試験中の飲料について

1.司法試験・予備試験では、試験時間中に蓋付きペットボトルに入った飲料を飲むことができます

 

(「令和2年司法試験に関するQ&A」より引用。太字強調は筆者。)

Q50 試験室内で飲食することはできますか?

A  試験室内の飲食(昼食時間を除く。)はできません。ただし,水分補給のため,蓋付ペットボトル入りの飲料を持ち込んで飲むことはできますが,机上に飲料を置かず,必ず蓋を閉めて足元に置き,机上にこぼしたり,水滴によって答案用紙を汚損しないよう十分に注意してください。ペットボトル以外の缶,瓶,水筒等は認めていません

(引用終わり)

(「令和2年司法試験予備試験に関するQ&A」より引用)

Q38 試験時間中に喫煙や飲食をすることはできますか?

A       試験時間中に喫煙や飲食をすることはできません。ただし,水分補給のため,蓋付きのペットボトルに入れた飲料を持ち込んで飲むことは認めています(カバーの使用は不可)。ペットボトルは,机上に置くことはできませんので,必ず蓋を閉めて足元に置き,こぼしたり,水滴の付着によって,答案用紙を汚したりしないよう十分注意してください。ペットボトル以外の缶,瓶,水筒等は認めていません

(引用終わり)

 

 蓋付きペットボトルというのが重要なポイントで、それ以外は認められていません。例年、水筒やボトル缶のものを持ってきてしまう人がいるようですので、注意が必要です。缶や紙パック等で市販されている飲料は、ペットボトルに詰め替えて持っていくことになります。

2.蓋付きのペットボトル入りのものであれば、中身は問われません。また、足元に置ける程度の常識的な数であれば、本数も問わないようですので、複数の種類を用意することができます。事前に、どのようなものを持っていくのか、決めておくとよいでしょう。ミネラルウォーター、麦茶等のように純粋な水分補給のためのものだけでなく、コーヒーや栄養ドリンク、エナジードリンク等のように、カフェイン等を含有していて、試験中の集中力を高めるのに役立ちそうな飲料を持っていくことも考えられるでしょう。試験中に空腹感を感じたときのために、ウィダーインゼリーのようなゼリー飲料をペットボトルに詰め替えて持っていく人もいるようです。

3.もっとも、飲料によっては、予期しない身体の不調を引き起こすおそれもあります。成分等が体質的に合わなかったり、興奮作用が強すぎて、かえって頭が回らなくなったりするかもしれません。事前の演習等で実際に試してみて、飲み慣れたものを持っていくのがよいでしょう。ゼリー飲料を持っていく場合、本当にペットボトルに詰め替えた状態で飲めるのかといったことも、事前に試しておくと、当日に予想外の事態になることを避けることができます。

4.試験中は飲み物を飲まない、という選択肢も考えられます。飲み物を飲んでいる時間が純粋にロスだという考え方もあるでしょうし、試験中に水分を摂取すると、トイレに行きたくなるという考え方もあり得ます。カフェイン飲料については利尿作用があるとされていますので、試験中にトイレに行きたくないということであれば、避けるというのも一案でしょう。トイレに行く時間をロスと考えれるなら、十分考えられる選択肢です。一方で、試験中に敢えてトイレに行く時間を作り、少しリラックスして頭をすっきりさせる、という人もいます。これはこれで、あり得る選択肢でしょう。このようなことも、事前の演習等で試してみて、自分にとって何がベストかを考えておくとよいだろうと思います。

5.今年に関していえば、8月受験ということになるので、例年より暑さが格段に厳しいという点は考慮しておくべきでしょう。また、感染防止のため、窓を開けて換気をすることによって、試験室内の温度が高くなる可能性もあります。試験中に熱中症で倒れるなどということは、絶対に避けなければなりません。普段は試験中に飲み物を飲まない人でも、今年に関しては、念のために水分補給用の飲料を十分に準備しておいた方がよさそうです。また、今年は、マスク着用で受験することになる可能性が高いでしょう。試験中は緊張していて、解答に集中しているので、飲む動作が無意識的になりがちです。マスクをした状態で不用意に飲もうとすると、予想外にうまく飲めずにこぼしてしまったり、マスクを汚してしまうかもしれません。マスクをした状態でペットボトルの飲料を最小限の時間でスムーズに飲む方法(片手でマスクの片側を素早く外し、他方の手でペットボトルを持ち、一口飲んで素早く元に戻すとか、マスクを少し上にずらして下からペットボトルの口を滑り込ませて飲むなど)を確認しておくとよさそうです。

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