裁判・上訴

狭義の択一的認定

「A罪またはB罪」という認定は合成的構成要件の設定であり、罪刑法定主義に反し許されない。
もっとも、論理的択一関係にあるか、論理的択一関係になくても第三の可能性がない場合は、
軽い犯罪の成立を認定できると解する。なぜなら、一方の否定が他方の存在を意味する以上、
利益原則に反しないと考えられるからである。

一事不再理効の根拠

二重の危険禁止の法理(憲法39後段)に求めるべきと解する。
なぜなら、訴因を審判対象とする現行法と整合的だからである。

実体裁判の既判力は別事件に及ぶか

否定すべきである。万一誤判の場合を考えると、別事件に波及させるべきでないからである。

偽装による形式裁判に既判力は生じるか

不利益再審が否定されている趣旨からして、既判力が生じ、再起訴はできないと解する。

一事不再理効の客観的範囲

公訴事実の同一性の範囲で生じると解する。
その範囲で訴因変更が認められており(312T)、被告人は有罪の危険を負ったといえるからである。

免訴判決の法的性質

免訴事由があるにもかかわらず実体裁判するのは無益であるから、形式裁判と解する。

免訴判決に一事不再理効は生じるか

形式裁判と解する以上、生じないのが原則であるが、相当程度の実体審理に入った場合は、
その限度で有罪の危険を負担しているから、一時不再理効が生じると解する。

形式裁判に対して無罪を主張して上訴できるか

被告人は手続から解放される点で無罪と変わらず、上訴の利益は認められないから、否定すべきである。

控訴審の構造

原則として控訴趣意事項を調査するのである(392T)から、事後審と解する。
もっとも、原判決を破棄して自判する場合には続審となるというべきである。

控訴審での訴因変更(404・312T)の可否

控訴審を事後審と解する以上、審判対象は原判決であって、訴因ではない。
よって、原則として訴因変更できない。
もっとも、破棄自判の場合は続審となるので、訴因変更できると解する。

原判決以前の新証拠の取調べの可否

393T本文に格別の制限がない以上、許されると解する。

再審における証拠の新規性(435E)

再審の趣旨は誤判救済にあるから、裁判所にとって新たな証拠であればよい。
もっとも、禁反言の法理から、秘匿した当事者からの再審請求は否定される場合があると解する。

証拠の明白性(435E)の程度

利益原則から、有罪認定に対し、合理的疑いを生じさせる程度であれば足りると解する。

明白性の評価方法

証拠は他の証拠との関連で評価されるべきであるから、旧証拠との総合評価により判断すべきである。
その際、事実誤認の救済という趣旨から、確定判決の認定には拘束されないものと解する。

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