最新民事判例

最判平成19年03月30日

【事案】

 上告人と被上告人とは,平成12年10月2日に婚姻の届出をした夫婦である。上告人は,平成13年7月16日から現在まで被上告人と別居しているが,同年10月3日には被上告人の子である長男を出産し,単独でその監護に当たっている。
 本件訴訟において,上告人は,本訴として,被上告人に対し,離婚を請求するとともに,平成14年10月から長男が成年に達する日の属する月までの間の長男の養育費,すなわち監護費用の分担の申立てなどをし,被上告人は,反訴として,上告人に対し,離婚等を請求した。
 第1審は,本訴及び反訴の各離婚請求をいずれも認容して長男の親権者を上告人と定めるなどしたほか,被上告人の支払うべき監護費用の分担額について,長男が出生した平成13年10月から第1審口頭弁論終結時の前月である平成16年11月までの間の未払監護費用の合計を150万円と定めるとともに,平成16年12月から長男が成年に達する日の属する月まで1か月8万円と定め,これらの支払を命じた。
 これに対し,被上告人は,監護費用分担の申立てなどに関する第1審の判断に不服があるとして控訴した。なお,第1審判決中の離婚及び親権者の指定に関する部分に対しては,不服申立てがされなかった。
 原審は,離婚の効力が生ずる原判決確定の日から長男が成年に達する日までの間における監護費用については,その分担額を1か月8万円と定め,被上告人に対しその支払を命じたが,平成14年10月から離婚の効力が生ずるまでの間における長男の監護費用分担の申立て(以下「本件申立て」という。)については,離婚の訴えに附帯してそのような申立てをすることができないから不適法であるとし,第1審判決を変更して本件申立てを却下した。

【判旨】

 離婚の訴えにおいて,別居後単独で子の監護に当たっている当事者から他方の当事者に対し,別居後離婚までの期間における子の監護費用の支払を求める旨の申立てがあった場合には,民法771条,766条1項が類推適用されるものと解するのが相当である(最高裁平成7年(オ)第1933号同9年4月10日第一小法廷判決・民集51巻4号1972頁参照)。そうすると,当該申立ては,人事訴訟法32条1項所定の子の監護に関する処分を求める申立てとして適法なものであるということができるから,裁判所は,離婚請求を認容する際には,当該申立ての当否について審理判断しなければならないものというべきである。

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