平成18年度新試短答民事系第2問解説

【問題】

事務管理に関する次の1から5までの記述のうち,誤っているものを2個選びなさい。

1. 隣家の垣根を直して自分の家の防犯も図るという場合にも,他人のためにする意思があると
認められる。

2. 車にひかれそうになった人を突き飛ばして助けたが,その人の高価な着物が汚損した場合,
着物について損害賠償をする必要はない。

3. 管理者は,自己の財産に対するのと同一の注意をもって管理に当たらなければならない。

4. 台風が来て倒れた隣家の垣根を直したが,隣家はその垣根を近くブロック塀にする予定だっ
たという場合,修理箇所が翌週の別の台風でまた倒壊したときは,修理費用の償還請求はでき
なくなる。

5. 親が,法律上定められた親の権限に基づいて,法定代理人として子の事務を行う場合にも,
事務管理は成立する。

【解説】

1について

正しい。
自己のための意思と並存しても良いからである。

2について

緊急事務管理(698条)にあたる。
ここにいう悪意・重過失とは、ほとんど故意に近い場合をいうので、本肢の場合はこれにあたらない。
よって、本肢は正しい。

3について

誤り(698条反対解釈)。

4について

正しい(702条3項)。

5について

親権の行使は義務でもある(820条)。
よって、「義務なく」にあたらない。
ゆえに、本肢は誤りである。

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