、もしそこは特別の区分でやれるということであれば、ぜひまたそういうことも働きかけていただければいいんじゃないかと私は思うわけであります。
 そこで、公務職場におきまして法科大学院修了者及び弁護士の活用を図っていくということが、先ほど申し上げた、いろいろな場所に活動範囲を広げていく、あるいは先ほど前の質問者の方が言われた出口戦略ということでは、公務の方では非常に意味のあることだと思います。
 そこで、各省庁において、そういう法科大学院修了者あるいは弁護士といった方々がどういう採用の動向になっているのか、実情を人材局長さんにもう一度お伺いいたします。

○菊地政府参考人 お答え申し上げます。
 国家公務の職場におけます法科大学院修了者及び弁護士の採用の仕組みといたしましては、現在三つございます。
 一番目といたしましては、法科大学院修了者及び修了見込み者が国家公務員の1種試験や2種試験を受験され、合格し、採用されるケースでございます。人事院といたしましても、各種説明会やインターンシップを通じまして、法科大学院学生等に関心を持ってもらうように努めているところでございますけれども、申込者数や合格者数は毎年増加しておりまして、平成二十三年度の1種試験で申し上げますと、六百五十三人が申し込みをされ、九十三人が合格をされ、二十二名の採用が内定しているところでございます。ここ数年で見ますと、ほとんどの府省において採用されている状況でございます。
 二つ目といたしましては、新司法試験合格者を対象といたしました選考試験を通じて採用するケースでございます。人事院では、法科大学院の設置等に対応いたしまして、平成十八年度から、新司法試験合格者を対象といたしました選考試験を実施しております。この試験も毎年受験者が増加しておりまして、本年度の場合、百五名が申し込み、うち六人が、合格するとともに、採用が内定しているところでございます。平成十八年度以降の主な採用府省等は、金融庁八人、公正取引委員会四人、国税庁三人などとなっております。
 三つ目といたしましては、一般職の任期付職員法に基づきまして、法律の専門家としての弁護士を採用するケースでございます。このような任期つき採用は、また毎年増加しておりまして、平成二十二年末現在での在職者数は百十五人となっており、約三分の一が金融庁でその高い専門性を生かして勤務されているところでございます。

○橘(慶)委員 この辺からは少し話としては明るい話といいますか、そういう領域が広がるということで。その意味では、先ほど平岡大臣が、過去の司法制度改革のとき、期待される活動領域として、地球環境あるいは知的財産権を挙げておられました。
 そんなこともちょっと踏まえながら、近年新たに、今おっしゃった、法科大学院修了者あるいは弁護士の職場として各省庁で開拓されたセクションというものがあるのであれば、それがまた一つ民間についてのイメージにもなるような気がしますので、そこを示していただければと思います。

○菊地政府参考人 まず、国家公務員採用1種試験から採用されました法科大学院出身者の数は、先ほど申し上げましたとおり年々増加をし、ここ数年で見ますと、ほとんどの府省で採用されているところでございます。特に本年度の内定は、二十二名ということで、二十人を初めて超えたところでございます。
 次に、平成十八年度から実施している、新司法試験合格者を対象といたしました選考試験につきましても、先ほど申し上げましたとおり年々増加しておりまして、本年度でいいますと、新たに経済産業省あるいは農林水産省でも採用内定が行われたというふうに、広がってきているところが特色でございます。
 最後に、任期付職員法に基づく法律の専門家としての弁護士の採用につきましても、金融庁あるいは財務局などでの金融証券検査官等、あるいは公正取引委員会の審査専門官、国税庁の国税審判官などで、高い専門性を発揮して行政実務で活躍されているというふうに承知しているところでございます。

○橘(慶)委員 ありがとうございます。
 やはり、そういった公取さんとか金融庁さんとか、また一面、農水省さんとか。これから、私は地方の自治体の仕事もしましたので、例えば空き家対策なんというのが法律問題としてはなかなか難しいわけで、そういった問題、民間の私権を生かしながらどうするかとか、お一人お一人の私権を尊重しながらどうやって対処していくとか、いろいろなところで法務アドバイザー的なお仕事というのはあるものだと思っております。
 そんな意味で、人事管理官会議において、法科大学院修了者及び弁護士の職域を拡大する議論といったことも、人事管理官会議は定期的に開かれていると思いますので、そういった問題意識で会議の中でも議論されてもいいんじゃないかと思いますが、ここは総務省田中人事・恩給局長にお伺いいたします。

○田中順一政府参考人 総務省といたしましては、複雑多様化する行政ニーズに的確に対応する観点から、専門的知識や経験を有する者に公務に従事していただくということは極めて重要な課題であるというふうに認識をいたしております。先ほども御議論いただいておりました法曹の養成に関するフォーラムなどにおきましても、法曹有資格者の活動領域の拡大について御議論がこれからなされるというふうに承知をいたしております。
 また、御案内のとおり、総務省もこのフォーラムの構成員となっておるわけでございますが、ただいま御指摘のように、人事管理官会議におきましても、法科大学院修了者及び弁護士の職域を拡大するという点につきまして、各方面の御意見や御指摘等も踏まえながら、十分行ってまいりたいというふうに考えます。

○橘(慶)委員 官といいますか公務職場のことについては、大体こういうことでお伺いをさせていただきました。
 こういったお話は平岡大臣にはお聞き届けいただいたわけでありますが、そうすると、官だけではなくて民もということが大事だと思います。経済界においても、やはりそういった意味で、企業法務であるとかいろいろな形でそういう職場を広げていかなきゃいけない。もちろん、最初から申し上げているとおり、弁護士さんのための部分もあるでしょうけれども、それをやることによって、結局、法科大学院修了者もカバーされるとすれば、それはなおいいことだと思います。
 ここは大臣として、広く法科大学院修了者、言ってみれば、法曹の道を志した若い人たちが、それぞれまた、仮に試験は三振したかもしれないけれども、社会の中では大いに有意義に頑張っていけるんだ、そういう道を開いていくための、法務省としてといいますか、もっと言えば内閣としてということになるんでしょうけれども、具体的な取り組み、ぜひこういうものに踏み出していただきたいという思いもありますし、既にいろいろと働きかけておられるのであれば、経済界側はどんなような反応で受けとめておられるのか、こういったことを含めて、まとめの答弁をひとついただきたいと思います。

○平岡国務大臣 御答弁申し上げます。
 その前に、先ほど、三千人の目標を下回ったことは遺憾であるという答弁書は、きょうの答弁書じゃなくて、九月二十七日に出した答弁書に書いてあったということで、その点はちょっと訂正をさせていただきたいというふうに思います。
 そこで、御質問の件でございますけれども、法科大学院修了者の方々の働く先という点について言えば、これは司法試験は試験でありますから、当然、合格する人もいれば、不合格になる人がおられる。どんな状況であれ、多いか少ないかは別として、不合格の方がやはりおられるわけで、そういう人たちもちゃんと人生設計が描けるというようなことがやはり非常に大事なことだというふうに思います。
 実は、民間の企業でどういうふうに働いているかということについては、日本組織内弁護士協会というところがあって、そこが調査をした結果によりますと、平成十三年が六十四人であったのに比べまして、平成二十三年の企業内弁護士総数は五百八十八人ということで、相当程度拡大しているというふうな状況もございます。そういう意味では、企業の中でも、企業の中に弁護士を持っているということの必要性なりあるいは有用性というものは認識をされているとは思います。
 ただ、他方で、ある経済界の方に言わせると、当初、司法制度改革をしていたときに比べるとそんなに需要はないよというふうに言っておられる方もおられるというふうにも聞いております。
 ぜひ、そういう点も含めて、私は、フォーラムの中で、いろいろな方々の意見なり、あるいはいろいろな分野における状況把握というふうなこともしっかりと行うことができる仕組みになっておりますので、そこでしっかりとまた議論をしていただきたいというふうに思いますし、できる限り、日本の中で、当初、司法制度改革で期待されていたような、専門的な識見を持った、そして能力としても非常にすぐれた方々が社会で活躍される時代というのはやはりこれからも望まれる社会だろうというふうに思いますので、いろいろな場面で働けるような機会ができるように、皆さんにもしっかりと議論をしていただきたいというふうに思っております。

○橘(慶)委員 ありがとうございました。
 それで、これは法務省さん、文科省さんということでお話を伺ってきたわけですが、実は、私がいつもお世話になっております総務委員会の方に来られます総務省さん、こちらでは政策評価というお仕事がありまして、この政策評価で、法曹人口の拡大及び法曹養成制度の改革に関する評価をやっているわけであります。
 そこで、評価のあり方、方法ということについては既に出ているわけでありまして、これはちょっと飛ばさせていただいて、それを踏まえて、現在、法科大学院、弁護士会、都道府県及び市区町村を対象に、当該政策の効果の発現状況についての調査を行っておられる。これから、きょう話題にしました在学生を含めて、教員とか法曹養成制度の関係者、その他関係団体等の皆さんを対象に調査の実施を予定されている、こういうことであります。
 そこで、先ほどから法曹フォーラムという話もあるわけですけれども、政策評価におけるこの評価結果の取りまとめの時期、これはどういうふうにお考えになっているのか、このことをお伺いしたいと思います。

○主濱了大臣政務官 総務省が進めております、ただいまお話のありました法曹人口の拡大及び法曹養成制度の改革に関する政策評価、これは政策評価法第十二条第一項に基づいて、政策の所管省庁や政策を検討する組織とは異なる第三者的立場、そういう立場から今現在評価を実施しているところでございます。
 そして、評価結果につきましては、現在調査中でありますけれども、できる限り早期にまとめてまいりたい、このように考えているところでございます。

○橘(慶)委員 これは実は事前にも確認しているんですが、そうすると、こちらで二十五年五月という取りまとめのスケジュールを持っておられるけれども、それとはかかわりなく、政策評価であるから、速やかに、可能な限り早く出す、こういうことでよろしいんですね

○主濱大臣政務官 かなり微妙なところなんですけれども、できれば年度内、こういうことを目途に頑張ってまいりたいというふうに思っております。

○橘(慶)委員 そんな意味では、総務省さんの方でもいろいろ調べてこられ、そういう知見を生かしていただきながら、在学生の実態、あるいは今いわゆる試験を受けている、あるいは試験を受かってどうしようと言っている方々の実態、こういったものを全部踏まえていただきながら、ぜひ一つのおまとめをいただきたいと思っております。
 今本当に、国では、臨床研修をめぐってお医者さんの数をふやしていくという話があったり、薬剤師さんは四年から六年に養成期間を延ばしたり、いろいろなことをやっております。そういう中で、こういう専門的なプロフェッション、士業というものをどういうふうに位置づけていくかということをぜひよくお考えになって、とにかく、実際、最前線にいるそういう若い方が困らないようなことをお考えいただきたい。このことを申し上げて、もしこういう質問で審議に役に立ったとすれば幸いということを申し添えて、終わらせていただきます。
 きょうは本当にありがとうございました。

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