政府公表資料等情報

衆院法務委員会平成24年06月15日より抜粋(下線は当サイトによる)

○橘慶一郎委員 ・・法曹養成制度の問題に入ってまいりたいと思います。
 二度目の質問になるわけで、平岡大臣とも大分議論させていただきましたが、これは、司法試験に合格をされた方、いわゆる司法修習を終えた方の問題というのが、例の給費制、貸与制の問題等でクローズアップされているわけですけれども、それだけではなくて、合格しなかった人、三振制で残念ながら合格できなかった人ということも含めて、こういったことを志した若い方々というものにどのようにまた頑張っていただくかという大きな視点でやはり捉えていかなきゃいけない。そこには法科大学院の問題も絡んでまいりますし、行政的にも、法務省、文部科学省を通じた問題になっていくわけであります。
 順番に質問をさせていただきたいと思います。
 まず、合格者の皆さん、いわゆる司法修習を受けている方々の部分から議論を始めていきたいと思います。
 弁護士登録者の推移でありますけれども、平成十三年四月一日、今から十一年前、一万八千二百四十六人。それから司法制度改革がありまして、合格者がふえまして、昨年の四月一日現在では三万五百十八人でありました。せんだって、主意書を出させていただいて、ことし四月一日、ですから一年たちまして、ことしは三万二千百三十四人、一千六百十六人ふえているわけであります。昨年秋の司法試験合格者数は二千六十三人でありますから、言ってみれば、登録された方、それからリタイアされた方、おつりで大体一千六百人ぐらいふえている、こういう形であります。
 最近、合格者数は二千人というものを維持されているわけであります。こういう調子でいきますと、遠からず、あと四、五年たつと四万人を超える、そんな勢いじゃないか、こんなふうに見てしまうわけですけれども、司法法制部長さん、見通しについて伺います

○小川秀樹政府参考人 お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、日本弁護士連合会の公表資料によりますと、弁護士として登録された者の数は、先ほどの御指摘ございましたように、平成十三年四月一日現在で一万八千二百四十六平成二十三年四月一日現在で三万五百十八平成二十四年四月一日現在で三万二千百三十四ということでございます。
 今後の弁護士の数につきましては、今後の司法試験合格者数などによって左右されるものでありますため、その見通しについて予測できるという性質のものではございませんが、平成二十三年四月一日から平成二十四年四月一日までの間に一年間に増加した人数、御指摘のとおり千六百十六名ということでございますので、今後、毎年この千六百十六人ずつふえていくと仮定した場合には、約五年後の平成二十九年には弁護士の数が四万人を超えると試算されるところでございます。

○橘(慶)委員 一万八千人から三万人でも、言ってみれば七、八〇%の増ということで、そして今、三万人から三万二千人、年間千六百人もふえてこられる。もちろん、もともとのゼロワン問題とかいろいろな法律家、弁護士さんたちの需要というようなこともあって、それはある程度吸収してきた部分もあったし、そういう目的は果たされてきているんだと思うんですが、やはり一面、今それだけ供給していって本当に需要とのバランスというのは大丈夫なのかなと心配になるわけであります。
 それを見る数字というのが未登録者の割合の推移だろうと思っております。
 六十三期、これは平成二十二年の秋の司法試験ということは、秋の修習ということですかね、十二月で一一%、三月で三・七%未登録、六月、半年たって二・六%未登録、こういうカーブだったわけであります。
 六十四期、今未登録中の方でいうと、十二月時点では二〇パー、前が一一パーだったものが二〇パーになった。三月になれば五・五パーまで減っているけれども、その前の年は三・七%ですから、やはり一・八%ふえている。六月の数字はまだ出ておりませんけれども、確実に曲線がだんだん上に振れてきているということであります。
 この数字を見たときに、実際、現場において、いわゆる修習後の弁護士さんたちの就職が困難になるといった状況は本当に生じていないのか、このことを法制部長さんに確認させてください。

○小川政府参考人 お答えいたします。
 日本弁護士連合会の調査によりますと、司法修習終了者のうち、裁判官及び検察官に任官した者を除きまして、司法修習終了直後のいわゆる一斉登録日に弁護士としての登録をしなかった者の割合は近年増加傾向にあるものと承知しております。
 そのような者の中には、法律事務所に就職した上で弁護士として登録することを希望しているものの、法律事務所への就職が決まっていないため、弁護士としての登録をすることができない者も含まれているということが推測されるわけでございます。
 もっとも、そのような方々も、その後数カ月以内には相当程度弁護士としての登録をしているほか、一部は民間企業や官公庁などに就職しているものと承知しております。
 以上でございます。

○橘(慶)委員 そこはちょっと見解を異にする部分がありまして、今はそうかもしれませんけれども、先ほど申し上げた、去年、六十三期は六カ月たって二・六%。六十四期、どういう数字が出るか、もうすぐ出てくるんだと思いますが、これが二パー、三パーならそういう御説明もあるかもしれないけれども、五%になり一〇%になるというようなことになったら非常に大変なわけであります。
 もちろん、そういうことになる前に法曹養成制度全体の見直しをしよう、こういうお話だと思うんですけれども、一面、また別の視点からこの問題、実は総務省さんが政策評価をずっと進めてこられて、四月二十日に法曹養成についての政策評価がまとまっております
 この総務省さんの四月二十日に発表された政策評価によりますと、これは総務省さんの記述なんですが、現状の約二千人の合格者でも、私が申し上げたように、弁護士の供給過多となり、就職難が発生、OJT不足による質の低下が懸念、こういうふうに総務省さんは指摘をされたわけであります。
 こういう指摘があるということであれば、当然、この根拠として何らかの事実を把握されているんだと思います。ここでは、その総務省において把握した実情、現場の声というものを御披露いただきたいと思います。

○新井英男政府参考人 法曹人口につきましては、司法制度改革推進計画におきまして、平成二十二年ころには三千人程度とすることを目指すこととされました。その後、弁護士の年間合格者数は、平成十三年度の九百九十人から二十三年度の二千六十九人と増加し、法曹人口も約一・六倍となっております。
 一方、当省がその後の法曹需要の動向を調査したところ、例えば弁護士会等の法律相談件数は、法律扶助対象の法テラスの無料法律相談が顕著に増加しているが、有料法律相談は減少しており、企業内弁護士数の増加や任期つき公務員在籍者数の増加はあるが、いずれも弁護士人口の拡大を吸収するほどではないなど、審議会意見において予見されたほどの法曹需要の拡大、顕在化は確認されませんでした
 また、そのような状況の中、就職状況につきまして見ると、日弁連によれば、弁護士の一括登録日における未登録者数は年々増加しており、平成十九年は三十二人であったものが、二十三年は四百人となっております
 また、当省が実地調査した二十二単位弁護士会のうち、十八の弁護士会では、弁護士事務所等への就職が困難になっているとしており、このため、十一の弁護士会では、就職難から、いわゆる即独、軒弁が以前より増加しているとし、このうち八弁護士会では、OJT不足による質の低下が懸念されているとしております。
 このOJTの重要性につきましては、司法制度改革推進本部のもとに置かれました法曹養成検討会に出された、司法修習委員会、議論の取りまとめにおきましても指摘されているところであります。
 以上の調査結果から、現状の二千人程度の合格者数であっても、弁護士の供給過多となり、就職難が発生し、OJT不足による質の低下が懸念されるとしたものでございます

○橘(慶)委員 この部分は、司法法制部長さんには、当然この勧告は出ているわけでありますが、また受けとめていただいて、実情の把握に努めていただきたいと思うわけであります。
 今ほどお話の出てまいりました中で、私は弁護士さんの世界じゃないものですから、即独、軒弁と言われて、最初は何だろうと思いました即独、司法修習を終了後、即、独立する者。軒弁、法律事務所に正式に就職せず、固定給なしで事務所の机だけを借り、独立採算型の経営をする者こういうことなんだそうです
 なかなか私どもは、即独、軒弁、それはわかる方にはわかるんでしょうけれども、こういう形になるとどういう弊害が出てくるのかということについては、法務省さんは当然、業界と言ったら叱られますけれども、弁護士の世界をよく御存じですから、こういう方々がふえてくるとどういう問題が出てくるのか、法務省さん、大臣の見解をお伺いいたします。

○滝実国務大臣 弁護士の数が異常にふえるというか、想定外なとは言えませんけれども、ふえた結果、どこで仕事が拡大できるのかということが追いつかない、そこに基本的な問題があるわけですね。
 もともとは、法曹人口をふやさないと基本的に事後チェックができない、それが本来の出発点だったわけですね。要するに、事前に行政が細かいところまで規制をするんじゃなくて、規制はできるだけ差し控えて、後の結果を事後的にチェックしていく、そのためにも事前に法曹が社会の隅々にまで渡っていなければいけない、それが本来の理想形として出発したわけですね。
 それができないうちに弁護士さんの数は確かに予定どおりふえました、こういうことですから、そこで弁護士さんのなかなか思うような収入が得られない。したがって、新しく弁護士資格を取っても、弁護士事務所に最初は就職して、そこで修行をしないと、現場での研修、仕事をやりながらの研修ということが期待できない、今そういう時代になっているわけです。したがって、言われますのは、新しくなった弁護士さんは厳しい修行の時期を失っている、これが最大の今の問題
 それから、弁護士業務がかち合う、とり合いになるんじゃないだろうかと。日本はまだ、そんなアメリカで言われているようなことまでは起きていないと思いますけれども、そういう、まずは修行の場が制約されているというところに今の問題があると思っています。

○橘(慶)委員 やはり問題として大分煮詰まってきている状況だと思います。もともと三千人の合格者を出すという話から始まっていたわけでもありますし。
 それと、この若い方々、きょう現在即独であり、きょう現在軒弁でやっておられる方々にとっては、ある意味で、私どもがつくった制度の中において、一人一人の人生というのは、そのときじゃないと二十でなかったり二十五でないわけですから、その段階で、言ってみれば、その方々の人生の可能性というのを私どもが奪っていくということになっては一番いけないわけですよね。
 そんなふうに考えますと、いろいろなことはあるけれども、まずそういった若い方々の視点で、この問題はやはりそういったところにも視点を置いて取り組んでいかなければいけないんじゃないかとつくづく思っております。
 後でまた御感想はいただくとして、今ほど大臣もおっしゃったように、ふえてくる供給、これに対して当然いろいろな取り組みをされております。
 これは主意書のお答えもいただきました。東日本大震災の被災者に対する法テラスの取り組みもあります国の採用もふえております地方自治体でも弁護士さんを任期つきで採用される事例も頂戴しました企業内弁護士も、それは前よりはふえておりますただ、そのふえる数というのが数名とか数十名とか数百名なんですね供給の方は一千何百名単位でふえてきているということに対して、どうも供給と需要で開拓されているものがつり合わない、そういうことが見てとれるわけであります。
 それはそうといたしましても、今の状況においてやはりそうやって困っている方もいらっしゃるということであれば、今後、活動領域の拡大ということはどうしても必要だと思います。非常に厳しい状況ではありますが、この活動領域の拡大ということについて、法務省さんが期待されている分野、どういったところを考えておられるのか、確認をいたします。

○滝国務大臣 当初、法曹人口をふやすときの理由を見ますと、例えば特許とか、要するに海外関係で法曹人口がまだまだ足りないということが一つございました。それから、社会の隅々まで法曹が行き渡るためには、例えば、企業も法曹を採用する、それから、もちろん公的な機関、公務員も法曹を採用できればと、こんな絵を描いたと思うんです。ところが、実際問題としてそこが行き詰まっている
 したがって、今やれることは何かというと、やはり、弁護士資格を持っていても、市町村の公務員として手を挙げてもらう、県の公務員として、地方公務員でございますけれども、手を挙げてもらう、そういうことを徹底していかないと、とりあえずの問題は解決しないんだろう。現実に、市町村でもいわば法曹資格を持った人たちが、大量にはもちろん事柄の性格上いきませんけれども、かなり進出してそれなりの実績を上げているということは数字的には出てくるわけです。
 しかし、今まで一万四千人もふえたものを吸収するだけのものは、吸収力はないということですから、今先生の御心配のように、どうやっていわば弁護士さんを、外に活躍の場を求めるかということではないだろうかな、こんな感じを持っております。

○橘(慶)委員 地方自治体の場合も、規模がいろいろあって、基礎自治体千七百あるわけですけれども、それは大きな自治体であれば当然任期つきで採用ということもあるわけですけれども、やはり小さい自治体もあるわけで、そういうところになりますと、せいぜい顧問弁護士さんとして事件のたびにお願いする、それくらいで足りるということもあるので、その数字というのが、今申し上げた自治体の数だけで一千七百ということを考えただけでも、そこで出てくる需要というのは県が四十七あったとしても見えてくるわけで、数百人、千人オーダーということはなかなか考えにくいわけですね。
 そのほかに、お話によりますと、今大臣も少し触れられましたが、法廷活動以外の分野、あるいは外国法、国際取引法、そういった分野で弁護士さんの能力というものを活用していくという部分もある。そういうことで、法科大学院の教育内容についても、そういったところも今充実されている、こういうことも伺っております。
 ただ、もう一つ問題があるのは、法科大学院というもの自体の性格とかありようということも実は大変問題でありまして、実は、法科大学院というのは、法曹養成の場、こういう定義づけでつくられているわけです。例えば、理科大学院とか経済学の大学院とか、そういうところはそういうことがなくて普通の大学院ということなんですが、法科大学院だけは、司法制度改革とリンクしたものですから、法曹養成の場ということで縛りがあるわけです。
 ここで、今の法務省さんへの質問とは少しずれますが、法科大学院において、法曹養成の場だ、だから司法修習あるいは弁護士のための能力ということで、いろいろな科目を開設される。しかし、その中に、外国法とか国際取引法とか、いろいろ新しい、また弁護士活動のために必要な科目もふえてまいりますと、いわゆる基礎法学と言われる、例えば法制史だとかあるいはローマ法とかいろいろなものがあるわけですね、そういったものについては、なかなか授業、講義が成り立たないということになる。そうすると、研究者という方々、それぞれの学問分野で研究者の養成ということも大学院の大きな役割なんですけれども、そこがおろそかになるんではないかという心配をするわけです。
 この点、研究後継者養成型の大学院との連携による教育研究というようなことも文科省さんはおっしゃっているんですが、具体的にどのように、いわゆる研究者としての養成の場としての法科大学院というものを維持されていくのか、ここを確認しておきたいと思います。

○常盤豊政府参考人 お答えいたします。
 法科大学院の教育課程につきましては、大きく分けますと、四つの授業科目がございます。法律基本科目、法律実務基礎科目、基礎法学・隣接科目、展開・先端科目、この四つの領域全てにわたって授業科目を開設する。そして、学生の授業科目の履修はいずれかに過度に偏ることがないように配慮するというふうにされております
 この中で、法律基本科目といたしまして、憲法、民法、刑法など、基本的な授業科目が開設されますとともに、基礎法学・隣接科目といたしまして、法哲学、法史学、法社会学等の基礎法学に係る授業科目が各法科大学院のカリキュラムに沿って開設をされているものと認識をしております。
 また、法科大学院におきましては、今委員御指摘の研究後継者養成型の大学院との連携による教育研究も進められております。例えば、東京大学や京都大学におきましては、法科大学院の修了生を実定法学研究を支える後継者として養成する体制を強化するために、法科大学院修了者を念頭に置いて、博士課程で論文作成能力の向上に資する科目を開設するといったような取り組みがあるというふうに認識をしております。

○橘(慶)委員 いろいろな取り組みがされているんですが、先ほどの司法修習生の登録の問題もそうなんですが、ゆがんでいったときに、ゆがみがだんだん戻せなくなる前に何かしていかなきゃいけないんじゃないかな、そういう危機感を覚えながら見解をお伺いしているわけですけれども。
 それでは、不合格者、三振制等がありまして不幸にして合格できなかった方々についての状況ということで、ここが一番骨なわけですけれども、お伺いをしていきたいと思います。
 まず、修了者の進路ということについても、総務省さんの今回の政策評価では取り上げておられますここについての政策評価上の問題意識について、まず最初にお伺いをいたします

○新井政府参考人 法科大学院修了者の司法試験の合格率は低迷しており、また、受験資格喪失者も、平成二十三年度までに四千二百五十二人生じているという状況にあります。
 このような状況に鑑みれば、各法科大学院における教育内容、方法等の改善を図る観点などから、修了者、特に不合格者の進路の実態を把握する必要性があると考えられます。
 しかし、実地調査した三十八法科大学院のうち、九校で進路把握をしておらず、また、進路が把握できていない不合格者は修了者全体の約三割となっております。また、法科大学院修了者は、受験資格を保有し得る少なくとも五年間は継続的に把握する必要があると考えられますが、そこまでの取り組みを行っている法科大学院は見られなかったところでございます。
 このため、本政策評価におきましては、法科大学院に対し、修了者の進路の把握につきましては、修了時はもとより、受験資格を保有し得る少なくとも五年間は継続し、総合的な蓄積、管理を行わせることを文部科学省に対し勧告したところです。

○橘(慶)委員 この辺が一つ、言ってみれば矛盾点になってくるわけです。法曹養成の場ということだから、司法試験に受からせればいいんだと。本当は、もともとのキャッチフレーズは、ほとんどの方が司法試験に受かっていく、学力をつけて社会に出ていく、だから、基本的に受からない方のことは考えなくてもいい、そういう世界でスタートしたんだと思います。しかし、現実は、受からない方というのが、後から資料もお見せしますが、そういう方々がふえてまいりますと、結局、進路指導とか進路把握もしなきゃいけない。
 そうすると、私が申し上げたいのは、法曹養成の場という法科大学院の位置づけというのが困難になってくるんじゃないか。要は、いろんな就職口を探す法科大学院になってくるということであれば、法曹養成の場ではなくなるんじゃないか、こんなことも思ったりします。
 これは後からお伺いするとして、皆様方にはお配りしたデータ、きょう、一枚だけ資料をつけました。これが、法科大学院協会において平成二十三年十月、中間的にわかる範囲でまとめられた「法科大学院修了者の進路の状況について」ということであります。
 この取り組みを一生懸命されたこと、そして文部科学省さんも汗をかかれたことはまず評価いたします。
 このデータの読み込みについては後から御説明しますが、まずは、今ほどの総務省さんの勧告、五年間継続していろいろ調べなさい、蓄積をしなさいということについての文部科学省としての取り組み姿勢について、城井政務官からお願いいたします

○城井崇大臣政務官 お答えを申し上げます。
 修了者の進路の把握についてでありますけれども、修了者の動向を法科大学院を離れた後もそれぞれの法科大学院で把握し続けるというのは、なかなか難しい側面もあるというふうに思いますけれども、修了者への適切な支援などを検討する上では、その動向を把握することはやはり重要だというふうにも認識しております。
 そのため、文部科学省としても、省令を改正いたしまして、修了者の進路把握を認証評価の項目に新たに追加するなどの取り組みを行ってきたところであります。
 今後も、総務省の勧告も踏まえまして、引き続き、法科大学院に対する調査、通知等を通じて修了者の進路の着実な把握を強く促すことで、修了者全体の進路動向の把握にさらに努めてまいりたいというふうに考えております。

○橘(慶)委員 ぜひよろしくお願いをしたいと思います。
 そこで、皆さんにお配りしたこのデータなんです。二十三年十月末なんですけれども、皆さん、ちょっと色がないのは申しわけなかったんですが、政府の皆さんには色をつけて見ていただくとわかりやすいんですが。
 このグラフをこうやって見たときの右端、減ってきている右端のこれが合格された方々ということですね。真ん中の、ぐっと広がってきているこれが今一生懸命勉強されている方々ということであります。一番左、薄くなっているところが、実は今どうされているかよくわからない、不明。必ずしもこれが全てドロップアウトとは申しませんが、わからないということに区分けされていくわけです。
 一つ一つの母数、これはパーセンテージですから数字は入りませんでしたが、実際は、最初の年が二千人ぐらいで、あとは大体四千四百人、四千九百人、ちょっと減ってまいりましても四千五百人ぐらいなんですけれども、例えば一番最後の二十二年度でいえば、その年ですぐ受かったという人が四千五百三十五人中一千百四十六人、お勉強中という人方が一千九百三十四人、わからないという人が一千二百六十八人となっております。
 ですから、今の段階で、二十二年度卒の方で、要するに一年目には受かっていないということです。まだ勉強を続けています。この辺が例の給費制、貸与制の問題とリンクしてくるわけです。
 では、これが、二十四年十月、これと同じデータをつくったらどうなるんでしょうか。というのは、まだ勉強されていて、三振していない方々がここにいるものですから、この方々が受けた場合に、ここから受かっていくとすれば、あるいは一年頑張った人たちが受かれば、今度ここはどうなるんだろう。ここが小さくなればなるほどこれは大変な話で、勉強した、卒業した、受からない、また勉強だ。だから、大変なことになってくる。それが、先輩方が残っているものですから、そういうことで自然にこうなっていっちゃうんですね。
 私、きょうはビジターで法務委員会ですから、法務委員会の方々は、どちらかというと、右側だけ考えておられるような気がしてならないんです。右側のこの部分のところの就職問題を先ほどお話しいたしました。大臣とも意見交換しました。
 私が心配しているのは、これからこの薄い色になっていくんじゃないかという方々です。この方々は、弁護士になろうという志を立てて法曹養成の場の大学院へ入ってきながら、なれないでは、四年のときに違った選択をして、社会へ出ていれば、もっと違った人生もあったかもしれないそれがどんどんどんどん時間がたっていく確かに、昔から司法試験というのはそういう部分もあったんですが、今回は何せ、門が広がる、門戸が広がるということでかなり大々的に募集をされたということもあるものですから、ここが非常に心配なわけです
 私、勝手に二十四年十月はどうなるんだろうと申し上げましたが、大臣、いかがですか。二十四年十月というと、また今度、臨時国会ぐらいでビジターで来ればいいのかもしれませんけれども、そのときこのグラフを持ってきたら、どんな感じになるとお思いですか。

○滝国務大臣 委員お示しのグラフによれば、本来の司法試験改革が結局もとのもくあみになってしまう、こういう御指摘だろうと思います。
 もともと、司法試験浪人というふうに言われた人たちが、大事な青春時代を棒に振って、勉強一筋に取り組んでいる、そういう姿を何とか解消したいというのがこの法曹改革の原点だったわけでございますから、その原点がだんだん傷が大きくなってしまった。こういうことをやはり改めてどうするかということを考え直さないと、もう取り返しのつかないところまで来ているということだと思います。
 そこのところは、そういう深刻な状況であるということは受けとめていかなければいけませんし、そして、給費制、貸与制の問題よりもむしろ、そのグラフでいえば右側の、相変わらず試験中、あるいは行方がどういうふうなところに落ちついているかわからない人たちについて、どう配慮するのか、こういう御指摘だろうと思います。
 いずれにいたしましても、昔言われた司法試験浪人の弊害というものをまたもやクリアすることができなかった、こういうことの反省は率直にしなければいけないと思っています。

○橘(慶)委員 三振制ということで、司法試験浪人としてはリタイアをさせる仕組みになっているとはいえども、この薄い色のところに行っちゃえば、何が何だかわからないということでもあります。
 考えてみれば、今、合格者数が大体二千人でここのところ頭打ち、御説明は、これはいわゆる競争試験ではなくて、達成度を見るんだから、要するに司法試験としての能力がある方が二千人しかいなかった、こういう御説明にはなっているわけですけれども、大体、大学院に入学者が四千五百人いて合格者が二千人しかいなければ、そうなるのもある意味でシステムとして見えちゃっている、こういう問題もあるわけですね。
 一面、滝大臣、恐縮ですが私よりも一世代前の方になるわけですけれども、いろいろなことを御存じで、例えば、法学の場合は、四年で卒業して、優秀な方はすぐ裁判官になったり、あるいは法学研究の方に助手制ですぐなったとか、そういうシステムであるということも多分よく知っておられると思うんですね。
 それが今は、ある意味で二年間余計勉強しなきゃいけなくなって、そしてOJTもできなくてということになったら、何をしているのかわからなくなるんじゃないか。これをぜひ何とかしていきたい、こういう思いで、要は、今大臣の御答弁になったとおりに、全体を見ていただいての改革ということをぜひ法務省としても考えていただきたい、こういうことであります。
 そこで、法科大学院において、平均合格率は非常に今下がっております。三割に満たない、こういう状況において、若者にはどのような進路を示し、就職指導をしていくということをお考えになっているのか、文部科学省さんの見解を伺います

○常盤政府参考人 法科大学院の修了者につきましては、法曹以外の分野でも、例えば企業法務であるとか公務員等として活躍することも期待をされているわけでございます。
 司法制度改革におきましては、二十一世紀の司法を担う法曹に必要な資質といたしまして、専門的知識に加えて、柔軟な思考力、説得、交渉の能力、あるいは社会や人間関係に対する洞察力等を求めておりまして、法科大学院において、そういう能力の涵養という点で努力を続けているところでございます。
 進路変更等によりまして仮に法曹とならない場合におきましても、これらの法的素養等については、社会で活躍するために必要とされる能力であると考えております。こういう能力を培うためにも、文部科学省としては、各法科大学院の教育の質の改善ということを促してまいりたいと考えております。
 また、現在の状況を踏まえまして、中教審の法科大学院特別委員会におきましても就職支援の充実方策ということについて議論をしているところでございますので、文部科学省といたしましては、こういう議論を踏まえつつ、修了者の就職支援というところに力を入れていきたいというふうに考えております。

○橘(慶)委員 多分、いろいろな就職口のイメージを考えていかなきゃいけないんだと思います。先ほど大臣から御答弁いただいたのは、こちらの方々の就職のイメージ。しかし、全体の方々の就職先のイメージ、あるいはどういうキャリアに進ませていくか、これをぜひ文部科学省さんとしては早急にお考えになることが大事じゃないかなと思います。
 この項の最後でありますが、法科大学院の数の絞り込みなど、さまざまな対策が議論されておりますが、最近の法科大学院の実情について、きのうも少しネットで出ておったようでありますけれども、文部科学省さんからお答えいただきたいと思います。

○常盤政府参考人 お答えいたします。
 文部科学省といたしましては、平成二十一年の中教審の報告を踏まえまして、入学者選抜における競争倍率あるいは司法試験の合格率等を指標といたします公的支援の見直しなどに取り組んでいるところでございまして、多くの法科大学院において教育の質の向上に向けた取り組みが行われていると認識をしております。
 しかしながら、最近の法科大学院の実情についてでございますけれども、司法試験の合格率を初めといたしまして、入学者選抜における競争倍率、あるいは入学者数、入学定員の充足率などの指標について、法科大学院間で大きな差が生じているという認識をいたしております。
 さらに、法科大学院の組織見直しの状況でございますけれども、先月、法科大学院一校が募集停止を発表いたしましたけれども、それを含めまして、これまでに三校の法科大学院が募集停止あるいはその予定を発表しているところでございます。
 文部科学省といたしましては、中教審の法科大学院特別委員会におきまして、課題のある法科大学院への対応等、法科大学院教育の改善方策について検討を加速させていきたいというふうに考えております。

○橘(慶)委員 きのうのネットに発していた記事では、ことしは八六%の法科大学院で入学定員割れ、こういう記事もあったと思います。ぜひ、この分野について早急に、言ってみれば、需給と言ったら叱られるかもしれませんけれども、そういう合格者数なり、そのところに合った法科大学院制度の設計、そしてまた法学教育というものを本当にどういうふうに再構築するのかということについて取り組んでいただきたい、このように要望をさせていただきます。
 最後に、幾つか問題点は申し上げたので、あとは、これからどうするというところです。
 法務省さんが庶務を担当されている法曹養成フォーラムも五月十日には論点整理が終わったところであります。少し確認をさせてください。
 法曹養成フォーラムの主たるメンバー、主要メンバーというのは、例えば司法書士とか行政書士さんとか、いわゆる税理士さんとか、そういう士業の方は余り入っておられませんでしたあるいは、司法試験の受験生とか、企業等の法務サービスのユーザーとか、そういった方々も本メンバーとしては入っておられませんでしたしかし、論点整理においてはいろいろな形でそこは反映されたものと思いますどのようにされたかだけ確認をさせてください

○滝国務大臣 フォーラムの中では、例えば司法書士会からもおいでいただいて、司法書士会の仕事ぶりというような観点から意見を聞かせてもらう。それからもう一つは、例えば市町村に職を得ている弁護士さんというか法曹の実際の仕事ぶりはどうなんだろうかとか、そういうようなことでのヒアリングとか、そういうことはやってまいりました

○橘(慶)委員 そういうことも踏まえられて、フォーラムの論点整理では、隣接専門職種団体について、役割の明確化と連携の強化ということを指摘されているわけであります。
 法務省さんという一つの垣根の中では、弁護士さんと司法書士さんとの関係ということにどうしてもなってしまうのかもしれませんが、現実は、行政書士さんもあったり、あるいは税理士さんの方もあったり、実は税理士さんと会計士さんが、これは法務省さんの所管ではありませんけれども、非常に今問題を抱えていて、これは会計士さんも同じような問題を今抱えていますから、いろいろなところに士業の状況というのは非常に難しくなってきているわけですが、ここでは法務省さんということでありますので、弁護士さんと司法書士さんとの関係についての見解だけお伺いします。大臣にお願いします。

○滝国務大臣 司法書士さんというのは、簡易な事件については弁護士に準じた仕事ができるということでもございますので、そういう意味で、司法書士会の方々を呼んで実際の仕事の中身というものをお聞きしたわけでございます。
 そういう意味では、例えば税理士さんとか、そこまではいっておりません

○橘(慶)委員 この分野は、どこかがひずんでくるといろいろなことがひずんでまいります。ぜひそこも含めて総合的に、しかし早急に御検討を進めていただきたい。
 大臣からは、若い方々に目線を置いてというお話も承りました。それは非常にありがたい御答弁だったと思いますが、そういった、きょうるるお話をさせていただいた法曹養成制度の今日的な問題点、若者が直面しているこの制度のひずみ、こういったことを直視した上での具体的な処方箋を書くべきと思いますが、大臣の決意をお伺いしたいと思います。

○滝国務大臣 少なくとも法曹養成のための基本的な主管省である文部科学省も入って、この問題は政府一丸となってとにかく解決策を探る、こういうことでございます
 そして、今度の裁判所法改正法の考え方にもございますように、少しウイングを広げて、合議機関として改めて方向を探っていく、こういう決議もいただいておるわけでございますから、そういう中で、新しい角度からも見直しを早急に詰めていく、これが法務省の責務だろうと思っております。

○橘(慶)委員 総務省の政策評価の勧告に対する回答は、どうやら六カ月後、そしてまた一年後ということで来るようであります。今ほど、処方箋を書いていく上でのお気持ちはお伺いいたしましたが、あと、念のため、スケジュール感ということについて、法務省、そしてまた文部科学省から、それぞれお答えをいただきたいと思います。

○滝国務大臣 裁判所法の改正法案のときにもこの委員会における皆さん方の御意見を伺いましたけれども、結局、この問題は、毎年十一月から新しいいわば合格者が司法修習に入る、そういう期間の問題もありますから、十一月が一つのポイント、それから年度末の三月、四月が一つのポイント、そんな時期を勘案しながら早急に取りまとめていく、こういうふうなスケジュール感を持って臨んでまいりたいと思っております。

○城井大臣政務官 お答えを申し上げます。
 先ほどからお話が出ておりました論点整理の取りまとめを踏まえ、また、法科大学院のさらなる改善方策については、現在、中教審の法科大学院特別委員会におきまして、課題のある法科大学院への対応、あるいは未修者教育の充実方策などについて集中的に議論を行っているところであります。
 その上ででありますが、文部科学省としても、この法曹養成制度の今後については、特に政務三役として危機感を強く共有しているものであります。そうした部分を踏まえまして、先ほどの論点整理、そして裁判所法改正の審議の動向、また、国会からもさまざまな御提言、御意見を厳しく強くいただいておりますので、そうしたものをしっかり踏まえまして、中教審における検討をまず加速させるということ、また、それとともに、取りまとめたところから実行していく、随時加速していくということで取り組ませていただきたい、そのように考えております。

○橘(慶)委員 文部科学省さんの方は、めどは明らかにはなさらなかったというのがちょっと残念ではありますけれども、しかし、危機感ということはお話があったわけですから、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 法曹養成の場としての法科大学院、本当にこれだけの数で、これだけの入学者でいいのかということ、ではどういう形に変えていくのか、どういうあり方があるのか、そしてまた、どの程度の弁護士さんの合格者が必要なのか、その方々がどういうまた役割を果たしていけばいいのか、そういったことについてぜひ総合的に検討をいただき、そしてまた、他の士業等にまた変な形ではねっ返りが出てこないように、ぜひ、ここについて早急に、かつ綿密に検討をいただきたいということを申し上げて、ここまでの項を終わらせていただきます。

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