平成25年予備試験論文式試験の結果について(1)

381人も受かった

法務省は、平成25年予備試験論文式の結果を公表した。
合格者数は、381人だった。

下記は、予備試験論文式の合格者数の推移である。

 

 

合格者数

前年比

平成23

123

--

平成24

233

+110

平成25

381

+148

合格者数が急速に増えている。
これは、合格率均等の要請からである。

規制改革推進のための3か年計画(再改定)(平成21年3月31日閣議決定)より引用、下線は筆者)

 法曹を目指す者の選択肢を狭めないよう、司法試験の本試験は、法科大学院修了者であるか予備試験合格者であるかを問わず、同一の基準により合否を判定する。また、本試験において公平な競争となるようにするため、予備試験合格者数について、事後的には、資格試験としての予備試験のあるべき運用にも配意しながら、予備試験合格者に占める本試験合格者の割合と法科大学院修了者に占める本試験合格者の割合とを均衡させるとともに、予備試験合格者数が絞られることで実質的に予備試験受験者が法科大学院を修了する者と比べて、本試験受験の機会において不利に扱われることのないようにする等の総合的考慮を行う。
 これは、法科大学院修了者と予備試験合格者とが公平な競争となることが根源的に重要であることを示すものであり、法科大学院修了者と同等の能力・資質を有するかどうかを判定することが予備試験制度を設ける趣旨である。両者における同等の能力・資質とは、予備試験で課せられる法律基本科目、一般教養科目及び法律実務基礎科目について、予備試験に合格できる能力・資質と法科大学院を修了できる能力・資質とが同等であるべきであるという理念を意味する。

(引用終わり)

平成25年の司法試験では、予備試験組は予想に反し、昨年よりさらに合格率を上げてきた。
単純比較だと、ロートップ合格率の慶応(56.7%)よりかなり高い71.8%の合格率を誇っている。
(しかし、既修と比較するとさほど差がないことについては、「平成25年司法試験の結果について(6)」参照)
このことを重視して、合格者数を増やしたのだろう。
しかし、予備組の合格率は、簡単には下がりそうにない。
なぜなら、「受験回数が増えると論文に受かりにくくなる法則」が、予備組には通用しないからだ。
「平成25年司法試験状況」から読み取れること(上)参照)

しかも、ローは未修も含んだ数字という点で、いわば合格率についてハンデを負っている。
既修限定で比較すれば現在でも予備と互角なのに、未修のせいで大差が付いている。
しかも、今後はローの上位層が、在学中に予備に受かって抜けていく。
この人たちは、9割くらい司法試験に受かる。
平成25年司法試験の結果について(6)参照)
9割受かる連中が、予備に流れていってしまう。
ローは、「在学中に予備に受からない人たちの溜まり場」になっていく。
こんな構図の中で、予備組とローを比較して、合格率が均衡するはずがない。

上記の構造を残す限り、予備の合格者をいくら増やしても、ローと均衡しない。
予備を1000人くらい受からせても、ダメだろう。
なぜなら、予備合格者の増加分だけローの上位層が予備に流れ、ロー組の合格率が下がるからである。

考えられる対策は、2つ。
一つは、ロー生の予備受験を制限すること。
これを実施すれば、ロー上位層が予備に流れることがなくなる。
(しかし、これは上位層がそもそもローに行かなくなって最初から予備狙いとなる危険を含んでいる。)
もう一つは、在学中予備合格者を、「法科大学院生」の合格者としてカウントしてしまうことだ。
現在、予備とロー修了の双方の資格を持つ者は、出願時にどちらか選択できる。
これを、強制的にロー修了としてしか取り扱わないこととする。
さらに、ロー在学歴があれば、それだけで予備組ではなくロー生扱いにしてしまう。
そうすれば、見かけの合格率は均衡させやすくなる。
これは手軽な方法であり、法務省がやりそうだと感じさせる。
(やるときは、こっそりやるはずだ。)
これらの対策を採らない限り、ローと予備の合格率が均衡することは、まずない。

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