政府公表資料等情報

谷垣法相閣議後記者会見平成25年4月2日(火)より抜粋

成年被後見人の女性に選挙権を認めた判決に関する質疑について

【記者】
 成年後見制度の関係で,結果的に控訴という形になりましたが,それを振り返ってみて,政府内での議論のプロセスと,どのような問題があったのかということと,控訴についての大臣の御見解をお聞かせいただけますでしょうか。

【大臣】
 成年後見制度というのは,財産管理の能力が必ずしも十分でない方の資産を,きちんと管理していく手段がなければいけないということで作られた制度です。ですから,選挙権があるかどうかという問題とは直ちに対応するものではありません。私の立場は,民事の基本法を所管している立場,それから,国の代理人になる立場と,両方の立場がありますが,まずは公職選挙法の観点から,選挙制度の中でこの問題をどう考えるかということが必要であると思います。それは,どちらかというと総務省の所管になると思いますので,そちらの方で,いろいろ議論をしていただいたということです。そして,今回,総務大臣が,このまま控訴をしないでいると非常に混乱するということを言われました。毎週のように選挙はありますし,そこにも大勢の成年被後見の方がいらっしゃるとなると,それに対応する選挙人名簿というものはできていませんから,選挙制度を所管する総務省としては,最低限,その混乱を避けなければならないとされたのは,当然の配慮であったと思います。そこから先は,国の代理人としての私の立場から申しますと,今回の判決を受けてからのいろいろな議論の中では,十分に議論はされていないかもしれませんが,法制度の根幹には,やはり一定の判断能力を前提としていることが基本法の根底にあります。刑法で言えば,刑事責任能力の有無に関して,例えば心神喪失であれば刑を科すことができない。これはやはり,一定の判断能力がある人でないと,処罰できないということがあります。それから,成年後見制度は,民事法における資産管理の観点から,一定の能力がやはり必要だろうということになっています。その背景には,意思能力のない者の行為は,法律行為としては効果を生じないという理論が基本にあると思います。選挙権の方も,二十歳から選挙権を与えることの背後にあるのは,一定の判断能力のある人に選挙権を与えるという,公職選挙法の明文にあるわけではないでしょうけれども,そういった理論の立て方が背景にあります。こうした議論を前提にして,どのような制度を立てたらよいのかという問題があって,それに対しては,いろいろな議論があると思います。従前,訟務部門で行っていた議論は,一定の能力を前提とすることは必要であり,成年後見制度を公職選挙法にも借用することは,一定の合理性があるというものです。私は,その辺を整理しなくていいというわけにはいかないのではないかと思います。そこのところは,選挙制度をはじめとする法律制度の基本ですから,しっかり論点を整理しておかないといけないという気持ちを持っています。

 

谷垣法相閣議後記者会見平成25年4月9日(火)より抜粋

法曹養成制度に関する質疑について

【記者】
 今日は,これから法曹養成制度検討会議がありますが,中間取りまとめによると,司法試験の年間合格者数を3,000人程度とする数値目標をなくしてしまう方向性のようですが,司法制度改革の理念の実現のための実効性がなくなってしまうことにはならないかという疑念を抱きます。大臣の御見解をお聞かせください。

【大臣】
 法曹養成制度検討会議の議論において,現状で3,000人を直ちに数値目標とすることは現実性等を欠いているという考え方が,おおむねの共通認識のようです。司法制度改革は,質,量ともに充実した法律家を養成していくという目標で出発しましたが,その方向性は現在も堅持していることは間違いないと思います。

 

谷垣法相閣議後記者会見平成25年4月12日(金)より抜粋

法曹養成制度に関する質疑について

【記者】
 先日,法曹養成制度検討会議の中間的取りまとめが出されました。最終的な取りまとめが本年8月ということで,検討期間はそれほど残されていないかと思いますが,検討会議の議論状況について,大臣としての御所感がありましたらお願いします。

【大臣】
 今日からパブリックコメントを始めたわけです。法務省としては,パブリックコメントでできるだけ多くの方に御意見をお寄せいただきたいと思っています。それを拝見して,8月2日の期限までに,精力的に議論を詰めていかなければならないと思います。人の養成制度ですから,一朝一夕に目覚ましい効果を目に見える形に現すことは難しいですが,今までの議論の成果を踏まえて,とにかく精力的に論点を煮詰めていただかなければならないと思います。

 

谷垣法相閣議後記者会見平成25年5月14日(火)より抜粋

法曹養成制度に関する質疑について

【記者】
 先日,文部科学省の方で,今年の春の法科大学院に入学した人の実数が発表されました。3,000人を切るだろうと言われていたのですが,2,600人台となりました。法科大学院の人気の低迷と言いますか,法科大学院離れがますます鮮明になったと思います。法科大学院の新入学者数がだんだん減っていることについての受け止めをお願いします。

【大臣】
 新入学者の数は2,698人だったかと思います。3,000人を下回って,これは過去最低の数字となったと報告を受けております。法科大学院制度は,質,量ともに豊かな法曹を養成しようという理念で始めました。今,法曹養成制度検討会議でいろいろと御議論をいただいているところですが,必ずしも法科大学院制度の中で,プロセスとして法律家を養成していく,選別して養成していくということが,必ずしも当初の狙いどおりとなっていないことは,多くの方の共通の認識だと思います。これはやはり,法科大学院における司法試験の合格状況が,それぞれの大学院によってばらつきも相当多い。それから,合格率も必ずしも高くなっていない。そして,司法試験に受かって弁護士等として就職していこうと思っても,壁が思ったより高いということで,そういったリスクを感じて進学する人が少なくなっているのだと思います。当初,毎年3,000人の司法試験の合格を目指していましたが,それがやや現実と離れていたということもあり,今,いろいろと御議論をいただいているわけですが,その中で教育水準等も上げるなど,法科大学院の魅力を引き出していくような取組を更にいろいろと行っていかなければならないと思います。

 

谷垣法相閣議後記者会見平成25年5月17日(金)より抜粋

司法試験及び司法試験予備試験に関する質疑について

【記者】
 本月15日から始まった司法試験ですが,受験者数が速報値で7,653人で2年連続の減少となりました。大臣として,この背景をどのように考えておられるかということ,また,本月19日から始まる司法試験予備試験では,出願者数が1万1,255人で2年連続の増加となりましたが,このことについての受け止めをお聞かせください。

【大臣】
 まず最初の質問ですが,これは想定されていたことです。文部科学省の方針になりますが,要するに競争倍率が2倍以上ない法科大学院に対して,文部科学省がいろいろ取り組んでおられます。そういったことで,法科大学院の入学定員数を絞ってきたということがこのところ数年続いています。そして,法科大学院修了者は,5年以内に3回まで受験できるということですから,司法試験受験者数が,このように絞られた結果になるのは,今までのそういった流れがあってのことだろうと思います。それから,予備試験の方はまだ始まったばかりですので,どのような要素でこういった状況になってきているのかというのは,もう少し様子を見て,いろいろな事を考えていかなければならないと思っております。

 

谷垣法相閣議後記者会見平成25年5月28日(火)より抜粋

現行の公職選挙法を違憲とした東京地裁判決の控訴に関する質疑について

【記者】
 昨日,成年被後見人に選挙権を与える公職選挙法改正案が成立しましたが,これを受けて,この改正案提出のきっかけとなりました東京地裁で違憲判決の控訴について,今後どのように対応されていくお考えかをお聞かせください。

【大臣】
 公職選挙法改正案が成立しましたので,選挙権の確認を求める本件訴訟については,その訴えの利益を欠くということで,終了することになると考えております。本件訴訟は,このことを前提に進行して判決が言い渡されることになるでしょうから,訴訟を担当する法務大臣としては,関係機関,特に総務省ですが,協議の上,適切に訴訟に対応していくということです。

【記者】
 判決を待たなくても,控訴を取り下げるという形で,早期に裁判を決着させるという選択肢もあるとは思うのですが,そのような選択肢を採らない理由をお聞かせください。

【大臣】
 控訴の取り下げは考えておりません。東京地裁の第一審では現行の公職選挙法が違憲との判決が出されました。しかし,私どもは,選挙権の付与について,意思能力との関係でどのように判定していくかということは立法政策の問題であり,現行の公職選挙法は憲法に違反しないと主張し,今の訴訟を進めてきたわけです。控訴を取り下げるということになると,そのまま第一審の結論が確定してしまうということになります。それは私どもの従来の主張と違うということです。

 

谷垣法相閣議後記者会見平成25年5月31日(金)より抜粋

法曹養成制度に関する質疑について

【記者】
 昨日の法曹養成制度検討会議で,中間的取りまとめに対するパブリックコメントの結果が明らかになりました。法科大学院生や司法修習生に対する経済的支援に関し,最も多い2,421通の意見が寄せられましたが,この経済的支援という部分について,大臣はどのような御意見をお持ちでしょうか。
 また,今後,この会議は,最終的取りまとめに向けて,6月中に議論することになりますが,委員の方々にどのような議論を望まれるのでしょうか。

【大臣】
 パブリックコメントの結果が公表されたわけですが,中間的取りまとめに記載された事項について,非常に幅広い御意見を寄せていただいたと思っております。特に今御指摘のありましたように,法科大学院生や司法修習生に対する経済的支援に関連して,約2,400通の御意見が寄せられたということです。これだけたくさんの御意見を頂くということは,法曹養成ということに対して,非常に高い関心があるのだろうと思います。検討会議では,このパブリックコメントの結果も踏まえまして,最終的取りまとめに向けた議論が行われます。私どももこのパブリックコメントの結果についてよく分析しなければならないと思いますが,検討会議においてもよく分析していただいて,充実した議論をしていただきたいと思います。その結果を関係閣僚会議においても検討を行い,8月2日までに一定の結論を出す予定です。

【記者】
 パブリックコメント全体を見ますと,経済的支援のことのみならず,様々な問題や課題についての意見が寄せられています。全体的に手厳しいものが多かった気がしましたが,寄せられた意見の全体を御覧になって,現在の大臣の受け止めをお願いします。

【大臣】
 私も閣僚会議のときに申し上げるべきことは申し上げなければなりませんが,今は議論をしていただいているところですので,現段階ではあまり突っ込んだことは申し上げにくいです。ただ,やはり法曹養成に関しては必ずしも最初の制度設計どおりに動いているとは限らず,想定できないいろいろなこと,つまり世の中というものは,実際に動いてみると多様な反応が出てきますので,こういった結果になったのかなと思います。私どももよく分析して,対応,議論していかなくてはならないと思います。

 

谷垣法相閣議後記者会見平成25年6月7日(金)より抜粋

法曹養成制度に関する質疑について

【記者】
 昨日,法曹養成制度検討会議において最終取りまとめ案が出されました。内容については,政府目標である司法試験の合格者数3,000人を撤回する内容だったと思うのですが,大臣の御所見を改めてお伺いできますでしょうか。

【大臣】
 委員の方々には大変御苦労いただきました。また,中間試案へのパブリックコメントもたくさんの御意見をお寄せいただきましたが,そういったものを踏まえて御議論いただいたわけです。それを受けて中間試案から変化したところもございますが,8月2日までにとにかく結論を出すということですから,精力的にまとめていただきたいと思っております。

 

谷垣法相閣議後記者会見平成25年6月21日(金)より抜粋

法曹養成制度に関する質疑について

【記者】
 法曹養成制度検討会議の最終提言が本月19日にまとまりました。あるべき法曹人口や合格率が低い法科大学院の抜本的改革が先送りされた形になり,法曹を志す学生や学識経験者から懸念の声も上がっていますが,大臣はいかがお考えでしょうか。

【大臣】
 法曹養成制度検討会議では,1年間という期間で,非常に精力的にいろいろな論点から議論していただいてきました。取りまとめについては,本月26日の検討会議で最終的に決定がされます。その後に関係閣僚会議で報告されて,8月2日までに,相当急がなければなりませんが,一定の結論を出す予定です。それまでは,いろいろなことを申し上げるのは差し控えたいと思います。

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