政府公表資料等情報

滝実法務大臣閣議後記者会見平成24年12月18日(火)より抜粋(下線は当サイトによる)

法科大学院の在り方に関する質疑について

【記者】
 法科大学院の在り方について検討されており,今後はその設置についてハードルを上げたり,今あるものについても必要のないものは順次廃止していく動きになっていくと思うのですが,この点についてはどのように思われますか

【大臣】
 先進国,発展途上国を問わず世界の流れを見ると,今は学部卒業者だけではなく,大学院の卒業者が活躍しているという意味では,日本は遅れをとっているのです。ですから,全般的に大学院というものを大切にしなくてはいけないのに,法科大学院だけを手厚く財政的にサポートするというのは難しいのではないかと。各国の政治家にしても,役人にしても,世界の流れは学部の卒業ではないのです。もっと専門的な知識を大学院で勉強した,博士号を持っている人たちが,基本的には世界を動かしているという認識が,日本では少し欠けているところがあるのではないかと思います。そういう意味では,法科大学院だけを特別扱いするような話ではないという認識を持たなくてはいけないと思います。

 

参院法務委員会平成24年03月28日より抜粋(下線は当サイトによる)

○魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎でございます。
 ・・司法制度改革審議会の意見書でも、・・大体平成二十二年ころには三千名の司法試験合格者を目指すよというふうにやってきたと思いますね。ここ四年間ぐらいずっと合格者が二千人前後でございますけれども、この合格水準に達する受験生がいなかったかどうかとかいろいろあろうと思いますが、この二千名内外の合格者数についての大臣の御見解はいかがですか。目標は三千名でしたよね。

○国務大臣(小川敏夫君) 三千人に既に到達していなくてはならないところが二千人にとどまっているというのが現状でございます。
 なおかつ、その二千名でも、弁護士となった者が所属する事務所がなかなか決まらないといって過剰感が出ているというので、どうも制度の理念と違うのではないかというところが現状起きておるわけでございますが、やはり一つの問題は、この法曹が裁判という分野だけで限定しているというところにとどまっていて、幅広く法曹が活躍する場面、公務員であるとか経済界であるとか、あるいは国際機関であるとか、そういったところでの展開が一番遅れているのではないかと。
 そこら辺のところを、ですから、三千人の目標を二千人に下げる、あるいはもっと、二千人でも過剰だから下げるということよりも、三千人の目標はしっかりと維持しながら、それに伴う職域の拡大というものを努めていくことが私は一番大事なのかなと思っております

○魚住裕一郎君 私もそうだと思いますよ。で、自然にそうなるのかというね。
 今、自治体であるとか企業とか、具体的に働きかけはしているんでしょうか。総務省に、しっかり法律家養成していますから、自治体の法務室みんな司法試験受験生ばっかりじゃなくて、ちゃんとした法曹を採用してくださいよと、そういうふうにやっていただいているんですか、具体的に。企業にも、例えば経済団体に、こういう優秀な人材いっぱい輩出していますから、そういう働きかけしているんでしょうか。単に水が流れるがごとくいくように思っておいでになりますか。

○国務大臣(小川敏夫君) いえ、もちろん、自然にいくものではなくて、努力しなくてはいけないものと思っております。
 もう二年目に入りました、一昨年から法曹養成フォーラムを設けまして、まさにこの法曹養成問題に取り組んでおるわけでございますが、まさにそういう視点から、これは法務省だけでない、あるいはロースクールが文科省ですので、文科省と法務省だけの問題ではなくて、法曹の職域拡大という観点からすれば、公務員、地方自治体の公務員ということで総務省、そして企業、経済界にということで経済産業省、そうした省庁にも入っていただきまして、六省庁でまさにそうしたことも含めてこの法曹養成の在り方を議論しようということで、今まさに議論しておるところでございます。

○魚住裕一郎君 例えば法務省の場合、研修所を卒業して法律家となって検事さんになったり裁判官になったり、そういう中で役人になっている方もおいでになると思いますけれども、一般職で来ている方もいるわけですよね。検判事にならなくて採用している人はいますか、法務省が

○国務大臣(小川敏夫君) 法務省の行政職に検事だけでなくて一般職をということでございますね。
 なるべく、特に検察、検事でなくても、いわゆる法曹でなくてもいい職場といいますか部局もございます。例えば出入国とか人権擁護とか、これは本来的には司法の場面ではない部分の行政分野でございますので、そうした面を一つの突破口にして一般職の方の登用というものを重要視していきたいと、このように思っております。

○魚住裕一郎君 一般職で法曹資格を持っている人はいますか

○国務大臣(小川敏夫君) 済みません。一般職というのは、要するに検察庁の検事ではなくて、法務省の行政職に就いている職員ということでございますね。
 これは検事の資格を持ちながら、あるいは裁判所からの判事、判事補の出向ということで来ている、そうした法曹資格を持っていて法務省の行政職をやっている職員はおります

○魚住裕一郎君 検判事の身分ではなくして、法曹資格を持っているんだけれども一般職で通ってきた人、国家公務員試験で

○国務大臣(小川敏夫君) 入ってきた人。

○魚住裕一郎君 そうです。
 つまり、僕は何を言わんとするかというと、他省庁にしても、自治体にもお願いしますというのであれば、まず自分のところはどうなんだと、そういうことを言っているんですよ。いかがですか。

○国務大臣(小川敏夫君) 済みません。今そういう目で調査していないものですから必ずしも正確でないかもしれませんが、私の知っている範囲ではいないと思います。

○魚住裕一郎君 やっぱりそういう、もっともっと、一旦裁判所に行くとか、検察庁で採用された人間以外でもあってもいいんじゃないのかなと。そういうのを多分他の省庁もしっかり見ているんじゃないのかなというふうに思ったものですから、今質問をさせていただいたんですね。入管だってほとんど外務省の人が多かったりした時代があるわけですよね。やっぱりもっとフレキシブルに考えて、法曹の就職先、まず法務省からやるというぐらいの発想でやってもらいたいなというふうに思います。
 それで、今、フォーラムという言葉が出てきましたけれども、フォーラムというのは法的位置付けは全然ないわけですよね、これは。何か申合せで関係省庁やって、何かぐじゅぐじゅやっているという、たまに会議録というか出てきているわけだけれども、法務大臣の姿勢は何かそのフォーラムに丸投げみたいな、そんなふうに見えるわけですよ。
 一方で、今、実際の弁護士、軒弁とかそういうのをいろいろ言われているわけだけれども、日弁連も千五百名ぐらいが合格者いいんじゃないのかというふうに意見も出ているわけでございますが、今後の合格者数、大臣としてはどういうふうにお考えでしょうか

○国務大臣(小川敏夫君) やはり、数というよりも、それに見合った実力がある人が受かるということですので、実力を伴わないで合格者を増やすということはこれは好ましくないというふうに思っております。なるべくロースクールの教育の質が充実して、そうした能力を備えた人がたくさん輩出できる制度になってくれたらいいなと思っております。

○魚住裕一郎君 次に、法科大学院のことをお聞きしたいと思います。
 大臣も就任後の記者会見の中で、裁判員制度はうまくいっているといいますか、スタートしたねと、だけど制度設計とちょっと違うのがこの法曹養成だということも述べられていたわけでございますが、文科省、お見えでしょうか。
 質の良い学生が入学し、また司法試験の合格率を中心にして、補助金の削減をちらつかせながら中小規模の法科大学院の定員減を迫っているという、そういう不満の意見も出ているところでございますが、大学院の入試の倍率あるいは司法試験の合格者数によってこの公的支援の見直しの対象となる法科大学院を決めるという方法が法科大学院の受験予備校化を加速するんではないかというふうに、そういう意見もあるんでございますが、文科省、いかがお考えでしょうか。

○政府参考人(常磐豊君) お答えさせていただきます。
 現在、文部科学省におきましては、深刻な課題を抱えます一部の法科大学院に対しまして、今委員御指摘のとおり、財政支援の見直しということを行うこととしているところでございます。この措置は、各法科大学院における自主的、自律的な組織見直しを含む改善を促進するということを狙いとするものでございまして、全体としての法科大学院教育の質の改善ということを図ることを目的としてございます
 その指標につきましては、中央教育審議会の法科大学院特別委員会の審議に基づいて設定をしておりますが、その一つの指標といたしまして司法試験合格率を用いております。これは、多くの法科大学院で教育改善が進められておりますけれども、その一方で、やはり深刻な課題を抱える法科大学院に司法試験の合格状況が低迷しているという指摘があることによるものでございます。
 また、司法試験の合格状況を指標として用いるに当たりましては、中教審の委員会から、過度に高い指標を用いるということにならないようにということで、合格状況に極めて大きな問題が継続している法科大学院に限定すべきであるという指摘がございますので、これを踏まえて公的支援の見直しの指標を設定しているという状況でございます。

○魚住裕一郎君 国立大学法人運営費交付金あるいは私立大学等経常費補助金、これを減額することで実績の上がらない法科大学院の自主的な退場を迫るというようなやり方になって、いかがなものかなというふうに思うわけでございますが。
 そもそも、何といいますか、法科大学院が乱立したんではないのか。結局、形式的、外形的な基準を満たしたものは全て設置認可をしたということが原因ではないか取りあえず認可しておいて、人の人生を左右しかねない、そういう教育の場を、競争による質の保障を図りながら、実績の上がらないものは淘汰されればいいんだと、そういうやり方自体が妥当ではないんではないかというふうに思いますが、いかがですか。

○政府参考人(常磐豊君) 法科大学院の設置につきましては、平成十三年六月の司法制度改革審議会意見書におきまして、「関係者の自発的創意を基本としつつ、基準を満たしたものを認可することとし、広く参入を認める仕組みとすべきである。」という提言をいただいているところでございます。これを受けまして、専門職大学院設置基準等において設置に必要な最低限の基準を定めまして、それを満たしているものについて設置を認めることとしたということでございます。
 各法科大学院におきましては、競争的な環境の中で切磋琢磨して教育の質の維持向上を図られることが重要と考えておりますが、現在、一部の大学院において教育の質に課題を抱えているという御指摘もいただいているところでございますので、文部科学省といたしましては、先ほど申しましたような中教審の提言等を踏まえまして、入学定員の見直しであるとか、あるいは成績、進級判定の厳格化、あるいはさらに認証評価基準の改善などによって評価システムをしっかりするというようなところで、各法科大学院の教育の質の向上に更に努めていきたいというふうに考えております。

○魚住裕一郎君 法務大臣にお聞きしたいんですけれども、例の連携法で、当然法務大臣にも責任があるわけでございますけれども、法科大学院の予備校化しかねないという状況、また、いろんな補助金をちらつかせながら改善してきたというのか、補助金による定員減だけが今のところの成果かなと思うわけでございますが、法科大学院の改善状況について大臣はどのように認識をされておいでになりますか

○国務大臣(小川敏夫君) 改善状況というとなかなか難しいんでありますけれども、本来の制度の趣旨としては、法科大学院でしっかり勉強とトレーニングを積んだ人はその大半が司法試験に受かって法曹になれると、このような制度設計であったと思うんでありますが、しかし実際には、ロースクールで学んでも、それが法曹になれない状態のロースクールが多いというところの現状は大変残念に思いますが、一つ一つのロースクールの在り方に法務大臣がああだこうだと言うのも、直接口出しするのも余り適切ではないかなと思うんでありますが、しかし、各ロースクールにおいては、やはり教育者としての使命感を持って、ロースクールの理念に根差していい法曹を養成するべくしっかり努力していただきたいという、こうした思いを持っております。

○魚住裕一郎君 いろんな問題を抱えながらでございますけれども、今、大臣、例えば平成十七年、法科大学院志願者、四万人超えていたんですね。二十二年は二万人ですよ。ぐっと減っちゃった。幅広く、そもそも点で試験をやるんじゃなくて、もっとプロセスで人材育成をしていこうという、幅広くいろんな社会経験を持った人も糾合しようという発想でやってきたわけでありますけれども、しかし、今はそういう合格率の状況だと、また就職状況も厳しいよということも含めて、そもそも法科大学院、進学するのをやめようという、本当に増えているんじゃないのかなと思うんですね。これもう司法という立場からするとゆゆしきことだと思いますけれども、この法曹の志願者がこれだけ減っていることについて大臣はどのように考えているのか
 あわせて、今、裁判所法をどうするのか。例の修習生の貸与制だ、いや、給費制だと。我が党は当然給費制だという案を出しているわけでございますし、また近々まとまってくるのかもしれませんけれども、やはりフォーラムみたいな形でやるんじゃなくて、司法制度改革の意見書出てからもうかなりたつわけでございますので、しっかりした機関、単に関係省庁だけのフォーラムじゃなくて、学識者も含めてそういう合議体をつくって、あるべき姿をもう一度きちっと議論をすべきではないかと。
 その減少したことと、今後の在り方について御答弁をいただきたいと思います。

○国務大臣(小川敏夫君) ロースクールの方、これまでも繰り返し議論の中で大変に問題を抱えていると。特に数的な面で見るとそうなんですが、私は、ロースクールでいい面、もう実際にこの役割を果たしている部分もあると思うんですね。
 ロースクール制度ができて修習を終えて、実際に弁護士が若手となって活躍を始めております。その中で、過去の司法試験だったら自分は絶対に法曹になれなかっただろうと。つまり、法学部を出ていなくて、ほかの分野で職を持っておられた方とか、法学部以外の方が新しいロースクール制度ができたことによって法曹になれたと。そうした方々は、法律だけでなくて、自分が得意な分野をそれぞれ持っておられる方が社会に出ておるわけです。この方たちが、これから言わば、今はまだ新米でしょうけれども、実際の中堅になって力を発揮してくると、このロースクールの一つの成果が形として現れてくるんではないかという面もあるというふうに思っております。
 また、給費制の問題、大変いろいろ議論したところでありますが、今の財政状況を考えますと、やはり修習中は支えますけれども、返せるときになったら返していただけたらというのが政府の考えでございます

○魚住裕一郎君 終わります。

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