平成18年度新試短答民事系第3問解説

【問題】

使用者責任に関する次の1から5までの記述のうち,判例の趣旨に照らし誤っているものはどれ
か。

1. 被用者の加害行為が使用者の事業の執行についてされたものであることは,被害者が証明す
る必要があるが,これはその加害行為が外形からしてあたかも被用者の職務の範囲内とみられ
る場合を含む。

2. 使用者は,被用者の選任及び監督について相当の注意をしたことを証明した場合,責任を免
れる。

3. 使用者は,被用者の加害行為が被用者の職務権限内で適法に行われたものでないこと及び加
害行為時に被害者がそのことを知っていたか,知らないことに過失があったことを証明すれば,
責任を免れる。

4. 被用者の加害行為に先立って使用者から代理監督者に監督権限が授与されたことを被害者が
証明した場合であっても,代理監督者は,被用者の選任及び監督について相当の注意をしたこ
とを証明すれば,責任を免れる。

5. 責任を負った使用者又は代理監督者は,被用者に対して求償し得るが,被用者がこの求償権
を信義則上制限すべきことを基礎付ける事実を証明すれば,この求償権は制限される。

【解説】

1について

正しい(最判昭40・11・30)。

2について

正しい(715条1項ただし書)。

3について

誤り。
過失ではなく、重過失である(最判昭42・11・02

4について

正しい(715条2項・1項ただし書)。

5について

最判昭51・7・8
この求償制限は抗弁事由である。
よって、正しい。

戻る