平成18年度新試短答公法系第13問解説

【問題】

次のアからウまでの各記述について,正しいものに○,誤っているものに×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。

ア. 憲法第26条第2項前段は,国民は,「その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ」と定めている。この点,親権者には教育の自由があるから,親権者は,その保護する子女に受けさせる教育内容を決めることができ,子女に学校教育法による普通教育の代わりに,自ら自
由に定めた内容による9年間の教育を受けさせることによっても,憲法第26条第2項前段の義務を果たしたことになる。

イ. 憲法第27条第1項は,勤労の義務を定めている。憲法第18条は,「犯罪に因る処罰の場合を除いては,その意に反する苦役に服させられない」と定めているから,国は,犯罪による処罰の場合を除き,国民に「苦役」に当たる労働を強制することはできないが,苦役に当たらない程度のものであれば,犯罪による処罰の場合以外であっても,憲法第27条第1項を根拠として国民に勤労を強制することができる。

ウ. 憲法第30条は,納税の義務を定めている。同条は,その主体について,「国民は」と規定しているが,この「国民」には内国法人(国内に本店又は主たる事務所を有する法人)も含まれる。また,法律をもってすれば,日本国内に居住する外国人及び外国法人(内国法人以外の法人)に対しても納税の義務を課すことができる。

1. ア○ イ○ ウ○   2. ア○ イ○ ウ×   3. ア○ イ× ウ○
4. ア○ イ× ウ×    5. ア× イ○ ウ○   6. ア× イ○ ウ×
7. ア× イ× ウ○    8. ア× イ× ウ×

【解説】

形式面について

肢の組み合わせにはなっている。
しかし、全ての組み合わせが肢にされているので、個別正誤問題と実質は変わらない。

アについて

常識的に考えておかしいとわかるだろう。
確かに、憲法上、普通教育の意義につき何ら規定が無い。
しかし、普通教育とは、学校教育法上の義務教育を指すと解されているから、本肢は誤りである。

イについて

勤労の義務は、「働かないものには、生活保護をしなくていい」という限度の意味しかないとされている。
よって、憲法第27条第1項を根拠として国民に勤労を強制することができるとする本肢は誤りである。

ウについて

事前に知っていた、という人は少ないだろう。
よくわからないけど、まあ正しいだろう、という感覚で判断するところだと思う。
ある国の法律によって、他国の者が課税されるのは、「代表無ければ課税なし」の思想に反するようにも思えるが、国際慣習上、認められている。
よって、正しい。

以上から、正解は7である。

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