平成25年予備試験論文式試験の結果について(2)

旧試験「ザル時代」並みの論文合格率

論文段階での短答受験者ベースの合格率は、381÷9224≒4.13%
論文受験者ベースでみると、381÷1932≒19.72%だった。
短答受験者のおよそ25人に1人。
論文受験者のおよそ5人に1人が合格したという計算だ。
直感的に、かなり高いという感じの数字である。

過去の数字と比較して、どうか。
下記は、旧試験を含めた合格率等の推移である。
平成22年までが、旧試験。
平成23年以降が、予備試験である。

短答
受験者数

論文
受験者数

論文
合格者数

短答受験者
ベースの
論文合格率

論文受験者
ベースの
論文合格率

16

43356

7287

1536

3.54%

21.07%

17

39415

7487

1454

3.68%

19.42%

18

30240

3717

542

1.79%

14.58%

19

23298

2171

250

1.07%

11.51%

20

18201

1560

141

0.77%

9.03%

21

15218

1546

101

0.66%

6.53%

22

13222

726

52

0.39%

7.16%

23

6477

1301

123

1.89%

9.45%

24

7183

1643

233

3.24%

14.18%

25

9224

1932

381

4.13%

19.72%

短答受験者ベースの合格率が4%を超えたのは、平成16年以降初めてのことである。
(平成以降でみても、他に平成5年の4.02%しかない。)
平成16年は、旧試験で最大の合格者数を出した年である。
旧試験全盛期の「ザル」時代だった。
それすらも、上回っている。
1%を切っていた末期の旧試験と比較すれば、はるかに受かりやすい。

また、論文受験者ベースでみても、平成16、17年の間くらいである。
論文段階だけをみても、「ザル時代」並みの合格率になっている。
予備試験は、急速に受かりやすい試験になっていっている。

今後の合格率は次第に横ばいの傾向

今後、さらに合格率は上昇していくのか。
これは、受験者数と合格者数の増加率の相関で決まる。
今のところ、受験者の増加率より、合格者数の増加率の方が相当大きい。
だから、合格率は上昇している。
今後、この点はどうなるのか。

受験者の増加率は、直感的には下がりそうにない。
予備の合格者数が、急速に増加した。
しかも、司法試験における予備組の合格率も、高まっている。
予備ルートの魅力は、確実に高まっている。
新規参入者は、増加するだろう。
一方で、予備には三振がない。
不合格者は、エンドレスで滞留できる。
これは、受験者の退出が生じにくいことを示す。

もっとも、今の増加率は、それなりに高い。
平成25年の受験者増加率は、

(9224−7183)÷7183≒28.4%

仮にこの増加率を維持した場合に、受験者数の推移を推計すると、以下のようになる。

平成25

9224

平成26

11843

平成27

15206

平成28

19524

平成29

25068

平成30

32187

旧試験の全盛期が4万人だったことを考えると、全くないとはいえない。
とはいえ、ちょっと増えすぎという感じがする。
上記の数字より抑制されるということは、増加率は今より下がることを意味する。
そうだとすると、増加率が今よりさらに伸びることは、ちょっと考えにくい。
むしろ、緩やかに減少する可能性の方が高そうだ。

他方、合格者数の増加率は、どうか。
確かに、合格率の均衡からすれば、合格者数の増加傾向は変わりそうにない。
平成25年予備試験論文式試験の結果について(1)参照)
しかし、ここ数年の合格者数の伸びは、あまりに急激だ。
平成24年は、前年の1.89倍になった。
今年は、前年の1.63倍。
増加率にすると、63.5%となる。
仮にこの増加率を維持すると、論文合格者数の推移はどうなるか。
以下は、その試算である。

平成25

381

平成26

622

平成27

1016

平成28

1661

平成29

2715

平成30

4439

まずあり得ない、という数字だ。
今後、合格者数の増加率は、確実に減少すると言ってよい。

では、仮に、今年の受験者増加率28.4%を用いて、合格者数の推移をみるとどうか。

平成25

381

平成26

489

平成27

627

平成28

805

平成29

1033

平成30

1326

平成27年くらいまでは、ありそうな数字ではある。
しかし、その後の数字をみると、ここまで急激な増加にはならない感じがする。
従って、直近はともかく、中長期でみると、28.4%より低い増加率になりそうだ。

結局、受験者数も合格者数も、28.4%より低めの増加率になるだろう。
そうなると、両者の増加率の差は小さくなりやすい。
従って、合格率は、大きくは動かない。
その方向で、沈静化していく。
すなわち、今後合格率の上昇幅は減少し、次第に横ばいとなるだろう。

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