平成25年司法試験予備試験
口述試験(最終)結果について(4)

職種別受験者構成割合

下記は、受験者数に占める各職種の構成割合の推移である。

職種

平成23年

平成24年

平成25年

公務員

9.2%

8.6%

6.8%

教職員

1.1%

0.9%

0.7%

会社員

19.8%

17.2%

14.6%

法律事務所
事務員

2.7%

2.4%

1.9%

塾教師

1.8%

1.8%

1.6%

自営業

5.1%

4.6%

3.7%

法科大学院生

2.9%

7.3%

15.7%

法科大学院
以外大学院生

0.3%

1.4%

0.2%

大学生

18.8%

22.7%

26.4%

無職

33.2%

29.5%

23.8%

その他

4.6%

4.2%

3.9%

これまで、最も受験者の多い職種は、無職だった。
これが、今年は、大学生に抜かれている。
もはや、予備受験生の主力は、大学生になっている。
「旧試験組の敗者復活としての予備」から「飛び級のための予備」へと、変化している。
同じ文脈上に、法科大学院生の急増がある。
昨年より、倍以上に増えた。
大学生と法科大学院生の急増のために、他の職種は相対的に割合を下げている。

もっとも、無職も絶対数をみると、減っていない。
以下は、無職の受験者数の推移である。


(平成)

無職
受験者数

23年

2153

24年

2122

25年

2198

平成24年に一度減少したが、また増加に転じた。
三振者が新規に参入したり、一度諦めた旧試験組が戻ってきているのだろう。
その増加幅が小さいために、全体的な構成割合は減っているだけである。
大学生やロー生の勢いのために目立たないが、無職は今でも主要な受験者層である。
近時、学生の受験は予備の趣旨に反するとして、受験制限の議論が浮上している。
仮に、大学生やロー生の予備受験を制限したとする。
そうすると、無職が受験者の大部分を占めることになる。
(今年の数字で大学生とロー生を抜いて単純計算すると、41.2%を無職が占める。)
それは結局、予備を三振者や旧試験組の敗者復活戦の舞台にすることになりかねない。
これはこれで、「ローに行けない者のための試験」とは違う。
(確かに、三振者や旧試験組の無職は新たにローに入る資力はないかもしれないが、そういう趣旨ではないだろう。)

他方で、社会人受験生の存在も、無視できない。
上記の表では、バラバラに分類されているために、存在感がない。
しかし、合計すると、全体の29%を占める。
これは、実は無職や大学生よりも大きい数字である。
予備の受験者層の主力は、社会人であるということもできる。
この点を重視すれば、「時間的にローに通えない社会人のための予備」の意義はそれなりにある。
そう考えると、むしろ、無職の予備受験を制限すべきだという発想も生じうる。
無職は、主として専業受験生だ。
「三振者及び旧試験受験歴のある者の受験を認めない」とすれば、これはほぼ達成できる。
特に三振者については、ロー在籍歴のある者は「ローに通えない者」ではないとして受験資格を与えない可能性は十分ある。

※ただ、これだと、実際には社会人の多くも引っかかってしまうだろう。
社会人になって初めて司法試験を目指す者よりは、元受験生の方が圧倒的に多いからである。
しかし、元受験生の社会人は、多様な法曹としての「社会人」としては念頭に置かれていない。
その意味での「社会人」は、現実にはレアケースである。
結局、ロー生、大学生、元受験生を排除すれば、わずかな者しか残らない。

ロー生のみ制限するのか、大学生も含むのか、三振者や旧試験受験者まで含むのか。
文科省やロー関係者は、最低限ロー生の受験は制限したい。
できれば、大学生も制限したいだろう。
そうしないと、予備を受験してローに入らない大学生が出てくるからだ。
一方で、三振者や旧試験組については、あまり関心がない。
そういう発想からは、「26歳未満の者は受験できない」のような年齢制限となる。
他方、法務省は、若年者の予備受験は制限したくない。
法務省は、一貫して「若くて優秀な人」を取りたいと思っているからだ。
平成23年度新司法試験の結果について(4)参照)
他方、法務省としては、三振者の受験を制限したいだろう。
これは、受験回数制限の一種の潜脱だからである。
しかも、三振者は「若くて優秀な人」ではない。
旧試験組も、同様である。
要は、「司法試験受験歴のある者」を排除できればよい。
そして、予備試験は、法務省の所管だ。
この辺りの利害の組み合わせで、制限の是非と、その範囲が決まる。
今後の議論の推移をみる上で、留意すべき点である。

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