平成18年度新試短答民事系第14問解説

【問題】

 Aがその所有するギター(以下「甲」という。)をBに貸していたところ,無職のCが金に困って
Bから甲を盗み,自分の物だと称して友人のDに売却した。Dは,甲がCの所有物だと過失なく信
じて,その引渡しを受けた。この事例についての次のアからオまでの記述のうち,誤っているもの
を組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。

ア. Aは,CD間の売買契約を追認すれば,Dに代金を請求することができる。

イ. 甲を盗まれたのはBであるから,Aは,Dに甲の返還を請求することができない。

ウ. Bは,盗まれた時から2年以内であれば,Dに甲を無償で返還するよう請求することができ
る。

エ. Cが未成年者で,Cの親権者がCD間の売買契約を取り消せば,たとえDが甲を買い受けて
から2年が過ぎていても,Dは,甲の所有権を取得することができない。

オ. Bが盗まれた時から2年間は,Dは,甲の所有権を取得することができない。

1. アイ  2. アウ  3. イエ  4. ウオ  5. エオ

【解説】

アについて

誤り。
CはAを無権代理したわけではなく、AD間に何ら契約関係は無いからである。

イについて

誤り。
Aは間接占有者として、「被害者」(193条)にあたる。

ウについて

正しい。
194条の適用される場合ではないからである。

エについて

正しい。
192条は取引行為の有効性を前提とするからである。

オについて

取得者帰属説が通説であるが、大判大10・7・8は原所有者帰属説に立つ。
よって、2年間は依然Aが所有者である。
正しい。

以上から、正解は1となる。

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