平成25年司法試験予備試験
口述試験(最終)結果について(3)

年齢層別構成割合

以下は、年齢層別の各段階の構成割合をまとめたものである。
ただし、口述については、数字の変化に乏しいため、省略した。

年齢層

出願

受験

短答
合格

論文
合格

19歳以下

0.3%

0.4%

0.04%

0%

20〜24歳

28.5%

31.3%

25.2%

56.1%

25〜29歳

13.3%

13.4%

10.0%

12.5%

30〜34歳

11.3%

10.3%

11.6%

9.1%

35〜39歳

11.7%

11.1%

13.9%

10.7%

40〜44歳

10.6%

10.0%

12.0%

6.2%

45〜49歳

8.0%

7.6%

10.0%

1.3%

50〜54歳

6.2%

6.0%

7.7%

2.3%

55〜59歳

4.1%

3.9%

5.8%

1.0%

60〜64歳

3.1%

3.1%

2.5%

0.2%

65〜69歳

1.3%

1.3%

0.5%

0%

70〜74歳

0.5%

0.6%

0.1%

0%

75〜79歳

0.3%

0.3%

0%

0%

80歳以上

0.1%

0.1%

0%

0%

顕著な傾向として、20代前半の受験が増えている。
以下は、20代前半(20〜24歳)の受験者数の構成割合の推移である。


(平成)

20代前半
構成割合

23

17.8%

24

24.0%

25

31.3%

20代前半の層は、大学生、修了前のロー生が多い。
飛び級狙いの層である。
この層の受験が、急増している。
20代後半の層は、ロー修了生が多い。
この層は、既に受験資格を得て司法試験の方を受ける。
だから、予備の受験をする者は少ない。
それでも、過去と比較すると、3%ほど増えている。

他方、30代の受験が、減少している。
平成23年には、30代合計で30%を超えていた。
しかし、今年は23%まで落ちている。
40代以降は、それほど変化がない。

結局、予備の新規参入者のほとんどは、20代前半ということになる。

そして、短答、論文の合格者の構成割合をみると、いつもの傾向が見てとれる。
短答は30代以降が健闘するが、論文になると20代前半の一人勝ちになる。
半数以上が、20代前半だ。
このことは、合格率でみると、一層はっきりする。

年齢層別合格率

以下は、年齢層別の合格率である。
短答合格率は受験者ベース。
論文合格率は、短答合格者ベースで算出している。
75歳以降は、短答合格者がいないので、省略した。

年齢層

短答
合格率

論文
合格率

19歳以下

2.4%

0%

20〜24歳

17.6%

41.9%

25〜29歳

16.2%

23.7%

30〜34歳

24.6%

14.8%

35〜39歳

27.4%

14.5%

40〜44歳

26.3%

9.8%

45〜49歳

28.9%

2.4%

50〜54歳

28.0%

5.7%

55〜59歳

32.3%

3.4%

60〜64歳

17.7%

1.9%

65〜69歳

9.5%

0%

70〜74歳

4.7%

0%

短答合格率のトップは、驚くべきことに50代後半である。
これは、母数が少ないための異常値ではない。
50代後半は、362人受験して、117人が短答に合格している。
この層は、20代で受験を始めたとすると、受験歴30年を超える。
昭和の頃から「択一常勝将軍」だった人が多いだろう。
知識だけなら誰にも負けない。
そんな人たちである。

これに対し、20代前半は、たったの17.6%しか受かっていない。
20代前半は、50代後半の足元にも及ばない。
短答だけをみると、明らかに若手より年配者の方が優秀である。

しかし、例年どおり、これは論文で逆転する。
しかも、今年は例年よりその度合いが大きい。
以下は、20代前半の論文合格率の推移である。


(平成)

20代前半
論文合格率

23

24.4%

24

29.0%

25

41.9%

これまでは、せいぜい3割弱の合格率だった。
今年は、一気に4割を超えてきた。
これは、本気度の違いかもしれない。
従来、20代前半の予備受験は、「受かればラッキー」くらいのものだった。
そのため、論文対策を真剣にやっていなかった。
それが、今年は本気で受かりにきた。
だから、趣旨・規範等の記憶や、答練の受験等、本気で論文対策をやってきた。
そのことが、結果に反映されてきたのではないか。
20代前半は、短答で17.6%しか受からない。
しかし論文では、4割強受かる。
20代前半にとっては、論文よりも短答の方が難関となっている。

対照的なのが、40代以降だ。
例年のことではあるが、壊滅的な結果となっている。
短答で圧倒的な強さを誇った50代後半も、例外ではない。
短答合格者117人が挑み、4人しか受かっていない。
ほとんど全滅だ。
50代後半は、能力が低いのではない。
それは、短答合格率をみれば、明らかだ。
しかし、論文には絶対的に受からない。
これが、「論文に受かりにくい人は何度受けても受からない」法則である。
50代後半の層には、旧試を含め30回以上、論文に落ちた人もいるはずだ。
そのくらい、この法則は強力に作用する。

その原因は、論文の配点の付き方にある。
基本論点や趣旨、要件といった、当たり前過ぎて省略するところに、配点が置かれている。
(再現答案や司法試験の出題趣旨、採点実感等に関する意見を正確に読めば、これは読み取れる。)
20代前半は、当たり前だと思わないので、きちんと書く。
しかし、受験歴が長くなると、当たり前だから省略したり、雑に書いてしまう。
たったこれだけの差が、致命的な差を生んでいる。
これだけのことが、多くの人の人生を狂わせてきた。

知識がついて来ると、初学者が気にならないことが気になってくる。
「この書き方は本当は間違いだ」と言って、20代前半が普通に書く論述が書けなくなる。
どうでもよいところで、回りくどい「本物の論述」をするために、無駄に時間や紙幅を使ったりする。
しかし、そんなところには、配点はない。
また、「初心者はこの論点に飛びつくが、俺は違う。」と言って、見え見えの基本論点を落としたりする。
実際には、その論点を書いておけば、普通に点が来る。
一方で、基本論点の規範や趣旨を正確に暗記することを怠る。
昔はしっかり覚えていたから、今も書けるだろう。
そう思って、改めて覚えようとしない。
そのために、現場で基本論点を一々考えながら書くことになる。
20代前半が正確に書けるところが、不正確になる。
基本事項が不正確だと、それだけで致命的だ。
しかも、時間がなくなって、20代前半が普通に書ける当てはめが、スカスカになる。
20代前半は、論証はほとんど覚えたものを貼り付けて、すばやく当てはめに移行する。
必然的に、当てはめの事実をたくさん拾うし、評価をする余裕もある。
その結果、当てはめでも差を付けられてしまう。

配点のあることを書かない限り、どんなに知識を増やしても合格できない。
むしろ、細かいことが気になって、ますます配点のあるポイントを落とす。
この悪循環を、意識的に断ち切らなければならない。

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