平成18年度新試短答民事系第32〜36問解説

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【第32問】

1について

正しい(120条1項、121条1項本文)。

2について

誤り。
錯誤無効は表意者保護の制度であり、相手方から主張することはできない。

3について

誤り。
詐欺者には催告権はない。
保護の必要が無いからである。

4について

誤り。
差押債権者は、差押えにより新たに法律上の利害関係を持った者。
従って、「第三者」(94条2項)にあたる。
よって、仮装買主が虚偽表示を立証しても、第三者性の抗弁により覆されうる。

5について

誤り。
即時取得されてしまうからである。

【第33問】

1について

誤り。
本人が追認拒絶した以上、効果不帰属に確定するとするのが判例である。

2について

正しい。
追認権は不可分的に帰属し、共同でなければ行使し得ないとするのが判例である。
その結果、誰かが反対すれば、有効にはならないことになる。

3について

正しい。
本人には何ら非がないからである。

4について

正しい。
無権代理人の責任も、相続により包括承継されるからである。

5について

誤り。
無権代理人を相続した者が、本人を相続した場合、無権代理人の本人相続と同じに扱うのが判例である。
よって、追認拒絶できない。

全体について

無権代理と相続については、判例の結論は、覚えるしかない部分がある。
一つの論理で説明するのが難しいからである。

【第34問】

この問題は、条文抜きで考えた方が理解しやすい。

まず、分配の基礎となる価額を確定する。
1億円とは、10000万円のことである。
生前Cに贈与された1000万円は、本来相続分に含まれる筋合いと考えられるので、
これを、加算する。
そうすると、11000万円になる。

また、Gには1000万円の遺贈がなされており、相続財産から逸出している。
そうすると、1000万円相続財産が減ることになりそうだ。
しかし、これも本来相続で分配される筋合いのものである。
従って、逸出していないものとして考える。

さらに、Fの寄与分については、相続財産から別に2000万円確保して与えるべきである。
そのため、11000万円から、2000万円を差し引く。
これで、9000万円が確定する。

後は、相続分に従って分配する。
相続分は、配偶者と子のケースなので、配偶者:子=2:1となる。

そうすると、まずEの相続分が4500万円に確定する。
そして、残りの子は一人当たり、1125万円という計算になるが、
CとGは先に1000万円もらっているので、1000万円を差し引いた125万円が相続分となる。
また、Fは2000万円余分にもらえるので、3125万円となる。
最後に、Dはそのまま1125万円となる。

よって、正解は3となる。

【第35問】

アについて

誤り。
母の氏を称する(790条2項)。
母子関係の明確性からである。

イについて

誤り。
766条があるので、正しいとも思える。
しかし、「定めなければならない」とされているのは、親権者のみである(819条1項)。
監護権は通常親権者が行使する(820条)からかもしれない。

ウについて

正しい(819条4項、788条・766条)。

エについて

正しい(797条2項)。

以上から、正解は1となる。

【第36問】

アについて

正しい(商号単一の原則)。
営業と商号とを1対1対応させるためである。

イについて

誤り(商法11条2項)。
なお、会社においては、登記義務がある(会社法911条3項2号等)。

ウについて

正しい(会社法7条)。
財産帰属等の法形式の誤認防止のためである。

エについて

正しい(商法14条、会社法9条)。
悪意者は「誤認」したとはいえないからである。

オについて

誤り(商法17条1項)。
「譲り受けた財産の限度」という限定は、ないのである。

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