平成18年度新試短答民事系第21問解説

【問題】

消滅時効に関する次の1から5までの記述のうち,正しいものを2個選びなさい。

1. AのBに対する売買代金債権について時効期間が経過した後,Bが当該代金債務を承認した
場合であっても,その債務を被担保債権とする抵当権を設定した物上保証人Cは,その債務に
ついて消滅時効を援用することができる。

2. AのBに対する債権について,連帯保証人Cが時効期間の経過前にAに対して承認したとき
は,時効中断の効力は主債務者Bに対しても及ぶ。

3. 商行為によって生じた債権で履行遅滞になったものについて,債務者が分割弁済をする旨の
民事調停が成立したときは,当該債権の時効期間は10年となる。

4. 時効の完成後に,そのことに気付かないで債務を弁済した債務者は,債権者に対して,弁済
金を不当利得として返還請求することができる。

5. AがBから土地を買い受け,所有権移転登記をしないまま20年が経過してから,AがBに
対して所有権に基づき移転登記手続を請求した場合,Bは,その登記請求権の消滅時効を援用
することができる。

【解説】

1について

「時効の利益の放棄の効果は相対的であり、被担保債権の消滅時効完成の利益を債務者が放棄しても、その効果は物上保証人・・・に影響を及ぼすものではない」(最判昭42・10・27
よって、正しい。

2について

承認は絶対効発生事由ではない(458条・434〜440条参照)。
よって、誤り。

3について

正しい(174条の2第1項)。

4について

誤り。
最判昭41・4・20
時効完成後の弁済は、時効完成後の債務承認と考えられる。

5について

登記請求権は時効消滅しない(167条2項「所有権以外」)。
よって、誤り。

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