平成18年度新試短答公法系第25問解説

【問題】

行政上の法律関係における権利濫用禁止の原則,信義誠実の原則,信頼関係の法理等の一般的な
法原理の適用に関する次のアからウまでの各記述について,最高裁判所の判例に照らして,正しい
ものに○,誤っているものに×を付した場合の組合せを,後記1から8までの中から選びなさい。

ア. 私人がその権利を濫用する場面には権利濫用禁止の原則が適用されるが,国又は地方公共団
体の行為が問題となったケースについて,権利の濫用ないし行政権の濫用を理由として違法と
認定されることはない。

イ. 信義誠実の原則及び信頼保護の原則は行政上の法律関係にも適用される場合があるが,課税
関係においては,租税法律主義の厳格な適用による納税者間の平等を犠牲にしてもなお納税者
の信頼を保護しなければならない特別の事情がない場合には信頼保護の要請は劣後する。

ウ. 公営住宅法及びこれに基づく条例の規定によれば,公営住宅の事業主体は,公営住宅の入居
者を決定するに際しては入居者を選択する自由は認められていないと解されるので,入居後に
おける入居者と事業主体との間の公営住宅の使用関係について,賃貸借契約関係における信頼
関係の法理の適用はない。

1. ア○ イ○ ウ○   2. ア○ イ○ ウ×   3. ア○ イ× ウ○
4. ア○ イ× ウ×    5. ア× イ○ ウ○   6. ア× イ○ ウ×
7. ア× イ× ウ○    8. ア× イ× ウ×

【解説】

アについて

判例の知識など無くても、誤りに決まってると思うだろうし、実際に誤りである。
判例としては、余目町個室付浴場事件判決がある。
なお、「余目」は「あまるめ」と読む。

イについて

最判昭62・10・30参照
正しい。

ウについて

公営住宅明渡事件判例参照。
判例は、公営住宅法及びこれに基づく条例を特別法とする。
そして、特別の規定がない場合は、一般法たる民法・借地借家法の規律に従う。
その上で、信頼関係の法理の適用があるとした。
もっとも、事案の解決としては、信頼関係を破壊するとは認め難い特段の事情があるということはできないと認定した。

以上から、本肢は誤りである。

以上から、正解は6となる。

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