親族・相続

婚姻届の法的性質

法律婚主義の沿革から、婚姻の成立要件であると解する。

婚姻意思の必要な時期

婚姻届が成立要件である以上、届出時に必要である。

婚姻意思の意義

婚姻制度濫用防止の観点から、実質的な夫婦共同体創設意思をいうと解する。

届出時の婚姻意思・意思能力の喪失

届出が成立要件である以上、その時点で婚姻意思・意思能力を欠けば、婚姻は無効となる。
もっとも、法的安定性の観点から、届出の受理以前に相手方・戸籍事務員への反対意思の表示が無い限り、婚姻の無効を主張できないと解する。

無効な婚姻の追認の可否

当事者意思を尊重し、116条類推適用により届出時に遡って婚姻は有効となる。

離婚意思の意義

婚姻制度の濫用の問題は生じない以上、形式的に届出意思と解する。

有責配偶者からの離婚請求の棄却(770条2項)の肯否

裁判離婚制度の趣旨から、原則として棄却されるべきである。
もっとも、長期の空洞化した法律婚を維持することは不当である。
よって、長期の別居、未成熟な子の不存在が認められれば、相手方配偶者の状況が過酷となり社会正義に反するような特段の事情が無い限り、有責配偶者の離婚請求は棄却すべきでないと解する。

財産分与請求権に慰謝料を含むか

慰謝料も財産的請求である以上、含ませる事が可能と解する。

財産分与に対する詐害行為取消の可否

原則として行使上の一身専属権であるから、詐害取消の対象とはならない(424条2項)。
もっとも、財産分与の趣旨に照らして不相当に過大である場合は、実質的な財産処分として詐害取消の対象となりうる。

認知無効の訴えの性質

明確性画一性の観点から、形成訴訟と解する。

相続人が存在する場合の内縁配偶者の賃借権の援用の可否

内縁配偶者の生活基盤確保の必要性と、利用形態に変化無く賃貸人に不都合が無いという許容性から、内縁配偶者は相続人の賃借権を賃貸人に対して援用しうると解する。
そして、相続人からの明渡請求は、明渡しの必要性に乏しい相続人が、内縁配偶者の生活基盤を奪うものであり、権利濫用となる。

占有権の相続による承継の可否

被相続人の事実上の支配が相続人に移ると解される以上、特段の事情ない限り、占有の承継を肯定すべきである。

相続による占有承継に187条の適用はあるか

承継した前主の占有と自己固有の占有という二面性がある以上、187条は適用される。

相続による自主占有への転換の可否

相続自体は包括承継であって、「新たな権原」(185条後段)にはあたらない。
もっとも、客観的態様の変更が所有の意思の表示(同条前段)にあたる場合がある。

遺産分割協議の債務不履行解除の可否

遺産分割は協議成立により終了するから、不履行債務は遺産分割とは別個の権利関係である。
よって、遺産分割自体を541条により解除する事はできない。

遺産分割協議の合意解除の可否

共同相続人全員の合意がある以上、私的自治の観点から可能である。

相続回復請求権の法的性格

法が時効のみ規定している以上、相続財産についての個々の権利の集合体と解する。
よって、884条の趣旨は、一括して消滅時効にかからしめることで、法的安定性を図る点にある。

相続人間における884条適用の可否

持分超過分については、相続人であっても相続侵害をなしうる以上、適用は否定されない。
もっとも、自らに相続権があると信じるに足りる合理的事由が無い場合は、時効を主張できない。

法定相続分と登記

遺産分割までは第三者出現余地は少なく、登記具備を要求するのは酷であるから、登記は不要である。

相続分指定と登記

遺産分割までは第三者出現余地は少なく、登記具備を要求するのは酷であるから、登記は不要である。

相続放棄と登記

放棄の有無は裁判所で確認でき、短期の期間制限(915条1項)があって第三者出現余地が少ないから、登記は不要である。

遺産分割と登記

遺産分割後は権利が確定し、第三者との取引が想定される反面、登記を要求しても酷ではないから、登記を要する。

遺贈と登記

遺贈は相続財産の移転である以上、登記を要する。

「相続させる」旨の遺言

特定相続財産を特定相続人に早期に帰属させたいとする被相続人の意思を尊重して、登記を要しないと解する。

無権代理と相続

当然に有権代理とすると相手方取消権を一方的に奪うなど、柔軟な結論を導けない。
そこで、無権代理人の地位と本人の地位が並存すると解する。

無権代理人による本人相続

自ら無権代理行為をした以上、追認拒絶権は信義則上行使できない。

本人による無権代理人相続

自らは無権代理行為をしていないから、追認拒絶を妨げられない。
この場合、相手方が117条の履行請求をしたとしても、特定物の引渡しについては拒絶できる。
相手方に相続による期待以上の利益を与えるべきではないからである。

無権代理人の地位の共同相続(追認権の単独行使の可否)

追認権は不可分であるから、単独行使は出来ない。
よって、共同相続人全員の追認によって初めて無権代理行為は有効となる。

戻る