平成25年司法試験の結果について(3)

論文の出来は横ばい

以下は、論文の全科目平均点の推移である。
なお、かっこ書は、最低ライン未満者を含む数字である。

全科目
平均点

前年比

18

404.06

---

19

393.91

−10.15

20

378.21
(372.18)

−15.70

21

367.10
(361.85)

−11.11
(−10.33)

22

353.80
(346.10)

−13.30
(−15.70)

23

353.05
(344.69)

−0.75
(−1.41)

24

363.54
(353.12)

+10.49
(+8.43)

25

361.62
(351.18)

−1.92
(−1.94)

昨年は、新司法試験史上初、前年比がプラスになった年だった。
しかも、上昇幅は10点を超えていた。
しかし、今年はわずかなマイナス。
ほとんど横ばいという状況である。
全体の論文の出来は、顕著な上昇傾向とはなっていない。

文科省の採るロー修了生の絞込みは、2つの効果がある。
一つは、受験者数を減少させて合格率を上昇させる形式的な効果。
もう一つは、実力不十分の修了生を減少させて、受験生の質を向上させる実質的な効果である。
形式的な効果である合格率上昇は、ダイレクトな効果として生じている。
しかし、実質的な効果である質の向上は、今のところ顕著な傾向にはなっていない。

ロー段階での選抜と、司法試験の成績とは一定の相関があるとされる。
平成22年度新たな法曹養成プロセスの有機的連携に関する調査研究、研究成果報告書(PDF)参照。)
修了生の絞込みは、方向性としては論文の出来を向上させるはずだ。
ただ、合格率のようにダイレクトなものでないということだろう。

近い将来、受験回数制限が5年5回となる可能性が高い。
これは、論文の出来にどう影響するか。
短答と論文には、顕著な性質の違いがある。
短答は受験回数が増えると受かり易くなるが、論文は逆である。
5年5回で新たに受験するのは、4回目、5回目の受験生である。
この層は、短答に強く、論文に弱い。
従って、この層の多くは、短答を突破する。
しかし、論文の出来が悪い。
結果として、全体の論文の出来を悪くする効果を生じさせる。
よって、短期的には、論文平均点は、再び下がることになるだろう。
ただ、5年5回のサイクルが安定してくると、修了生絞込みの効果が表に出る。
従って、再び上昇傾向に戻る、という流れになりそうだ。

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