平成18年度新試短答公法系第12問解説

【問題】

内閣及び内閣総理大臣に関する次のアからエまでの各記述について,それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。

ア. 憲法は,内閣総理大臣が欠けたときは,内閣は総辞職をしなければならないと定めているが,ここにいう「欠けた」とは,死亡や国会議員たる資格の喪失などを意味し,病気や一時的な生死不明は含まない。

イ. 最高裁判所の判例によれば,内閣総理大臣は,少なくとも内閣の明示の意思に反しない限り,行政各部に対し,随時その所掌事務について一定の方向で処理するよう指導,助言等の指示を与える権限を有する。

ウ. 閣議の決定は,慣例上全員一致でなければならないとされているから,一部の大臣が閣議の決定に参加せず,あくまでもその決定に反対であった場合には,内閣は総辞職しなければならない。

エ. 内閣総理大臣は,内閣を代表して議案を国会に提出し,国務を総理するほか,外交関係について国会に報告することを職務とするが,外交関係の処理と条約の締結は内閣が行うべき事務である。

【解説】

アについて

正しい。
病気や一時的な生死不明については、復帰の可能性があるからである。

イについて

本肢はロッキード事件丸紅ルート最高裁判決の判示部分であり、正しい。
憲法よりも刑法各論の知識として知っていた人も多いだろう。

ウについて

閣議決定は全一致の慣行がある。
しかし、反対の大臣がいたからといって、内閣が総辞職することにはならない。
憲法上、内閣が総辞職しなければならないのは、69条(不信任)・70条(欠缺・新国会召集)の場合だけである。
よって、誤り。

エについて

72条・73条と本肢を見比べて欲しい。
国務の総理の部分が誤っている。
なかなか悪質な引っ掛けである。

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