【問題】
物権に関する次の1から5までの記述のうち,正しいものを2個選びなさい。
1. 用益物権は,不動産にのみ成立する。
2. 法定の担保物権は存在するが,法定の用益物権は存在しない。
3. 対抗要件を備える必要がない物権の場合には,時間的に先に成立した物権が優先する。
4. 物権法定主義の要請により,法律に規定された登記や引渡し以外には,物権変動の対抗要件
は認められない。5. 法律や判例には,物の集合体に1個の物権を認めるものがある。
【解説】
1について
用益物権には、地上権、永小作権、地役権、入会権がある。
いずれも性質上不動産にしか成立し得ない。
よって、正しい。
2について
法定地上権は法定用益物権である。
よって、誤り。
3について
対抗要件不要の物権については、別途優先順位を定める規定がある(329条、330条等)。
時間優先ではない。
よって、誤り。
4について
慣習上の対抗要件として、明認方法がある。
よって、誤り。
5について
企業担保法上の企業担保権や、集合物譲渡担保権(最判昭62・11・10)がある。
よって、正しい。