平成18年度新試短答公法系第38問解説

【問題】

 次の文章は,在外日本人選挙権剥奪違法確認等請求事件に関し,衆議院小選挙区選出議員の選挙
及び参議院選挙区選出議員の選挙において選挙権を行使する権利を有することの確認を求める訴え
の適法性について判断した最高裁判所平成17年9月14日大法廷判決の一部分を抜き出したもの
である。後記語群から適切な言葉を選択して空欄ア,イ,ウに入れて文章を完成させる場合の正し
い組合せを,後記1から6までの中から選びなさい。

「本件の確認請求に係る訴えは,[ア]のうち[イ]と解することができるところ,その内容を
みると,公職選挙法附則第8項につき所要の改正がされないと,在外国民である上告人らが,今
後直近に実施されることになる衆議院議員の総選挙における小選挙区選出議員の選挙及び参議院
議員の通常選挙における選挙区選出議員の選挙において投票をすることができず,選挙権を行使
する権利を侵害されることになるので,そのような事態になることを防止するために,同上告人
らが,同項が違憲無効であるとして,当該各選挙につき選挙権を行使する権利を有することの確
認をあらかじめ求める訴えであると解することができる。
 選挙権は,これを行使することができなければ意味がないものといわざるを得ず,侵害を受け
た後に争うことによっては権利行使の実質を回復することができない性質のものであるから,そ
の権利の重要性にかんがみると,[ウ]選挙につき選挙権を行使する権利の有無につき争いがある
場合にこれを有することの確認を求める訴えについては,それが有効適切な手段であると認めら
れる限り,確認の利益を肯定すべきものである。そして,本件の確認請求に係る訴えは,[イ]と
して,上記の内容に照らし,確認の利益を肯定することができるものに当たるというべきである。」

【語群】

a. 無名抗告訴訟  b. 民衆訴訟  c. 公法上の当事者訴訟
d. 公職選挙法上の選挙訴訟  e. 不作為の違法確認の訴え
f. 公法上の法律関係に関する確認の訴え  g. 過去の  h. 具体的な
i. 特定の種類の

1. a f g     2. b d g     3. b d i     4. c e h
5. c f h     6. c f g

【解説】

ア・イについて

それぞれ、cとfが入る(行政事件訴訟法4条)。

ウについて

入りうるのはghiのいずれかであるである。
「後に争うことによっては権利行使の実質を回復することができない性質」という記述がある。
これは、事前に確認しておかないと手遅れになるということを言っている。
これは、将来の個々具体的な選挙のことを念頭に置いた理由付けである。
よって、hが入る。

よって、正解は5となる。

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