政府公表資料等情報

谷垣法相閣議後記者会見平成25年3月29日(金)より抜粋

法曹養成制度に関する質疑について

【記者】
 今週水曜日に,法曹養成制度検討会議で,中間取りまとめに向けた座長試案が示されました。司法試験合格者数の目標数値であった3,000人を撤回し,法科大学院の定数削減や統廃合を進めることなどが盛り込まれましたが,大臣の御見解と,検討会議に期待することについてお聞かせください。

【大臣】
 今は,座長試案が出されたという段階です。これから,その試案を議論していただき,それをパブリックコメントに掛け,7月に取りまとめるというスケジュールであると思います。ですから,今の段階で私が申し上げることは,今までも大変精力的に議論していただきましたけれども,これからも,パブリックコメントを踏まえて,良い結論を出していただきたいということです。

【記者】
 新しい数値目標を掲げなかったことについて,委員の方から,それはいかがなものかといった異論も出ていますが,そういったことについて,何かコメントはありますか。

【大臣】
 いろいろ御議論はあるだろうと思います。いずれにせよ,質,量とも改革前に比べると充実するという方向は変わりません。質,量双方でしっかりした法曹を養成していただく議論をしていただきたいということです。

 

参院法務委員会平成24年07月31日より抜粋(下線は当サイトによる)

○魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎でございます。
 今日は一般調査ということでございますが、先般、七月二十七日に参議院本会議で、当委員会で採決いたしました裁判所法の一部を改正する法律が可決、成立をいたしました。本委員会の各委員の先生方、あるいは法務当局にも届いていると思いますが、いろんな方々が運動をしておりまして、給費制是非続けてもらいたいとか、そういう方でございますが、例えばこの司法修習生に対する給与の支給継続を求める市民連絡会、労働者福祉中央協議会、これは笹森さんが会長をやっていたところでございますし、あるいは山口二郎さん、北海道大学教授、あるいは本多良男さん、クレ・サラ被害者連絡会の事務局長であるとか、そういう人たちがつくっている連絡会でございますけれども、その市民連絡会の中で、この衆議院における附帯決議の趣旨にのっとり、フォーラムに代わる新たな合議制の組織を市民参加による開かれた検討の場とするよう求めるとともに、法曹を志す者の立場に立ち、給費制の復活はもとより、法曹養成制度全般にわたっての根本的な見直しによる改革、改善を行うよう強く要望する、こういうような声明を送ってまいりました。
 別にこれで質問しようという話ではございませんけれども、本当、かなり心配して、注目をして、この新しい合議体における議論というものを見守っているという状況にあるわけでございまして、この法律、成立したわけでございますが、一年間という期限付でございますが、しっかり議論をしていただきたいなというふうに思うところでございます。
 今日は、その裁判所法改正案の審議の中でも取り上げられたわけでございますが、法科大学院の現状について様々な問題点が指摘されているわけでございますが、私も新聞記事で、これ五月のゴールデンウイークのときでしたが、日経に載っていたんですが、明治学院大学法科大学院の本年度の入学者五名という、去年が二十九名、二年前が四十八人という、急激に減って、結局撤退が事実上決まったという、そういうような新聞記事に接しました。これはえらいことだなというような、もちろん適性試験の志願者もかつての五分の一以下になっているという状況もあるわけでございます。
 そんな法曹養成全体の状況の中で、文科省中教審の大学分科会法科大学院特別委員会、今年の七月十九日に法科大学院教育の更なる充実に向けた改善方策についてという、そういう提言を行い、そしてこれを受けて文科省が二十日の日に、法科大学院教育改善プラン、こういうものを策定いたしまして、その改善方策を明らかにして、迅速、着実に改善に取り組むというふうにしているわけでございます。
 具体的に、じゃ、どういうふうにやるのかというと、公的支援の見直し、すなわち補助金の削減ということになるようでございますけれども、この点について何点か伺いたいと思います。
 去る平成二十二年九月十六日に、自主的、自律的な組織の見直しを推進するために、入学試験の競争倍率、それから新司法試験の合格率、この二つのメルクマールといいますか、指標として、補助金の削減を行うというふうにされておりました。これによって、本年度は六つの法科大学院が補助金が削減されることになったわけでございますけれども、この減額する目的、組織見直しの推進というふうに言われておりますけれども、要は統廃合あるいは間引き、こういうことなんでしょうか。この補助金減額の目的について、文科省にお伺いをいたします

○政府参考人(常盤豊君) 文部科学省におきましては、今御指摘いただきましたように、平成二十二年の九月に法科大学院の組織見直しを促進するための公的支援の見直しということで、新しい仕組みを設けたわけでございます。
 この仕組みといたしましては、深刻な課題を抱えます一部の法科大学院に対しまして、一定の指標を設けて、御指摘をいただきましたが、一定の指標を設けて、これに該当する大学院については公的支援を見直すことで、自主的、自律的な組織見直しを含む改善を促進することによりまして、法科大学院教育の質の改善を図るということを目的としているものでございます。
 この仕組みについては平成二十四年度予算から対応するということで、二十四年度の対象校は、これも御指摘ございましたけれども、六校となっているところでございます。

○魚住裕一郎君 それで、先ほどの改善プランについてという中では、今の入試の競争倍率、それから新司法試験の合格率に加えて、入学定員の充足状況、これを新たな指標として追加することとしているわけでございますが、これを追加する理由と、それからまた効果といいますか、もちろん文科省として期待している効果、どういうふうに考えているんでしょうか

○政府参考人(常盤豊君) 現行の公的支援の見直しにつきましては、前年度までの司法試験合格率が三年連続して全国平均の半分未満であることと、それから前年度の入学者選抜における競争倍率が二倍未満であること、こういう二つの指標の双方に該当した場合、公的支援の見直しの対象になるという仕組みでございます。
 この現行の公的支援の見直しに関しまして、中教審法科大学院特別委員会におきまして現状等確認をいたしましたところ、ここ二、三年で競争倍率二倍未満の法科大学院は減少傾向にある一方で、入学定員と実入学者数の乖離が大きくなっているという指摘がございました。このように、入学定員と実入学者数との間で大きな乖離を抱えた状況を放置しておくことは適当ではないということから、更に自主的、自律的な組織見直しを促すために、新たに入学定員の充足状況を指標といたしまして追加する措置を講じる必要があるという提言をいただいたものでございます。
 入学定員の充足状況を指標として追加した場合には、課題を抱える法科大学院におきまして、入学定員と実入学者数との大きな乖離を是正すべく、例えば現行の入学定員を実際の入学者数に即した規模に改めるなどの組織見直しの効果が期待できると考えております。

○魚住裕一郎君 充足状況というか、具体的に、定員に対する、何割ぐらい、何%ぐらいというふうに考えるんでしょうか

○政府参考人(常盤豊君) 法科大学院における組織見直しの更なる促進方策といたしまして、今申しましたように、入学定員の充足状況ということを新たな指標として追加する措置を講じる必要があるということを中教審の法科大学院特別委員会で御提言をいただいているところでございます。
 文科省といたしましては、現在、この指摘を踏まえまして、入学定員充足状況を新たな指標として加えた公的支援の更なる見直しにつきまして、その具体的な割合あるいは他の指標との組合せ方などにつきまして、現在、精査、検討をしているところでございます。
 いずれにいたしましても、公的支援の見直しが深刻な課題を抱える法科大学院に対する自主的、自律的な組織見直しを促す観点から適切な指標となるように十分検討していきたいと考えております。

○魚住裕一郎君 要は、いろんな、定員を減らせよという、そういう圧力を掛けながら補助金を削っていくという、そういう形になるわけでございますが、この新聞、私読ませていただいた日経の五月九日の記事の中で、補助金を奨学金に充てる法科大学院は多いというような表現ぶりもあったんですね。
 それを奨学金に充てることの当否は別といたしまして、現実にもし補助金が削減されることになった場合、学生が奨学金を受けられなくなったり、あるいは優秀な教員を確保することが困難になって教育レベルが下がってしまうと。今でも合格者のレベルが下がっているという指摘もありますけれども、更に下がっていくんではないのかというふうに、そういう影響が生じかねないというふうに思うわけでございますが、文科省としてはこの点はどういうふうにお考えでしょうか

○政府参考人(常盤豊君) 現行の公的支援の見直しにおける減額につきましては、その対象校が仮に国立大学でございましたら、国立大学運営費交付金のうち、法科大学院の設置のときに措置した額から学生経費相当分を除いた額、基本的には教員配置のための経費の一部を考慮して減額を調整するということにしております。私立大学におきましても、国立大学運営費交付金と同程度の額を目安に減額を調整するという仕組みとなっております。
 文部科学省といたしましては、このような公的支援の見直しを受けた法科大学院について、教育の質の確保に向けて、速やかに自主的、自律的な組織見直しに取り組むことを促してまいりたいと考えております。
 また、公的支援の見直しの仕組みを設けて以降、この影響ということでございますけれども、各法科大学院における競争倍率の改善が進んでいるというような、いわゆる入口での質を改善するという点では一定の機能を果たしているものというふうに考えております。

○魚住裕一郎君 先ほども御答弁ございましたけれども、既に募集停止を決めた法科大学院五校ございますね。大宮法科大学院とか姫路獨協とか駿河台、あるいは神戸学院、明治学院。今の改善プランによって新たに減額条件が加えられるわけでございますが、今まで以上に撤退とか統廃合が加速される可能性がもちろんあると思うんです。絞った方がいいという、そういう圧力でございますので、そういう方向性に行くのではないのかな。
 ただ、在籍している学生にとってはえらいことになるなと思うんですね。自分の大学院が補助金の減額の対象になるかとか、本当にきちっと教育といいますか、法曹養成の質が確保されるのか。やっぱり大学院生が落ち着いた教育環境といいますか、そしてまた、レベルを確保していく必要があるかと思いますが、その点十分に補助金減額についても配慮をしていくべきだというふうに思うわけでございますが、配慮点といいますか、文科省はどういうふうにお考えでしょうか

○政府参考人(常盤豊君) 法科大学院における学生募集停止などの撤退や統廃合の決定は、当該法科大学院がそれぞれ置かれている状況等を踏まえて大学の自主的な判断ということで、そういう判断に基づいて行われるものであると理解をしております。
 その際の対応といたしましては、委員御指摘ございましたけれども、まず、在学生に対する教育が十分に行われるように配慮するということが必要であるというふうに考えております。教育環境や教育の質の確保について、従来どおり確保していくよう各法科大学院において取り組んでいただきたいというふうに私ども考えております。
 なお、この補助金の削減でございますけれども、この中で、例えば競争倍率の指標ということを取ってみますと、あらかじめ具体的基準を示している中で、大学においてその指標を守るといいますか、そういう機会があるわけでございますので、そういうあらかじめ指標を示すことによって各大学において教育の質の確保のために適切な対応をしていただくということが基本であるかなというふうに思っております。

○魚住裕一郎君 本当に何でこういう情けないような状況になったのかなとは思うんでございますが、司法制度改革やって新しい法曹養成の制度をスタートさせる、その段階で、法科大学院卒業生は七割ぐらいは司法試験に、新しい司法試験に合格すると、そういうような形でスタートしたはずなんですよね。ただ、各大学、法学部をお持ちの大学は、それは法科大学院がなければうちのこの学部のブランド力が落ちてしまうと、そういう危機意識といいますか、そういうので皆さん手を挙げたと思うんですよね。
 一方で、法曹という職業人というか、プロフェッションといいますか、そういう養成するわけで、単なる教育というそういう場だけではないと思うんですね。イギリスだったら、法曹養成は本当、職業人のinnsで訓練しているわけであって、大学教育とはちょっと違った在り方が本来の私は筋ではないのかなと思っております。
 文科省の方は、法科大学院、手を挙げたところは認定のその基準を達していればみんなオーケー出してしまった。だから、それは当然、総定員が増えるに決まっている。だからこそ、逆に、文科大臣と法務大臣が連携をして、その辺を絞れるようにしようというのが連携法だったわけですよね。だから、我々から見ると、文科省は一体何やっていたのとともに、法務省何やっていたのと。もう縦割り行政のままで、あなたにお任せねと、こういうふうにしか見えないわけなんですね。
 だから、本来、例えばアメリカであれば、ロースクールって千人規模ですよ、普通は。あるいは、韓国だって、頑張って絞って、そして新司法試験が八割方通るようにしてあるわけですよね。だから、ちょっとこれは本来、司法の場に多くの人材を来てもらうという趣旨から逆に今おざなりになってしまったなというふうに思っております。
 ただ、そうはいっても、これだけスタートして、今を踏まえて少しでも良くしていくということは絶対に必要なんであって、それはもう各立場で改善策を模索していく必要があるんだろうとは思うんです。
 そんな中で、七月十三日ですか、日弁連は、法科大学院制度の改善に関する具体的提言を取りまとめたということがあったわけでございますが、この大学院制度、これは統廃合と入学者総数の大幅な削減を促進すると、そういう言い方をしてございますし、また、司法試験制度についても、例えば受験回数を当面の間五年五回等に緩和する等々具体的に提言をしている。あるいは、この多様性も、地方の法科大学院また夜間の法科大学院ということも言及があるわけでございますが、法務省も文科省も、この日弁連の提言は、具体的提言、もう目を通されていると思いますが、これについての御所見、文科省並びに法務大臣にお伺いをしたいと思います。

○政府参考人(常盤豊君) 今御指摘いただきましたこの七月の日弁連の提言におきましては、法科大学院の統廃合と学生定員の削減、あるいは教育の質の向上のための諸方策、未修者教育の強化など種々御提言をいただいているところでございます。これらの指摘の中でも、定員適正化のために入学定員充足率に関する基準を設けること、あるいは法学未修者のために教育内容、方法等の改善を図ること、こういう点は文部科学省としても特に重要なものであると認識をしております。
 文科省といたしましては、中教審の法科大学院特別委員会の提言も踏まえまして、翌日、法科大学院教育改善プランというものを策定をいたしました。現在、現状認識といたしまして、法科大学院の間で非常に差が広がっているという状況、あるいは、法学の未修者と既修者との間の差がまたこれも大きくあるというような状況があるというふうに認識をしております。
 そういう中で、法科大学院教育について、これまで非常に優れた、法科大学院を中核とする法曹養成制度という新しい仕組みの中で優れた成果も上がってきているのも事実でございますので、そういう辺りの積極的な発信をいたしますとともに、課題を抱える法科大学院につきましては、入学定員の適正化、教育体制の見直し等を加速化させていく、さらに未修者教育を充実する、そして、トータルといたしまして法科大学院教育の質の改善ということを何よりも促進をしたいというふうに考えてプランというものを策定をいたしました。これを是非、速やかに実行することによりまして、法科大学院教育の質の向上に努力していきたいというふうに考えております。

○国務大臣(滝実君) 基本的には、出発点で法学部を持っている学校はほとんど法科大学院を目指した、そういう雰囲気だったと言わざるを得ません。ただ、法学部を持っていても、教員が充足できないところは諦めたというのが実態だろうと思うんです。
 しかし、今考えれば三千人は多かったということでございますけれども、当初の理念としては、みんな、それはいいことだというふうに思ったに違いありませんし、我々もそういうふうに考えておりました。しかし、意外と、社会の隅々まで法曹資格を持っている人たちが活躍する場所が広がらなかったと、こういうことでございます。したがって、今の状況の中では、やはり法科大学院の中でこれ以上法曹教育を続けられないというところは多少縮小ぎみに収束をしなければしようがないと、こういうような段階を迎えていると思います。
 しかし、当初の目的は、単なる弁護士、検察官、裁判官だけでなく、企業、公務員、幅広く法曹資格を持っている人たちが日本の社会に広がることが大切だというところから出発しているわけですから、その理念は堅持しながら、当面、どうやって家を小さくして何とかすみ分けていくかと、こういうようなことを現実問題として着手しなきゃいけない、こんな思いをいたしております。

○魚住裕一郎君 当面の現実的な対応はそうだと思いますが、ただ、やっぱり競争社会でもありますし、これはもう日本国内だけじゃなくて外国とやらなきゃいけないし、知的財産権にしてもあるいは労働紛争にしても、やっぱり多くの法的な素養を持った人材が各所に行かないと世界の中で太刀打ちできないなと。その理念自体は本当に、それを持ちながら、単に絞ればいいというだけではないというところを是非踏まえて策をやっていただく、善処していただきたいと思います。

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