法科大学院は全て、予備試験で求めている法科大学院の
教育水準に達していないということじゃないんですか

衆院法務委員会平成25年03月22日より抜粋(下線は当サイトによる)

○枝野幸男委員 ・・司法試験の予備試験は、選抜試験ではなくて、水準の認定試験である。つまり、予備試験は、何人程度を合格させるということで、その枠を前提に合格させるという試験ではなくて、ある水準に達しているかどうかを確認する試験。つまり、水準に達している人が多ければ何万人でも合格するし、水準に達している人がいなければ合格者がいないこともあるこういう性格の試験であるということで間違いないですね
 法務省、これは政府参考人で結構です。

○小川政府参考人 お答えいたします。
 予備試験制度は、経済的事情などにより法科大学院を経由しない人にも法曹となる道が確保されるように設けられたもので、法科大学院修了者と同等の学識、能力等を有するかどうかを判定するものでございます。
 したがいまして、予備試験の合格者は、このような学識、能力等の有無を判定する観点から、実際の試験結果に基づき、司法試験委員会において適切に決定されるものと承知しております。

○枝野委員 そこでなんですが、資料三をごらんいただければというふうに思います。
 昨年の司法試験の合格者の法科大学院別合格者数でございますが、トップは予備試験、しかも断トツの六八%。二位の五七%と比べても断トツですし、これを見ていただければ、五〇%以下の法科大学院が大部分ということの中で、圧倒的に合格率が高いのは予備試験組である
 まず、これの事実関係、これは法務省になるんですか、最高裁になるんですか。まず、この事実関係、間違いないか

○小川政府参考人 平成二十四年司法試験の結果につきましては、委員御指摘のとおり、全ての法科大学院の合格率よりも予備試験合格者の合格率の方が高うございます

○枝野委員 先ほど、予備試験は、法科大学院を出ていない人に法科大学院を修了している程度の水準があるのかどうかということで試験をして、合格者を決めているという趣旨のことをおっしゃいました。ということは、日本の法科大学院は全て、予備試験で求めている法科大学院の教育水準に達していないということじゃないんですか

○常盤政府参考人 お答えいたします。
 平成二十四年司法試験におきまして、初めて予備試験合格者が受験をいたしまして、その合格率、六八・二%ということでございます。一方、法科大学院生の合格率でございますけれども、初年度である十八年度以降、受験者が累積して増加したことに伴いまして低下を続けまして、二十四年度は最も高いところで五七%となっております。
 文部科学省といたしましては、法科大学院修了者の司法試験合格率が低迷していることは大きな課題だと認識をしております。特に、法学未修者の合格状況に大きな課題があるということなどを踏まえまして、質の向上というために具体策を進めてまいりたいと考えております。

○枝野委員 久しぶりに法務委員会で質問するので、前回いつ質問したかなと思ったら、私の検索が間違っていなければ、十年ほど前に、一番直近のは十年前の五月ぐらいに、司法試験に受かっていて国会議員をやっていたら修習を受けなくても弁護士資格を与えるというのは本当にいいのかとやったんですが、その前は、実は、法科大学院、初めの司法制度改革の議論のときは、法科大学院を出たらおおむね受かる、六割とか七割とかそれぐらいの人は受かる、そういう制度設計で法科大学院やりましょうという話だったはずなのに、法科大学院の認可は文科省が全然別次元でやるから、どれぐらい法科大学院の定数ができるかわからない、したがって、どれぐらいの合格率になるかわからない、そんな話があるかという話を実は追及をさせていただいたんです。
 実際にふたをあけてみれば、法科大学院に行って、二年間余計な、普通の大学卒業よりも余計に学費がかかる、その学費を払って二年間大学院で勉強して、それで司法試験を受けても、ほとんどの法科大学院は半分も受からない。累積しているとかいろいろな話がありますけれども、では実際に法科大学院に行っている人の半分ぐらいの人が実際に司法試験に受かるのかといったら、法科大学院の定員あるいは在籍者の数と司法試験の合格者の数を考えたら、もう完全に半分以下ということで、全く当初の構想と違ってしまっているということが示されている。
 そうしたことの中で、今、私のお尋ねに直接には余りきちっと答えていただけなかったと思うんですが、もちろん、いろいろな事情はあるかもしれません。でも、大きく言えば、予備試験組が一番合格率が高いということは、予備試験組の人たちと同等ぐらいの教育ができていれば、同じぐらいの合格率になる大学院が同じぐらい、全部とは言わなくてもいいですよ。それは二十、三十あったっておかしくない。なのに断トツで予備試験組がいいというのは、二つあるんです、先ほどの話のとおり。
 法科大学院が本来求めている法科大学院修了の水準に教育レベルが達していないのか、あるいは予備試験が難し過ぎるのか。そのほかの普通の大学が五七%とか、低いところは〇%もあります、極端なそういうところはないですが、予備試験組も合格率が二〇%とか三〇%になるぐらい予備試験にたくさん通すか、どっちかじゃないとおかしい。そう思いませんか、大臣

○谷垣国務大臣 確かに、今委員が御指摘のところは、法曹養成制度、今見直しの議論をしているところですが、その中でも一番の問題点の一つではないかと思っております。
 これは、もともと、先ほど委員が御指摘のように、法科大学院を修了した者程度の学力があれば通るという仕組みで、これは司法試験委員会が管理しているわけですけれども、そこは私、適切に管理していただいているんじゃないかと思います
 そして、無理やりに絞り過ぎて、そこで参入制限があるようなことがあってはいけない、予備試験のところの参入制限があってもいけないという議論もかつてあったと思います。そういう議論もございますので、必ずしも、今委員がおっしゃったように、難し過ぎるということにしているとは私は思わないのです。
 ただ、今、考えますと、これは今議論している最中ですから、要するに、法務大臣は諮問している立場の者ですから余り踏み込んで言うのは差し控えますが、おっしゃった、七割、八割法科大学院を出た者は合格させるという思想と、それからもう一つ、そこで余り法科大学院の方も数を減らして参入障壁をつくってはいけないというような議論が当時ございまして、その思想がきちっと整合したもので組み立てられたかどうかというような問題があるのかなと思っております。

○枝野委員 済みません、四年ぶりの質問なので、時間配分がなかなか難しくて、最後にちょっと二つのことを、まず文科省と、最終的に大臣にお尋ねして終わりたいと思います。
 私は、十年ぐらい前の議論のときに、当時の普通の大学の法学部よりも、いわゆる司法試験予備校の方が、単なる受験テクニックにとどまらず、法律を理解しやすくわかりやすく教育するという上ではずっといい教育をしている、なぜならば、競争原理がちゃんと働いているから、いい教育をしなければ学生が集まらないからと申し上げました。そういう意味では、法科大学院は多過ぎるという構造の中で、しかも、非常に低い合格率。低い合格率のところには受験生もなかなか来ないでしょう、そもそも。
 ということで、きちっと淘汰がなされるということ、競争原理が働いて、いい教育をしていない法科大学院は学生が来なくて淘汰されるということであるならば、一つ法科大学院のあり方としていい方向に進んでいくんじゃないかと思いますので、法科大学院には、私立の場合は私学助成金、それから国立の場合は運営費交付金が出ているわけですが、まさにこの水準に達していないと思われるような法科大学院に対しては、この運営費交付金や私学助成金の算定に当たって、法科大学院の分は外す、そこの分には出さないということを厳しくやって、淘汰、市場原理がちゃんと働くように文科省にはしていただきたいというのは文科省に申し上げた上で、実は、最後に大臣に、こういう状況なので、最近どういう傾向が起こっているか。
 十年前に私が実は予言したとおりなんですが、大学生が初めから予備試験を狙う、大学に入ったらもうすぐに予備試験の勉強を始める、その方が早い、近道だと。それどころか、最近聞いてびっくりしたんですが、某有名大学の系列の高校から系列の大学の法学部に入る、かなり早い段階で決まる、決まったら、そこから予備試験の勉強を始めると。あえて言います。まさに今の仕組みだったら当然だし、私も、若い、法曹を目指す、それぐらいの世代の学生さんがいたら、その道が一番合理的だと勧めますよ。
 こういうことが果たしていいことなのか。いいことだということで、私は、ある意味では仕方がないし、ありかな、十年前、こういうことになるだろうなと思っていましたから。いいことでないならば、やはりそれは相当このロースクールのあり方を変えないと法曹養成のあり方がゆがんだことになると思いますが、これについて、最後、大臣にお尋ねして、終わりたいと思います。

○常盤政府参考人 委員から御指摘ございましたけれども、法科大学院、当初、基準を満たしたものを認可するということで、広く参入を認めるということでスタートしたわけでございます。その後、状況の変化の中で、入学定員の縮減あるいは入学者数の縮減ということが現在進行しているという状況がございます。
 そして、これも委員御指摘の国費の投入ということでございますけれども、国立大学については運営費交付金、私立大学に対しては私立大学等経常費補助金という公的な支援がなされております。
 法科大学院につきましては、競争的な環境の中で切磋琢磨をして、教育の質の維持向上を図ることが重要であると考えております。
 文部科学省といたしましては、課題の大きな法科大学院について、司法試験の合格状況、あるいは入学者選抜の状況などを考慮いたしまして、公的支援の見直しを行い、入学定員の適正化、あるいは教育体制の見直しということを進めているところでございますし、さらに進めてまいりたいというふうに考えております。

○谷垣国務大臣 五百人のころからも、枝野さんのような秀才は別として、私なんか何度も司法試験におっこちまして、さっきの初任給を比較すると、枝野さんの初任給の方が大分よかったような気もいたします。
 あのときも、一回の試験だけで判断していいのかという議論がございましたプロセスで選別する方がいいのではないかという議論が、あの当時、法科大学院をつくった当時にはあったわけですね。ところが、今の枝野先生の御指摘は、もう一回、推薦入学で入った段階から予備試験だというんだったら、やはりプロセスではなく点で判断するという方向にまた戻っているのかもしれません。
 ここら、予備試験もまだ回数をそんなに重ねているわけではありませんので、予備試験の動向もよく見る必要がありますが、いずれにせよ、当初の設計思想とは、あるいは設計思想もいろいろあったのかもしれませんが、当初の想定したところとは違いが生じていることも事実でございます。法曹養成制度の検討会議の中で十分議論をしていただきたい、今、私の立場としては、そう申し上げるにとどめたいと思います。

○枝野委員 終わりますが、今の仕組みが、実はプロセスで選んでいない、まさにこの合格率ですから。というゆがみが生じてしまっているので、それは、だったら一発勝負にかけるということになっているというわけですから、そこは十分御理解されていると思いますが、ぜひリーダーシップを発揮して、いい方向に進めていただきたいと思います。お願いいたします。

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