平成18年度新試短答民事系第27問解説

【問題】

債務の弁済に関する次のアからオまでの記述のうち,誤っているものを組み合わせたものは,後
記1から5までのうちどれか。

ア. 弁済を受領した者は,弁済した者に対し受取証書を交付する義務があるが,その交付は,弁
済と同時履行の関係に立つ。

イ. 売主が,売買目的物の引渡しの提供をした上,相当期間を定めて代金の支払を催告した場合,
催告期間の経過後,解除権行使前に,買主から弁済の提供を受けたとしても,売主は,これを
拒絶して解除権を行使することができる。

ウ. 持参債務の債権者が履行期前に遠方に転居した場合,目的物の運送費は債務者の負担となる。

エ. 売買契約の履行期に買主が履行場所に代金を持参すれば,売主が来なかったために代金を支
払うことができなくても,現実の提供があったと認められる。

オ. 特定物の引渡しを目的とする債務が履行不能によって損害賠償債務に変わった場合,債権者
の現在の住所において弁済しなければならない。

1. アイ  2. アオ  3. イウ  4. ウエ  5. エオ

【解説】

アについて

受取証書の交付(486条)は、弁済と同時履行である。
後履行とすると、交付を不当拒絶されると、弁済立証が困難となり、不公平だからである。
よって、正しい。

イについて

弁済提供がある以上、もはや解除はできない。
催告とは、そのような弁済を促すものだからである。
よって、誤り。

ウについて

誤り(485条ただし書)。

エについて

正しい。
債務者の協力があれば、履行できる状態であるといえるからである。

オについて

正しい。
「その他の弁済」(484条後段)となるからである。

以上から、正解は3となる。

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