平成18年度新試短答民事系第23問解説

【問題】

 第三者のためにする契約に関する次のアからオまでの記述のうち,正しいものを組み合わせたも
のは,後記1から5までのうちどれか。

ア. Aが宝石をBに売り,その代金をBがCに支払うとの契約を締結し,Cが受益の意思表示を
した場合,BがAの詐欺を理由にこの契約を取り消しても,CがAの詐欺について善意無過失
であるときは,Bは,詐欺取消しをCに対抗することはできない。

イ. Aが宝石をBに売り,その代金をBがCに支払うとの契約を締結し,Cが受益の意思表示を
した場合,Aが宝石をBに引き渡したが,Bが代金をCに支払わないときは,CはBに対して
代金を自己に支払うよう請求することができるが,AもBに対して代金をCに支払うよう請求
することができる。

ウ. Aが宝石をBに売り,代金は,AがDと連帯してCに対して負っている借入金債務を弁済す
るため,BがCに支払うとの契約を締結した場合,既にDがCに対する債務を弁済していたと
きは,Cが受益の意思表示をした後であっても,Aは,Bとの契約を合意解除することができ
る。

エ. Aが宝石をBに売り,代金の支払に代えて,BがCに対して有する債権を放棄するとの契約
を締結した場合,判例によると,Cが受益の意思表示をすれば,BのCに対する債務免除の意
思表示を要せずに,Cの債務は消滅する。

オ. Aが自動車をBから買い,その自動車をBからCに引き渡すとの契約を締結した場合,Cが
引渡しを受けた当該自動車に隠れた瑕疵があったときは,Cは,AB間の売買契約を解除する
ことができる。

1. アイ  2. アウ  3. イエ  4. ウオ  5. エオ

【解説】

アについて

受益者C「第三者」(96条3項)にはあたらない。
また、詐欺取消は、538条に関わらずすることができる。
よって、誤りである。

イについて

正しい。
要約者Aも契約上履行を請求できるからである。

ウについて

誤り(538条)。

エについて

正しい。
債務免除は単独行為だからである。

オについて

誤り。
受益者は契約当事者ではなく、解除権は有しないからである。

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