平成18年度新試短答民事系第25問解説

【問題】

表見代理についての民法の規定に関する次のアからオまでの記述のうち,判例の趣旨に照らし誤
っているものを組み合わせたものは,後記1から5までのうちどれか。

ア. 代理権消滅後の表見代理の規定は,法定代理に適用することはできない。

イ. 権限外の行為の表見代理の規定は,本人から一定の代理権を授与された者が本人自身である
と称して権限外の法律行為をした場合に類推適用することができる。

ウ. 権限外の行為の表見代理の規定は,公法上の行為を委託された場合であっても,それが私法
上の契約による義務の履行のためのものであるときは,適用することができる。

エ. 第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は,その他人が代理権を与えられてい
ないことを当該第三者が知り又は過失により知らなかったことを証明して,表見代理の責任を
免れることができる。

オ. 権限外の行為の表見代理の規定は,自己の利益を図るためにその権限を行使した場合にも適
用することができる。

1. アイ  2. アオ  3. イウ  4. ウエ  5. エオ

【解説】

アについて

法定代理にも適用がある。
相手方保護の必要性は変わらないからである。
よって、誤り。

イについて

正しい(最判昭44・12・19)。

ウについて

正しい(最判46・6・3

エについて

悪意・有過失はただし書で規定されており、表見代理の成立を阻止する側に立証責任がある。
よって、正しい。

オについて

代理権濫用につき、判例は93条ただし書を類推適用する(最判42・4・20)。
従って、110条の適用はない。
よって、誤り。

以上から、正解は2となる。

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