平成18年度新試短答民事系第16問解説

【問題】

 甲動産を所有するAが,これをBに売り,さらにBがCに譲渡したが,AがBから代金の支払を
受けていない場合の法律関係に関する次のアからオまでの記述のうち,判例の趣旨に照らし誤って
いるものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。

ア. Aは,甲動産を占有する場合,Cからの甲動産の引渡請求に対し留置権を行使することがで
きる。

イ. 甲動産がAからBへ,さらにBからCへ売買により引き渡された場合,Aは,動産売買先取
特権の行使として,甲動産を差し押さえることができる。

ウ. BからCへの甲動産の譲渡が売買に基づくものである場合,Bに対して破産手続開始の決定
がされたときであっても,Aは,動産売買先取特権の行使として,BのCに対する代金債権を
差し押さえることができる。

エ. A・B間の売買契約において,甲動産の所有権はBがAに代金を完済した時にBへ移転する
旨が定められていた場合,Aは,甲動産をBがCに転売することに協力していたときであって
も,Bに代金を支払って甲動産の引渡しを受けたCに対し,所有権に基づき甲動産の返還を請
求することができる。

オ. BからCへの譲渡がCの有する債権を担保するためのものである場合,甲動産がAからBに
現実に引き渡され,さらにBからCに占有改定がされたときは,Aは,動産売買先取特権の行
使として,甲動産を差し押さえることができない。

1. アウ  2. アエ  3. イエ  4. イオ  5. ウオ

【解説】

アについて

既に成立した留置権は、第三者に対抗できる。
よって、正しい。

イについて

誤り(333条)。

ウについて

正しい(最判昭59・2・2)。

エについて

誤り(最判昭50・2・28)。

オについて

正しい(最判昭62・11・10)。

以上から、正解は3となる。

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