平成18年度新試短答民事系第22問解説

【問題】

 AがBに対して100万円の甲借入金債務と200万円の乙借入金債務を負っている場合におけ
る弁済充当に関する次の1から5までの記述のうち,正しいものはどれか。

1. 両債務とも利息付きの場合,Aは,Bに対して50万円を支払うと同時に,これを乙債務の
元本の弁済に充当することを指定することができる。

2. AがBに100万円を支払ったが,弁済の充当指定をしなかったので,Bが受領の時にこれ
を甲債務の弁済に充当する旨をAに告げた場合,Aは,直ちに異議を述べて,乙債務の弁済に
充当することを指定することができる。

3. 両債務とも無利息であり,甲債務の弁済期が到来しており,乙債務の弁済期が未到来の場合,
Aは,Bに100万円を支払うと同時に,これを乙債務の弁済に充当することを指定すること
ができる。

4. 甲債務の弁済期が到来し,乙債務の弁済期が未到来の場合,AがBに150万円を支払った
が,ABともに弁済の充当指定をしなかったときは,甲債務が無利息,乙債務が利息付きであ
れば,150万円全額が乙債務の弁済に充当される。

5. 両債務とも無利息で弁済期の定めがないが,甲債務が乙債務より先に成立した場合,AがB
に150万円を支払ったが,ABともに弁済の充当指定をしなかったときは,50万円が甲債
務の弁済に,100万円が乙債務の弁済に充当される。

【解説】

1について

誤り(491条1項)。

2について

488条2項ただし書の異議を述べた場合、法定充当(489条)に移行する。
債務者がさらに指定をすることはできない。
よって、誤り。

3について

正しい(488条1項)。

4について

誤り(489条1号)。

5について

一見債務者の弁済の利益(489条2号)に差が無いように見える。
しかし、先に消滅時効が成立するのは甲債務である。
乙債務を弁済した方が債務者に有利である。
よって、全額乙債務に充当される。
従って、本肢は誤りである。

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