訴え・審理

境界確定訴訟の性質

裁判所の裁量的判断により境界線が新たに形成されるので、形式的形成訴訟と解する。

訴訟係属の時期

訴状が被告に送達されたときと考える。この時に二当事者対立構造が生じるからである。

債権者代位訴訟において、債務者の第三債務者に対する訴えは二重起訴にあたるか

審理重複、判決の矛盾抵触、被告の応訴の煩の防止という趣旨が妥当するので、二重起訴にあたると解する。

前訴で相殺を主張した後、自働債権を訴求できるか

審理重複、判決の矛盾抵触、被告の応訴の煩の防止という趣旨が妥当するので、二重起訴にあたり許されない。

前訴で自働債権を訴求後、後訴で相殺を主張できるか

審理重複、判決の矛盾抵触、被告の応訴の煩の防止という二重起訴禁止の趣旨が妥当するので、
142条が類推適用され、許されない。

訴訟物理論

実体法との調和の見地から、実体法上の請求権ごとに訴訟物は異なると考える(旧訴訟物理論)。

一部認容判決の可否

246条の趣旨は当事者意思の尊重にある。よって、原告の意思に反せず、被告の不意打ちにならない限度で、
一部認容判決は許される。

一部請求の可否

実体法上債権の分割行使が認められる以上、一部請求も可能と解する。
もっとも、被告に反訴の機会を与えるために、その明示が必要であると考える。

後遺症による損害の賠償の可否

被害者救済の観点から、一部請求として考え、前訴の既判力は及ばないと考える。
この場合、明示は不要である。なぜなら、明示を行うことが不可能だからである。

一部請求と時効中断の範囲

一部請求の場合、判決はその範囲でなされる。よって、時効中断もその範囲に限られると考える。

一部請求と過失相殺

請求者の合理的意思解釈から、損害全体に関して過失相殺をすべきである(外側説)。

将来給付の訴えの利益

原告の訴えの必要性と被告の負担との調和の観点から、請求の基礎となる事実・法律関係が既に存在し、その継続が予想され、
請求権の成否及び内容に付き債務者に有利な将来における事情の変動が予め明確に予想しうる事由に限られ、
請求異議の訴えの負担を被告に課しても酷でない場合のみ認められると考える。

法人の内部紛争における当事者適格

対世効を認める必要があるので、法人に当事者適格があると考える。

明文に無い任意的訴訟担当

三百代言による被害防止という弁護士代理の原則(54条)の趣旨から、
依頼者が害されないような合理性のある場合を除き、原則として認められないと考える。

訴訟行為にたいして私法規定は適用されるか

手続安定の要請から、原則として適用されない。ただ、訴訟外や訴訟終了のための行為については、手続安定の必要が無いから、
例外的に適用があると解する。

明文無き訴訟契約の適法性

任意訴訟禁止の原則から、原則として許されないが、当事者意思の尊重される処分権主義・弁論主義の領域においては、
合意の効果が明確に予想しうる限度で例外的に許されると考える。

訴訟契約の効果

私法上の効果を生じる。なぜなら、訴外の合意である以上、私法の規律を受けるべきだからである。

訴訟における形成権行使の法的性質

私法上の権利行使と訴訟上の主張との二面性があるので、両者が並存するものと考える。

訴訟上の形成権行使が却下された場合の効果

行使者の合理的意思解釈から、訴訟上の効果が認められない場合は、私法上の効果も生じないと解する。

弁論主義の適用範囲

主要事実に限られると解する。間接事実や補助事実は証拠と同様の機能を有し、
裁判所の自由心証に委ねられるべきだからである。

規範的要件における主要事実

規範的要件そのものは、評価そのものであって、事実ではない。よって、それを基礎付ける具体的事実が主要事実である。

過失相殺と弁論主義

過失相殺を基礎付ける事実の主張は弁論主義の妥当領域であるが、過失相殺自体は公平の観点から、
当事者の主張が無くても裁判所が職権でなしうると考える。

公序良俗違反と弁論主義

弁論主義は妥当しないと考える。なぜなら、公序良俗違反は実体法上も当事者意思により変更できないからである。

自白における不利益な事実の意義

基準の明確性から、相手方に証明責任のある事実と考える。

間接事実・補助事実に対する自白

間接事実・補助事実は証拠と同様の機能を有し、裁判所の自由心証の領域であるから、自白は認められない。

公知の事実についての自白

裁判所に対する信頼を害するから、認められない。

権利自白

権利法律関係の判断は裁判所の専権であるから、否定すべきである。
もっとも、日常的な法律概念については、事実の主張と考えられるので、
それを基礎付ける事実について自白が成立する。

積極的釈明義務の範囲

釈明の趣旨は実質的公平を図る点にあるので、当事者間の能力差や事件の困難さ等を考慮して、
当然勝訴すべきものが敗訴するなど、公平を著しく損なうと認められる場合に限り認められる。

原告・被告間の主張共通と証拠共通は弁論主義に反しないか

弁論主義は当事者と裁判所の役割分担を定めたに過ぎないから、反しない。

経験則違背は上告理由になるか

法律審であるから原則としてできないが、あまりに非常識な経験則違背は自由心証の枠を逸脱するものとして、
上告理由(312UE)となる。

証明責任の分配基準

基準の明確性から、法律効果の発生を主張するものが、当該法令の要件事実の証明責任を負うと考える。

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