平成25年司法試験の結果について(2)

2000人基準に戻った

今年の合格点は、昨年と同じ780点だった。
司法試験は、建前上絶対評価だが、現実には相対評価になっている。
従って、合格点は、合格者数との関係で決まる。
以下は、平成21年以降の合格点前後の累計人員分布である。
(太字が合格点)

平成21年

得点

累積受験者数

775

2240

780

2140

785

2043

790

1967

795

1884

 

平成22年

得点

累積受験者数

765

2263

770

2155

775

2074

780

1984

785

1886

 

平成23年

得点

累計受験者数

755

2231

760

2145

765

2063

770

1978

775

1903

 

平成24年

得点

累計受験者数

770

2276

775

2186

780

2102

785

2023

790

1952

 

平成25年

得点

累計受験者数

770

2221

775

2138

780

2049

785

1954

790

1853

平成23年までは、いわゆる2000人基準が妥当していた。
すなわち、5点刻みで2000人を超えた得点。
それが、合格点になっていた。
平成24年は、その基準だと785点、2023人になるはずだった。
ところが、実際には780点、2102人。
なぜ、そうなったのか。
以前の記事では、2つ仮説を考えた。
(「平成24年司法試験の結果について(1)」)

1つは、2023人がやや少ない数字なので、その上を取ったという仮説。
もう一つは、予備組の新規参入に配慮して、合格者を増やしたという仮説である。

前者であれば、平成25年は、また2000人基準に戻る。
他方、後者であれば、平成25年以降も、2100人基準になりそうだ。
そのように考えていた。

実際には、平成25年は、また2000人基準に戻った。
初めて2000人を超える780点が、合格点になっている。
従って、どうやら前者の仮説が正しかったのかな、という感じだ。
今後も、2000人基準が維持される可能性が高そうだ。

3000人目標が放棄されたから、合格者数がどんどん減るのでは。
そういう懸念をしている人も、いるかもしれない。
しかし、現在の方針は「増やす必要はあるが目標は掲げない」というものだ。
合格者数を減らす、という方向にはなっていない。

(「法曹養成制度検討会議取りまとめ」より引用、下線は筆者)

第2 今後の法曹人口の在り方

○ 社会がより多様化,複雑化する中,法曹に対する需要は今後も増加していくことが予想され,このような社会の要請に応えるべく,質・量ともに豊かな法曹を養成するとの理念の下,全体としての法曹人口を引き続き増加させる必要があることに変わりはない

○ 現在の法曹養成制度を取り巻く状況に鑑みれば,現時点において,司法試験の年間合格者数を3,000人程度とすることを目指すべきとの数値目標を掲げることは,現実性を欠く

○ 今後の法曹人口の在り方については,当面,このような数値目標を立てることはせず,第4で述べる新たな検討体制の下で,法曹としての質を維持することに留意しつつ,法曹有資格者の活動領域の拡大状況,法曹に対する需要,司法アクセスの進展状況,法曹養成制度の整備状況等を勘案しながら,あるべき法曹人口について提言をするべくその都度検討を行う必要がある。
 そのために,第4で述べる新たな検討体制の下,その時点における法曹有資格者の活動領域等の状況及び法科大学院,司法修習や弁護士に対する継続教育等の法曹養成制度の状況・規模等を踏まえ,法曹人口についての必要な調査を行うとともに,その結果を2年以内に公表するべきである。また,その後も継続的に調査を実施するべきである。

(引用終わり)

旧司法試験でも、1483人受かっていた(平成16年度)。
旧試験では優秀な合格者増が見込めないので、ローで優れた人材を量産する。
これが、ロー制度、新司法試験制度の根本理念である。
2000人を下回るようでは、旧試験とほとんど変わらない。
(イメージ的に、千の位が、「2」であるか「1」であるかの差は大きい。)
なんのためのロー制度、新試験制度なのか、ということになる。
建前上、2000人は守るべき防衛ラインとなっている。
他方で、現状では合格者を増やせる状況でもない。
従って、当面は、増えもしないが、減りもしない。
すなわち、2000人前後で推移していく。

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