平成18年度新試短答民事系第29問解説

【問題】

XがYに対し履行遅滞に基づく損害賠償を求める訴えを提起した。この場合の主張立証に関する
次の1から5までの記述のうち,誤っているものを2個選びなさい。

1. 履行期にYが債務の履行をしなかったことをXが主張立証する必要はないとの見解に立つ場
合,履行期に債務の履行をしたとのYの主張は,Xの主張に対する否認となる。

2. 債務の履行は可能であることが常態であるから,履行遅滞に基づく損害賠償請求訴訟では,
履行期に履行が可能であったことをXが主張立証する必要はなく,履行期に履行不能であった
ことをYが主張立証しなければならない。

3. 売買代金の履行遅滞に基づく損害賠償請求において,同時履行の抗弁権が存在することが遅
滞の違法性を阻却するとの見解に立つ場合,Xが請求原因事実として自己の債務の履行又は履
行の提供を主張立証しなければならない。

4. 貸金債権の履行遅滞に基づく損害賠償請求において,Yは,履行遅滞が自己の責めに帰すべ
き事由に基づかないことを主張立証したときは,その責任を免れる。

5. Xが,売買代金の履行遅滞に基づき履行期の翌日から年5分の割合による損害賠償を求める
場合,損害の発生とその数額を主張立証する必要はない。

【解説】

1について

Yが主張立証責任を負うのだから抗弁となる。
誤り。

2について

正しい。
履行が不能であることは、例外事由に属するからである。

3について

存在効果説からは、Yは同時履行の抗弁の主張立証を要しない。
従って、自己の債務の履行又は履行の提供は、請求原因事実としてXが主張立証しなければならなくなる。
よって、正しい。

4について

誤り(419条3項)。

5について

正しい(419条1項2項、404条)。

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